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2009年07月10日

【人たらし】「嫌われない毒舌のすすめ」有吉弘行


嫌われない毒舌のすすめ
ベストセラーズ
発売日:2009-07-09


【はじめに】

◆今日お送りするのは、先日速報にて発売をお知らせしていた、「毒舌あだ名付け芸人」、有吉弘行氏の初めての「ビジネス書」(?)

一足先に出版され、大人気だった「竜兵会―僕たちいわばサラリーマンです。出世術のすべてがここに」「有吉バージョン」とでも言うべき内容でした。

参考記事: 【人心掌握】有吉弘行の人心掌握術がスゴすぐる件はてなユーザーの評価

帯に記載された文章を転記します。

上司や先輩に取り入り、後輩をたらし込んで転がす逆説的な処世術入門!

上手な媚びへつらい&ヨイショをマスターすれば面倒な人付き合いが楽になる!

本書でも有吉氏の「人たらしぶり」が全開でしたw


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【目次】

マイナス評価をプラスに変える「人たらし」の方法
 あだ名の秘訣は「外見+内面」のアレンジ
 あだ名は自分が発信源にならないことが基本
 周囲を凍らせたら「お笑い」にアレンジする ほか

確実に相手を「たらし込む」人付き合いの方法
 コミュニケーションなんて必要ない
 毒舌は回りくどい会話を省く手段
 DV女はなぜかいつもDV男と付き合う ほか
 
無駄なプライドを捨てて「クズ」として生きる方法
 相手に合わせて自分を使い分ける
 人に奢ってもらえばストレスは溜まらない
 ヨイショもウソも、つき通せば本当になる ほか

単純なヤツを使って自分の「株」を上げる方法
 自分のイイ話は「言うなよ」と念を押して広める
 誰かを使って間接的に相手をほめる
 言葉には出さず目で行動を促す ほか 

上司・先輩・後輩を上手に「転がす」方法
 目上の人を取り込むためのサシ飲みの効用
 自分の懐を痛めずに定期的にフォローする
 悪口はいいけど、「陰口」は絶対ダメ ほか

苦手な相手を「小バカ」にして好感度を上げる方法
 苦手なタイプには質問に徹して完全服従
 答えがあることを質問して相手を気持ちよくさせる
 相手の気持ちを署ルむ「聞き上手」になるテクニック ほか


【ポイント】

■あだ名の秘訣は「外見+内面」のアレンジ

あだ名のつけ方としては、
「外見+内面」
というのがアレンジ的には簡単です。
 しかも、外見をけなして、内面を誉めるっていうのが、何となくフォローにもなるし、決定的な人間関係の破綻にはつながらないと思います。
 「やり手ハゲ」とか、「センスいいブス」とか。


■怒っている人には最初に謝ってから「怒っているでしょ?」と聞いてみる

 怒っている人に向かって、あらためて、「怒っているでしょ?」って聞くと、驚くほど効果がありますよ。
 怒っているに決まってるところに、あえてそう聞かれると、何かうまいことハズされた感じになるんです。


■自分のイイ話は「言うなよ」と念を押して広める

 他の人に、「こいつの口から言わせたい」とか、「この話、言って欲しいな」っていうとき、「言うなよ」は効きます。
「言うなよ」って言うと、絶対に、「ここだけの話だけど・・・」って漏れますから。
 誰だって、「秘密を誰かにしゃべりたい」という欲求がありますからね。
 特に、単純なヤツには効きます。


■誰かを使って間接的に誉める

 僕がちょくちょく使う手に、「誰かを使って、間接的にその人のことを誉める」という作戦があります。これを知っておくと、便利ですよ。
 どういう方法かというと、自分がいかにその人のことを慕ってて、いかに誉めていたかということを、誰かに言わせるんです。


■ヨイショは細かい情報を入れて持ち上げる

同じ持ち上げるなら、
「○○さんって仕事できますよね」だけじゃなくて、
「○○さんのプレゼンって、○○が○○だから凄いですよね。あれならクライアントも一発で納得しますよ!この前の○○の件だって、○○さんが○○だったから上手くいったと思うんですよね!」(○○内は適当に埋めて応用してください)
みたいな感じで、より具体的な情報を追加してヨイショする。そうすると、相手もグッとこっちになびいてくるんです。


■情にもろい人間の見抜き方と掴み方

 昔話とかをよく覚えていて、「あのときはこうだったよ」とか、「あれには感動したよ」なんてちょくちょく口にする人は、たいてい情にほだされやすいタイプです。
 あとは、その情の部分をうまく刺激してあげる感動話とか、人情話をデッチ上げて、ガッツリ掴めばいいんです。


■「悩んでいないことを相談する」作戦

 人に相談することは、相手との距離が近くなるとか、今まで以上に信用されるとか、仲良くなったように感じるとか、いろんな効用があるんです。だから、この相談するっていう作戦を使わない手はないと思うんです。
「この人に近付きたい」
 そう思ったら、相談を持ちかける。
 そのときに、一番いいのは、「悩んでもいないことを相談する」っていうことです。


