2009年04月23日
【ガチ系勉強本】「資格試験の合格技術」多田健次
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の記事に続いて、またもや勉強本。ただしこちらは、「3000人の指導実績」を持つ資格受験校のベテラン講師の手によるものとあって、かなりオーソドックスと言えるかと。
アマゾンの内容紹介から一部引用します。
私も税理士試験の専門学校に通った経験があるのでわかりますが、専門学校に蓄積されたノウハウは半端ないです!本書は、勉強初心者から上級者まで、資格試験・検定試験に確実に最短で合格するための「合格技術」に徹底的にこだわって解説しました。「準備」から「本番後」にいたるまでのさまざまな合格技術は、著者自身の公認会計士受験体験と講師としての11年間にわたる受験指導などから導き出した、実践的かつ効果の高い勉強スキルやメンタルコントロール方法ばかり。数々の受験ノウハウは、確実にあなたを合格へと導いてくれるはずです。
【目次】
1.準備と計画の技術
準備する技術1 試験の傾向を分析しよう
準備する技術2 試験に関する情報を収集しよう
準備する技術3 テキストや問題集は賢く選ぼう
計画する技術1 「2対1対1」の法則 ほか
2.時間管理と集中の技術
時間管理の技術1 中長期の時間管理をしよう
時間管理の技術2 睡眠時間を管理しよう
時間管理の技術3 1日を時間管理しよう
時間管理の技術4 隙間時間を有効に使おう ほか
3.合格する技術
理解する技術1 マーキングの技術
理解する技術2 ポスト・イットの技術
理解する技術3 テキストを読む技術
暗記する技術1 テキストを繰り返し読み込もう ほか
4.本番力を高める技術
本番力を高める技術1 ピークをいかに持っていくか
本番力を高める技術2 本番1週間前のすごし方
本番力を高める技術3 試験当日、会場に着いてからすべきこと
本番力を高める技術4 試験中にやるべきこと ほか
【ポイント】
■試験までの期間は「2対1対1」で分けるよくいわれるのが「ゴールから逆算して計画を立てよ」ということです。しかしこれは正しいようで正しくありません。なぜなら、勉強を始めたばかりの人がゴールから逆算して計画を立てるのは、かなり難しいことだからです。(中略)
例えば、あなたがチャレンジする試験まで1年あるのだとしたら、12ヵ月を次のように三分割してください。
・基礎期(基本的な内容を学ぶ)――6ヵ月間
・応用期(応用的な内容を学ぶ)――3ヵ月
・直前期(最終的なチェックをする)――3ヵ月
つまり基礎期、応用期、直前期の割合を2対1対1で設定するのです。この割合は、試験日までの学習期間あ長い場合でも短い場合でも変わりません。
■昼寝のススメ
(オススメ商品)学校の自習室を昼間にのぞくと、多くの人が机の上に突っ伏して寝ています。小さいタオルを手と額の間に挟んで寝ると、額への圧迫感が和らぐのでお試しください。
時間は5分から20分がベストです。これ以上は頭がボーッとするので、注意してください。少しの間眠るだけで、かなりスッキリします。
■4つのスキルで集中力を高める(抜粋):
●気分を変えるスキル
●雑念を取り払うスキル専門学校で1日中自習する人の中には、気分が乗らないときは、教室の前方の席から後方の席へ、あるいは通路側の席から窓際の席へ移動したり、他の自習室に移ったり、廊下や休憩室や階段で勉強したり、と勉強する場所を変えることでリフレッシュできるように工夫をしている人が大勢います。
まずは、机の周りの整理です。(中略)
また、部屋全体を暗くして、机の上をスタンドライトで照らす"スポットライト効果"を利用する方法もあります。机の上に広げられたテキストだけにライトを当てることで、集中しやすくなるものです。
■6種類のマーキング法(抜粋):
●タイトル青マーカー
●斜線消去「青蛍光マーカー」は、テキストをパラパラとめくりながら、全体像を早くつかみたいときに利用します。
大タイトルは元々かなり目立つものなので、中タイトルもしくは小タイトルにのみ青のマーカーを引いていきます。
●シール&記号テキストや問題解説の中には、1回だけ目を通しておけばもう十分といった内容も含まれております。こういうものは、繰り返し読む必要はありませんので、鉛筆でその箇所やページ全体に斜線を引いてしまいましょう。(中略)
この作業をすることによって、読まなければいけないページが確実に減ります。
テキストに赤マーカーや赤アンダーラインを引くと修正はできませんから、勉強を始めたばかりの人だと、いきなり引くことにためらいがあるかもしれません。そんな場合は、赤色で星マークを付けておいてください。(中略)
勉強を進めていくなかで、やはり目立たせるべき箇所だとなれば、マーカーやアンダーラインを使えばいいのです。
■ポスト・イット活用法(抜粋):
●質問・疑問を書いたポスト・イットをオリジナル問題として再利用する
●「ノート代わり」として利用する問題にできそうなものであれば、テキストや問題集の最初のページに貼り付けてストックしておきましょう。一定期間ため込んだものを友達と見せ合って、クイズ感覚で問題を出し合ったりすると楽しく勉強できます。
