2009年04月21日
【勉強本】「マインドマップ資格試験勉強法」萩原京二,近藤哲生
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、既に記事内で何度か触れさせていただいた勉強本。既にアマゾン和書総合ランキング1位を獲得しているので、お買い上げになった方も多いと思います。
アマゾンの内容紹介から。
ブザン教育協会公認のオフィシャルマインドマップブック、ということで、マインドマップを試験勉強に活用したい方なら、見逃せない1冊かと。マインドマップ、全脳学習法(ホールブレイン・ラーニング)、デシラの窓、リンキング勉強法……最新の学習理論で差をつけろ!
忙しいビジネスマンが限られた時間で最大限に効率よく学ぶための勉強法から記憶術、スケジューリング、やる気を維持する方法まで、一発合格する人のノウハウを全公開!
頭が良くなる勉強法、教えます。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第1章 「合格できる自分」をイメージしよう
1 合格への決意を固める
2 マインドマップを描いて深層心理に聞いてみよう
3 合格できる可能性を広げる
第2章 合格する人の3ステップ勉強法
1 合格する人の「学習戦略」
2 合格が見える「デシラの窓」
3 どれだけ勉強すれば良いのか? ほか
第3章 ホールブレイン・ラーニングで合格の扉をひらく
1 勉強法はすべてテレビCMで学んだ
2 なぜ、何度も繰り返して取り組むことが大切なのか?
3 学習のインパクトを高めよう ほか
第4章 合格する人のスケジューリング術
1 合格を目指す「3ステップ目標設定法」
2 合格に向けて行動計画を立てる
3 行動計画を実行する ほか
第5章 最高の結果を出す人のイメトレ法
1 逃避行動が合否を分ける
2 自分自身のやる気を引き出す
3 マインドマップでスランプを乗りこえる ほか
【ポイント】
■試験勉強でいちばん大事なことは、合格への決意を固めることもちろん試験に合格するためには、勉強方法や記憶術のようなテクニックの習得は欠かせません。また、勉強時間の管理や「やる気」を引き出すためのメンタルコントロールも必要になるでしょう。そして苦境を乗り越えるために、気合や根性といった精神論が役立つときがあるかもしれません。
でもこうした技術論も精神論も、そもそも「絶対に試験に合格するぞ!」という強い決意や覚悟がなければ、全く意味がなくなってしまうのです。
■不合格になる人の「間違った勉強法」(抜粋):
●疑問点がすべてクリアになるまで先に進まない
●きれいなノートをつくろうとする
●過去問をただ解けば良いと思っている
■重点的に勉強しなければならないのは、「試験によく出題される問題で、あなたが知らない(解けない)問題」
■テキストの目次をマインドマップ化する
基本書(テキスト)を読む前に、目次をざっと眺めて、これから勉強する項目の概要をつかんでおきます。そして、目次をマインドマップにしておくと、全体構造が一目でわかるようになります。
■過去問とテキストを突き合わせる「リンキング勉強法」
リンキング勉強法とは、過去に試験に出題された問題と、テキストの内容を突き合わせながら勉強する方法です。具体的には、過去問に出てくる選択肢を一つひとつ、基本書(テキスト)の該当箇所に書き込んでいきます。そうすることで過去問に対する「なじみ感」が得られるようになります。
■理解が不十分な箇所について、マインドマップを描いて整理をする
マインドマップを描いているうちに、頭の中でいつの間にかその内容が構造的に理解できていることにあなたは驚くはずです。構造的に理解したことは、連想やイメージを使って思い出すことが容易になることから、結果として記憶の定着につながります。つまり、構造的に理解するという作業は、記憶していることと同じということになるのです。
■理解度のモノサシは「他人に説明できるかどうか」
たとえば、あなたが勉強している分野の基本用語を周囲の知人に解説してみて、「よくわからない」という反応があったら、たぶん解説したあなた自身がよく理解できていないということです。
■自分の得意な「知覚の扉」を見つける
私たちの脳が勉強の内容を取り入れる扉が「視覚」「聴覚」「身体感覚」であり、この3つの感覚を意識して使うことが勉強を効果的にするという話をしてきました。
最初に少し触れたように、人によって、勉強の内容を取り入れるのが得意な知覚の扉、つまり優先的な感覚が違います。そこで、その感覚を自覚して使えるようになれば、勉強の効率を高めることができます。
■マインドマップを使って記憶を高めるコツ
記憶を高める2つの原理は「強調」と「関連づけ」でした。
強調は、簡単にいえば書いたことが目立つようにすることです。(中略)
では、目立つ要素は何でしょうか。それは「色彩」と「落書き」と「囲み」です。(後略)
■自分でやる気を出すための3つの方法(抜粋):
●音読
●ページめくり
ページめくりの効用については、まずその行動自体が作業刺激になりますから、やる気を出すことに役立ちます。
また、速読を学んでいる方だったらイメージできると思いますが、ページめくりをすることで、今から勉強しようとする情報を潜在意識に入れることができます。ただしこのときも、どのくらい自分の潜在意識に入っているかは気にせずに、準備運動のつもりで2,3分くらいやればOKです。
【感想】
◆そもそも私とマインドマップとの出会いは、実はかなり昔に遡ります。税理士試験の試験勉強中に出会った、未だにマイルストーンとも言える「幻の勉強本」こと「スーパーエリートの受験術」。
この本の中に、推薦図書のコーナーがあり、当ブログでもご紹介したことのある、「成功の心理学」等の濃い本と一緒に「マスト・バイ」指定されていたのが、トニー・ブザンの「頭がよくなる本」でした。
なお現在は新しい版となっていますね。
