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2009年05月09日

【ノート術】「東大式 合格ノート術」東大ベストセラー出版会PICASO (著), 栄光ゼミナール (監修)


東大式 合格ノート術
辰巳出版
栄光ゼミナール(監修)
発売日:2009-04-17
おすすめ度:3.0


【本の概要】

◆今日お送りするのは、以前まとめてご紹介した勉強本の中で、気になっていた1冊。

流行の「ノート本」を、大ヒットしたこの本の装丁になぞらえて作られた、ある意味最強仕様ですw

アマゾンの内容紹介から。

日々のノートの取り方に悩んではいませんか?もっと効率のいいノートの取り方があるのではないかと感じていませんか?本書はノート作りの原則を、300冊ものノートから抽出し5つの原則にまとめました。上手にノートを書いている人の多くが、この5つの原則を実行しているのです。ノートは書くことが目的ではありません。後から見直しやすく、わかりやすく、記憶することが大事なんです。記録より記憶。明日から始めよう!ではく、今この瞬間からはじめよう。

さすがに後出しじゃんけん(?)じゃないですが、後発なだけあって、内容は濃いかと。


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【目次】

原則1 余白をつくる
 余白は半分以上とる
 使える6つの余白術
 足りないときは余白をつぎ足し
 余白ノートは3度使う

原則2 見やすく編集する
 1文1意1行で書く
 見出しと番号をつける
 文頭をそろえる
 色は3色だけ使う
 図表は5割
 覚える図表の3パターン
 切り貼りノートで手間いらず

原則3 キーワードを抜き出す・つなげる
 いちばん大きな文字が「メインテーマ」
 重要ポイントには「目印」がある
 先生のジェスチャーに注目
 重要ポイントのありかは「予測」できる
 重要ポイントを線でつなぐ
 「5WIH」で線をのばす

原則4 自分のことばで書きまくる
 書くスピードは脳の回転スピード
 雑談、つぶやき、何でも書き込む
 自分の言葉で説明しなおす
 自分記号を使いこなす
 語呂をどんどん書き込む
 演習ノートは重ね書きで
 落書きは実は役に立つ

原則5 1冊・1枚・1見開きで書く
 テスト直前に「見直しノート」作り
 ノートはA6を使う
 1冊1枚で1テーマ
 書く情報はどんどん絞る
 一問一答式ノートを作る
 5分で見直す

番外編 実践したらこうなった!教科別東大ノート


【内容】

◆今回もいくつか気になったポイントを選んでみます。

■余白スペースが決め手となる

◆本書における原則1は「余白をつくる」

さて、ならばどのような余白をとればよいのか。

本書では「6つの余白術」が紹介されています。

使い分けについてはこのような指摘が。

 この1〜6の余白術を教科や授業内容に合わせて使い分けることで、勉強の効率が格段にアップします。
 6つの余白術をすべて使う必要はありません。「6つの余白術」にはそれぞれ特徴があって、向いている科目やノート形式が違います。