テキストの要約やフローチャートをポスト・イットに書き込むメリットは2つあります。一つはテキストに情報を集約できることです。集約することでテキストとノートの両方を確認しなければならないといった手間が省けます。
もう一つは、要約やフローチャートという重要なものばかりを、試験開始の数時間前に一気に見ることが可能になることです。本試験数日前に、いろいろな箇所に貼ってあるこれらのポスト・イットを全部はがして、B6ノートに移すのです。一瞬で簡易版のまとめノートの出来上がりとなります。
■テキストを読む技術(抜粋):
●目次読み(目次を読む)
●タイトルパラ読み(タイトル&図表だけを読む)これからどういった内容の勉強をするのかを数ページで説明していますから、勉強スタート時点においては目次だけを5回ぐらいは読みましょう。
●スラッシュ読み(区切りスラッシュを入れて短文で読む)まずは大タイトルだけをすべて確認してください。ページ数はわずかだと思います。そして最初のページに戻って、次は大タイトル、中タイトル、小タイトルのみを読み進めていきます。そして最後に大タイトル、中タイトル、小タイトルという順番で最初から最後まで読んでいきましょう。
テキストの一文が長いと、どうしても読むのがつらくなります。読む時間もかかってしまいます。そこで、長い文章を見つけたときには区切りのスラッシュ(/)を入れて、読みやすく分解してしまいましょう。短文に変化させてしまえば理解もしやすくなります。
■暗記する技術(抜粋):
●「5回転サイクル暗記法」(細かいので詳細は本書を)
●吹き込む
(オススメ商品)ボイスレコーダーに覚えたい内容を吹き込み、録音した音声を速回しで再生します。(中略)
他にも、問題文を吹き込んで30秒から1分ぐらい間をおいてから解答を吹き込むといった、ボイス問題集を作るのも面白い利用法です。
●書く
●5分間振り返りでは、効果的な「書く」覚え方とはどんなものでしょうか。ボイスレコーダーと同じで、覚えられたか否かを確認するときに文字で書いてみることです。
科目を変えるタイミングや休憩を取るタイミングで、たった今勉強した内容を思い出しましょう。30分間勉強したら思い出すのは5分程度で十分です。
■記述式試験における「理解」と「暗記」
私はこれまで多くの受験生の答案を採点してきましたが、専門用語を使わずに立派な答案を作成できる人はほんのひと握りしかいません。(中略)
「理解を中心に勉強しているので、暗記はしていません」と言い張る合格者もいますが、大事なことは、合格者の答案は最終的にテキストの表現とほぼ同じだという事実です。理解でも暗記でもどちらでも構いません。テキストの表現をそのまま解答に反映できるだけの、一定量の知識を蓄積する。とにかくそれを目指してください。
■試験直前のワンポイントアドバイス集(抜粋):
●難しい問題に熱くなりすぎない。
●自分が解けない問題はみんなも解けないはず。
●時間配分を失敗しないようにすること。
●最後の最後まであきらめない!
【感想】
◆マガジンハウスの勉強本と言えば、大ヒットとなった『「1日30分」を続けなさい!』が有名ですが、そういうツモリで読むとあまりの骨太さに仰天すると思います。とにかく情報量が多い!
そこまで掘り下げないでも、テキトウにイラストとかで逃げときゃページ埋まるのに(?)、というような部分でもガチで書きまくり。
さすがに3000人もの門下生がいたら、下手な本出せないですよね。
でないと・・・。
「多田先生の本どう思う?」
∧,,∧ ∧,,∧ ヒソヒソ
∧ ∧(・´ヮ`・) (´ω`*) ∧∧
( ・`ω´) U) ( つと ノ(ワ`・ )
| U ( ・´) (m´・ ) と ノ
u-u (l ) ( ノ u-u 「薄くね?」
ヒソヒソ `u-u'. `u-u'
「終わったよね」
みたいなことになりそう。←考えすぎw
◆今回はそんな濃すぎる中から、比較的軽め(?)のワタシ好みの部分のみを引っ張ってみました。
「いいじゃないか。趣味のブログだもの」←開き直り
上記でいくつかグッズをご紹介しておりますが、他にもCDや「ポストイットの使い分け」みたいなネタもありますので、グッズネタ好きの方はお見逃しなく。
◆また、「ガチな専門学校生だと思わず納得」なネタも同時にピックアップ。
例えば、「学校の自習室を昼間にのぞくと、多くの人が机の上に突っ伏して寝ています。」というのは、かなり日常的な風景です。
特にランチタイム後は、食事を終えた人が机に突っ伏して寝ていて、そのまま次の授業が始まって目が覚めてビックリなんてのはよくある話w
そういう方は、上記でご紹介した「耳もとアラーム 安心君」等をお買い求め下さいマセ。
◆そしてやはりよく話題に上がる、記述式問題における「理解か暗記か」というお話についても、「テキストの表現をそのまま解答に反映できるだけの、一定量の知識を蓄積する。とにかくそれを目指してください」とバッサリ。
友人でやはり専門学校の講師になったヤツ曰く、「理解して書いたか、暗記して書いたかなんて、採点する方は関係ないんだから」。
