2009年03月11日
【英語】『英語は「速く何度も」繰り返せ!』宇都出雅巳
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、昨年、「スピード読書術」が当ブログでも人気だった、宇都出雅巳さんの新刊。参考記事:【読書術】「速読・多読でビジネス力が高まる!スピード読書術」宇都出雅巳(2008年06月23日)
かつて「速読勉強術」という勉強本も出されている宇都出さんですが、本書に関しては、「この本は英語ができるようになるための本ではありません。英語を使うための本です!」とおっしゃってるのが興味深いところです。
アマゾンの内容紹介から。
終わりに宇都出さんご自身の動画による解説もありますので、お楽しみに!【高速大量回転法】&【心理コントロール】(心理手法)で、英語学習は完璧!
著者は『速読勉強術』の宇都出氏。勉強法ブームのなか定番として定着し、ベスト&ロングセラーとなっている。本書は前著で好評の【高速大量回転法】を進化させ、読むだけではなく、英語に準拠して話す・聴く・書くことも徹底解説。たとえば、繰り返し聞く際にそれにあわせて口も動かす(リスニング)、色々なしかけをつかって何度も話す(スピーキング)などを紹介。さらに、やる気をコントロールする心理手法を多数解説した、類書のない《即実践できる究極》の英語学習本!

【目次】
▽英語ができなくても、英語は使える!
▽まずは、あなたの目指す「英語」を明確にしよう!
▽「高速大量回転法」で英語を今すぐ使おう!
▽〈ケースでわかる〉高速大量回転法で英語を実践する方法
▽目指す「目標」を設定し、英語を使い続けよう!
▽セルフイメージ法で、今すぐ「英語を使う自分」にチェンジ!
【ポイント】
■この本は英語ができる・できないという次元を離れて、英語を「使う」ようになるための本今あなたに必要なのは、できる・できないの話はやめて、とにかく英語を「使う」ことです。そうすれば、結果として英語が「できる」ようになります。
■「英語で何をしたいのか」をマンダラートで展開する
マンダラートはとてもシンプルなノートですが、あなたの脳の構造に沿って自然な形で活性し、あなたの考えを明確にするのを助けてくれます。
■最初に英語の範囲を絞り込む
あなたが英語を使ってしたいこと、使いたい英語を、これなら取り組めそうだという範囲にまで絞り込むことです。どんな難しい大きな目標であれ、それを細かく小さくして絞り込めば、何とかなります。
絞り込む前は、自分には手に負えないと、呆然と立ち尽くしていたでしょう。しかし、絞り込むことによって、「これなら自分でもできる!」とやる気が高まり、実際の行動に結びついていきます。
■高速大量回転法に通じる3つの英語勉強法(抜粋):
●『英語耳』(松澤喜好著)のParrot's Law(オウムの法則)
<Parrot's Lawでは、それぞれのステップごとに「リスニング100%」の状態を体験します。リスニング100%とは、英語の音が一字一句すべて聞き取れ、単語の意味もすべてわかり、情景も浮かんでくる状態です。つまり、英語の音をそのまま聞いて英語のみで理解しているネイティブスピーカーと同じ状態をあなたの脳の中につくります。>
『英語耳』より引用
●『英語上達完全マップ』(森沢洋介著)のサイクル法
<同じテキストを何度もぐるぐる繰り返すことを「サイクルを回す」あるいは「サイクル法」と言います。英語を知識にとどめておかず、使える技術にするためには、1回理解しただけではなく何回も同じことを反復することが絶対に必要です。学校で何年も英語をやり、かつ成績もよい人が英語を使いこなせないのは、この繰り返しが致命的に欠如しているからです。英語を深く内在化することを目的とするトレーニングはすべて反復作業を伴います。>
『英語上達完全マップ』より引用
■高速大量回転法の4つのポイント(抜粋):
●止まらない
●わかることに目を向けるできないところ、わからないところがあると、気分の悪いものです。なんとかできるようになろう、わかろうと思って、そこでついつい止まってしまいがちです。
できるようになりたい、わかりたい、という思いはとても大切です。しかし。大切だからこそ、そこで止まらずに前に進んで、繰り返すことを続けるのです。
わかるところに目を向けることは、あなたの気を楽にしてストレスレベルを下げます。これは、あなたの脳、とりわけ「前頭葉」の働きを活性化します。
■スクリプト、日本語を活用して高速大量回転する
英語を聞く際に、スクリプトや日本語訳を読むのは、過去問の解答を読むことと同じで「高速大量回転」には必要不可欠です。最終的に、スクリプトなしで聴くだけでわかり、日本語訳なしで英語として理解できるようになればいいのです。
■「エクセレントサークル」でもっと前向きになる
これは、目の前に光の輪を想像し、その輪の中に自分が入るという動作をポジティブな状態になるスイッチにするものです。場の力を活用するとともに、光という視覚的に強力なイメージを使います。
(詳細は本書を)
■英字新聞や雑誌を今すぐ読むためのコツは、全部読まずに興味のある記事だけ読むこと
日本語のものであればそんなことはしない人が、英語になった途端に、何か勉強モードになって、全部しっかり読もうとします。もっと気楽に構えてみましょう。
