2009年07月06日
【新ライフハック】「クビにならない日本語」ココロ社
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、人気ブログ「ココロ社 ♪ほのぼの四次元ブログ♪」の管理人である、ココロ社さんの「クビにならない日本語」。ココロ社さんの記事は、大抵人気が出てしまうので、よくホッテントリ等で拝見しておりました。
そのホッテントリの常連の中でも、比較的「叩かれにくい」と言うか、むしろ「愛されている」のが、このココロ社さんの特徴。
そして本書では、その秘密が遺憾なく発揮されており、こういう「ライフハック」(?)があるのか、と目からウロコでした。
個人的には本文の最初の1行目でコーヒー吹きましたがw
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
01言葉づかいさえ何とかすれば、会社で長生きできる
02安全性の高い「自己紹介」の方法
03すべきかどうか悩まずにすむ「あいさつ」の方法
04あなたをクビへと追いやる人物は誰か?その見極め方と対策
05空気が読めない人にもできる易しい社交術
06「あえて言い負かされる」というテクニック
07二十一世紀的な「ホンネとタテマエ」の使い分け
08嫌われない言い回しのコツは「戦略的な低姿勢」
09上司のアイデアに「円滑にダメ出し」する方法
10学校では教えてくれない「質問にそのまま答えてはいけない」という掟
11「へりくだらずに相手を立てる」メール文章の基本
12効率・スピード重視の「簡潔メール」は損をする
13むしろ仕事のじゃまになる「正しい日本語」の知識
14嫌われ者から人気者へと転身をとげるためのシナリオ
15会社で長生きできる「報告・連絡・相談」の方法
16今すぐに治療したい「上から目線」に聞こえる日本語
17悪い印象を残さずにプライベートな時間を確保する
18ムダな会議で好感度を上げる会話術
19雰囲気を良くする「褒め方」、出る杭にならない「褒められ方」
20ライフハックを超える、高度なテクニックとしての「愚直さ」
【ポイント】
◆本書の場合、部分部分を「引用だけ」すると誤解を招きそうなので、ポイントを絞って「説明付き」で参ります。■「あえて言い負かされる」というテクニック
◆実生活でも会社でも、「議論」となると、「相手を言い負かして勝つ」ことを目的とする方がいらっしゃいます。
しかし議論での勝利は「損得」で考えると、必ずしも最適解でないことが多いハズ。
それは、「感情」という要素が関わってくるから。
たとえば受験で学ぶ論説文では、主張を明快に述べているものが多いですし、また、大学のレポートでも、自分の言いたいことをうまくまとめて発表するように言いつけられます。しかし、学生時代に学んだそれらの技術をそのままの形で仕事に使うと、問題が発生することが多いのです。なぜなら、実社会で暗に要求されるのは、感情の後始末がきちんとできた上でのコミュニケーション能力。正論を伝えることではないのです。残念ながら、これらの技術は学校では習いません。
◆本書では、企画書を通すために上司と議論するケースが出てきます。
これ、スゴクわかるのですが、堂々と書かれてしまうココロ社さんにはビックリw普通のサラリーマンとして暮らしていきたいのであれば、上司のタイプを見極めた上で、「プライドが高い」と判定された場合は、あまり本質的でない部分については、反論が可能であったとしても、「なるほど、その発想はなかった」と膝を叩くなどしましょう。つまり、あえて言い負かされておくことで機嫌をそこねないようにするのです。
また、「オススメの言い負かされセリフ ベスト3」なんてのもありますので、「損して得とれ」で行きたい方は、ご参考あれ。
■「へりくだらずに相手を立てる」メール文章の基本
◆メールもちょっとした書き方一つで、プラスにもマイナスにもなるもの(主に感情面で)。
本書では、TIPSが挙げられていましたので、いくつか抜粋を。
●「お願い」は「〜してくれたらうれしい」に
確かに、「お願いします」と書くようなところを「〜して頂ければ幸いです」といつも書かれる方がいらっしゃったような。例えば「お願いします」だと、「こうしなさい」という命令そのものを薄めて表現しているにすぎません。しかし、「〜していただければ幸いです」は、「あなたがこうしてくれると、わたしは幸せになれる」と言っているところが、相手にやる気になってもらうカギなのです。
なるほど、こういう効果があったとは。
●「のちほどお手すきのときにお伺いします」は小心者の秘密兵器
◆大きなミスではなく。小規模な問題で、対応も急ぎでない場合のメールに使うとよいラシイのが「のちほどお手すきのときにお伺いします」。
