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2009年04月02日

【販促】『儲かるお店の「すごい!」見せ方』高橋芳文




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、リアル店舗における集客並びに販促方法のご本。

著者の高橋さんは、「看板による広告」が専門のようですが、本書はそれに留まらず、お店のレイアウトメニュー等にも言及されています。

新書であるにもかかわらず、濃い内容で、色々と発見がありましたよ!


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【目次】

序章 ひともお店も“第一印象”が肝心

 ひとは"第一印象"に影響される
 看板、外観、雰囲気・・・お店も"第一印象"重視でいこう

第1章 集客&売上アップはコンセプトづくりから

 コンセプトはお店の"生命線"
 あなたのコンセプトをはっきりさせる5つの質問 ほか

第2章 看板を駆使して集客&売上アップ

 お客さんを呼び込むこと それが本当のマーケティング
 看板を使い分けて人気店の仲間入りを ほか

第3章 集客&売上アップにつながる次の一手
 
 看板だけじゃ集客アップ、売上アップは語れない
 清潔感はお店の入り口に表れる ほか

第4章 集客&売上アップの接客とリピーターづくり

 コンセプトにあったあいさつ&接客姿勢が要
 「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」の極意 ほか

第5章 集客アップのビフォー・アフター
 
 "第一印象"を重視した戦略を具体的に見てみよう


【ポイント】

■お客さんから支持されるコンセプトを作り出すための5つの質問(抜粋):

 ●あなたのお店は、お客さんにどんなメリットを与えることができますか?

 ●あなたのお店の強みはなんですか?

 ●あなたは自分のお店の強みを出すために、今の商売の中で何を捨てることができますか?


■人々の視線を惹きつけて効果的に目立たせるためには、「色」「カタチ」「コトバ」の3つの要素を上手に使い分ける

 ひとが"もの"を把握するとき、最初は「色→カタチ」、もしくは「カタチ→色」というように認識されます。(中略)
 ですから、色にもカタチにも工夫を凝らせば、より注意を惹く看板をつくることができます。


■色がもっている意味を考慮しながら配分していくと、上手に色でメッセージを表現できる

 たとえば、オレンジをベースに緑を組みあわせるとします。緑という色は、「安心、安定効果がある」とされています。ところが、緑の割合を多くしすぎてしまうと、決断を鈍らせてしまいます。緑の安定効果が、逆に決断力をそぐのです。ですから、入店や購買に直結させたい場所では、あまり緑を使わないほうがいいのです。


■看板にもオフェンスとディフェンスがある

 ●ディフェンス広告

お店を知ってもらうためのものであり、興味が湧いたとか心地よいなどの印象を残すもの

 ●オフェンス広告

その場において、購買意欲を刺激して、実際に購入してもらうためにある広告


■"異業種コラボ"による、広告の"相互リンク"

 あなたは本屋さんで買った本を、すぐにどこかで読みたいと思ったことはありませんか。それも、ゆったりしたところで読みたいと思ったことはないでしょうか。
 そんなとき、訪れたB書店に「ゆっくりと本が読める喫茶店」というようなA喫茶店の広告が出されていたとします。この広告を見たら、「ああ、喫茶店ならじっくりと本が読めるな」と、その後に立ち寄る場所の選択肢のひとつにあがってくると思うのです。
 さらにB書店のレジに「コーヒー30円引き」とか「クッキー無料サービス」といった、ちょっとしたお得なチケットでも用意されていればどうでしょうか。(中略)

 一方、喫茶店側では「家で読む?ここで読む?」というようなキャッチコピーと一緒にB書店の紹介が入った看板やチラシなどを出します。(中略)

 そしてA喫茶店には、B書店の『店長のオススメ本』というニュースレターが置いてあるとします。ニュースレターには、B書店の店長が書いた今月のオススメ本や、あるテーマに絞った本の情報がいくつか紹介されているとしたらどうでしょうか。


■入りやすいのは「いつでも逃げられるお店」

 ひとは売り込まれることを極度に嫌います。「いらないものを買わされたくない」と思っています。(中略)