なるほど確かに。
「暗記」であれ「理解」であれ、解答するためにはやはり手持ちの札は必要ですよね。
◆個人的には、上記で挙げた「ポスト・イット活用法」がツボでした。
「間違いノート」も、今さらですが、ポスト・イットを使えばよかったのかな、とか思ってみたり。
例えば、大きめのポスト・イットで間違いノートを作って、テキスト等に貼っておき、完璧にマスターしたのは捨てるなりなんなりして、最終的に見直したいものだけ、白紙の小さなノートにダーっとまとめて貼って、試験会場に持ち込む、というのは結構いいんじゃないか、と。←自画自賛
・・・そして大きめのポスト・イットを探してアマゾン見てたら、こんな本に出くわしましたよ。
ちょっと欲しいかもw「ポスト・イット」を活用した、速読・速解のノウハウをあますところなく紹介。新聞5分、雑誌15分、単行本60分で、必要な情報を的確につかみとり、仕事も勉強もラクになる方法を伝授する。
◆著者の多田さんの教えてらっしゃる「公認会計士試験」は、普通に考えたら司法試験に次ぐレベルの難しさだと思います。
その難易度の高い試験で、多くの生徒さんを指導してこられたのですから、指導のコンテンツは説得力アリ。
後は一人ひとりが目指す試験勉強にどのように取り入れるかが勝負だと思います。
私は以前この記事で書いたように、多色使いでマーキングしていましたが、これは先生の指示とは全く違ったものでしたしねw
久しぶりに「ガチ」な勉強本ですゼ!
【関連記事】
【オススメ!】「司法試験超人気講師が教える試験勉強の技術」柴田孝之(2008年11月10日)【勉強本】「いつも目標達成している人の勉強術」福田 稔(2008年10月10日)
【非常識勉強法】「ごく普通の人でも難関資格に受かる非常識勉強法!」石井和人(2008年09月14日)
【超短期合格!】『「一発合格!」勉強法』超速太朗(2007年11月21日)
【スタディ・ハック】「最短で結果が出る超勉強法」荘司雅彦(2007年07月02日)
【編集後記】
◆ちょっと気になる本。「古代ローマのグラディエーターに学ぶ」というのは、スゴイな、と。約2000年前、栄華を極めた古代ローマ帝国のコロッセウムで日々戦いを強要され、毎日を必死で行き抜いたグラディエーターたち。そして、溢れかえる情報や厳しい課題・状況を日々受けとめ、毎日を必死で戦い抜く現代のビジネス・パーソン。より充実した生活と勝利を得るためのヒントを古代ローマのグラディエーターに学ぶ、『TQ』の著者、ハイラム・W・スミスが贈る勝利するための時間管理の新たな視点。
ご声援ありがとうございました!
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こんにちは〜
”ノウハウを詰め込みすぎた”
『資格試験の合格技術』
著者の多田健次です(笑)
このたびは、勉強本の書評において
定評の高いsmoothさんのブログにて
ご紹介していただき光栄です!
>>さすがに3000人もの門下生がいたら、下手な本出せないですよね。
● はい^^! そのとおりです・・・
気持ちが入りすぎましたかね(汗)
>>後は一人ひとりが目指す試験勉強にどのように取り入れるかが勝負だと思います。
● はい^^!
あくまで、絶対的なスキルなんて
存在しませんので、この本をヒント
にしてうまく自分の勉強、目指す試験
にアレンジしていただければ嬉しく
思います。
本当にありがとうございました!
今後ともよろしくお願いいたします。
勉強本と聞いてやって参りました!
これは、私が求めていた本かも!そうかも!(と、勝手に盛り上がる私…w)
期待度大の勉強本ですね。公認会計士は諸般の事情で手が出ませんがw他の試験にきっちり応用できそうです。
マーカで色分けってやってみたかったんですが、なかなか方針が定まらず、ひたすら読むだけになってました。整理するのに良いかもと思いました。スラッシュ読みは英文でよくやるんですが、日本語でも使えるんですね。ふむふむ…
ポストイットや吹き込み版の問題集はすきま時間の活用に良さそうですね。早速購入の上、参考にさせていただきます!ぽちっとな (^^)
#久々にカワイイAAを見せて頂きました〜
#私的にはツボでした!
著者様直々のコメントありがとうございます。
いや、ホント文字数多いですよね(笑)。
かなりお腹いっぱいですた。
アレンジについては、皆さんガチの勉強本を買おうとなさる方ですから、多分大丈夫かと。
今後ともよろしくお願いします。
>Sioさん
アマゾンアタックありがとうございます(涙)。
さすがお目が高い(笑)。
でもこういう本買われる人って、やっぱ試験受ける予定がある人なのなか、と。
フラっと書店で見かけて、試験受ける予定も無いのに買う人って、なかなか想像しにくいですね・・・。
AAは、たまにならいいかな、と(笑)。
気に入って頂き光栄です。
はじめまして、コメントありがとうございます。
この本の終わりには、資格のリストも掲載されています。
ぜひご本のほうで確認くださいませ。
今後ともよろしくお願いします。