2009年07月16日
【工夫志向】「なまけもののあなたがうまくいく57の法則」本田直之
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、本田直之さんの新刊、「なまけもののあなたがうまくいく57の法則」。「翻訳&著作」と、偶然「本田本」が2日続いてしまいましたが、ファンにとっては嬉しい限り。
本書はタイトルからもお分かりのように、大ヒットとなった「面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則」の続編に当たります。
◆まず皆さんビックリされると思われるのが、この装丁。
これがリアル書店にドーンと平積みされているシーンを想像すると、かなり楽しいです。
思いっきり「なまけもの」がぶら下っておりますが、中身は「本田印」ですので、ご安心を!
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
はじめに
1.発想を変えてみる
なまけものである自分を認める
あえて他人に流される
努力と工夫を間違えない
「やればできる」はウソ
優先順位でなく思いついた順にやる ほか
2.毎日の生活を変えてみる
部屋の汚れをバロメーターにする
常習性のある浪費に手を出さない
雨が降ったら休む
3週間先まで予定を入れる
曜日で作業を決めておく ほか
3.仕事のやり方を変えてみる
メールは夜にチェックしない
上司を利用する
人に教える
人に教えてもらう
挨拶でスイッチを切り替える ほか
【ポイント】
■始めるための「動機付け」を自分の内部から、続けるための「強制力」を外部から持ってきて、両者を組み合わせる内部からの「動機付け」と、内部からの「強制力」(自己ノルマなど)で動けるのは、意志の強い努力家だけです。
外部からの動機付け(命令)と外部からの強制力で動くのは奴隷のようなもので、ストレスがたまるばかりでなにも楽しくありません。
あくまでも内部からの「動機付け」と外部からの「強制力」を組み合わせるようにしましょう。
■努力と工夫を間違えない
工夫とは、無闇に努力することではありません。むしろ努力を向ける方向を間違えないよう、力を注ぐ先を考えることが工夫なのです。
■「やればできる」はウソ
まず、「やればできる」と考えているなまけものは、自分の能力に過度な自信を持っているせいで、ほとんど工夫を考えません。なにかをあたらしく始めることになった場合も、あくまで正攻法で臨もうとします。
ところが、根がなまけものなので、正攻法ではほとんどうまくいきません。
正攻法に求められるような努力も嫌いだし、意志も強くないからです。
■自己否定とは、思考停止のスイッチ
「どうせ自分は○○だから」とか「自分には××なんかできない」と自己否定してしまうと、すべてがそのひと言で終わってしまい、その場から一歩も動けなくなります。
すなわち自己否定とは、思考停止のスイッチなのです。(中略)
わたしは安易なポジティブシンキングを推奨するものではありませんが、「どうせ自分は○○だから」式の自己否定だけは即刻やめるようにしましょう。
■自分の身体に投資する
わたしは、自分の身体を「インフラ」なのだと考えることにしています。充実した人生を送るためのインフラとして、自分の身体があるのです。
ですから、仕事や勉強、趣味などに精を出すことも大切ですが、それだけではいけません。まずはすべての土台である身体にこそ、十分な投資をしていく必要があるのです。
■他人を家に呼ぶ
定期的に他人を家に呼んだり、定期的にホームパーティを開いたりする。こうするだけで自動的に部屋の片付けをするようになります。いま、あなたの部屋が極度に汚れているとしたら、それは他人を呼んでないからなのです。
■メールやネットサーフィンは夜にしない
なぜなら、夜には「締切」がないからです。11時に寝ようと午前3時に寝ようと、夜の時間をどう過ごすかは基本的にその人の自由になります。(中略)
一方、朝にはあきらかな「締切」があります。始業時間やアポイントメントを考えると、何時何分の電車に乗らないといけない。だからメールチェックに使える時間は、せいざい30分くらいが限度だ、といった感じになります。こうなっていれば、パソコンの前で意味もなくだらだらすることはなくなるでしょう。
■上司を「管理ツール」として利用する
これは実際わたしが会社員時代にやっていたことなのですが、上司に対して自分のスケジュールを積極的に報告するのです。聞かれていなくても「週末までにこれをやります」「あの資料は今月中にまとめます」といった宣言をしていきます。
こうすると、上司が「外部からの強制力」となって、やらざるをえない状況をつくることができます。
