2009年06月02日
【顔写真の力】「ビジネスに使える! 見た目を9割上げる写真活用術」タツ・オザワ
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、ちょっと珍しい「ビジュアルテクニック」のご本です。日頃私たちが何気なく使っている「顔写真」。
こと、ビジネスにおいては、この顔写真を改善することにより、大きな効果が望めるよう。
ホームページのみならず、ブログ、チラシ、そして名刺。
私たちは、もうちょっと戦略的に顔写真を考えた方が良いのかもしれません。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
まえがき
第一章 なぜ、顔写真は最強のビジネスツールなのか
文字よりも映像のほうが印象的
人は顔の表情でコミニュケーションしている
顔の認識能力は生まれつき ほか
第二章 顔写真だけでこんなに成功する!
実例1 短期間でブランディングに成功した起業家
実例2 売上を四倍にした司法書士
実例3 セルフイメージを上げて「幸せな成功」を手にしたトップ・セールスマン
第三章 誰も教えてくれない! 絶対に知っておきたい写真の基礎知識
ビジネスに失敗する写真
ヘッド&ボディ・ポジション
頭を傾ける ほか
第四章 効果的な写真はこうつくれ
ステップ1 目標を明確を持つ
ステップ2 期限を設定する
ステップ3 ターゲットを決める ほか
第五章 驚異の写真活用術
ホームページに載せる
ブログで自己開示する
名刺はビジネスの最強ツール ほか
第六章 成功を勝ち取るとっておきの方法
まず理想の自分ありき
セレンディピティを引き起こす、良質の顔写真
理想の自分をいつ見るか ほか
あとがき
【ポイント】
■知っておきたい写真の基礎知識◆アメリカの写真大学で「絶対やってはいけない」と教わるのが、「マグ・ショット」というアングル。
写真大学ではさておき、ググった限りでは、むしろ「逮捕時に撮られる写真」という方が一般的なよう。これは、カメラに向かって頭も体も平行に構え、いわゆる証明写真のように、真正面から撮影するショットのことです。
運転免許証、パスポート、新聞や雑誌、テレビなど、いたるところで見られる写真です。
(本はオススメしているワケではありませんw)
でも、いずれにせよ、確かにイカンですわな、これは。
◆なぜこれが「イカン」のか、という点について、本書にはこうあります。
「人相が悪く見える」かどうかは別として、この左右対称か非対称か、という点については、実は「モテ」にも関係している・・・というお話をかつて読んだ記憶が。まず、正面を向くことで、立体感に欠けた、平面的な顔に見えてしまうからです。
それに、人間の顔というのは、左右非対称にできているのです。その非対称が鮮明になり、人相が悪く見えてしまいます。
参考記事:【モテ】「なぜ、その人に惹かれてしまうのか?」森川友義(2007年09月14日)
◆それはさておき、左右非対称であることがわかるような「マグ・ショット」を避ける理由について、引き続き本書から引用します。
それがゆえに、左右非対称であることがわかりやすい「マグ・ショット」は避けよ、ということですね。人間の顔も同じで、左右のバランスの良い人を見ると安心します。誠実でバランスのとれた人生を送ってきたのだろうと、勝手に外見からその人を判断してしまいます。
一方、バランスの良くない顔を目の当たりにすると、信頼できないという気持ちがわきおこったり、不安を感じたりします。たとえ中身は立派でも、その人を誤解してしまうのです。
なるほど、顔写真の多くが、真正面から撮ったものではない理由が納得できました。
■顔を均等に見せるにはどうしたらいいか?
◆ならばどうしたらよいか。
本書では、環境ジャーナリストの枝廣淳子さんの顔写真が例として出ています。顔と体のポジションを調整すればいいのです。カメラに対して平行に構えないよう留意して、全体のバランスを取るのです。
あれ?この本の帯と同じような服装のような・・・?
本書では具体的なポジションが解説されておりますが、その辺はネタバレ自重で。
■その他のテクニック
◆ポジション以外にも留意する点が多々。
本書からいくつか抜粋します。
●頭を傾ける
「猫背」も困りものですが、背筋が伸びすぎているのも、「硬くて止まった感じ」になってしまうのだとか。頭を傾けることで硬さが取れ、画面の中に斜めのラインが現れることで人物に動きも出てきます。
また、「傾ける」と言ってもあくまで自然な角度でだと思われ。
●目線について
人によって目線を合わせるのか否か、という問題ではなく、「どのようなメッセージを与えるか」が重要。人物の目線の方向によって、見る人に違ったメッセージを与えます。
例えば「遠くを見ている目」で、「リーダーとして幅広い見地で世の中を見渡している様子」を表す等。
●ライティング
これについては、基本となる4つのパターンが本書では紹介されています。
ただ、やはりこればっかりは、実際に同じ人物による「4つの具体例」をご覧頂かないとわかりにくいかと・・・(というわけで詳細は本書を)。
●アングル
本書では、モデルとなるデザイナーの男性の写真が2枚掲載されており、2枚目の方は言われないで見たら、「お偉いさん」といった感じ。写真のアングルによって、ビジネスの地位が決まるのをご存知でしょうか?
