2009年06月12日
【資格試験】「毎日1時間 自分を変える資格取得術」超速太朗
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、かなり久しぶりの勉強本。著者の超速太朗さんは、当ブログでも、今まで何冊か著作をご紹介させて頂いている、資格勉強本のオーソリティです。
タイトルに「1日1時間」とあるのも、「1日30分」よりは「資格取得」という点ではリアルw
また、出版元がお勤め先でもあるTACの出版部門のおかげなのか、何故かお値段も控えめです。
実際に勉強中の方のみならず、「資格試験を受けてみようかな」と思われている方なら、一読の価値アリです!
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
はじめに 新しい自分になるために、「毎日1時間!」から始めよう
プロローグ たかが資格、されど資格
第1章 なぜ「1時間」なのか?
1 あなたの「1時間」のお値段は?
2 挑戦しない限り、あなたは一生変われない
3 今すぐ「1時間」だけ続けてみよう
第2章 勉強を楽しく続けるための「ゲーム化」の技術
1 まずは、ゲームの内容を熟知する
2 ゲームは、場所を選ばない
3 ゲームだから、気楽にやりきる ほか
第3章 合格という結果を出すための「仕組み化」の技術
1 目指す合格を分解する
2 「ちょっとした違い」が大きな差をつける
3 記憶の定着のカギは、アウトプットにあり ほか
第4章 合格の最短ルートを照らすための「見える化」の技術
1 何でも書き出す習慣を身につける
2 差のつく問題集のマスター術
3 差のつくテキストの読み込み術 ほか
エピローグ 資格取得の本当の目的
【ポイント】
■長時間勉強は合格可能性を高めるものの、同時にプレッシャー等も大きくなる(「振り子の法則」)自分の生活の中で受験勉強を重視すれば重視するほど、振り子の反動としての前述の不合格要素も大きくなるのです。
これに対して、「毎日1時間!」だけなら、基本的に今の生活を変える必要はありませんし、「振り子の法則」によってその反動である不合格要素もそれほど大きくならないはずです。
■資格試験の勉強をゲームと考える
勉強と考えてしまうと、どうしても好きになれない人は多いと思います。しかし、今から自分が取り組むことは、「毎日1時間!」の時間と少しの教育費をかけた自分の将来への投資というゲームを行うと考えてみるのです。(中略)
ここで重要なのは、このゲームに勝ちたいという気持ちが強い人が勝つわけではないという事実です。
夢中になってゲームを楽しんでいる人が、良い結果を出すのです。
■勉強の予習を習慣化する
この「勉強の予習」とは、今日やるべき勉強の具体的な内容をメモ用紙に書き出す行為です。(中略)
ポイントは、具体的なテーマ名で書き出すことです。
つまり、学習計画表には問題集の番号やテキストのページ数だけで記入していることを、具体的なテーマで書き出すのです。
たとえば、今日は「民法のテキストp46〜p55を勉強する」ではなくて、今日は「民法の代理の無権代理と表見代理をマスターする」のような形で書き出すのです。
■自分で自分を褒める才能を伸ばす
自分に厳しい受験生は一見すると受験に強そうですが、意外にもろく崩れてしまうことが多いというのが、私がこれまでに多くの受験生を見てきた経験則です。(中略)
人間が行動を起こすためには、「心のエネルギー」がどうしても必要になるのです。
そして、その「心のエネルギー」は自分で補充しなくてはいけないのですから、自分で自分のことを褒めてやる能力はどうしても必要です。
■本試験で要求される2つの能力
●基礎力
●実践力マークシート方式の資格試験の「基礎力」とは、出題ポイントの判断能力と考えられます。
決して、法律の解釈論やテキストや条文の丸暗記ではないのです。
この出題ポイントの判断能力をつけるために、最も効果的なのは過去に出題された問題を実際に見てみることです。つまり、過去問を実際にやってみることです。
「実践力」とは何かを考えていくと、過去問や問題集以外の出題ポイントにも対応できる能力だと考えることができます。(中略)
ですから、私はいわゆる実践力完成期こそ、テキストを読み込んでいくべきだと考えています。
■記憶のレベルを高める最も確実な方法
私の直感としては、ウルトラC級の記憶術を探し続けることは、お金持ちになることを夢見て、宝くじを買い続けるのと同じではないかと考えています。(中略)
ですから、私は受験生には記憶力を向上させるために、何か奇抜な方法をしようとするのではなく、限られた時間の中で「いかに、多く繰り返すことができるか?」を考えたほうが現実的だと提案しています。
■仕組み化の最強ツール「情報カード」
この情報カードには、各科目の忘れやすい数字や苦手な分野を中心にまとめていました。また、1冊のバインダーには、100枚程度の情報カードが収められるので、各科目の情報カードの枚数も計算して、すべての試験範囲が1冊のバインダーで収まるようにしていました。
