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2009年05月11日

【ドッキリ】「人を喜ばせるということ―だからサプライズがやめられない」小山薫堂




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日「もったいない主義」をご紹介したばかりの小山薫堂さんの新作。

メインタイトルに「人を喜ばせる」なんてありますが、ぶっちゃけサブタイトルの「サプライズがやめられない」の方が正しい内容です。

やってる事はほとんど「ドッキリ」かそれに類すること。

実は本の帯にはこう書いてあります。

(注)覚悟してお買い求め下さい!
今、初めて明かされる驚異の発想術!!
・・・なんてことを、この本に期待してはいけません。
ぼくがやってきたサプライズの全記録!!
これをどう役立てるかは、あなた次第です!
                        ―小山薫堂

いや、それって、面白ければ親でも騙す私にはかなりツボなんですがwww


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【目次】

はじめに

登場人物紹介

第1章 気づき、のためのサプライズ
 変化値
 気づき
 日常 ほか

第2章 たくらむ、は面白い
 朝日新聞サプライズ
 ニセ1年生
 チャッテナン ほか

第3章 愛情のきっかけとしてのサプライズ。でも別れも…
 リアルタイム・サプライズ
 成功
 復縁 ほか

テレビ番組「トシガイ」より最終回ゲスト小山薫堂
 放送作家になったきっかけ
 東北芸術工科大学
 人生最後のサプライズ ほか

「しいたけ魂」決定稿

コラム 小山薫堂、かく語りき
 最後の食卓
 放送作家への道
 バナナトリップ、再び ほか

おわりに


【所感などなど】

■インサイダー取引で逮捕

◆えー、冒頭にも書いたように、この本は小山さんの「イタズラ録」みたいなもので、結果的に相手を喜ばせる「ドッキリ」もあれば、仕掛けた方が大爆笑の「ドッキリ」もあったりします。

ドッキリである以上、ここで書いてしまうと読む楽しみが半減してしまうので、基本的には中身は自重

ただ、過去当ブログでご紹介した2冊ともかぶる「ドッキリ」が若干あり、そのうち2006年の「考えないヒント」で記事にも書いたこのお話なら、もう時効かな、と。


⇒株にはまっていた事務所スタッフの誕生日に「偽のインサイダー取引」を持ちかけ、株式購入用紙に捺印寸前に、偽の東京証券取引所の人間によって、インサイダー取引で「逮捕」させる。

⇒そして「おまえが本当に欲しい株はこれだろ」と言って、蕪でできたバースデーケーキを差し出す。



確か「考えないヒント」では詳しくかかれてなかったのですが、このとき対象となった株は「価格.com」で、しかも話をもちかけるのが、当時本当に「価格.com」の社長だった人だというのですから、手が込んでます。

これは騙されてもしょうがないかも。


■サプライズの根源

◆また、そもそも小山さんが、なぜドッキリにはまったか、という理由も本書では明らかにされています。

それが「ニセ1年生」というお話。

 大学は日本大学芸術学部でした。ぼくの通っていた放送学科というのは、1学年120人くらい。この学科では、新1年生が入ってきたとき、上級生が彼らをサプライズするというのが、ひとつの習慣になっていたのです。
 ぼくらはそのイベントを「偽一(ギイチ)」と呼んでいました。ニセの1年生っていう意味。上級生がニセで1年生に扮しているんです。

このイベントは「入学式」のときから仕込まれているという、結構手の込んだもの。

中身については、本書でご確認をw


■騙しがいのある(?)登場人物

◆基本的には、小山さんの周りの方が、小山さんも含め、皆、「ドッキリ」の犠牲となっているのですが、特によく騙される人物として登場するのが、小山さんの会社の副社長である軽部さん。

冒頭の「登場人物紹介」でも、「誰でも信じやすいので最もサプライズしやすい男」との記述が。

特に軽部さんの場合、「逆ドッキリ」(ドッキリさせるはずがさせられている)でもはまっているという、ナイスなキャラで、笑かしてくれています。


◆それと、社外の方では、おなじみ石田純一さんも、犠牲者として登場。

実際に騙されるお話読んでも、全然違和感がないのがラシイと言えばラシイのかも・・・。

普通、こういうのって、1度騙されたら次は疑うものなんでしょうけど、あまり疑わなさそうなキャラですし。


■最後のサプライズ

◆そんな小山さんでも(?)、『「心やさしかったんだなあ」と思われたい』そうで、こんなお話が。

「どういうふうに死にたいか」と以前聞かれて、ぼくはサプライズが好きだから、ハート型の石を飲み込んでおいて、火葬場で焼かれたあとにハート型だけが残っている、という死に方だと答えました。あるいは最後の手術を受けるときに、お医者さんに頼んで、燃えないハート型のものを体のなかに入れておいてもらいましょうか。これが最後にやりたいサプライズかなあと思います。

可能かどうか別として、私も子どもたちには、何か心に残せたらなぁ、と思ってみたり。

・・・って、ワタクシまだまだ働き盛りですが!


