2009年07月28日
【もはや現象?】「勝間和代現象を読み解く」日垣 隆
【本の概要】
今日ご紹介するのは、リアル書店で見かけて「なんじゃこりゃー!」と思わず手に取った1冊。一瞬「ブーム便乗本?」と思ったのですが、著者は日垣 隆さんですし、出版社も大和書房さん、と極めて真っ当。
これまた予定を変更して(?)、急遽ご紹介しようかと。
いつも応援ありがとうございます!
【所感などなど】
◆実は書店でイキオイよく手に取ったのはいいものの、まずビックリしたのがその薄さ。大きさは単行本なのですが、ページ数は100ページありません。
何かのシリーズなのか、同じ日垣さんで、同日発売のこんな本も。
・・・おいおい、勝間さんは「北朝鮮なみ」ですか?
裏を返せば、「一国家に匹敵する」ということかと。←違うw
◆このページ数ですから、いつものようにしっかり抜書きしちゃうと、モロにネタバレの可能性が高いです。
勝間さんのどの点について評価し、どの点について批判しているのかが、本書のキモだと思うので。
とはいえ、小飼さんではないですが、この本については、下記の目次を読めば、ある程度アウトラインは分かると思います。
薄いのに章が12もあるので、大見出しだけでも見当がつきそう。
「それはいかがなものかと」というようなモノも散見されますが、気になる方は実際に本の方でご確認下さい。
◆個人的に腑に落ちたのが第2章の「すべての人に好かれなくていい」というクダリ。
勝間さんのベストセラーに対して異論・反論がある理由について、日垣さんはこう言われています。
100万人というのは、ビジネス書の読者人口からしたら結構多いとは思うのですが、それでも「全員に受け入れられる本」というのは、今どきありえないでしょうね。100万部売れた本は間違いなくベストセラーではありますが、たかが100万人に過ぎない、という言い方もできるでしょう。100万人といっても、1億3000万人のうち1%以下に過ぎません。電車の1両が満員になっているとして、その中に1人読者がいるかいないかという程度でしかありません。大ベストセラーといっても、その程度の数字でしかないのです。
◆また、もう1点面白かったのが、「勝間さんの人気のヒミツ」に関する分析。
それは勝間さんの「過剰なまでの実行力」にあるのではないか、と。
移動には自転車を使い、ヘルメットを抱えて官公庁にまで出かけてしまう。フォトリーディングが良いと聞けば、アメリカまで講習を受けに行ってしまう。16万円も出して、ストレッチできる快眠ベッドを買ってみる。(中略)
勝間さんの場合、「良い」と思ったことは即座に実行してしまうのです。過剰なこと、極端なことをやる人にはノウハウが蓄積されていく。そのことを本に書けば、極端さゆえに人気が出るのだと思います。
◆フォトリーの件は、インストラクターの講習のために渡米したのだと思いますが、確かに行動力が並外れているのは、間違いないでしょう。
最近では、twitterを急激なまでにマスターしたことが話題になりましたし。
勝間和代すげえ(ついったーのこと):みねちんにっき
ちなみに、勝間さんがtwitterを始めたのは渡米中だったのですが、他にもいくつかウェブサービスを始められたよう(アナウンスがないのでここでは書きませんが)。
◆冒頭で触れたように、本書は著者として既に名の知れている日垣 隆さんが書かれている以上、雑誌の匿名対談であるような中傷レベルのコンテンツではなく、日垣さんなりの主張がキチンとなされています。
要は、「認めるべきところは認め」て、「納得できない部分については指摘をする」、というスタンス。
それが故に、本書が勝間さんの熱烈な「ファン」や「アンチ」の方にとって、どう受け入れられるのか、興味深いところ。
また、書き手としての日垣さんを買われている小飼 弾さんが、本書をどう評価するのかも楽しみです。
薄い本なのに付箋貼りまくりでした!
【目次】
01 ノウハウは極端であるほど使える
どんどん巨大化していく勝間さんの顔写真
人は極端なノウハウを求めている
02 すべての人に好かれなくていい
100人に1人の共感さえ得られれば充分だ
03 世の中を変えたい!長時間労働はやめようという主張
長時間労働でトクすることは何もない
会社を変えるのはあきらめ、日本を変えてしまう
04 生き残る人、消えていく人
「消えたお笑い芸人」は実は消えてはいなかった
"危険人物"田母神俊雄さんの人気はいつまで続くのか
「一発屋」で終わらなかった人々
テレビ番組の生放送で田原総一朗さんをブッタ斬る
05 ビジネス書ブームはなぜ起きたのか?
