2009年05月18日
【勝間さん絶賛!!】「ビジネス・ゲーム」を紹介し忘れていた件【今さらですが】
【本の概要】
◆昨日、ビジネススキルのランキングをお送りし、そこで「会社でチャンスをつかむ人が実行している本当のルール」をご紹介した際に、「あれ?この本の元となった『ビジネス・ゲーム』は?」と思ったワタクシ。調べてみたら何のことはない、付箋貼るだけ貼りまくって放置してましたよっ!

本書は基本的に、「女性向け」と思われているフシがあり、確かに社会に出ようとする女性なら「必読」なのですけど、今回は、「男性でも声を出して読みたい」部分を抜粋してみようかと。
そう、男性にとっても読みどころ満載なんです!

【目次】
第1部 まず、ゲームの基本を知ろう
ビジネス社会の基礎知識
会社で働くことの本質
ビジネス・ゲームの実際
女性が会社で居心地が悪い理由
女性のための頭脳プレー
第2部 あなたのキャリア・プラン
あなただって管理職になれる
目標にたどりつくために
「勉強すること」そして「お金」
大学生のために
第3部 ゲームに勝ち残る秘訣
仕事場でのルール
賢い自己主張法
成功のためには何を着るべきか
ビジネス・ゲームの落とし穴
【ポイント】
◆発売されてからずいぶん経ってますし、既にお読みの方も多いと思いますので簡単に・・・。■組織の中では「自分の仕事」をすることこそが大切
◆会社の中における最も大事なのは「自分の仕事」をこなすこと。
一方で責任感の強い人は、目の前にある「自分が果たすべき仕事以外の仕事」にまで手を出す事もありがちかも。
これについて本書はこう諫めます。
特に周りの状況がよくわかってない状態で、指示された以外の作業に手を出すと、かえってロスとなる可能性もなきにしもあらず。このことに対しては、しばしば「彼女はよくやっている」「がんばりやだ」というお褒めのお言葉が与えられたりしますが、それは、多くの場合、単なる言葉の上だけの賞賛であり、昇進や昇給などの実質の伴ったものではありません。
「頑張っても報われない」、という前に、「自分の仕事」をしっかり認識した方が良さそうです。
■オフィスの中では、効率を求めるよりは、秩序を優先した方がよりよい結果を生むことが多い
◆会社で働く上で大事なことの一つに「直属の上司との人間関係」があります。
例えば本書で登場するのが、「自らが責任者であるプロジェクトに副社長から参加要請された女性が、自分の直属の上司に妨害を受ける」お話。
この場合、彼女は副社長に対して、自分の上司に「彼女を貸し出してくれるようお願いしてもらうべき」でした。
一見非効率ですが、そういう些細なことも「会社で働く上でのルール」なのです。
どちらかというと、日本の場合は「ルールに縛られすぎて、貸し出し自体不可」になりそうな気がしないでもないですが、一応留意しておきたいところです。
■賢いプレーヤーとなるための6つの鉄則(抜粋)
◆本書では、会社において「賢いプレーヤーになるための鉄則」が6つ紹介されています。
ぶっちゃけ全部大事なんですけど、ここでは抜粋して3つほど。
2.オフィスでたとえ不愉快なことに遭遇しても、感情にまかせた行動は決して取らない。
3.会議などの公式の場では上司には逆らわない。その代わり、別のアイデアを出したり、インフォーマルな雰囲気で他の選択肢を持ちかけてみる。
6.ミスを犯したら、そのことにがっかりしないで、それから学ぶ態度を持つ。
◆私は既に退職していたため、その場にいたのではないのですが、かつての職場で人事異動の異動先に不満を持って、上司の机を蹴り上げた後輩がいました。
感情的にはわからないでもないですが、そんな事をしてしまったら、彼の社内でのキャリアは終わったも同然。
また、「公式の場で上司に逆らわない」というのも、結構下の世代だと理解されていない感じがしております。
■会社に教育投資させる
◆私が本書を読んで初めて知ったのが以下の部分。
そして「会社のお金で教育を受ける」ためには、「直属の上司に『頼む』」こと。自分で授業料を払った女性は「私は自前で授業料を払ったから、会社に経済的な負担をかけていない。会社はきっと私に感謝するだろうと思うかもしれませんが、会社側はそんなことは全く思っていないのです。それよりは、企業というものは、同じ内容の勉強をしても、個人で授業料を払った者よりも会社が授業料を負担した者の方を高く評価する傾向があります。
しかも、ただ待っていたら「順番は永久に回ってこない」のだとか。
私の会社員時代の同期の何人かが、会社のお金でアメリカでMBAを取っていますが、それが正しいやり方なのかもしれません。
■理科系の学士号はとっても、その分野の専門職にはつかない
◆これは本書の中の「理科系の学生はどう行動すべきか」という部分からのお話なので、文系や既に卒業された方には直接は関係ないものの、考え方として面白かったので。
私のように、電気&コンピュータ関係の会社に入社しながら、新入社員時の部内の挨拶で「将来は社長になりたいです!」と宣言した後で、「いや、●●クン、うちの会社、社長は代々理系だから」(私は経済学科)と言われるような奴は論外、ということで。たとえばコンピュータ関連会社やメーカーに就職したいと思ったら、会社概要を見て管理職たちがどんな技術的バックグラウンドを持っているかを調査するのです。このような会社では、管理職には必ず技術畑の人が入っているはずです。それが分かったら、それに関連した分野を専攻しておけば、おそらく有利になるでしょう。
それはさておき、今まだ学生の方なら、そういうことまで考えて科目選びをする、というのも「大アリ」かもしれませんね。
■机のまわりがあなたを語る