■答えがあることを質問して相手を気持ちよくさせる

 答えを知ってる質問は、相手の答えも想定できるから、リアクションが取りやすいんです。これって、かなり効きます。
 答えが出てる質問をどんどんしていけば、だいたい想定内の質問が返ってくるので、そこでいいリアクションを取るっていうのが有効だと思うんです。


■相手の話を聞いてたらし込むやり方

 ●どんな話にも共感して聞き役に徹する

 相手が自分のことを話したがっているときには、それこそ徹底して聞き役に回る。
 そのとき大事なのは、最初は共感することです。


 ●相手を否定したように見せかけて最終的に認める

「○○って言ったけどなぁ、違うと思うんだよ。でもなぁ、お前が言う○○の方が正しいのかもなぁ・・・」
 みたいなことを言って、ツッコんで1回相手の話を否定したように見せかけといて、その上で、そいつの言ったことを最終的に認めてやればいいんです。
 ひと言でいえば、お茶を濁すんです。
 そうすると、相手は、
「すっげー、わかってくれてる」と思うんです。


 ●相手を否定してから論破される高等テクニック

 スパイス程度に相手を怒らせて、最終的に納得したフリをしれれば、相手は気分が良くなって、
「こいつ、話せばわかるんだ」
 って思ってくれます。それでこっちの信頼度が上がるっていう作戦です。


【感想】

◆実は今回、上記で抜き出したものは、できるだけ「竜兵会」とかぶらないものにしてあります。

というのも本書でも、「竜兵会」の記事で挙げた「大勢でいるときと、二人きりのときで態度を変える」
「相手によって手段を変える」
「悪口と陰口は違う」

あたりの話は収録されていたため。

今回もう一度書いても良かったのですが、ご存知の方も多いでしょうし、それ以外にも興味深いネタがあったので、そちらを優先した次第です。


◆新ネタ(?)で面白かったのが、ポイントでも挙げた『「言うなよ」と念を押して広める』手法。

具体例として掲載されていたのが、有吉氏が新幹線で一緒になったつるの剛士氏に、『ニューズウィーク』を読んでいるところを見られた際のお話。

「人の見てないところで勉強してるんだ」と勝手に勘違いしたつるの氏が、他言すると思った有吉氏は「俺のイメージと違うから、読んでたなんて言うなよ!」と念押ししたのは、「絶対に言わせよう」と思ったからw

 そうしたら、案の定、番組でペラペラしゃべってるんです。
「有吉さんは凄い!努力しているところは人に見せない。やっぱり、さすがだと思いましたよ」
 まんまと僕の作戦にハマってるんです。『ニューズウィーク』を読んだくらいで。

ちょwww


◆他にも、テレビ番組で「元No.1キャバ嬢」の話を聞く(フリ)だけで、抱けそうになった話あたりは、「モテネタ」として使えそう。

 百パー成功したパターンですね。ハマりました。
「有吉さんは、私のことをわかってくれるんだ」
 と思わせた。洗脳ですよね。人たらしというか。
 もちろん、彼女の話なんか、全然聞いてませんよ。何をしゃべってたのか、まったく覚えてないですから。ただ、話を聞くフリをして、共感したフリをしてただけ。それで、たまに誉めるフリなんかして。

ちょ、ちょwww


◆今回挙げなかった部分では、もっとどろどろした話もあるので、正直万人にはオススメしにくいところではあります。

「自分にとって邪魔になりそうな後輩は早めに潰す」とかw

シャレシャレとして分かって、さらに、芸人と一般人の違いも分かった上で、「使えるところだけ使う」というのが、本書の正しい活用法だと思われ。


◆ところで、有吉氏本人は、「成功者の本を読んではいけない」と語っています。

成功した人って言うのは、『特別な人』だから本が書けるんです。レアケースですから、読んでその気になったら大変です。それは完全な勘違いだから。

ただ、成功本を書ける人は結構いますが、この有吉氏のような本を出せる人の方がもっと『特別な人』のような気がw

稀代の毒舌芸人「独自のコミュニケーションテクニック」をお楽しみアレ。


「劇薬ゆえ、取り扱い注意!」(話としては面白いけどw)

嫌われない毒舌のすすめ
ベストセラーズ
発売日:2009-07-09


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【編集後記】

◆こ、これはwktkせざるを得ない1冊!

1兆円を稼いだ男の仕事術
講談社
発売日:2009-07-02
おすすめ度:5.0

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今から読むのが楽しみです!


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【書評】嫌われない毒舌のすすめ【書評の可能性】at 2009年07月13日 23:16
                               
この記事へのコメント
               
こんにんちは。

ただの毒舌かと思っていましたが
なかなか高度なわざだったんですね。
知りませんでした。
興味深いです。

Posted by meg at 2009年07月11日 09:25
               
>megさん

ホントに以前から意図的にやってるのか、自然にやってたことを後付けしたのか微妙ですが、いずれにせよ、こうして言語化された時点で、それなりの意義はあると思います。

真似たいかどうかは、また別ですが(汗)。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年07月12日 08:33