■好きな英文を真似て高速大量回転する
自分が「いいなあ」と思った英文を読んだり、聴いたりするだけではなく、自分でも一度書き写してみます。
英文を書き写すことによって、その文章を書く力の何割か、何パーセントかがあなたの中に蓄積されていきます。
■「スケーリング」(10点法)で"現状"から探っていく
第一のステップは10点満点で自分の現在の状態に点数をつけるところから始めます。(中略)
スケーリングは、現在の状態を手がかりにするので、"自分が目指したい状態"をイメージしやすくなります。
1点上の状態が描けたら、2点上の状態、さらには3点上の状態というように理想の10点満点の状態まで描いてみてください。その中で、今までとらわれていた枠がはずれて、あなたが本当に使いたい英語、目指す英語が発見できる可能性があります。
■目標に向かう"やる気"をさらに高める方法
●「メリット法」でやる気を高める――ひたすらメリットをたくさん挙げる
●「メタアウトカム法」でやる気を高める――得たい結果の先、さらにその先をイメージする
【感想】
◆冒頭のアマゾンの内容紹介にもあったように、本書の2本柱なのが「高速大量回転法」と「心理コントロール」(心理手法)。このうち、「高速大量回転法」については、宇都出さんの過去のメルマガや、上記の「速読勉強術」に詳しいこともあり、それほど深くは突っ込んでいません。
特に、「試験対策のため」の「高速大量回転法」については、「速読勉強術」の方に一部譲るような形になっています。
◆もっとも、細かく説明されたとしても、ホント「高速大量回転法」は「実際に体験した事のある人でないと、なかなか理解できない」ような気が。
実は、そのテクニックが詳しく解説されている「速読勉強術」は、発売当時、アマゾンのレビューでも賛否両論でした。
たまたま私の場合、受験した税理士試験が「理論暗記」に関して言うなら、極めて「大量」ですし、かつ「高速」でないと回しきれないこともあり、このやり方は腑に落ちていました。
ただ、逆に「これ」と言って、資格試験を受けるわけでもない方に、積極的にはオススメできなかったのも事実です。
司法試験に合格されたsunさんの記事で、この本が推奨されているのを最近になって知って、心強く思ったことはありましたが。
◆本書の場合、その「高速大量回転法」に加えて、「心理手法」という、勉強法の本ではあまり見ないアプローチをされています。
コーチングですとか、NLP辺りに詳しい方ならご存知かもしれないテクニックがちらほら。
残念ながら私はほとんど経験した事がないので、この辺の効果については、正直よくわかりません(おかげで、上記でもあまり挙げておらずスイマセン)。
しいて言えば、上記ポイントに挙げた「スケーリング」の考え方が、「最強の集中術」にあった「アドレナリンスコア」に、似てるかな、とか。
参考記事:【スゴ本】「最強の集中術」はキテます!(2008年04月02日)
「現状を数値化する」と自分のことでも客観視できますし、コントロールもしやすそうです。
◆そして宇都出さんご自身、ガチガチの英語畑の方ではありません。
東大(経済学部)とニューヨーク大学スターンスクールを卒業(MBA)し、コンサルティング会社や、外資系銀行で勤務後、オールアバウトでコーチングのガイドを勤めていた、という英語本の著者としては、ちょっと異色な経歴。
それだけに、冒頭にもある「この本は英語ができるようになるための本ではありません。英語を使うための本です!」という発言にも納得です。
本書でも最初の方で、「英語を使って何をしたいのか」という事について、かなり掘り下げることを要求されていますので、漠然と「英語を勉強したい」と思われている方は、この機会に色々と整理してみるのも良いかもしれません。
『英語はあくまで「手段」であって「目的」ではない』・・・と言ってみるテストw
「英語を使ってやりたい"何か"」がある方に!
【解説動画】
◆宇都出さんご自身の動画による、本書の説明を。これは宇都出さんのサイトから持ってきたんですが、どうせならアマゾンのページにも置いてもよいのでは・・・?
【関連記事】
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【英語学習】「留学なしでTOEIC985点 彼女は何を選んで勉強したのか」&「カリスマ税理士のオススメ英語書籍」(2008年03月19日)
【英語勉強法】「できる人の英語勉強法」安河内哲也(2007年12月21日)
【編集後記】
◆こちらは英語には全く関係ない(?)気になる1冊。私も「ブログ書き」として、持っていた方が良さそうなんで、アマゾンアタックしますた。1ページ1項目、パッと見て分かるルールと具体例。92年発行の初版から企業のビジネスコミュニケーションのバイブルとして愛用されてきたロングセラーの全面改訂版です。説得力のある文章の書き方から、ビジネス電子メールの作法や実例、そして画面で読む文章の注意点まで、ネット時代にふさわしい内容に一新。文章作成の悩みにズバリ答えます。

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