なるほど、「いつならいいか」を相手が答えなければならない以上、具体的に「いつ」と言わない限り、「その必要はないです」と返しそうですね。相手が足を運ぶことに重きを置いていない場合には、すぐ、「こちらに来なくてもいいよ」という返事がやってくるはずです。相手もこちらと同じく、直接話すのが好きでない場合には、向こうも渡りに船だと思うに違いありません。相手の負担も軽くすることができるのです。
もちろん「来いや〜」と言われたら、行かなきゃダメでしょうがw
■出る杭にならない「褒められ方」
◆まずは「正しい褒められ方」から。
私も良くやってしまうのが、褒めてくれた相手に対して「そんなことないですよ」と言ってしまう返しです。
これは『「無自覚な自己中心派」の典型的なパターン』なのだとか。
確かに「わざわざお世辞を言ってもらったのに否定している」というのは、考えていませんでした。←自意識過剰褒めたにもかかわらず否定されると、心証を悪くします。特に、お世辞だった場合は、心の中で「面倒くさいのを我慢して褒めたのに・・・お世辞を言って損した!」と思われては目も当てられません。
◆さらに問題なのは、次の点。
た、確かに!!ほめてくれた人に対しての感謝の気持ちがゼロで、しかも、自分の話しかしていないところです。「そんなことないですよ」=「自分は思い上がっている人間じゃありません」という意味でしかありません。
ならばどうすればいいのか?
まず押さえておきたいのが、ストレートな「ありがとうございます」。
いや、さすがにそこまでは・・・。「ほめられて照れまくって、もしお世辞だったら恥ずかしい」と思う人もいるかもしれませんが、ここはプライドを捨て、この例のように「お世辞を真に受ける単純な人」を演じるべきなのです。
顔面に力を込め、顔を赤くし、「え〜!そうですか〜うれしいです!」と言いましょう。
なお、「さらにその上のレベル」についは、本書にてご確認を。
■雰囲気を良くする「褒め方」
◆私は自分が褒められるのが苦手なせいか(と言うほど褒められてませんがw)、褒めるのも苦手です。
本書では「ココロ社さん風」の「褒め方の法則」がありましたので、2つほどご紹介を。
●感想ではなく、自分の行動について言及する
◆ネットでよく見る「コーヒー吹いた」という表現に関する、ココロ社さんの深い(?)考察から。
ホントにコーヒーとかお茶を吹いてるとは思ってないでしょうが、確かに「面白かった」のは事実でしょう。「面白かったです」というと「本当に面白かったの?」と聞きたくなりますが、「コーヒー吹いた」では、「面白かった」という単なる感想ではなく、その面白さによって何が起こったかを説明しているためにウソ臭さが減り、説得力が増すのです。
これを応用した、こんな例も。
こっ、これは!例えば、「○○さんの言葉に感動し、わたしも実際に○○さんのようにしてみたらすごくよかったです」なら、それが本気でなかったとしてもバレません。
・・・もうココロ社さんの、ブログ記事なんて信じられないwww
●人前で褒める
◆これは他でも目にする方法ですよね。
ただし、ひと味違うのはこんな部分。
自分のためにも人を褒めるとは「ココロ社さん恐るべし!」人前で褒めることには、相手が誇らしい気分になるのはもちろんのこと、周りのムードがよくなること、かつ、人を褒めているあなたの素晴らしい人格を世に知らしめることにもなるので、モソモソと褒めるよりもお得です。
【感想】
◆ちょっと、「ネタっぽい」ところを中心にピックアップしてしまったので、「ネタ本」「面白本」と思われそうなのが心配ですが、この本、マジで「スゴイ」と思います。例えば「メールの長さ」について。
「ライフハック的」な考え方から言ったら、「簡潔に書く」のがベストとなるでしょう。
書くほうも読む方も、お互い余計な時間をかけずに済みますし。
◆ところが、皆が皆、そう思っているかというと、そうではないわけですよ。
それどころか、簡潔すぎると「やる気がない」などと言われる可能性も。明示的ではないにせよ「いっぱい書いた=がんばっている」という信仰は根強く、その信仰から逃れるのは困難です。努力が好きな人には、努力の跡を見せ、心証をよくするに越したことはないのです。(中略)
さすがに皆「こんな短いメールはやる気が感じられないよ」などと言うと「精神論なんて古いですよ」と返されることくらい学習しているので、露骨な努力至上主義が表に出てくることは少ないかもしれませんが、これは、口にするのを我慢しているだけ。心の中では、努力の跡がみられないメールを不快に感じているものなのです。
◆ここを読んで「ΩΩΩ<な、なんだってー」となった方は、本書を読んだ方がいいと思われ。
なぜなら、人間は「感情で動く」ものだから。
そしてそれを理解するのが、「コミュニケーション」の第一歩かと。
◆同じくポイントでは挙げなかった部分で「ホンネとタテマエの使い分け方」というのがあったのですが、これも秀逸。
「仲の悪い課長が出席する、明らかに意味の無い会議に部長から呼ばれている上司が、あなたに振ろうとしている」という設定で、どのように受け答えをするのが望ましいか?
