2009年03月18日
【社長の切り札】『「社長力」養成講座』小宮一慶
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、小宮一慶さんの最新刊。お馴染みの『「○○力」養成講座』の第5弾である本書は、「社長力」。
タイトルからだと「経営者向け」のようですが、優秀なビジネスパーソンであれば、今のうちから身に付けておきたい大事な項目だらけです。
読みやすい割には、かなり濃い内容なので、ビジネス書好きとしては見逃せませんぜ!
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
社長力1 ストラテジー力 経営という仕事の認識を誤っているとうまくいくものもうまくいかない
1「管理」よりも「方向付け」
2「未来予測」よりも「現在過去分析」
3「目標」よりも「目的」 ほか
社長力2 マーケティング力 お客さまの心をつかむマーケティングの本質を理解する
1「新規顧客開拓」よりも「既存のお客さま」
2「他社の真似」よりも「他社との違い」
3「価格で勝負」よりも「サービスで勝負」 ほか
社長力3 ヒューマンリソース・マネジメント力 何が人を動かすのかをほんとうに理解しているか?
1「新規事業」よりも「人材育成」
2「スキル」よりも「価値観」
3「和気あいあい」よりも「切磋琢磨」 ほか
社長力4 会計力 会計・財務を経営的に考えているか?
1「数字」よりも「信念」
2「仕訳」よりも「読み方」
3「利益」よりも「キャッシュフロー」 ほか
社長力5 人間力 結局は、リーダーの人間力がものをいう
1「総花的」よりも「重点主義」
2「気合い」よりも「具体化」
3「かっこつける」よりも「行動」 ほか
【ポイント】
■経営の本質とは?1.企業の方向付け
2.資源の最適配分
3.人を動かす
■未来は現在と過去をコツコツ勉強することで見えてくる
特に私がお勧めしているのが、月曜の日経新聞の経済指標。それを毎週、「定点観測」するだけで、かなりのことが分かります。未来も見えてきます。(中略)
(米国の数字、特に「個人消費」「新車販売台数」「住宅着工」などを01年の「ITバブル」崩壊時と比較してみてください。衝撃的なはずです。日本の数字も同じです)
■「新規事業」よりも「既存事業」
わたしは、既存事業が泣かず飛ばずで、やらなくてもよい新規事業に「逃げ込んで」失敗している、としか言いようのないケースをたくさん見てきました。失敗するのが当たり前だった会社も少なくありません。だって、内容をよく知っている既存事業でうまくやれない会社が、よく知らない新規事業でうまくいくわけがないじゃないですか。
■「小さなリスクは恐れるな、大きなリスクは取るな」
大きなリスクをとるほうがかっこよく思えるかもしれませんが、小さなリスクを常にとり続けることで、大きなリスクは回避することができます。小さなリスクをとって常に挑戦していないから、つまり、長い間、環境の変化に対応しないできたから、「社運をかけた決断」をしなければならなくなるのです。
■「特定のお客さまの中のシェア」を常に意識する
たとえば、ある会社が、現在A,B,C,Dの4社から同様の仕入れをしていて、そのシェアが、4:3:2:1だとします。
もし、この会社が、仕入れを1割削減しようとする場合、どうするでしょうか?
理屈だけで考えれば、各社の仕入れを1割ずつ減らすということになりますが、実際にはD社が切られるだけです。そのほうが取引の手数が減るからです。
■Q(Quality=品質)とP(Price=価格)では差がつけにくいので、S(Service=サービス)こそが、他社との差別化のカギとなる
Sとは、言い換えれば「きめ細やかさ」です。サービスの話をすると、「うちもがんばってます」とおっしゃる方が多いのだけれども、サービスや「お客さま第一」については、
「やっている、やっていない」でなくて「どこまでやっているか」です。
深みが勝負なのです。
■サービスで差をつけるには、小さな違いをたくさんつくる
接客でお客さまと目線を合わせる、来客を玄関先まで出迎える・見送る、ドアを開ける、お茶をこまめに取り替える、笑顔、電話にはすぐ出る・・・。
細かいことでたくさん違いがあると、人は「この会社は他社と違う」と感じます。
■勝ち残りの大原則とは、メインターゲットとするお客さまに「おたくが一番」と言ってもらえるQ,P,Sの組み合わせを提供すること
■「満足」より上に「感動」がある
感動は、期待していた以上のことが起こった場合に生じます。
「満足」は、ただ期待していたとおり、ということにすぎません。
■クレームは「処理」するものではなく「対応」するもの