◆著者の知人で、「新しい取引先とは必ず先方のオフィスで会う」と決めている人のお言葉から。
そして反対のパターン。「優秀な経営者の机には、私との商談に関するもの以外なにも載っていないのです。彼は私が訪ねて行くといかにも会いたかったという振る舞いをします。こちらの言うことをよく聞き、的確な質問をし、その上で決断を下します。(中略)
このような経営者は、まず信頼できるし、信頼を裏切られたことは一度もありませんでした」
私がどちらかかは、言うまでもないですが(逆ギレ)。「反対に信頼できないのは机の上に書類を積み重ねておきながら、私との商談の資料がどこかに散逸してしまっているような経営者です。こういう人は何週間も前に面会の約束をしていたにもかかわらず、私に会うとびっくりしたり、どうして私が訪ねてきたのか思い出せなかったりします。(後略)」
◆その知人によると、整理整頓にはルールというものがあり、「書類とのつき合い方」に一定の法則を持つべきだそう。
本書では、この話に続く部分で、「あなたがマスターすべき仕事の作法」と題して、「周囲からきちんとしている」と思われるための具体的な方法が列挙されていますので、ご参考まで。それは「二度と同じ書類に目を通さない」ということなのです。そのくらいの覚悟をもって書類に接しないと、ものはたまる一方だということです。
【感想】
◆冒頭で挙げた「会社でチャンスをつかむ人が実行している本当のルール」を読者の皆様に支持して頂きながら、今までこの本を放置していて、お恥ずかしいやら申し訳ないやら。放置されすぎていたせいか、付箋が折れ曲がったりしているのが、携帯で撮った画像からもわかるくらい。
巻末には「文庫本によせて」と題して、勝間さんの解説が6ページ半もございます。
・・・カツマーならとっくに買っちゃってますよね。
◆さて、本書で語られているのは会社という「フィールド」における、「ルール」のお話。
またそのルール自体も、本書(の単行本)が最初に出た16年前とは若干変わっているでしょうし、日米の違いもあるかもしれません。
ただし、ルールには必ずしも従わなくても良い可能性はありますが、少なくとも「知っておいた方がよい」とは言えるのではないでしょうか?
実際、現時点における幹部・役員クラスの人は、16年前にはすでに社会人であり、「このルールでプレイしてきた」のですから。
◆また、本書を読んでいて、深く納得したのが次の箇所。
女性をビジネスにおける「プレイヤー」として見ていない、ということは、男性側には十二分にありそうな。男性は多くの場合、女性をステレオ・タイプでしか見ることができません。彼らは、女性を「母親」「姉妹」「妻」「娘」もしくは「ガールフレンド」か「娼婦」のいずれかに当てはめなくては相手を認識できないのです。男性は、自分たちが論理的で冷静だと言い張りますが、実際彼らの女性に対する態度は非論理的で感情的なのです。
その結果女性側から、次のようなアプローチをされている可能性もあります。
読者を女性と設定しているので、あなたが男性の場合逆の立場で読んで頂きたく。
結構ありえそうでちょっと怖い。もし、あなたが若い女性部下を自分の娘扱いする上司の下で働く場合、あなたは「娘」を演じることで「父親」の心をつかむことができます。「無邪気なかよわい娘」に対して、「無防備な父親」は機密に関することもどんどん話してしまうかもしれません。
逆にあなたが管理職になって、若い男性の部下をコントロールする場合は「母親」のイメージを使うのもひとつの方法です。このように、相手の頭の中にあるステレオ・タイプを利用して、自分に有利な形に人間関係を持っていってしまうことも十分可能なのです。
◆本書は「女性」を対象に書かれてはいるものの、上記ポイント他、「男性」にとっても学ぶべき点は多々あります。
明文化されたものだけが、必ずしも「ルール」なのではなく、会社で出世するためには「言われなくとも当然知っておくべき情報」がここに。
マニュアル世代にこそ薦めたい1冊です!
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【編集後記】
◆昨日捕獲した1冊。このブログ的にはどうかと思いますが、なかなか面白いっす。世の中には、抗議や自主規制などにより再放送およびソフト化がされない、いわゆる「放送禁止映像」が存在する。いや、存在しなかったこととされている。それら決して見ることはできない「封印された作品」は、いったい何を問題視されたのか…。映像のタブーに鋭く切り込んだ評論集。河崎実監督との「ウルトラ対談」も収録。封印された“全264作品”から知る映像の暗黒史。

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文庫版の勝間さんの解説もいいですよね^^
「今さら感」が漂っておりますがお許し下さい(汗)。
勝間さんの解説、確かに力はいってますよね〜。
>男性は多くの場合、女性をステレオ・タイプでしか見ることができません
そーなんですよね。
女性を同じ人間として扱ってくれる男性は稀でした。
そこに腹を立ててもしょうがないので、制服スカートの丈を短くして気を引いて仕事しやすい状況にしたこともありましたが。。。
まぁでも、男性の思考回路の方が単純でわかりやすく、扱いやすいですよぉ。
女性のヒステリーの方が私には怖かったですぅ。
ビルダーナースさんは、男女の性差についてお詳しいので、ご理解いただけると思ってました。
そして、スカートの丈の件はビックラです(笑)。
そんな実力行使もなさったなんて。
確かに男性の方が単純かもしれませんね。
自分としても、あまり認めたくないのですが(涙)。