社会的地位や立場、人物の強弱も表現できるのです。
写真は極端にローアングルから撮ったものではありません。デザイナーというよりも大企業のCEOに見えますよね。下から撮ったほうが力強さを表現できるからです。
それでも微妙にアングルを変えただけで、「受ける印象が全然違う」というのは目からウロコでした。
■顔写真を使い分ける
◆上記のように、写真によって、「相手に与える印象を変えることは可能」です。
本書でも、以下のような例が紹介されています。
●「若造」に見られてしまう社長が、会社案内には「強面」の写真を使い、ブログには「カジュアル」な写真を使う
●取引先が「個人」から「上場会社」まで幅広い税理士が、客層に合わせた写真を使い分ける
◆特に後の例の税理士さんは「6枚もの写真」が紹介されているのですが、「表情」やら「アングル」、さらにはメガネのような「小物」を使い分けることによって、上場企業からベンチャー、個人客まで対応しているようです。
この辺は、例えばホームページを作成する際に、お客さんの「タイプごとにページを分けて」おき、さらにLPO(ランディングページ最適化)等をすれば、成約率も変わってきそう。
■「顔名刺」の威力
◆本書では、ホームページやブログ、チラシ等での顔写真の使い方についても解説されています。
その中で、個人的に一番「ツボ」だったのが、名刺。
私たちも認識しているように、名刺には大まかに言って「職場等で支給されている定型の名刺」と「たくさんの情報を満載している名刺」の2種類があります。
ここで私が提案したいのは、第3の名刺の使い方です。
各業界の第一線で活躍している、一流の人物の名刺を知っていますか。実にシンプルで、なんの売り込みもなく、受け取り手の心地よさを与えます。
このシンプルさを見習い、なおかつ、相手に強烈にアピールする名刺。
つまり、顔写真を表面いっぱいに掲載して、文字を裏面にシンプルに載せる名刺をつくるのです。これを私は「顔名刺」と呼んでいます。
◆本書では実際の「顔名刺」(「顔」と言ってもバストショットですが)の具体例と、その使い方や効果についても言及されており、これがなかなかスゴイ。
私もかつては、セミナー等でやたら名刺を頂いたものですが、さすがにこの「顔名刺」に属するものは見たことがありません。
確かに「インパクト」という点では絶大かも。
名刺での効果にお悩みの方なら、検討の価値アリです。
【感想】
◆私のような「顔出し不可」の人間にとっては、「顔写真」というテーマ自体、ほとんど実践不可です。それでも本書を取り上げたい、と思ったのは、実際に掲載されているいくつかの写真を見て、「なるほど、そうだよね」と思ったから。
私はともかくとしても、実際に顔写真を活用されている方にとっては、本書で言及されていることの多くが「知っておくべきこと」だと思います。
◆まずは、使っている顔写真自体に問題はないか。
そして、その顔写真が使われているシーン(媒体等)と写真、さらには訴えたいメッセージがリンクしているかどうか。
顔写真も、ただ「笑顔」なら良いわけではなくて、むしろ「真摯な表情」の方が適している場合もあります。
言われて見れば、結構当たり前なのに、今まで深く考えたことがありませんでした。
◆一方、その顔写真を見る方も「深く考えて」はいません。
単に見て、無意識レベルで、何らかしらの判断を下しています。
「信用する」「しない」、「買う」「買わない」、「連絡する」「しない」等々、ホームページやチラシ等において、何の気なしに決められてしまう様々な事柄。
それらがコントロール可能なのであれば、できるに越したことはありません。
◆本書では、上記に挙げたテクニック以外にも、「セルフイメージを高める」ための写真活用法も紹介されています。
写真の中だけでもワンランク上の自分を実現し、それを日々目にすることによって、セルフイメージが高まる、というのは、話としても納得。
第6章では、それを実践して成功を勝ち取った原健一郎さんと、その運営されている旅館(「雉子亭 豊栄荘」)について紹介されています。
必ずしもこの顔写真だけが要因ではないにせよ、原さんの旅館はほどなく業績がぐんぐん上がって「楽天トラベル」の「部屋数30室未満の宿のうち、予約完売率が第1位」になったそう。写真を撮ったのが10月初旬。できあがって手元に届いたのが中旬。
それから毎日、彼は写真を眺めることを始めました。引き出しにしまって他の誰に見せることもなく、朝、昼、晩と、自分だけが顔写真を見始めたのです。
・・・人に見せないやり方なら、私にもできるかもw
ビジネスシーンで顔写真を活用したい方なら必読!
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【編集後記】
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