クレーム「処理」という言葉を使う会社が少なくないようですが、クレームは「処理」するものではなく、「対応」するものです。クレームを事務のように「処理」されては、お客さまはたまったものではありません。本書の最初の章でもお話したように、「お客さま第一」を徹底させるうえでは、こうした「小さな言葉遣い」が大切です。
【感想】
◆えーっと、ここまでで実は本書の半分(1,2章)が終わったところです。というわけで、3章以降はカット(サーセン)。
いったい「どんだけ濃いんだよ」っていう・・・。
もっとも、1,2章はそれぞれ「戦略」「マーケティング」といった、私の好物なのに対し、4章とかは苦手の「会計」ですからねー(くわばらくわばら)。
一応、会計については、「これ以上簡単にできない」と言うくらいわかりやすく書いてくださっていますが、逆にそれを抜粋してしまうと、元がわかりにくいんじゃないか、と誤解されそうです。←言いわけw
◆私も仕事柄、顧問先等含め、社長さんにお会いする機会は平均よりは多いと思うのですが、本書に書かれているようなことがマスターされている方はどのくらいいらっしゃるのやら。
小宮さんの場合、私なんぞくらべものにならない位の実例をご覧になってきて、かつ、実際にコンサルタントとして経営に関与されてらっしゃるるわけですから、そこから持ちえた知恵をこのような形で抽出して出来上がった本書が、どれだけ濃厚なことか。
おかげで、コレ1冊読むだけで、経営者の"あるべき"モノの見方が知りえるのですからあり難い限り。
実際、ページ当たりのコンテンツの濃さから言ったら、物凄いことになってると思います。
この内容で、そのまま講演会とかやってもらったら、マジで小宮さんの信者になってしまいそうw
◆本書で何度か、「他の本でも書きましたが」というフレーズが出てくるのですが、「大事なことは何度でも」反復して叩き込むべきですし、上記ポイントでもその辺は気にせず抜粋しております。
個人的には「成功している人や会社は、みな小さな努力を多く積み重ねている」というお話と、そのたとえとして、「紙も1枚だけの差なら0.1ミリくらいで違いがわからないが、500枚、1000枚と積み重なれば非常に大きな差になる」という話を再度お伺いして、「私も日々頑張らねば!」と思った次第。
ブログ運営も1記事だけなら大した違いはないのですが、500記事、1000記事と積み重ねていくと、だんだん差になっていくのではないでしょうか?
個人の申告が終わって一息ついたせいか、体調悪化してダウンしたんで、ブログも1日くらいお休みもらおうかな、と思ったものの、このフレーズを読んで、真夜中にこうして下書き書いているワタクシ・・・。
「本業はいいのか?」というツッコミは、華麗にスルーwww
◆なお、カットしまくった後半の中で「成功した人の5つの特徴」というのがあったので、最後にこれだけメモしておきます。
1.せっかち
2.人を誉めるのがうまい
3.他人のことでも自分のことのように考えられる
4.恐いけど優しい
5.素直
・・・半分以下しか当てはまらないのですが、めげずに頑張ります。
繰り返して読みたいオススメ本!
【関連記事】
【実践的経営法】「レバレッジ・マネジメント」本田直之(2009年01月16日)【戦略】「あたらしい戦略の教科書」酒井 穣(2008年07月18日)
【解決力】『ビジネスマンのための「解決力」養成講座』小宮一慶(2008年06月20日)
ジャック・ウェルチの「私なら、こうする!」(2007年05月11日)
起業家のための「手ガネ経営」で勝ち残る法 吉澤 大(著)(2006年09月12日)
【編集後記】
◆参考までに、小宮先生のこのシリーズの過去の作品を一挙ご紹介。Amazy |
どれも手軽に読めてオススメです。
ご声援ありがとうございました!
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チェックありがとうございます。
干場社長がプッシュされていたので、期待しておりましたが、ある意味『「○○力」養成講座』の総括的なポジションですよね(読書力はあまり関係ないですが)。
小宮さんでどれか1冊と言われたら、この本を推したいと思ってます。
そのくらい中身が濃かったです。
あ、あと「見てきた会社の数」でしたら、小宮さんの方が全然上だと思いますし、だからこそのこのコンテンツかと。
もちろん、そんな小宮さんをブレイクさせたのも、干場社長だとわかっておりますが(笑)。
ポイントを挙げていただき、まるで、「社長力」ポイント集といった感じでうれしいです。
今後ともよろしくお願いします。
著者様直々のコメントありがとうございます。
ポイント集と言っていただくには、後半が丸々漏れているんですが、それだけ中身が濃かったと思っております。
顧問先にも配りたいくらいなんですが、それやると、私への信頼感が薄れそうで恐いくらいです(笑)。
今後のご活躍も、陰ながら応援させて頂きます。