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2009年04月06日

【仕事観】「いい仕事ができる人の考え方」村山 昇


いい仕事ができる人の考え方
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2009-03-15
おすすめ度:4.0


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の本田直之さんの講演会にて、「本田さんのオススメ」として紹介された中の1冊。

どちらかと言うと装丁がポエミーなので誤解していましたが、「仕事観」に関してかなり濃厚なコンテンツが詰まっていました。

自分の将来や働き方、転職等を考えている方にオススメです!


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【目次】

第1章 活き活き働く仕事人になる

・会社に期待した私がバカだったのでしょうか?
・キャリアアップして、負け組にならないように頑張らねば……。
・目標達成に疲れを感じます。どうすれば気力が湧いてくるのでしょうか? ほか

第2章 仕事の能力を開放する

・異動希望を受け付けてもらえないので、天職を考えているのですが……。
・最も重要な才能は何でしょうか?
・自分の意見をうまく言えるようにするにはどうすればいいのでしょうか? ほか

第3章 人間関係を軽やかにする

・早く独立して、自由に伸び伸び働きたいのですが……。
・リーダーになりました。引っ張るタイプでもなく、とても不安なのですが……。
・上司に恵まれません。いつも苦労ばかりしているのですが……。 ほか

第4章 仕事の景色を明るく変える

・自分が本当に何をやりたいのか、自分探しをしてみたいのですが……。
・「十年後の自分を描け」というシート、まったく書けないのですが……。
・夢とか志があまりに遠すぎます。何から始めればよいのでしょうか? ほか

第5章 働き観を強くする

・幸せな職業人生を送る人の共通点はなんでしょう?
・雇われの身で仕事に感動を求めるのは何かむなしい気がするのですが……。
・人生は、自分の努力の範囲で変えられることって少ないように思うのですが……。 ほか


【ポイント】

■キャリアは「アップ・ダウン」でも「勝ち・負け」でもない

 もし比較するとしたら、比較すべきは他人ではなく過去の自分です。(中略)

だから、どんな会社に勤めてどんな仕事をしていようが、自分らしさを発揮して納得した仕事をしていれば、それは立派な仕事であり、よい仕事です。引け目を感じることなどありません。


■目的=目標+意味

目標とは単に目指すべき方向や状態をいい、目的はそこに意味や意義が付加されたものです。ですから、目標は他から与えられるものですが、目的は他から与えられない。意味は自分で見出すものだからです。


■「内発的動機×利他的動機」に自分を意識づけする質問(抜粋):

 ●この仕事はまだまだ進化する余地があるはずだ。それは何だろう?

 ●自分のノウハウを体系的にまとめることは可能だろうか?

 ●この仕事は顧客に何を提供しているのだろう?それは最良・最高のものだろうか?

 ●仮に年収が2割減になったとして、それでも今の仕事を続けたいと思うだろうか?


■よい商品・サービスは「おすそ分け」したくなる

 自分の仕事によってできあがった商品・サービスを、是非多くの人と共有したいと思えるとき、それはきっと、よい商品・サービスに仕上がっているということです。そして、「本当にいいね、これ!」と顧客から反応をもらったとき、それが最上の「仕事の喜び」となります。


■「きちんとできている」だけでは「よい仕事」ではない

 上司が「10」のレベルの仕事を求めてきたとします。それに対し「10」に満たない状態で返すのは「ダメな仕事」です。当然「10」を返す仕事をしなければなりませんが、このとき2つに分かれます。
 ひとつは言われたままのやり方・組織が従来からやっているやり方で「10」を返した場合、もうひとつは、自分で考え起こしたやり方・組織が今までやらなかったやり方で「10」を返す場合です。私は前者を「きちんとできた仕事」、後者を「よい仕事」と呼びます。


■仕事の目的を何かしら見つけ出して"粘ってみること"が大事で、安易な「ミスマッチ逃亡」では何も身につかない

「転職は、今いる会社で実績を積み、「伝説」をつくってからでも遅くはありません。
いや、実績を積んだときはじめて、転職するもしないも自由な身になれるのです。」


・・・土井英司「『伝説の社員』になれ」

参考記事:【伝説】『「伝説の社員」になれ!』土井英司(2007年07月10日)


■書き出して「目に見える形」にして考える

 自分がモワモワとした感じで知っていることや思っていることを、他者が見てわかる形に落とす作業は、自分の知識や能力を多面的にフル活用しなければならない作業です。ですから、書き出すことを習慣化するとすごく力がつきます。


■惜しげもなく身銭を切る人が伸びる

 身銭を切って学ぶとは、言い換えれば、自分のある部分を犠牲にして成長を得にいくことです。逆に身銭を切りたくないというのは、ひとつの保身です。自己を犠牲にできる人は伸びる人ですが、自己犠牲を嫌う人は伸びません。


■サラリーマンの「3つの鈍」

 ●変化に鈍くなる

 ●超えることに鈍くなる

 ●リスクを取ることに鈍くなる

 (詳細は本書を)


■自分の職業人生の明暗を分けるのは「雇われるか雇われないか」という形の問題ではなく「働く目的が明確かどうか」

 だから、もしあなたが独立を考える理由が、単に「組織の束縛がかったるいので独立して自由に働きたい」ということであれば、落とし穴にはまる危険性大です。組織の中でサラリーマンをしていても、ある自由を持って伸び伸びと働いている人はたくさんいますよ。


■社内ではなく、業界や社会に目を向ける

 その業界の中で、または社会の中で、「あの会社にはスゴイ仕事をする誰々あり!」と謳われるプロフェショナルになることが、真の出世です。そうした真の出世ができれば、おのずと会社内でも相応の立場が得られているはずです。


