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2009年05月13日

【勝間さん激賞!】「天才!成功する人々の法則」がいよいよ発売へ!




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、何度かこのブログでも取り上げてきた、マルコム・グラッドウェル作、勝間和代さん翻訳の「天才! 成功する人々の法則」

すでに、小飼 弾さんが、先陣を切って記事を書かれてらっしゃいます。

才能は誰のものか? - 書評 - 天才! 成功する人々の法則:404 Blog Not Found

プルーフ版以後改めて全体を読んで、また巻末の勝間さんの15ページ半にもわたる解説をも味わった上で、思ったところを書いてみようかと。

色々な意味でこのブログのことについても考えさせられました。


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【目次】

講談社 BOOK倶楽部:『天才! 成功する人々の法則』目次より

プロローグ ロゼトの謎

 ロゼト住民の死因は、老衰だけだった!
 健康すぎる村
 個人を超えた視点

第一部  好機

第一章 マタイ効果

  選ばれたのは個人の実力?
 「樹」より「森」を見よ
 アイスホッケー界の鉄則とは? ほか

第二章 一万時間の法則

 ネット界のエジソン
 「生まれつきの天才」は存在する?
 「t=k」の福音 ほか

第三章 天才の問題点 その一

 IQ195の男
 天才の遺伝学的研究
 ノーベル賞受賞者の卒業大学 ほか

第四章 天才の問題点 その二

 大学は僕のためには何もしてくれない
 オッペンハイマーの機知
 親の仕事はここで決まる! ほか

第五章 ジョー・フロムの三つの教訓

 世界最強の弁護士
 「成功」物語の真実
 エリート弁護士は白い靴を履く ほか

第二部 「文化」という名の遺産

第六章 ケンタッキー州ハーラン

 仁義なき戦い
 南部に根強い“名誉の文化”
 「くそったれ」実験の成果 ほか

第七章 航空機事故の“民族的法則”

 着陸目前の悲劇
 最悪のエアラインからアウトライアーへ
 大惨事はなせ起こるのか ほか

第八章 「水田」と「数学テスト」の関係

 黄金色の海
 「数字に強い」は言語で決まる?
 勤勉だった稲作農民 ほか

第九章 マリータの取引

 貧しい街の“名門”学校
 「勉強のしすぎ」は健康破壊につながる?
 学力格差はなぜ起こる ほか

エピローグ ジャマイカの物語

 恵まれた双子
 母の「成功」物語
 特権という遺産 ほか

解説 勝間和代


【気になったポイント】

◆2章までについては、以前、当ブログにて記事(【速報】勝間和代さん翻訳の「天才! 成功する人々の法則」のページができました&プルーフを読んで)を書いているので、それ以降の部分を中心に思ったことなど。

■裕福な家庭と貧しい家庭の差

◆社会学者のアネット・ラローが、小学3年生の子どもについて行った実地調査によると、各家庭における親業の"哲学"はたった2種類しかなく、「裕福な家庭」「貧しい家庭」によって、ほぼ完璧に分かれていたそう。

まずは裕福な家庭から。

 裕福な家庭の親は、子どもの自由時間に深く関与し、さまざまな活動でわが子を送り迎えし、子どもに教師や監督やチームメイトについて頻繁に質問する。ラローが調査したある裕福な家庭の子どもは、バスケットボールチーム、ふたつのサッカーチーム、スイミングチーム、夏期のバスケットボールチームに参加していた上に、オーケストラでも活動し、ピアノのレッスンまで受けていた。

一方、貧しい家庭はこうです。

 そのような忙しいスケジュールは、貧しい家庭の子どもの生活にはまずまったく見られなかった。彼らにとって遊びとは、週二度のサッカーの練習ではない。兄弟や近所の子どもたちと行うサッカー遊びである。貧しい家庭の親はわが子の行動を、大人の世界とは関係のない、たいして重要なものではないと考えていた。ある労働者階級の少女のケイティ・ブリンドルは、放課後聖歌隊で歌っているが、自分で入会を登録し、練習場所までひとりで歩いて通っている。


◆この部分を読んだとき、当然私も、我が家の状況を考えました。

保育園に通うムスメは、週に1度の音楽教室公文式、それにお料理教室に通っています。

ただ、家で行うべき音楽教室のオルガンの宿題は、ムスコがオルガンに触りたがるので、ヨメ一人のときだと面倒見切れません。

・・・私が「ニセ残業(ブログ書き)」をせずにまっすぐ家に帰っていれば、ムスメも私と一緒に毎日練習できるのですが・・・。

   (´・ω・`)ショボーン


◆上記の少女ケイティ・ブリンドルに関して、ラローはこう語っています。

中産階級の母親には当たり前のことでも、ミセス・ブリンドルが怠っているのは、娘が歌に示す興味を"ひとつの合図"と受け取り、その興味をきちんとした才能に育てる手立てを探そうとしないことだ。同様に、娘がドラマに示す興味についても話し合わず、才能を育てる金銭的な余裕がなくて残念だとも伝えない。むしろ、ケイティの能力と興味を娘の特徴、すなわち歌や演技はケイティを"ケイティ"たらしめているものだと決め込んでいる。娘のお芝居を"可愛い"と思い、ケイティが"注目を集める"ための手段だと考える。