◆私が本書を読んで、最初に「目からウロコ」だったのが、ノート術も「科目によって使い分ける」ということ。

「コーネル大学式」のように、決まったやり方で何でもノートを取るのだと思ってました。

本書では、科目ごとの6つの余白の取り方が解説されていますが、もともとが、「大学受験」向けということもあるので、ここでは割愛。


■文頭を揃える

◆まずは「読みやすいノート」の注意点として挙げられているのが、「文頭を揃える」というもの。

 文頭とは文字通り文の頭の文字のことです。文の1文字目の位置を揃えることで、見た目にもきれいなノートのできあがり。文頭が揃っていれば、目線が一定になります。

もちろん、これは全部の文頭を揃えるということではありません。

 例えば大見出しはページの左端から1cmで揃える。小見出しは3?で揃える。その他の細かい項目は5?で揃える。こうした3段分けを用意しておくといいでしょう。


◆実はこれは、税理士試験の理論問題の解答においても用いられています。

・・・って、規則で決まっているわけではなくて、こうして読みやすくすることにより、「採点官に好印象を与える」効果がある、と専門学校では言われていました。

確かに、項目ごとに文頭が分けられていると、見やすいんですよね(私のような汚い字でも)。

ちなみに、専門学校では、「タイトルは大きな字で」みたいな指導もされていましたが、普通のノートであれば、そこまで凝らなくても良いかと。


■色ペンは3色で

◆次に「色」について。

本書のスタンスとしては「色ペンは少なすぎても多すぎてもダメ」とのこと。

解決策として「色ペンは3色のみ」という指示が出ています。

これも「科目」「難易度」等、ケースバイケースなので、詳しくは書きませんが、3色が「ノート作りにおいていちばん効率的な数」だそう。

いずれにせよ、私のような多色使いはイカンようです・・・。


■先生の話を聞く際には「目印キーワード」に注目

◆ここで実際に授業中にノートを取るときの秘訣を。

先生の話を聞く際には、「ここだけは逃してはいかん!」と言う部分だけは絶対に押さえなくてはなりません。

そこでチェックすべきキーワードが「ようするに」

 「ようするに」という言葉は、文字通り、それまで話した内容を要約するときに使います。ということは、「ようするに」という言葉が聞こえたら、その次には必ず授業内容の要約が聞こえてくるはずです。

本書にはほかにも「目印キーワード」がいくつか出てきますので、お見逃し無く。


■直前見直し用ノートにはA6を使う

◆ノートにもいくつか種類があるわけですが、ここで対象となっているのが、試験会場にも持って行くような「見直し用ノート」

A6サイズだと、持ち運びに便利な事に加えて、必要な情報が1冊のノートにすべて納まっていることにより、「探せば必ずどこかに知りたい情報がある」という安心感を得ることができます。

これが試験においては結構重要なよう。


◆私も税理士試験の勉強の際には、A6サイズのバインダーを多用していました。

穴を開けたり、という手間を考えると必ずしも他人に薦められる方法でもないのですが、やはり持ち運べるというのは魅力です。

もちろん、本試験会場にも持って行きましたし。


【感想】

◆本書はウワサの(?)太田あやさんの「東大ノート本」に比べると、作りは地味です。

何たって、2色刷りですし、大きさも通常の単行本サイズ。

ほぼフルカラーでムックサイズの「東大ノート本」には、見栄えでは劣ってしまうのは致し方ないところ。

というか、「東大ノート本」はノートうんぬん以前に、「本として中身が美しい」んですがーw


◆ただ、そもそも「ノートが美しい」必要があるかというと、ちと微妙なところ。

確かに、美しいと「見て楽しい」というのはあるのでしょうが、東大生以外の方(?)にとっては、むしろ「きれいなノートを作る作業=勉強」になりかねません。

実際、多くの勉強本で、「目的と手段を混同するな」「作業と勉強は違う」と力説しているところに「必ず美しい」と言われたら、反論したくもなります罠。

東大生の方は、おそらくその辺の「混同」がなかったり、そういう作業をしながらでも、頭が働いていたので、東大生になれたのではないか、と。


◆なお、当ブログでご紹介したいくつかの勉強本では「ノートは作らずにテキストか問題集に書き込む」というスタイルが推奨されています(特に資格試験)。

結局最終的な目的は、「試験で解答する」ことである以上、最短距離はそちらかもしれません。

私も税理士試験で作ったのは、計算問題用の「間違いノート」だけでしたし、周りを見てもそうでした。

もちろんこの辺は、受験する試験によって異なってきますので、一概には言えませんが。


◆もちろん、カリキュラムが完成しており、テキストも万全な資格試験の専門学校と違って、普通の学校の授業や独学で勉強される方には、本書は参考になる点が多々あると思います。

カラフルではないですが、図解イラスト、実際のノートの例もありますので、ご自分の状況に合わせてテクニックを選択して頂ければ、と。

ちなみに、売り場に何冊かあったノート本の中で吟味した結果、私はコレを選んだのですが、女の子だったら、やっぱ太田さんの本買っちゃうかな・・・w


東大式 合格ノート術
辰巳出版
栄光ゼミナール(監修)
発売日:2009-04-17
おすすめ度:3.0


【関連記事】

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「アタマが良くなる合格ノート術」田村仁人(2007年05月21日)


【編集後記】

◆最近出た「東大ノート本」をいくつか。


東大合格ノート術
データ・ハウス
発売日:2009-02-11
おすすめ度:3.0

現役東大生がすすめる合格ノート
ごま書房新社VM
現役東大生グループ(編集)志望校突破戦略研究会(編集)
発売日:2009-03

そのうち、「東大生時間術」とか出てきそうなヨカン。


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