2009年03月05日
【プレゼン】「プレゼン バイブル 人を動かす50の黄金律」八幡 紕芦史
プレゼン バイブル 人を動かす50の黄金律
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、久々のプレゼン本。著者の八幡さんは、かつて「戦略的プレゼンテーションの技術」なる、ガチガチの技術本らしきものを書かれてらっしゃるお方。
本書ではそういった技術論に加えて心構え的な内容も多く、非常に勉強になりました。
アマゾンの内容紹介から。
読みやすい割にはかなり深い1冊です!こうすれば必ず説得できる!セールス、交渉、会議、スピーチ、面接…、あらゆるビジネスシーンで劇的な効果を発揮する「人を動かす極意」をあなたに伝授します。この一冊で成功プレゼンのすべてがわかる。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第1章 プロフェッショナルであれ
1.プロであることを示せ
2.ジェット機を操縦せよ
3.作戦を立てよ ほか
第2章 自分の意見を証明せよ
11.礼から始め礼で終えよ
12.結論をひと言で言え!
13.ガチョーンの法則を使え
第3章 堂々と聴き手の前に立て
21.聴き手の正面に立て
22.急ぐべからず
23.丸を打ちながら話せ ほか
第4章 誠意をもって質問に答えよ
31.すべてを台無しにするな
32.質問はいつでも受けよ
33.質問は繰り返せ ほか
第5章 ビジュアルを自在に操れ
41.リスクを無視するな
42.ビジュアルに頼るな
43.ツールを選択せよ ほか
【ポイント】
■プレゼンテーションの3つの作戦(抜粋):●聴き手を知ること
聴き手は、なぜ、あなたのプレゼンテーションを聴こうとするのか。あなたから何を聴きたくて集まるのか。聴き手はどのような課題を抱え、何に興味を示すのか。聴き手を知ることによって、あなたは何を話せばいいかわかる。
●目的を明確にすること
あなたは自分の目標を達成するためにプレゼンテーションを行う。では、聴き手の聴く目的は何か?(中略)
残念ながら、話し手と聴き手の目的は一致しない。あなたは聴き手の目的を達成するための作戦を立てる。そして、作戦が成功すれば、あなたは自分自身の目的を達成することができる。
■聴き手が抱えている問題には「聴き手自身が気づいている課題」と「聴き手も気づいていない課題」の2種類がある
価格競争の泥沼にはまりたくなければ、顧客を綿密に調査し顧客自身も気づかない課題を見つけ出そう。たとえば、表面に現れてこない課題、将来起こりうる課題、専門家から見た課題、第三者の視点で見た課題などを引っ張り出すことだ。そして、その課題を提起し解決策を示す。
■聴き手の立場に立ってプレゼンテーションを組み立てる
自分の立場でプレゼンテーションを組み立てると、あなたが話す文章の主語は、「自分」になる。(中略)
そこで、あなたが話す文章の主語を、「聴き手」にしよう。たとえば、「みなさんの問題は・・・」とか、「御社が議題を解決するには・・・」とか、「みなさんのメリットは・・・」などと、聴き手を主語にして話をする。そうすれば、聴き手は自分に対して語られているわけだから、あなたの話を無視するわけにはいかない。
■自分が意図した通りに相手を行動させるために伝える3つのことがら
●意見
●事実
●感情 (詳細は本書を)
■あらかじめリスクを調べ上げて、その対策を講じておく
プレゼンテーションを潰すのは簡単だ。「もし、その計画が失敗するとしたら、何が原因でしょうか?」と質問するだけでいい。誰も、自分の計画が失敗するなどと考えていないから、この質問には答えられない。(中略)
あなたは、プレゼンテーションの最中に、この質問をされてはじめて失敗の可能性に気づく。もちろん、手遅れだが。誰もプレゼンテーションを壊したいと思っているわけではないが、あらかじめリスクを調べ上げて、その対策を講じておくことに気づくべきだ。
■プレゼンテーションを睡眠の時間にさせたくなければ、聴き手に繰り返し刺激を与え続ける
たとえば、あなたが話をしていくうちに、「ここぞ!」とばかり強調したいところがあるとしよう。そんなときは、大きな声を出すことだ。大きな声を出すと、強調されて伝わる。(中略)
逆に小さな声で囁きかけるように話してみよう。たとえば、聴き手に近づき、「ここだけの話ですが・・・」と囁けば、聴き手の関心は最高潮に達するはずだ。
■ボディ・ランゲージは始点と終点を止める
たとえば、あなたが、仕事の改善提案件数の推移をボディ・ランゲージで示すとしよう。「昨年度の改善提案件数は・・・」と言って、手を左下から右上へ斜め方向に動かし、増加していることを示す。そのとき、まず、手を左下で止め、右上へ動かし、そして、右上の終点で止める。そうすれば、キレのあるボディ・ランゲージになり、あなたは聴き手にスマートな印象を与える。
■ボディ・マニュピレーションをしない
〜ボディ・マニュピレーションの例〜さて、これまでボディ・ランゲージの効用と使い方について指南してきた。しかし、効用ばかりではない。あなたが使ってはいけないボディ・ランゲージがある。それは、ボディ・マニュピレーションと呼ばれるもので、日本語で言うと「身体的操作」という意味だ。このボディ・ランゲージを使わないようにするだけで、あなたのプレゼンテーションは見違えるようになる。
●頭の後ろをポリポリ掻く
●貧乏ゆすり
●マーカー・ペンをクルクル回す
●ポインターを伸ばしたり縮めたりする
■質問を受けた場合に、必要であればステップを踏んで時間を稼ぐ
●「つまり・・・というご質問ですね」と投げ返す
●質問を褒める
●「非常に大切な点だと思いますが、逆にあなたはどのようにお考えですか?」と尋ねる