ウチもおそらくコレに近いと思います(反省)。

ムスメは3月の終わりの生まれで、保育園のクラスでも一番みそっかすだったのに、2歳の時の保育園の運動会では唯一まともにお遊戯が踊れていました(ちょっと親バカ)。

このときは、「ダンスとかやらせてあげたいね」と夫婦で言っていたものの、その後積極的にクラスを探すことも無く、そのまま現在に至っているという・・・。

スマヌ、ムスメよ!


◆本書ではこのケイティとは逆の例として、「英才児向けコースの資格を惜しくも逃した子どもの母親が、学校にかけあって娘をそのコースに入れさせた例」や、医師にたいしても物怖じせず発言できるよう、母親とリハーサル(?)をする少年、アレックスが登場します。

 その場を支配する特殊な能力が、どこから生まれるかを理解することは大切だ。これは遺伝ではない。アレックスは、権威ある相手とやりとりする技術を両親や祖父母から受け継いだのではない。瞳の色を受け継いだのとはわけが違う。人種によるものでもない。黒人か白人かに特有の習慣でもない。実のところ、アレックスは黒人であり、ケイティは白人だ。
 それは文化的な優位点だ。アレックスがそのような技術を持つのは、短い人生の間に、アレックスの両親が、高い教育を受けた家庭でのやり方で労を惜しまず教えてきたからだ。

これを本書では「権利意識」と呼んでおり、このアレックスが教わった権利意識こそが、「現代社会で成功するためには好都合な態度」なのだそう。

私も二人の子を持つ親として、労を惜しまず教える必要があったのだと、今さらながらに反省した次第・・・。


■学力格差はなぜ起こるのか

◆上のお話に関連して、もう1つ教育関係で。

社会学者のカール・アレグザンダーが小学校1年生を対象に、経済的階層である下流、中流、上流別に、5年生までの学力の推移を調査したときのこと。

まず、下流と上流で、単純に1年から5年での差を比べると、当初は小さかった差やがて大きくなるというのは分かります。

この理由としては「貧困家庭の子どもは、裕福な家庭の子に比べ、生まれつき学習能力が低い」もしくは「学校で貧困家庭の子どもたちに必要な技術を教えていない」といったところが考えられますが、「実態は違うのではないか」、とアレザンダーは推測。


◆ちなみに、対象となったボルチモア市では、このテストについて学年の終わる6月だけでなく、新学期が始まる9月にも実施していたため、授業のある「9月〜6月」における学習量と、夏休み期間中である「6月〜9月」の学習量を比較すると、いったいどの部分が学力差を招いているのかが分かるはずです。

そして結果は驚くべきものでした。

授業中に学んでいる量は、むしろ貧困家庭の子どもの方が多かったのです。

つまり、差を生み出していたものは「夏休み」だったという。

いちばん左の欄の、1年生の夏休みが終わった直後の変化に注目していただきたい。9月に新学年を迎えたとき、裕福な家庭の子どもは読む力が15ポイント以上も上昇した。一方、貧困家庭の子どもは4ポイント近く落ち込んでいる。貧困家庭の子どもは、裕福な家庭の子どもより多く学ぶかもしれないが、夏休み中に大きく引き離されているのだ。


◆さらに、1年〜5年までの総計で言うと、この差はもっと大きなものとなります。

貧困家庭の子どもの読む力は0.26ポイントの上昇にとどまる。読む力に関して言えば、貧困家庭の子どもは"授業のないあいだ"は何も学んでいない。対照的に、裕福な家庭の子どものポイントは52.49も上昇した。裕福な家庭の子どもが貧困家庭の子どもに対して持つ優位点は、事実上、生徒が授業を受けていないあいだの学び方の違いにある。

日本の場合、アメリカほど夏休みが長くないのでこれほどまでの結果は出ないでしょうけど、やはり「家庭での教育が大事」だということがよく分かりました・・・。


【感想】

◆今いる地域がどうこう、というのではないのですが、ムスメが生まれた当時に済んでいた都内某区は、結構裕福な家庭が多く、またムスメの通っていた保育園も、お母さんがお医者さんやら弁護士さん(!)といったご職業の方がいたりして、子どもの教育には皆さん熱心でした。

保育園以外でも、地域の子育てサークルのヨメのママ友達も、5人中3人が帰国子女だったりとか(ヨメは違いますが)で、皆さんお受験にいそしんでいた記憶が。

ウチのムスメは上で書いたように、3月末の生まれで、最初からお受験は諦めていたこともあってか、ほとんどのんびり育ててしまったのですけど、ホントはコレじゃいけないのではないか、と今さらながらに思ったワタクシ。