◆そして、この本の中で紹介されていたのが、マインドマップ(当時は「頭脳地図」となっていたハズ)。
私も見よう見真似で、勉強に活用しようとしたものの、あえなく断念しております。
一つには、税理士試験の場合、本当に一字一句レベルで丸暗記する必要があるため、キーワードを抜き出すマインドマップのやり方だけでは難しかったこと。
もう一つは推測ですが、私のマインドマップの描き方自体が誤ったものであったこと。
今となっては、もうちょっと上手くできたのではないか、と思いますが、いずれにせよ、受験勉強当時は活用できなかったわけです。
◆そんな私ですから、正直マインドマップを試験勉強に使うことについては、多少なりとも疑問を持っていました。
もっとも本書は、タイトルに「マインドマップ」を謳ってはいますが、「何から何までマインドマップでやる」というわけではありません。
むしろ、「必要に応じて」マインドマップを使っている点が宜しいのではないか、と。
特に、本来キモであろう「記憶」以外の部分でマインドマップを用いている点が目からウロコでした。
本書の中に「毎日1回必ず見る5つのマインドマップ」というのがあるのですが、これは最初にしっかり作りこんでおけば、後は見るだけですし、確かに効果はあると思います(詳細は本書を)。
◆ただし、マインドマップを描くことは、あくまで「手段」であって、「目的」ではありません。
毎日覚えなければならないことを、その都度マップ化するのはかなり大変ですし、そこに執着していたら本末転倒だと思われ。
記憶法としてどの程度までマインドマップが活用できるかは、受けるテストによりけりでしょうから、本書を参考に、丁度いいレベルで導入するのがベストかもしれません。
・・・私のように挫折した人間には、ハッキリとしたことは言えないのですが。
◆なお、巻末に参考文献としてかなりの量の「勉強本」、「ノート術」、「記憶法」、「NLP」等の書籍が挙げられており、勉強法の王道的な部分もかなり取り入れられていることがわかります。
マインドマップについて懐疑的な方でも、本書内に出てくる各種の勉強法の小ネタについては、納得できるものが多いのではないでしょうか?
特に「人によって異なる『知覚の扉』ごとに、適した勉強法も異なる」、というお話は、私自身が「いくら理論を書いても全然覚えられなかった」ことからも大いに納得。
やたら多色使いで暗記していたので、「視覚」が優先的だったのは間違いないでしょう。
本書にはチェックリストも付いてますので、気になる方はぜひご確認を。
やり方がハマれば凄そうなヨカン!
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【編集後記】
◆タイトルと帯(アマゾンに画像ないんですが)で、てっきり「モテ本」かと思ってゲットしたのがこの本。いやー、これ学術書というか論文みたいっすー。美人がナンパにあいやすいとは限らない,どうして「だめんず」好きになってしまうのかなど,ヒトの恋愛・性行動にまつわるさまざまな疑問を,進化心理学の立場から,豊富な研究結果を用いて解き明かす一冊。
難しくて全然速読できません。
_| ̄|○ ガックシ
ご声援ありがとうございました!
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マインドマップ、資格試験とくれば、買わざるを得ないって言うかw 資金の手当ができたら、ポチッとさせていただきます〜
過去問とテキストの融合はしないといけないなーと日々感じております。結局、テキストにはしょってある論点とか、結構あるんですよね。そういうのがマインドマップで合体できると後で復習しやすいのかなとは思います。
一字一句暗記しなくてはいけない税法にはあまり向かないようですね。〆(.._)カキカキ..
適材適所といいますか、全体的な知識を体系づけるのには向いてる気がします。ただ、私がマインドマップを描く時の欠点は、楽しすぎてあっという間に時間が過ぎてしまうことでしょうか…
アマゾンアタックは余裕のあるときで結構ですから(笑)。
結局「ポイントをしっかり押さえる」系の勉強だったら、マインドマップは「単語」ベースなので、マッチすると思うんですよね。
ただ、ホント税理士試験の税法って、一字一句なんで、マップ化できないところでチョコチョコ間違えそうでした。
もっとも、税理士試験の合格体験記で、マインドマップで合格した!と書いてる人がいたので、やり方によっては可能なのかもしれません。
うーん、奥が深い・・・。
この本、とっても楽しみにしてました!
もともとsmoothさんとメールをやりとりさせて頂けたのは、私が資格の勉強法を相談したことがきっかけでした♪分野の違う試験へのムチャ振り質問に、丁寧にお返事下さったのを心から感謝しています。アノ試験はどうしたんだ?ってその後お尋ねにならないことにも感謝です(!?)
私も感想アップしてみました!今後もsmoothさんがご紹介される本を読破していきたいと思います!
記事拝見しました!
なるほど、そんな経緯がおありだったとは。
じかに習った先生のご本、しかも二代目さんとの会話がきっかけになったとあらば、それは思いいれもひとしおだったでしょうね〜。
そして試験について言及しないのは、自分自身も苦労したんで、ある意味当然でございます(笑)。
本の方もご無理なさらずに、お付き合い下さいませ。
タイトル的に、絶対に、smoothさんのところに、書評があるはずと探したら、ビンゴでした。
いつもパーフェクトな書評ありがとうございます。
キーワードでなく、全文だと確かに、マインドマップしにくいですね。
勉強になりました。
勉強本ですし、「マインドマップ」ですし、しかもディスカヴァーさんの本ですから、ご紹介しないわけには参りません(笑)。
そしてかつて私が受験勉強で断念したマインドマップを、このような形でもってくるとはさすが公認インストラクターさんだな、と。
よろしければ、本書でご確認を(笑)。