●「わからないので、お尋ねしているんですが」と返されたら奥の手を使う(ネタバレ自重)
■質問という名を借りて、自分の意見を言いたい質問もある
それを不明な点を明らかにしたい質問と思って対応すると、あなたは大きな失敗をする。(中略)
自分の意見を言いたい質問だけでなく、話の内容を確認したい質問、関連情報を尋ねたい質問、反論したい質問、話し手を潰したい質問など、いろいろな目的の質問がある。それを、質問とは不明な点を明らかにしたいものと考えていると、恐ろしいことになる。質問を額面通りに受け取らず、聴き手がこの質問をすることによって、何を達成したいか考えてみることだ。
■話題と話題の間、スライドとスライドの間にちょっとしたつなぎの話をする時には、スライドを消すか、スライドの間に何もない黒のスライドを入れておくこと
【感想】
◆今まで、プレゼン系の本は、結構当たり続きでしたが、本書もその例に漏れず、得るところが多かったです。サブタイトルに「人を動かす50の黄金律(ゴールデンルール)」とあるように、1テーマで4ページで「50のルール」が述べられているスタイル。
項目ごとに4ページ費やしているだけあって、事例も豊富で分かりやすいのが特長。
中にはベタなものもありますが、上記ポイントで挙げたものは、特に自分として覚えておきたいルールの数々です。
◆本書を読んで、一貫して感じるのが「聴き手(受け手)目線」。
客観視というか、あらゆることに関して、「聴き手がどう思うか・感じるか」を意識してらっしゃるような。
さらには、一歩踏み込んで、「聴き手も気づいていない課題」を見つけ出すことを推奨している点は、素晴らしいと思います。
◆特にスゴイと思ったのが、第4章を丸々使って、「質問」について言及している点。
基本的にプレゼンテーションは、「攻め」なワケですが、唯一と言っていい「守り」のシーンがこの「質問」。
私が参加したセミナー等でも、講義自体は素晴らしくとも、質問のコーナーになると「アレ?」となることもままありました。
『「反論したい質問者」に対する対処法』なんてのもありますし、一度でも、質問を受けて凍りついた経験のある方なら、この4章は必読かと。
◆また、「質問」と言えば、「質問という名を借りて、自分の意見を言いたい質問もある」というお話も大いに納得。
そして「自分の意見」ならまだしも、「延々と自己紹介」を始める方とかいらっしゃると「勘弁してくれ」と思いますよね。
手を挙げて質問ができない人もいることですし(私?)、ホントなら終盤で一旦区切って、質問を紙に書かせて集めた方が、参加者、講師ともにいいんじゃないか、と思ってみたり(人数にもよりますが)。
・・・これはあくまでセミナーでのお話ですけど。
◆ところで、上記で挙げた「ボディ・マニュピレーション」は、言われてみれば、やってる方が結構いらっしゃると思います。
特に「ポインターを伸ばしたり縮めたり」なんてのは、しょっちゅうなのでは(お約束的に)?
この他にも「早口で喋らない」「スクリーンをチラチラ見ない」といった、一般的なものももちろん収録されておりますので、アマゾンの「内容紹介」にもあるように「初心者から熟練者まで」役立ちそうデス。
とりあえず私は、「始点」と「終点」を止めて、「キレのあるボディ・ランゲージ」を目指します(?)!
人前で何か喋る予定がある方なら、読んで損ナシ!
プレゼン バイブル 人を動かす50の黄金律
【関連記事】
【プレゼン】「キラー・プレゼンテーション」は結構キテます!(2008年09月26日)【テク満載!】ブライアン・トレーシーの 話し方入門(2008年08月03日)
【おすすめプレゼン本】「SEのプレゼン術」克元 亮(2008年07月02日)
【話し上手】「話し上手の法則」田中省三(2008年03月04日)
【スゴ本!】「理系のための口頭発表術」はかなりキテます!(2008年02月22日)
【編集後記】
◆小飼さんの記事が出たので、この本も解禁。小飼弾の 「仕組み」進化論
タイトルが、「何かの本と何かの本の合体(?)」みたいですが、中身はガチでしょう。
当然アマゾンアタックでございます。
ご声援ありがとうございました!
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>るために伝える3つのことがら
>●意見
>●事実
>●感情(詳細は本書を)
一瞬PREP話法かなと思ったのですが、感情とやらが入ってますね。
ものすごく気になるので、
是非本を手にさせていただきます。
事例も豊富ということで個人的にはツボかもしれません^^
この本はボクにとってかなりアタリ!本でした。
特に「聴き手を話に集中させたいのならば、背景は黒」という内容をみて、師匠を思い出してしまいましたよ。
最速で紹介したかったのに、すでに師匠が先に記事をアップされていた…orz
師匠…、早杉です…。
世の中にはこんなにたくさんの新刊本があるのに、なぜカブるのでしょう。
でも、師匠とかぶったということは、同じ感性をしているということですね!!
これはもう、一杯やるしかないですね!(意味不明)
アマゾンアタックありがとうございます(涙)。
「感情」に引っかかりましたか(笑)。
うーん、この部分は結構シンプルなんですけどねー。
でも他の部分で「目からウロコ」になった点がいくつもあったので、読まれて損はしないと思います(人前で喋る必要があるなら)。
>TMstarさん
「背景は黒」の話はあえてかかなかったのに〜(笑)。
一応この本も、こないだ編集後記で紹介しているし、不意打ちのツモリはないんですが(汗)、ワケあって、ブログでご紹介できない本なんぞを読んでいる関係上、紹介できる本は読んだらすぐ書いております。
私は超下戸なんで、一杯できるかどうかはわかりませんが、いつかどこかでお会いできると思いますよ〜!