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2009年08月04日

【好きを極める】「才能を引き出すエレメントの法則」ケン・ロビンソン&ルー・アロニカ (著), 金森 重樹 (監修)




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、著者さんは存じ上げなかったのですが、監修に金森重樹さんのお名前を見て、即買いした1冊。

金森さんと言えば、多くの名著の復刊に携わり、その目利きとしてのセンスはピカイチな方。

しかも装丁が、あの名著『自分の小さな「箱」から脱出する方法』(これも金森さん監修)路線となれば、買わないわけには参りません。

果たしてその内容は、私にとっては納得のいくものでした!


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【目次】

1章 エレメント
▼問題児から世界的な振付師になったギリアン・リン
▼人生を好きなことに賭けた『ザ・シンプソンズ』の作者
▼経済学者ポール・サミュエルソンが天職に出合った瞬間

2章 考え方を変える
▼才能はさまざまな形で現われる――ミック・フリートウッド
▼並はずれた運動能力を生かしたバート・コナー
▼IQテストの恐ろしさ

3章 想像力を超える
▼五人の創造力――トラベリング・ウィルビリーズの奇跡
▼ファインマン博士と空飛ぶ皿

4章 ゾーン
▼試合はいつも特別な瞬間――イファ・ローレンス
▼ゾーン体験とは?
▼マインドマップ
▼箱からの脱出

5章 同族を探そう
▼周囲に特別な人たちがいたから――メグ・ライアン
▼巨人の肩に乗ったボブ・ディラン
▼リンカーンと四人の閣僚

6章 障害を乗り越える
▼社会的サークルから脱出した作家パウロ・コエーリョ
▼内なる不安に勝った女性ジャーナリスト、アリアンナ
▼生まれた土地から離れて――世界的建築家ハディド

7章 あなたは運がいいか?
▼幸運か、不運か――ロビンスとワイズマンの実験
▼目にしたチャンスは逃さない――ヴィダル・サスーン

8章 メンターとの出会い
▼私の人生を変えた指導者
▼メンターの四つの役割

9章 遅すぎることはない
▼四十代で目覚めたセルフ・ヘルプの女王
▼人生後半で偉業を成し遂げた人たち

10章 情熱か生活のための仕事か
▼プロとアマチュア
▼エレメントがもたらす変化

11章 成績と点数
▼学校からの脱出――ヴァージン創業者リチャード・ブランソン
▼基本的教育に生かすエレメントの原則

監修者あとがき――僕の啓示体験


【ポイント】

■エレメントとは何か?

 エレメントとは、生まれ持った才能と情熱の合致点である。本章に登場した人々や、これから咲紀のページで述べる多くの人々に共通するのは、彼らが好きな仕事をしていること、しかもそのことで純粋に自分らしさを感じているということだ。彼らはその仕事によって、時間の進む速度が人によって異なる事を知り、ほかのどんなときよりも生き生きとして集中力があり、エネルギーに満ちていることを知っている。


■幸運をとらえる態度

 私たちの基本的な態度に関する興味ある指標がある。それは、私たちが人生の中で、幸運というものをどうとらえるかということである。
 好きなことを職業にしている人の多くは、自分たちは運が良かったという。(中略)

成功者にはしばしば、忍耐力や自信、楽天性、野望、欲求不満のような共通点がみられる。私たちが周囲の環境をどう受けとめるか、いかに創造性を発揮してチャンスをとらえるかは、自分自身に何を期待するかに大きく依存しているのである。


■知能の持つ特徴の1つ「ダイナミズム」

 アインシュタインは、知能の発達や創造性が、知能の持つダイナミズムから生まれることを知っていたのではないだろうか。発達は、物事と物事の違いでなく、物事同士がいかにつながっているかを考えること、つまり類似性を探ることから生まれる。本書に登場する啓示物語の主人公の多くも、突然すべてが明白になるひらめきの瞬間を、ある出来事と出来事、アイデアとアイデア、そして環境と環境との新しいつながりを知ったときに感じている。


