2009年06月04日
【残業しないための6つの方法】『残業ゼロの「1日1箱」仕事術』佐々木正悟
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、シゴタノ!でもお馴染みの佐々木正悟さんの新作。タイトルにもある「箱」について、本書の冒頭にはこうあります。
まずは「箱」を思い浮かべてください。その中に入っているのが、あなたの今日の仕事です。
1日かけて、それを減らしていき、すべてなくなったら「本日の仕事、終了」というわけです。
◆ところが実際には、箱に入っている仕事は1日では終わりません。
そのための「やる気と効率を上げる方法」と「最適な計画を立てる方法」を指導してくれるのが、本書というわけ。
これは、もう「マニャーナの法則」の佐々木さんの改良版とも言えそうです!
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
はじめに
第1章 「1日1箱仕事術」とは?
1 1日にやる仕事を1つの「箱」に入れよ
2 「適切な量」を入れる
3 1日の仕事量を増やさない
4 なぜ「ToDoリスト」は使えないのか
5 見通しが立たないと脳は動かない
第2章 箱に何をどれだけ入れる?
1 時間をお金のように考える
2 細かな時間の量を見積もる
3 「何時から何時」という概念は不要
4 長期のプロジェクトはどう箱に詰めるのか
5 デッドラインから逆算する方法には無理がある
6 1日の予定を立てる
7 余計なものを箱から取り出す
8 黄金の朝時間がムダに使われている
9 後で片付けやすいように「箱詰め」する
10 「ごほうび」を必ず1個は「箱」に入れる
11 「箱」の中身がなくならない本当の理由
第3章 箱のなかみを早く減らせ!
1 やる気×時間
2 睡眠でやる気は復活する
3 午前中にメールチェックをしない
4 「まず、動く!」は最終手段
5 ストレスは「気持ちの問題」ではない
6 ためしに少し「やっつけて」みる
7 まずは「5分ルール」で仕事に取りかかる
8 作業の後には必ず休憩を入れる
9 仕事はなるべく「無意識化」する
10 見通しが立たない仕事は積み上げるしかない
11 6分の使い方
12 常に「Doingリスト」を用意する
13 カンヅメ効果を120%に
第4章 箱を空にする秘訣
1 メールは昨日のものだけ対応する
2 やる気はどうやったら生まれるのか
3 「見通し」があるとやる気が生まれる
4 いつもムリがあると心得る
5 デッドラインをフル活用する
6 1日の中にいくつも「壁」を作る
7 箱は毎日、空にする「アーカイブ発想」
おわりに
【ポイント】
◆本書には非常に多くの付箋を貼りまくったのですが、特に個人的にツボだった、6つのポイントに絞って書いてみます。題して「残業しないための6つの方法」
■1.1日の仕事量を増やさない
◆これが本書の一番のキモではないか、と。
文章にすると簡単そうですが、実際のシーンを考えてみると、朝には想定してなかった、メール、電話、仕事の依頼等々が押し寄せてくるのが当たり前になっています。仕事ができて、かつ残業も少ない人の箱には「ふた」があります。
1日の仕事量を正確に見積もり、1日でこなせない仕事量は箱に入れません。1日が始まると箱の中の仕事を着実に減らしていき、余裕をもって1日を終えるのです。
果たしてそれらをどうするか?