定価維持にこだわり続ける時代遅れの出版業界
新刊書店はアマゾンのビジネスモデルをパクるべき
「ビジネス書」という新ジャンルの誕生
女性がビジネス書を買うようになった
06 人に雇われず、人を雇わない生き方
脱企業→独立へのハードルが下がった
組織で損する「デキるエース」
デモやストライキで利益は1円も上がらない
07 自己啓発書は新興宗教的である
「予定は未定」が当たり前
自己啓発書が一線を超えてしまう理由
フォトリーディングは当たり前!
08 大不況時代―個人サバイバルへの関心
生活まで効率化しては人生はつまらない
知的生産の技術でお金が儲かる!
09 英語は無前提に必要なのか?
英語力はなぜ必要になったのか
株取引も本の出版もギャンブルそのものだ
「××力が大事」は恥ずかしすぎて口にできない
あまりにも正直すぎる勝間さん
10 生活まで効率化するなよ
男は単なる精子提供デアルのか?
子どもと過ごす時間が「投資」では味気ない
勝間さんらが政府の委員に選ばれる仕組み
11 共働きは本当に良いことなのか?
共働きで共倒れになってはバカバカしい
キミは「ロデオボーイ」(一例)に乗ることができるか
勝間和代さんと佐藤優さん(一例)はなぜ大量に書けるのか
12 あなたはカツマー?それとも嫌・勝間?
"カツマー"と"嫌・勝間"を分ける分水嶺
【関連記事】
◆久しぶりに、当ブログでの勝間さんの本(自著・単著のみ)の記事を一気にご紹介。一応、今回は2008年以降のものだけですが、それでもかなりありますね。
参考記事:【お買い得!】勝間さんの「まねる力」が濃厚な件(2009年07月01日)
参考記事:【提言】「会社に人生を預けるな」勝間和代(2009年03月17日)
参考記事:【オススメ】「断る力」勝間和代(2009年02月19日)
参考記事:【豪華ガイドブック】勝間和代 成功を呼ぶ7つの法則(2008年12月10日)
参考記事:【勝間式自己啓発本】「起きていることはすべて正しい」勝間和代(2008年11月29日)
参考記事:【読書】「読書進化論」勝間和代(2008年10月02日)
参考記事:【提言】勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan(2008年09月27日)
参考記事:【強力!】「勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力」勝間和代(2008年06月15日)
参考記事:【実践!】『勝間式「利益の方程式」』勝間和代(2008年04月03日)
参考記事:【新インディ】勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド(2008年03月01日)
【編集後記】
◆監修した翻訳本は軒並みヒットさせることで知られる金森重樹さんの最新の監修本がコチラ。こ、こりは面白そう・・・。ポール・マッカートニー、ギリアン・リン、リチャード・ファインマン博士、リチャード・ブランソンたちには「共通法則」があった!
著者のケン・ロビンソンは、能力開発の世界的指導者の一人。
彼は、さまざまなジャンルで自分の才能を開花させた人々に共通するものを探り出し、それを「エレメント」と名付けました。
本書は、世界的に活躍する「天才」たちに共通する「エレメント」――情熱と才能が出合う場所――を見つける方法を探りました。
本書は、人生を豊かに、真の意味で成功し人々の生の声を集め、才能開発への新たなアプローチ法を探る一冊です。
ご声援ありがとうございました!
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ワタシもこの本の存在をamazonで知って、「コレはsmoothさんにお知らせしなければ!」と意気込んで放置シンブンした不届きモノですm(__)m
まだ実物は拝見したことがないのですが、そんなに薄い本だったのですね。さっそく読んでみたいと思います☆
お!とっくにご存知でしたか(汗)!
私はリアル書店で見るまで全くノーマークでした。
確かに本自体は薄いですが、個人的には面白かったですね。
ただ、ファン&アンチの両方に気を遣っている部分もあるのか、うまくいけば両方が購入し、下手したらどちらからもスルーされるかも(汗)。