もちろん、タテマエ上、この設定(ホンネ)は上司からは触れられておらず、単に会議に代わりに出ることを依頼されたあなたがどう答えるべきか、というものです。
◆2つの例(「タテマエに対して、ホンネで返す」「タテマエに対して、タテマエで返す」)の是非については、本書をご覧頂くとして、最適解は、
「タテマエの奥のホンネを読み取りつつ、タテマエで返す」
というもの(これまた詳細は本書を)。
テラ、スキルフルwww相手のホンネを読み取り、そのホンネに対するソリューションを準備し、かつ、ホンネを読み取ったことは明示しません。相手からは「タテマエで取り繕ってみたけど、予想以上に話がスムーズにまとまっていてラッキー」という気持ちになってもらえます。
日頃からこんな受け答えをしていたら、それは「クビにならない」どころか、「妙に出世」してしまいそう。
◆本書で展開されている話というのは、ある程度上の世代だと、結構納得してくれそうなのですが、若い世代だと「まんどくさい」「非効率」と感じてしまうかもしれません。
ただ、上司というのは、「年上の世代」が多いでしょうし、会社全体が若いとしても、取引先まで全部若いということはないかと。
また、社会というのは、想像以上に「感情」によって支配されており、かつ、場合によっては「顕在意識」ではなく、「潜在意識」のレベルで、「好き嫌い」を判定してしまいます。
もちろん、本来であれば、「通常の仕事の能力が上」の人間がより出世すべきだとは思いますが、こういった「コミュニケーションスキル」も、立派な「実力」ではないでしょうか?
少なくとも、本書を読めば、「何でココロ社さんが人気ブロガーなのか」がわかるかと。
◆ところで、本書を出すことによって、ココロ社さんの仕事関係者の方々の「ココロ社さんを見る目」が変わりそうで心配な気も。
丁度、この本で「手の内ばらしちゃった」有吉氏と同じ感じですよ。
参考記事:【人心掌握】有吉弘行の人心掌握術がスゴすぐる件(2009年04月18日)
まぁ、ココロ社さんのコミュニケーションスキルからしてみたら、それすらも
「あれは、本を書くための『タテマエ』であって、ホントは○○さんのように〜」
と華麗に切り抜けてたりしてw
効率主義の「ライフハッカー」にこそ、激しくオススメ!
【関連記事】
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【編集後記】
◆土井さんのメルマガで気になっていた1冊。リアル書店で探して見つからなかったので、買いそびれていました。
なかなか面白そうです、コレ。
ご声援ありがとうございました!
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さっそくamazonアタックさせていただきました。最初の本文一行目が読みたくて仕方がありません(爆)。
「渋滞の・・・」は土井さんのメルマガでアタックかけちゃいました。人間の身体もいろんなところで渋滞して、病気につながるという考え方は納得&面白いなぁと思います。オススメです☆
こんばんは!
アマゾンアタックありがとうございます(涙)。
1行目では、多分ニャロメさんも吹くと思います(笑)。
「何だよ〜!」って。
私は盛大にズッコケましたけどね。
「そうなのかYO!」みたいなw
それと「渋滞本」楽しみです!
ちょっと別の本今読んでるんですが、「渋滞本」も記事候補確実ですね。