具体的なTIPSとしては、「メールは昨日のものだけ対応する」他色々あるのですが、ここでは割愛。
また、やはりこちらを併読して頂くと、より一層理解が深まりそうです。
参考記事:【時間管理術】「マニャーナの法則」マーク・フォースター(2009年05月23日)
■2.仕事の見通しを立てる
◆「仕事の効率」を考える上では、「見通し」という概念が大事、というお話。
曰く、「仕事が終わるところがイメージできるので、見通しが立つと人はやる気になる」のだそう。
脳は、「この仕事を終わらせるのに必要なエネルギー量はどれくらいか」ということを、算出しています。(中略)
どのくらい使えば終わるかがわからないものにエネルギーを使っていると、全部なくなってしまう危険性がある。それは避けたいと脳は判断するわけです。
◆本書では、「1日の仕事」を最初に決めてしまい、その後発生したものについては、基本的に翌日以降にまわすスタイルを推奨しています。
つまり、最初の時点で仕事量が判明しているので、見通しが立てやすく、結果的に効率が高まるということですね。
私の場合、見通しも立てずに「常に全力」でやりながら、疲れるとついつい「ネットサーフィン」で必要以上に息抜きをしている、というよくないパターンですな。
■3.時間を視覚化する
◆「なぜ人は、時間を認識しづらいか」という点について、「それは脳に時間野がないから」という指摘が本書にはありました。
人間がどのように時間を知覚しているかについての説明は本書に譲るとして、ここでのポイントは、「時間を視覚化する」ということ。たとえば脳には「視覚野」があります。ある風景を前にすると脳の中の「視覚野」が働くのです。脳の中の視覚野が働くことで「見える」という感覚を持つことができます。(中略)
視覚野はあるけれども、時間野がないということは、人間は時間を直接的には知覚できない、ということになります。
つまり、時間を直接「感じる」ことはできないので、しっかりと見積もりを記録し、時間を「視覚化」していくことが大切なのです。そうしないと、仕事に要する時間の「適切な量」というものが把握できないままになります。
◆「時間の知覚化」のために、佐々木さんが用いているのが、過去の著作でもご紹介されている「タスクシュート」。
タスクシュート
TODOリストとの大きな違いは、「見積もり時間」が存在すること。
最初から必要な時間を見積もることが、効率よく仕事を進めるための秘訣なのだそう。
◆私は、「やるべき仕事」のメモに、その内容は書くものの、見積もりまでは立てていませんでした。
そもそも、その日「やれるところまで仕事やって切り上げる」(&「ブログ書き始める」w)というなし崩し的な仕事のやり方なので、何となく「今日できるのはこのくらいかな」、程度の予測(見積もりとは言いがたいので)しかしてません。
なるほど、それで効率が悪かったのか・・・。
■4.取りかかりにくい仕事は「5分ルール」で片付ける
◆なかなか取りかかりにくい仕事に着手するための良い方法が、「タイマー」を使うこと。
そのタイマーでオススメされているのが、コチラ。5分ルールでタイマーをスタートさせてしまうと、意外なことに仕事が動き出すものです。ここでダッシュをかけると、それで一仕事終わったりすることもあります。ダッシュをかけることでエネルギーや時間のムダがなくなり、仕事が一気に片付くのです。
先日のアソシエの文房具特集号で、奥野宣之さんが紹介されていたヤツですね。
◆また、こういう指摘もごもっとも。
まさに、私の本業関係がそうですよ(トホホ)。人は時間に余裕があると、不思議と必要以上にていねいに仕上げようという意識が生まれ、逆に時間がないと思うと締め切りのほうを優先し、質的には最低限必要なレベルを満たしていればよいと判断します。
なるほど、その仕事が「やる気にならない」ということを忘れるくらい、短時間で集中してやれば良いわけですね。基本的にやりたくない仕事に対して、必要以上の時間を割きたくないがゆえに、切迫感を持って臨むというのがタイマーを使う狙いです。やる気にならないことだからこそ、そのわずかな時間だけやればいい。大変さを常に感じながら仕事するのではなく、仕事を単に時間で処理すればよいというふうに意識を変換できるわけです。
やる気にならない仕事だと、ついダラダラやってしまいがちですが、全く逆に考えるということかと。
私も確かに、やる気にならないと、ついつい「ネットサーフィン」(ry
■5.見通しが立たない仕事は積上げる
◆ここで言う「見通しが立たない仕事」とは「1日の箱」に入りきらないほど大きな仕事のこと。
大きな仕事は「分割する」のが基本ですが、見通しが立たない、だけど少しは進めておきたい、という仕事もあるはず。
そういう場合に佐々木さんが使っているのが「スティッキーズ」というソフト。
これは、パソコンのデスクトップに貼り付けることができるソフトで、閉じるときに、次に出てくる時間が設定可能です。
私の場合は、原稿を執筆するのに使っています。いつ、どんな形で発表するかは別にして、とにかく書き始めてしまうのです。途中まで書いたら、あるいは嫌になったら、次にパソコン画面にポップアップして出てくる時間を適当に設定して眠らせ、原稿を書いたことは忘れます。