■リドリー・スコットの映画の特徴の源は絵画の勉強にあった

「私はいつも美しく撮りすぎるとか、あまりにも美化しすぎるとか、これをやりすぎだ、あれをやりすぎだ、と批判されました。私はしだいに、それは私の強みだと思うようになったのです。最初の作品『デュエリスト』は、美化しすぎだと非難されました。(中略)
ナポレオン時代に最高の写真家がいたとすれば、それは画家だったはずです。それで、ロシアの画家が描いたロシア戦線に向かう悲劇のナポレオンを調べました。その絵には、まさに写真のように正確に、19世紀の偉大な思想がたくさん描きこまれていました。私はそれを全部いただいて映画にしたのです。

デュエリスト-決闘者- [DVD]
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
発売日:2005-03-01


■ゾーン体験とは?

あなたは人生の中で、何かに夢中になって<我を忘れる>ような経験をしたことがないだろうか。何か好きなことをはじめると、それ以外の世界は眼中になくなる。何時間も過ぎているのに、ほんの数分にしか感じられない。この時間のあなたは<ゾーン>の中にいるのだ。エレメントに目覚めた人は、この場所にいる自分をたびたび発見する。(中略)

 ゾーンにいることの強力な証のひとつは、<自由な感覚><本物だと感じること>である。自分が得意で好きなことをしているときは、自己意識を強く感じるものだ。つまり、本当の自分らしさを感じているということだ。エレメントの中にいる人は、自分は本来なすべきことをし、そのために生まれてきたと感じている。


■エレメントの発見には、自分にふさわしい<同族の集団>を見つけることが重要

 私が同族集団について話すのは、エレメントの発見に欠かせない2つの重要な概念を説明するためである。それは<領域(ドメイン)><現場(フィールド)>である。(中略)
 たとえば、メグ・ライアンが見つけたドメインは演技、特にテレビのラブコメディーである。そしてフィールドは、一緒に仕事をする俳優仲間のことで、彼女と同じく演技が好きで、メグの創造性を高めてくれる人々のことだ。


■制約の輪(サークル)

 あなたが自分自身のエレメントを発見することは、さまざまな問題に対する挑戦である。
 それはときに、自信のなさや失敗への怖れのような、あなた自身に対する挑戦でもある。またあるときは、本当の問題はあなたのもっとも身近な人々であったり、彼らがあなたに抱く願いや期待であるかもしれない。そして、このような障害は、あなたを取り巻く社会一般の文化であるかもしれない。
 私は、エレメントを発見する際の障害を<制約の輪(サークル)>と呼んでいる。それには、<個人的サークル>、<社会的サークル>、<文化的サークル>の3つがある。 
(詳細は本書を)


■メンターの4つの役割

 エレメントを発見するためには、他人の援助や指導が必要なことがある。ギリアン・リンがそうだったように、私たちのなかにある、自分では気づかない能力を見いだしてくれる人が必要なのだ。(中略)

メンターはふつう、以下の4つの役割の全部か一部に関わっている。

    ●認識

    ●激励

    ●支援

    ●伸ばす (詳細は本書を)


■エレメントを発見するのに、遅すぎることはない

 ポール・ポッツは36歳だったが、やはり曖昧で充実感のない人生から抜け出せないでいた。(中略)

「自分の声だけは、いつも私の親友でした。学校でいじめにあっても、自分の声に救われたのです。自分がなぜいじめられたのか、理由はよくわかりません。私は少し人と違っていたので、そのせいで自信を失うこともありました。でも、歌っているときは、そんな問題はなくなります。自分のあるべき場所にいるという自信があるからです。私はそれまでずっと、自分はつまらない人間だと思っていました。それが、あの最初のオーディションの後で、自分を大きく感じました。私はあのポール・ポッツなのだと」

【感動!】まるで、映画のような感動をあなたに〜ポール・ポッツ−英国オペラ歌手:YouTube(埋め込み無効動画なので、YouTubeでご覧下さい)


■プロとアマチュアの違い

 当然だが、アマチュアとプロを明確に区別することは異論はない。何といっても、両者の質には大きな差があるからだ。しかし。ときに両者の差は、質の差ではなく選択肢の問題にすぎない場合がある。(中略)

語源からいえば、アマチュアの意味は、何かを好きでやる人のことなのだ。アマチュアは生活のためではなく、情熱のためにやっている。真のアマチュアとは、言い換えるなら、仕事以外のことにエレメントを発見した人のことなのだ。


【感想】

◆今まで読んできた本の中でも「好きなこと」というのは、何度も取り上げられてきたテーマでした。

曰く、
『「好きなこと」を仕事にしろ』
『「好きなこと」を仕事にするのではなく、仕事を好きになれ』
『「好きなこと」でも「他人から求められていないこと」は仕事にはならない』etc...