■「本で読んだ言葉や逸話」で部下を指導する
要するに、自分の言葉で指導するのではなく「イチロー選手はこう言ってたよ」とか「スティーブ・ジョブズ(米アップル社CEO)はこうやって解決したらしいんだ」といった感じで、著名人の言葉を引用するわけです。
こうすると、わたしも言葉を選びながら考える手間が省けます。部下のほうも「上司の言葉」としてではなく、もっと説得力のある「イチロー選手の言葉」として聞くので、素直に受け入れてくれます。
■好きを仕事にせず、仕事を好きになる
たとえばわたしの趣味はサーフィンで、ハワイでは毎日のように楽しむほど大好きなのですが、もしもサーフィンが「仕事」になってしまったら、間違いなく嫌いになるでしょう。これは断言できますが、わたしがサーフィンを好きなのは、それが「趣味」の範疇にあるからなのです。(中略)
また、わたしが「好き」を基準とすることに反対なのには、もうひとつ理由があります。なぜなら、「好き」という感情だけで仕事を選ぶのは、結局自分の可能性を狭めてしまうことになるからです。
【感想】
◆本書の冒頭では、「なまけものの3タイプ」と称して、縦軸に「成長 ⇔ 停滞」、横軸に「不幸 ⇔ 幸せ」をとって、「なまけもの」を分類しています。まずは、「成長/幸せ」象限が『「前進型」のなまけもの』。
次に「停滞/不幸」象限の『「堕落型」のなまけもの』。なるべく怠けたいという思いを出発点に、いつも工夫しながら前に進んでいく人です。
最後が「停滞/幸せ」象限の『「幸福型」のなまけもの』。いつまでもだらだらして、前に進もうとしない人です。短期的には楽かもしれませんが、長期的には取り返しのつかない結果を招いてしまいます。
この最後の「幸福型」については、幸せを実感できているので、無理に自分を変える必要はないものの、「少しでもよい方向に進んでいきたい」と思うのなら、最初の「前進型」を目指すべきである、と。たとえば、運動不足や偏った食生活などで太ってしまう。でも、太った自分にストレスを感じない。太ったままで何ら問題のないという人。
◆そして、この「前進型なまけもの」の大きな特徴が、「工夫」。
本書では、本田さんご自身の「なまけぐせがある」という前提に立った創意工夫が雨あられw
特に、ストレスの元にもなりかねない、「上司」を『「管理ツール」として利用する』なんて、「目からウロコ」ですよ。
職場で「急に部下がやたらと報告するようになった」という方は、この本の存在を疑ってみるべし(?)。
◆そういえば、勉強法の本を読んでいて思うのが、「意志の強さ」をその方法論の前提とした本は、「勉強本の内容としてはイマイチ」なことがままあるな、ということ。
合格された著者の能力は疑いようもないのですが、多くの読者の方は、それほど「意志が強い」わけではありません。
一方、著者は「意志の強さ」で正面突破してしまったワケなので、そこには「工夫」の必要もなかったりします。
これと同じで、自分が「なまけものである」と自覚できたら、本書の主張のように、「工夫すること」に注力した方が宜しいかと。
◆それにつけても、本書に書かれていることは、私にとって耳イタイことばかりでした。
「メールもネットも夜やる」し、「自分の身体に投資してない」し、「努力すれば何とかなると思ってる」、と「ダメ出し」されまくり。
本書の冒頭に「ハンス・フォン・ゼークトの組織論」の話が出ているのですが、下手したら「無能な働き者」ですよ。
たっ、確かに!働き者であることは、必ずしも利点であるとはいえません。むしろ「工夫」という武器を持ったなまけもののほうが有用な存在なのです。
◆なお、本書は「面倒くさがりや〜」と同じく、お値打ち価格「税込み1,050円」!!
なのに「図解(イラスト)」も豊富ですし、「2色刷り」という太っ腹ぶり。
リアル書店で見かけたら、まず「装丁」(というか、なまけもののイラストw)で思わず手にとって、中をパラパラ見て、「なかなかいいかも」と思い、裏表紙で値段見て「安っ!」となって買ってしまいますよ、フツウ・・・。
「なまけものの王様」(=本田さんw)が本気を出した模様。
またもや大ヒットの予感がします!
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【編集後記】
◆これも「婚活」以外の「モテ本」のよう。出版社のサイトから。
どんな内容だか気になるところです。すべての男性に捧げる恋のエール
片思いの彼女を振り向かせる!特別な男性と思わせる!
もっと会いたいと思わせる!あと一歩のチャンスをモノにする!
複雑な女心を開かせる“恋愛上手の心の法則”を伝授!
ご声援ありがとうございました!
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