 しかし、入店したのに何も買わずにお店から出てしまうことにも、ひとは後ろめたさを感じるものです。裏を返せば、この後ろめたさを和らげてくれるお店は、入りやすいお店となるのです。「とくに何かを買わなくても、入っていいんだな」と感じてもらえれば、"気軽に"入店してくれる可能性が高くなります。


■集客面では不利とされる二階や地下に、好んで出店しているある外食チェーン店

そこは、基本的に路面店は構えないそうです。理由は、女性のお客さんに気軽に入店してもらうためとのこと。これぞ逆転の発想。女性はひとりでお店に入って食事をすることに抵抗感をもつひとが少なくありません。そういうひとにとって、路面店は入ろうと思っても踏み出せないケースもあるでしょう。でも、二階や地下の店舗なら、それがかなり軽減されるというのです。


お客さんに"快"を与える広告宣伝の見本

食品を製造するあるお店では、販売戦略のひとつとして、新製品が完成すると近隣のひとびとにそれを無料配布するといいます。その際、お客さんに対して「新製品です。どうぞ受け取ってください。そしてもしお気に召したら、お友だちにも差し上げてください」と説明するそうです。絶対に「買いに来てください」とはいわないのだそうです。
 この「お友だちに差し上げてください」という言葉がけが見事ですね。受け取った側としては、「美味しかったら、ただ伝えればいいんだ」ということで、心理的に選択の余地が与えられます。


■「便利なメニュー、わかりやすいメニュー」とは?

 私は"今日のオススメ"がわかりやすいとか、"人気の定番メニュー"が目立つように出されているとか、情報の出し方にある程度優劣をつけてあるものだと思います。
 一番目からずうっと、ただただ並べてあると、私などは、もうどれを注文したらいいのか判断できなくなります。


■看板とHPは連動してこそ効果倍増

 今もっとも多く見られる連動のさせ方としては、屋外の看板広告に自社ホームページのURLや、使って欲しい検索ワードを記載(検索ウィンドウ)しておいて、「詳しい情報はHPをご覧ください」というやり方です。これは、看板とネットの使い分け方としては、かなり上手な方法といえます。(中略)

 ところで、クロス戦略を実行するときには、気をつけたいことがあります。
 それは看板や店頭とHPに一貫性をもたせることです。看板とネット、実際の店舗で同じ方向のデザインやカラーリングなどの一貫性が保たれていないと、見たひとは違和感を感じてしまいます。「どこかおかしい」と感じ、安心感をもてなくなるのです。


【感想】

◆本書をリアル書店で手にとって、まず気になるであろう部分が、先頭付近のカラーページ

儲かるお店の「すごい!」見せ方1






お店の店構え「before ⇒ After」

こういうところで気を引くのも、『"「すごい!」見せ方"なのかっ!』と感激しました。←大げさw


◆ただ、このカラーページだけだと、「具体的な改善部分」とその「改善理由」がよくわかりません。

「詳細は222ページ」とあるので見てみると、本書の第5章に、こんな感じで解説が載っていました。

儲かるお店の「すごい!」見せ方2






この「学習塾」の例などは、画像だけ見ても、パッと見違いがわからないくらいなんですが、解説を読んで、深く納得

細かな部分に結構神経を使っています。

おそらく「無意識レベル」では、両者の間に大きな違いがあるハズですし、その結果が数字で出ているかと。


◆上記ポイントで挙げた、リアル店舗同士の「相互リンク」(という言い方は普通なんでしょうかね?)は、試みとして面白そうです。

特に、広告費に大金を投下できない中小のお店であれば、考えてみる価値は十分にあるのではないでしょうか?

同じように、私たちブロガーも、単にブロガー同士でリンクを張るのもいいですが、たとえば、出版社さんのバナー広告を張って、その代わりに出版社さんの本家サイトからリンクを張ってもらう、なんてことも考えてみたいところ。

ただの広告だとブログの読者さんにとってメリットはないですが、「●●社、今月のオススメ」みたいな広告だったら、それぞれにとってメリットがありそうですし。


◆ちなみに、上記ポイントの「二階や地下に、好んで出店しているある外食チェーン店」というのは、やはり「大戸屋」さんですかね・・・?