◆佐々木さんの場合、こうして少しずつ書き溜めていって、いつの間にか1冊の本になるのだそう。
私には、そこまで見通しが立たない仕事はないものの、もしこれ以上の長文(本とか?)を書くようなハメになったら真似してみたいところです。
・・・って、これ以上家族との時間を削るわけにはいきませんが。
■6.デッドラインをフル活用する
◆「やる気」を出すには、やはり「締め切り設定」が効果アリ。
佐々木さんはこの締め切りを「壁」と呼んで、1日の中に何度も「壁」を作ることにより、できるだけ「やる気」を保つことを推奨されています。
通常の会社勤めであれば、「壁」は「ランチ」と「終業時間」程度。もし1日の中に壁が1個だと、やる気は時間の経過とともに徐々に上がり、壁の時点でピークに達するという三角形に近い形を示します。そこで壁を何個も設定することで、全体のレベルを高く保ちつつ、総面積(仕事量)を増やす、つまり長方形に近づけていくというわけです。
そこで本書では、「15時」と「19時」も例として挙げています。
この辺は、業務内容や、勤務体制との絡みもありますが、検討してみたいもの。
私のように「壁」らしい「壁」もほとんどなく、「17時半以降はダラダラとブログ書き」というのが、一番非効率なんですね。
【感想】
◆何だか無理やり6つに絞ってしまいましたが、本書には、ホントは他にも「午前中にメールチェックしない」「選好逆転しない」といった、かなり重要なTIPSも収録されています。正直、ポイントだけもっと大量に列挙したかったくらい。
冒頭に書いたように、「マニャーナの法則」の流れは汲むものの、かなり佐々木さんの色が出ていると思います。
◆特に、佐々木さんの専門である「心理学的なアプローチ」がそう。
「仕事の効率」に大いに関係のある「やる気」についても、「脳」のはたらきから解説されています。
これは、他の著者さんにはなかなかできないことではないでしょうか。
◆また、多くの「ハック本」を手がけてきただけあって、ツールを活用している点も、「マニャーナの法則」との違い。
上記で挙げた「タスクシュート」に関しても、佐々木さんのサイトで細かく説明されています。
タスクシュート:佐々木正悟のライフハック心理学
・・・タスクシュートを作られた大橋悦夫さんよりお詳しい感じw
◆個人的には、本書の内容を実践すれば「残業が減る」ことは確実だと思います。
もちろん、中には会社勤めだと「難しい部分」もありますが、だからといって全く手をつけないのも持ったないお話。
私のように、部分部分をつまみ食いするやり方でも、根本的な解決にはならないものの、現状改善は十二分に可能かと。
少しでも残業を減らしたい方に!
【関連記事】
【時間管理術】「マニャーナの法則」マーク・フォースター(2009年05月23日)【仕組み化時間術】「ルーチン力」佐々木正悟(2009年01月14日)
【時間畑】「LIVE HACKS! [ライブハックス!]」大橋悦夫(2008年05月11日)
【ホワイトカラーの生産性向上】「デッドライン仕事術」吉越浩一郎(2007年12月20日)
「TIME HACKS!」小山龍介(2007年02月21日)
【編集後記】
◆今日のご本を読んでいてフト欲しくなったのがコレ。ネットに繋ぎようがないですから、効率的にブログの下書きができるのではないか、と。
もっとも私の場合、自宅か職場でしかブログ作業をしないので、PCを横にどけてあえてポメラで入力することになりそうですがw
ご声援ありがとうございました!
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箱にまとめて仕事道具や勉強道具を入れておく、と言えば、私は和田秀樹さんを思い出します。
いかに勉強や仕事の「継続性」を維持するかというのは、苦労するポイントですね。私も、最近は A4 ファイルが入る箱を用意して、それに全部資料を入れています。
試しては見るもの、整理が悪いとたちまち悪くなるという弱点がまだ克服できてないので、その辺をこの本で解読したいなーと考えています (^^;
ご無沙汰っすー。
スイマセン、記事の書き方がラフなんでわかりにくいかもしれませんが、本書における「箱」というのは、あくまで抽象的な「1日分の仕事を収めるもの」であって、実際に箱に道具を入れるわけではないんです〜。
「箱」というメタファーを使うことのメインの理由は、最初に「ふた」をすることで、その日に新規の仕事を入れないことなんですよ。
・・・ってお買い上げ頂いてたら、本書をお読み下さいマセ(汗)。
見当違いのレスつけてしまって…
smooth さんの書き方は悪くないです。
私の思い込みと文章の書き方が悪いのですね。
この本を購入する時は、こちらでポチっとさせて戴きますので、お許しください〜
妙なコメントだったことを深くおわびします。
また私が性懲りもなく思い違いをしているようでしたら、びしばしご指摘くださいませ。
< (__;)>
わざわざコメントありがとうございます。
実際、思い込みされた、ということは私がわかりにくい書き方だったんですよー。
失礼しました。
私も最近色々な書き方を試しているので、ますます分かりにくかったらごめんなさい。
そしてアマゾンアタックはご無理なさらず(汗)。