そして、毎日のコマギレ時間には、バインダーの最初のカードから確認していき、必ずその確認できたカードを一番後ろに差し替えておくのです。
■今やらなくてもいい勉強はストックしておく
毎日の勉強の中で、「あっ、これはやっておきたいな」と思ったことで、重要度の低い勉強はすべてこの手帳に書き出して、すぐにはやらないのです。
必ずしも今やらなくていい勉強を書き出すことで、やったつもりになるのです。
手帳に書き出した勉強は、スランプの時やどうしても勉強する気になれない時にやるようにしたらいいのです。その時まで、とっておくのです。
■問題集をつぶす際には、時系列に沿って正誤の状況を正確に把握することが必要
4択や5択の問題集でも、いわゆる1問1答式の問題集でも、1つひとつの肢ごとの問題番号の上に、解いた日付とその際に正解した場合には○、不正解の場合には×を記入していくのです。
■直前期のテキストの効果的な読み方
●「レジュメ作り読み込み法」
●「チェックづけ読み込み法」 (詳細は本書を)
【感想】
◆ここ最近、立て続けに「副業・起業」関係の本が発売されております。【5つのツボ】「会社を辞めずに年収を倍にする! 」藤井孝一(2009年06月09日)
【黄金の羽根】『貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する』橘 玲(2009年06月08日)
【スゴマニュアル】「完全網羅 起業成功マニュアル」ガイ・カワサキ(2009年06月07日)
これらはいずれも、昨今の社会情勢を鑑みたものと言えるかと。
◆その視点で考えるなら、本書もその社会情勢がゆえに、特に意味を持つもの。
つまり、資格を取得することにより、「リストラされにくい人材」になるわけですね。社内で奨励している資格を取得すると、「奨励金」が出されるという会社もあります。これこそ、現実的に収入アップにつながる確実な方法だと思いますし、資格取得に伴って、あなたの社内での評価も上がるに違いありません。
また、その先をも見据える事もできます。
上記の「会社を辞めずに年収を倍にする!」の著者である藤井孝一さんも、会社員時代に中小企業診断士を取得され、週末だけコンサルタントをし、その後独立されてらっしゃいるわけで。もし、あなたが将来の独立を考えているのであれば、資格を取得し続けることは社内での評価を高めながら、独立に向けての武器を確実に揃えていくことにもなるのです。
この辺は、取られる資格や、現在の職務にも関係してくるものの、可能であれば見習いたいところ。
◆一方、本書のエピローグでは、資格を取得する事は「セルフコントロール能力を高める」という意味があることについても言及しています。
自分自身の受験体験を振り返ってみても、確かに資格試験の勉強を通じて、工夫をしたり、意志や行動や感情をコントロールしたりしてきました。受験には試験という客観的な基準があって、合格という目的のために限りある時間を上手に活用して、目の前の課題を1つひとつクリアしていく必要があるのです。自分のセルフコントロール能力を高めるためのこんな素晴らしい環境はほかにはありません。
そして、合格すれば、その「成功報酬」としてセルフコントロール能力を高めることができたという自信が得られるのです。
個人的には、たとえ受からなかったとしても、良い経験だったと思います(本書では、その趣旨から「落ちてもいい」と書くわけないですが)。
◆ちなみに、本書は資格試験の専門学校から出ている勉強本の割には、かなり一般ビジネス書のテイストに近いような。
社労士試験等の細かい試験勉強法については、むしろ、処女作であるこの本の方が、突っ込んで書いているかと。
参考記事:【超短期合格!】『「一発合格!」勉強法』超速太朗(2007年11月21日)
◆逆に本書では、「戦術」から「戦略」、「モチベーションアップ」、さらには「スランプ対処法」等、幅広いテーマが扱われており、本書を読んだだけで、「ちょっと始めてみようかな」という気にさせられることウケアイ。
ただし、その気になってしまったら、「すぐに今日から」始めてください。
あなたが合格するかしないかを分ける1番大切なポイントは、
「今日一日をどうやって有効に活用するか」
この1点に限られていると言っても、過言ではないと思います。
だからこそ、「1時間」だけでいいから、今日から始めてほしいのです。
「毎日の1時間」が人生を変えます!
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【編集後記】
◆本書は中身は一般書に近いのに、なまじ専門学校系の出版社から出ていたため、3月に発売されていたのを気づかずにおりました。なお、同じTAC出版からは、同じ超速さん作のガチな資格試験別の勉強本が出ておりました。
中身を拝見してないので何ともいえないものの、該当試験をお考えの方は、ご覧になってみてください。
ご声援ありがとうございました!
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