【感想】

◆冒頭でも書いたように、見た目でナメていましたけど、非常に深い内容のご本でした。

当然、付箋貼りまくり

調子に乗って抜き出していたら、ここまでで半分ちょっとという有り様です。

4章5章は全部カットしてしまいましたので、興味のある方は直接本書を(サーセン)。


◆上記ポイントでは、重要な部分を主に抜き出しているのでわかりにくいかもしれませんが、本書は「Q&A形式」を取っています。

その質問の多くが、働いていれば、誰もが一度はふと抱きそうなものばかり。

それらに対して、非常に的を射た回答が、図や表を交えてわかりやすく掲載されています。

この辺の本作りは、著者さんのお力も当然ですが、「さすがディスカヴァーさん」と言うべきかも。


◆なお、上記で挙げた以外の質問事項については、アマゾンの目次の詳細ページにもありますので、そちらもご覧アレ。

いい仕事ができる人の考え方:目次

強いて言うなら、本当の目次だと、QだけでなくAも載っているので、その方がビビビと来たかもしれませんね。

例えば第4章から。

Q:自分が本当に何をやりたいのか、自分探しをしてみたいのですが……。

A:「自分探し」ではなく「自分試し」をせよ

うーん、いいこと書いてあるじゃありますよね・・・って、今回、第4章以降全部割愛してるじゃありませんか!←アフォ


◆個人的には、「惜しげもなく身銭を切る人が伸びる」というお話に、「ドキッ」としました。

リアル書店で本を買う際に、今までだったらよくチェックしないでポカスカ買っていたのが、最近、かなり粘って中身を確認してから買うようになったので。

そうですか、「自己犠牲を嫌う人は伸びません」か。

・・・現時点でもかなり溜まっているのに、さらに事務所が「本だらけ」になりそうな悪寒。


◆それはさておき。

本書は、若手向きなんでしょうけど、学生さんや、新入社員さん向け、というワケではなく、少し働いてみて、その時に感じるであろう素朴な疑問がベースにあると思います。

逆に、ある程度働いちゃった人だと、そういう疑問が起こらないというか、現状に慣れちゃうんですよね。

そういう思考回路に固まってしまった人には、おそらく今までだったら、「何この本?」といった扱いをされていたかもしれません。


◆しかし、昨年秋からの社会環境の大変化によって、従来「当たり前」とされてきたことが「当たり前」でなくなりつつある今、若手でなくとも本書を読む必要性が大いに出てきたと思います。

これからの時代の、新しい、そして主流となるべき「仕事に対する考え方」を獲得するためにはマストでしょう。

なぜ「本田直之さんが、講演会で関連するオススメ本として紹介したか」についても深く納得の1冊。

「ハック」ですとか、「仕事術」といった技術的な知識は、本来、本書で提唱されているような、どっしりとした「仕事観」の上にあるべきものかと。


これは私も、オススメせざるを得ません!

いい仕事ができる人の考え方
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2009-03-15
おすすめ度:4.0


【関連記事】

【講演会】「『本田式サバイバル・キャリア術』刊行記念講演会」に行ってきました(2009年04月04日)

【キャリア育成】「本田式サバイバル・キャリア術」本田直之(2009年03月21日)

【提言】「会社に人生を預けるな」勝間和代(2009年03月17日)

【仕事】「仕事がつまらない君へ」小林英二(2009年01月30日)

【転職?】「働く理由 99の名言に学ぶシゴト論。」戸田智弘(2007年08月29日)


【編集後記】

◆またまた昨日のお買い物。

記事で取り上げた「本がどんどん読める本」アマゾンアタックしたついでに、「この本を買った人は」に出てきて、思わず「ついでアタック」w


この手の本には弱いワタクシ・・・。


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この記事へのコメント
               
Smoothさま

こんにちは、はじめまして!
『いい仕事ができる人の考え方』著者の村山です。
貴ブログにて丁寧にご紹介いただき誠に有難うございます!

そうでしたか、壮丁デザインが“ポエミー”でしたか(笑)
確かにそこは悩みどころではあったんです。内容がかっちりどっしりした「仕事観」ものですから、見た目で柔らかめに訴求しようとしたんですね。事実、その効果で女性ビジネスパーソン読者も順調に獲得しています。
でも、硬派な内容は硬派なイメージでそのまま押し出したほうが、smoothさんのような玄人的読書志向をお持ちの方々にはちゃんと眼に入ったでしょうね。本田直之さんに取り上げられていなければ、大切な読者鉱脈をごっそり失うところでした。。。今後の勉強にさせていただきます。

それにしても精力的な発信ぶり。
今後の益々のご発展をお祈り申し上げます!

Posted by 村山 昇 at 2009年04月06日 12:27
               
熱い書評をありがとうございます! ちょっとsmoothさん向けじゃないのでダメかと思っていたのですが、こうして拝読すると、ぴったりはまって…! 本田さんにも感謝です。編集担当ハラも感動しておりました。
ところで、某社の噂のC氏って、わたしの知っている人ですか?
Posted by 干場弓子 at 2009年04月07日 00:03
               
>村山 昇様

著者様直々のコメントありがとうございます。
装丁の件、了解しました。
「ディスカヴァーさん」+「この装丁」=「軽めの自己啓発本」という風に短絡的に考えておりました。
失礼しました。
そして、本田さんにも感謝です。
こうしてご紹介することができたのも、本田さんのおかげですから。

今後ともよろしくお願いします。

>干場社長

御社のご本にはいつもお世話になっております。
このご本には、結構感動しました。
鬼のように付箋貼りましたし(笑)。
そしてC氏に関してはノーコメントで(汗)。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年04月07日 00:57