◆冒頭の小飼さんの記事でも、娘さんたちの教育費について唐突(?)に出てくるのは、この辺のお話があったからかと。

そして我が家でも習い事の月謝は惜しくないのですが、肝心の「家庭でのフォロー」が全然できておりません。

ヨメは大学院の勉強を夜中の2時、3時過ぎまでやっており、また私もブログの続きを書いたり、メールを書いたりして、やはり寝るのは2時過ぎということで、二人とも朝はヘロヘロ

結果、ムスメだけが早く起きて、一人で公文式をやっていたりとか・・・。

裕福な家庭ではありえませんね!


◆今回、私自身に深く関係する部分ということで、特に上記の「教育関係」を掘り下げましたが、本書には他にも読みどころが満載。

個人的にはある時期まで大韓航空機が落ちまくっていたという事実や、その原因、さらには対処法等について触れられている第7章と、著者であるマルコム・グラッドウェルの一族の話であるエピローグ(と言っても17ページ強あります)が大変興味深かったです。

特に後者の話における、グラッドウェルの祖母の奮闘ぶりには、「環境とは作り出していくもの」なのだと思わされました。


◆私自身も、かつて中学受験に失敗し、より良い勉強のための環境を求めて、多摩地区から都内の公立中学校に通っていたという過去の持ち主。

本書に登場し、勝間さんも取材したという「KIPP」(リンク先の4/30の欄参照)のお話を読んで、朝6時前に起きて、満員電車に揺られて登校していた頃を思い出しました。

あまりにキツくて、結局都内に引っ越してもらえたのも、今にして思えば、両親の理解があったからこそ(当たり前)。

今度は逆に、私が子どもたちにしてあげなきゃいけない番だと、本書を読んで強く思いました。

毎日2時間以上、ブログにかけていていいのか、smooth?


それはさておき、本書は当然激オススメでございます!



【関連記事】

【速報】勝間和代さん翻訳の「天才! 成功する人々の法則」のページができました&プルーフを読んで(2009年04月14日)

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【オススメ】「アイデアのちから」が予想以上に面白かった件(2008年11月25日)


【編集後記】

◆これまた小飼さんに一足先に紹介されちゃいましたが、大変面白そうなご本。

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すでにアマゾンでのランキングも1桁に突入しております!


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天才! 成功する人々の法則【書評の可能性】at 2009年05月15日 02:04
                               
この記事へのコメント
               
早速、買いました。

休憩時間に読むのが楽しみです♪


何せ、天才ですから(笑)
Posted by とっしー at 2009年05月13日 12:41
               
smoothお父さんの真価が問われているんですね。

応援してます><
Posted by シンジ at 2009年05月14日 00:48
               
>とっしーさん

タイトルには「天才」とありますが、俗世間一般で言う「天才」とはちょっと違いますよね。
ご本の方は、さすがマルコム・グラッドウェルだな、と言う感じかと。
勝間さんの解説も読み応えありますし。

>シンジさん

応援ありがとうございます!
さっそく今日も仕事早めに切り上げて、ムスメのオルガンの練習に付き合いましたよ!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年05月14日 03:39
               
少し前の記事に今更…ですが…コメントさせてください。

この本で人生感がだいぶ変わりました。こういう本にめぐりあうのもタイミングだな、と。

勝間さん訳のほうは読んでいないのでぜひ解説だけでも読みたいと思います。

これからも更新楽しみにしています。がんばってください^^
Posted by minon at 2009年09月16日 00:16
               
>minonさん

こちらにもコメントありがとうございます。
原書の方で読まれたんですね。
さすが英語が得意な方は違う(汗)。

そしてご声援ありがとうございます。
先ほど明日の下書きが終わって、今コメント書いてます。
正直眠いです(笑)。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年09月17日 03:07
               

初めまして。習い事させてあげられるだけ、中流以上だと思いますよ。


ほとんどの地方の公立小学生は、ひとつのクラスで半分の以上の人が、習い事なんてしていないと思います。
たまたま子供の友達の家、あなたの友達が家が裕福なのではないでしょうか?

聖歌隊は無料で費用払う必要がないです。

きっと、都会の人以外には自慢に聴こえちゃいます。

お嫁さん、大学院に行けるくらい裕福のようですもの。裕福ではない家は、よほど優秀で奨学金がなければ、大学にも夜間くらいしか行けないものだと思います。
ちょっと感覚がずれていると思います。



Posted by みら at 2014年01月21日 01:12
               
>みらさん

コメントありがとうございます。
なるほど、中流以上ですか〜。
そう言って頂けると、救われます(涙)。
確かに我が家を「裕福でない」事例として出すのは、適切ではなかったかもしれませんね。
ありがとうございました。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2014年01月21日 06:47