■小山さんのお父さんも登場

◆小山さんへのサプライズとして、小山さんが手がけていたテレビ番組「\トシガイ」に小山さんのお父さんが登場したことがあったそう。

この番組は、「ゲストの年齢×1万円をゲストにあげて、無駄使いしてもらう」というものなのですが、小山さんのお父さんですと69万円(高っ!)ということで、「年齢×千円」に値下げして遂行。

そのお金でお父さんは、小山さんの誕生日に、子どもの頃に買ってあげられなかった軍艦のプラモデルを自分で作って差し上げたそう。

 ぼくはそんなプラモデルをねだったことなんて、ぜんぜん覚えていない。でも、親父にとっては、ずっと忘れられずにいたみたいなんです。

こういうサプライズなら、いつでも歓迎ですよね〜。


【感想】

◆本当は「これでもか」「ドッキリ」しまくる話を羅列したかったのですが、それはネタバレ的にムリなので、ご理解頂ければ。

というか、サプライズさせることに関して、「よくぞここまでできるものだ」と、感心してしまいました。

もちろん、アイデアも必要ですし、ある程度の手間ひまも必要なハズ。

ちなみに、社員さんによる小山さんへのドッキリでは、「巧妙に仕組んだ朝日新聞」(ニセ)なんてのもありましたし。

この域までくれば、「もはや芸術」


◆ふと思ったのですが、「アイデアを出そう」と考える前に、「人を驚かそう」と考えた方が、「アイデア体質」になれるんじゃないでしょうか?

新製品や新企画を考えても、その可能性や有効性を検証することは難しいですし。

それでしたら「計画を立てる」「人を驚かす」「成功する」又は「失敗する」といった感じの方が「PDCAサイクル」が出来そうな気がw

あんまりやりすぎて「誰からも信用されなくなる」のは困りますが。


◆それにしても本書のように「ひたすらドッキリを集めた」(それ以外も若干ありますが)本というのは、頭を柔らかくしてくれそう。

私は「こうして人をハメれば良いのか」と、実生活では滅多に必要ない知識を得ることができて大満足。←アフォ

そういえば、昨日の母の日に、私はヨメと連名で私の母(義母は他界しているので)に花を贈るのと同時に、子どもたちの名前で、ヨメにも花を贈っております

これも初年度は非常に感激されたのですが、2年目からはそれほどでもなく。

それ以上に、父の日には何も送られてこないのは、誰に何を言ったらいいんでしょうか!


テレビ並みの「ドッキリ」を実生活で味わうために!



【関連記事】

【発想】「もったいない主義」小山薫堂(2009年04月08日)

「考えないヒント」小山薫堂(2006年12月05日)

【オススメ】「アイデアのちから」が予想以上に面白かった件(2008年11月25日)

【アイデア】『「考え方」の考え方』指南役(2008年10月30日)

【スゴ本!】「広告コピーってこう書くんだ!読本」谷山雅計(2008年01月15日)


【編集後記】

◆昨日の捕獲物。

アフタヌーン新書 005 オタク成金
アフタヌーン新書 005 オタク成金

お恥ずかしながら、「あかほりさとる」さんって、存じ上げなかったのですが、本の裏にあった

そしてここに初めて明かされる、「売れるためのノウハウ」「売れ続けるための秘術秘技」「本当は教えたくない執筆テクニック」のすべて。

というのに釣られて買いますたw

結構楽しみです。


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この記事へのコメント
               
本当に不思議なご縁でね、僕は本書でオレンジの魅力に相当やられましたね(笑)


周りを巻き込むサプライズ、手がこんでいる分、驚きも倍増…



Posted by とっしー at 2009年05月11日 11:31
               
>とっしーさん

いや、ホント小山さんたちすごいですよね。
クリエイティブな人が本気でドッキリやってたら、こうなってしまうという・・・。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年05月12日 00:24
               
smoothさん、お久しぶりです。毎回楽しく読ませていただいています☆
私もこの本を読み、誰かを驚かせて楽しませたいなぁ〜と思っていたら、逆に友達に笑えるプレゼントをいただきました。こういう遊び心があると気持ちに余裕も出来ていいですね!
Posted by ニャロメ at 2009年05月14日 10:37
               
>ニャロメさん

ご無沙汰っす〜。
記事拝見しましたよ!
なるほど、あの下敷きはどうなの、って(笑)。

かくいう私も、会社員時代のハワイ土産は、シャレが分かる女子社員には「男性のビキニカレンダー」でした。
ビバ肉体美!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年05月15日 01:53