私はロケーションについては、単純に(本書でも言及されているのですが)「家賃が安いから」だと思っていました。

家賃も安くて、しかも集客もできるのであれば、2階や地下であることはデメリットではなく、むしろメリットと言えるかと。

この辺は、「女性のひとり客を対象にしたい飲食店」なら、取り入れてもよさそうです。


◆また、「HPと看板は連動させる」というお話も納得。

実際、私の行きつけの美容院は、商業地にあるせいか、休日にたまたま歩いていて店を見つけて、その場で検索かけて調べてから来店するお客さんが結構いるのだそう。

そんなとき、目の前にあるお店の雰囲気と、HPの雰囲気とがアンマッチだったら、やはり不安になるでしょうね。

念のためその美容院のHPを確認してみたところ・・・多分大丈夫w

「ビジネス書オタク」から見て言わせてもらうと、直した方が良い点もあるんですが、そういう時は黙ってこの本を進呈すれば良いのかもw


読んでも面白いですし、実際に使えそうな1冊!



【関連記事&書籍】

◆今回の本に関連する書籍を当ブログでご紹介した中から選んでみました。

ザ・コピーライティング―心の琴線にふれる言葉の法則
ダイヤモンド社
神田 昌典(監修)齋藤 慎子(翻訳)依田 卓巳(翻訳)
発売日:2008-09-20
おすすめ度:4.0

●とりあえず、コピー関係の本では、最強かと。

参考記事:【フツウにスゴ本】「ザ・コピーライティング」ジョン・ケープルズ (著), 神田昌典 (監修)(2008年10月20日)


視覚マーケティングのススメ (アスカビジネス)
クロスメディア・パブリッシング
発売日:2008-05-14
おすすめ度:4.5

デザインマーケティングの両方をカバーできている、数少ない1冊。

参考記事:【オススメ】「視覚マーケティングのススメ」はお役立ち!(2008年07月27日)


なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学
早川書房
鈴木 主税(翻訳)
発売日:2001-02-22
おすすめ度:4.0

●リアルでお店をやってる方なら、「マジで必読」の名著。

参考記事:【スゴ本!】「なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学」パコ・アンダーヒル(2007年10月09日)


小さな飲食店 成功のバイブル―赤字会社から年商20億円企業までの軌跡
インデックスコミュニケーションズ
発売日:2006-11
おすすめ度:5.0

●この本も特に外食関係者なら必読のスゴ本。

参考記事:「小さな飲食店 成功のバイブル」鬼頭宏昌(2007年02月06日)


【編集後記】

◆まだ画像もないのですが、コレは見逃せません!!

多読術
筑摩書房
発売日:2009-04-08

読書の楽しみを知れば、自然と本はたくさん読めます。著者、松岡正剛の読書遍歴を振り返り、日頃の読書の方法を紹介しながら、達人による多読のコツを伝授します。「棚から選書する方法」「読書する場所」「最初に読むべき頁」等々、そのコツは多岐にわたります。本書を読んで、あなたに適した読書スタイルを再発見してみてください。

「千夜千冊」で知られる松岡正剛センセイの読書術(?)の本。

恐れ多くて私は記事にはできなさそうですが、「買うには買います!」っていうか、「買わせていただきます!」


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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この記事へのコメント
               
はじめまして!
すてきなブログですね。

私は投資系サイトをやっています。
よかったら一度、遊びに来てください。
Posted by スキャルピング道 at 2009年04月04日 13:57
               
>スキャルピング道さん

はじめまして、コメントありがとうございます。
残念ながら、投資関係についてはあまり興味がないので、申し訳ないのですが・・・(汗)。
当ブログの読者さんも、比較的興味がない方が多いと思いますが。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年04月05日 04:32