「いったいどれが正解なの?」っていうw


◆本書では、多くの著名人たちが、いかに自分の「エレメント」に出会い、それを極めていったかの事例が紹介されています。

小見出しにあるだけでも、ポール・マッカートニーポール・サミュエルソンメグ・ライアンテレンス・タオ博士パウロ・コエーリョ等々。

字数の関係で細かくご紹介できませんでしたが、結構意外な出会い方もありました。

例えば、あのポール・マッカートニーでさえも、学生時代には、だれも彼の音楽の才能に気がつかなかったし、教会の聖歌団の入団に不合格だったときも、「歌の才能がない」と言われたとか。


◆また、監訳者の金森重樹さんが本書のまえがきで、自らの体験を踏まえて紹介しているのが、エレメントを発見する際の「障害」である「制約の輪(サークル)」

金森さんの場合は、「東大法学部卒」という「学歴」が、「社会的サークル」として、足かせになっていました。

確かに金森さんのドメインである「集客」に、学歴は関係ないですよね。

そして金森さんが、「いかにしてそのサークルから抜け出した」かは、本書のまえがきと、この本に詳しいです。


参考記事:【壮絶!】「借金の底なし沼で知ったお金の味 25歳フリーター、借金1億2千万円、利息24%からの生還記」金森重樹(2009年02月09日)


◆また本書においては、「メンター」「同族」の存在も、時として、エレメントの発見に重要であることが指摘されています。

「同族」という意味では、日本ではかつての「トキワ荘」なんてそうだったんでしょうね。

そういう、「自分以外の要因」ゆえに、まだエレメントに出会えていない方も、あせらず、自分の信じるところを貫いていれば、いつか突然「啓示体験」が起こるかもしれません。

「遅すぎることはない」というのは、私を含め、おぢさんにとってもありがたい限り・・・。


◆ただし、第10章で書かれているように、「真のアマチュア」として、「仕事以外のことにエレメントを発見する」こともあります。

その場合は、当然「金銭以外の形」で「報酬」が得られるわけで。

彼らは仕事以外のことに情熱を追求するが、そのエネルギーと貢献度は余暇活動のレベルを超えている。そして、深く熱中することで得られる回復効果を発見し、それほど興味の持てない本業とのバランスをとっているのだ。

「それ、何て俺?」状態www

結局私の場合、こうして「ブログを書くこと」が、「エレメント」なのだと思います。

と言うワケで、「ヨメよ、子供達よ、パパを許しておくれ!!」


まだエレメントに出会っていない全ての人に!

才能を引き出すエレメントの法則
才能を引き出すエレメントの法則


【関連記事】

【勝間式自己啓発本】「起きていることはすべて正しい」勝間和代(2008年11月29日)

「クリエイター・スピリットとは何か?」杉山知之(2007年05月05日)

「プチクリ!」岡田斗司夫(著)(2006年07月10日)

「ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代」ダニエル・ピンク (著), 大前 研一 (翻訳)(2006年05月25日)

「プラネタリウムを作りました。―7畳間で生まれた410万の星」 大平貴之 (著)(2005年08月26日)


【編集後記】

◆昨日からアマゾンキャンペーンが始まっているのがこの本。

あなたも30分でタバコがやめられる!
フォレスト出版
発売日:2009-07-22
おすすめ度:5.0

『あなたも30分でタバコがやめられる』アマゾンキャンペーン!!期間限定・豪華特典プレゼントキャンペーン!

私自身は全くタバコを吸ったことがないので、買うに買えず。 


ピン!と来た方にオススメしておきます。


ご声援ありがとうございました!

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