2009年03月03日
【ネタ満載】「仕掛力」村松美尚
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、久々の文庫本。ただし、文庫本とはいえ、本書は「書き下ろし」です。
しかも、「税込み500円」という有り難さ。
◆アマゾンの内容紹介から。
上記にもあるように、「基本」から「奇策」まで、ネタが満載でした!本書では、売るためのシステム・しくみ・演出を、36のポイントと108の仕掛けで、実践方法を盛り込みながら具体的に解説している。「『ビジョン』『ミッション』を知ってもらえ!」「『見せ場』を作れ!」「『接商』で憶えてもらえ!」「『コミュニケーション』を繰り返せ!」「『他者の選択』を利用しろ!」「『オンリーワン』で限定しろ!」等、既存の売上げを伸ばし、新たな顧客を開拓する、すぐに使えるノウハウが満載!
基本中の基本から「まさかっ!」の奇策にいたるまで、数多くの仕掛けを自分の持ち駒とし、自由自在に使いこなす「仕掛けのプロフェッショナル」になるためのガイドブック。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
序章 なぜ「仕掛力」が必要なのか
商品が売れない理由を社会や他人のせいにしない
エレベーターはもう動かない ほか
第1章 「反応」を起こさせる
1.自分たちの存在をめだたせよう
2.客との距離を縮めよう
3.客に知識を与えよう
第2章 「刺激」で引っぱる
1.安さで客を引きつけよう
2.特典で客を刺激しよう
3.結果が出るまで繰り返す
第3章 「理由」で納得させる
1.権威付けをしてあげよう
2.ストーリーで客を動かそう
3.推薦で客を後押ししよう
第4章 「強迫」で動かす
1.不安感で客を動かそう
2.危機感で客を動かそう
3.限定で客を呼び込もう
【ポイント】
■仕掛けとは、客と商品を結びつけることあなたは早く売り切るために、店頭で必死になって道行く人に呼びかける。
「花を買ってください。花を買ってください」
けれども、人々はまったく足を止めてくれない。
でも、たとえば、こんなふうに呼びかけてみたらどうだろうか。
中年の男性に対しては、
「残業で遅くなった夜は、奥様に花を買って帰ってさしあげませんか」(中略)
これは、あなたが客に商品を仕掛けているからだ。
商品を売るためには、客に商品を仕掛けなくてはいけないのだ。
■アンケートによって、長所をアピールする
たとえば、アンケートのなかに、
「あなたが○○を購入された理由について、お答え下さい」
といった項目を用意する。そして、回答欄には、その商品の長所や魅力を列挙しておく。
客は選択肢のなかから、該当する長所を選び出そうとする。このプロセスを通じて、客にその商品の長所を伝え、意識させることができるというわけだ。
■集客商品を充実させる3つの条件(抜粋):
●購入頻度が高い
●アイテム数が多いいくら客にとって目当ての商品でも、5年に1回しか購入する必要がない商品であったとしたら、店にとって客を集められる商品とはいえない。
たとえば、服や靴のように、ひとつのブランドのなかのアイテム数が多い商品の場合、そのブランドを気に入った客は、ブランド目当てに何度も店に足を運んでくれることになる。
■「次回以降の安さ」を売りにする
多くのビジネスでは、「初回利用者のみ半額」といったように、初回利用者を優遇するサービスを行っている。しかし、こうしたサービスでは、来店客(来社客)を増やすことはできても、来店客を固定客にするのは難しい。
そこで、逆転の発想で、「次回の安さ」を売りにするサービスを試してみてはいかがだろうか。客に、「また、このお店(会社)から、商品を購入したい。そのほうが絶対に得をする」
という心理にさせるのだ。
■買い物のなかに「ゲーム的な要素」を取り入れる
不思議なことに、水槽のなかに金魚が泳いでいて、「1匹○円」と書かれていたとしても、多くの人は別に金魚が欲しいとは思わない。
ところが、金魚すくいとなると、なぜか金魚が欲しくなるのだ。
客にとって魅力のない商品でも、そこにゲームの要素が加わると、すごく魅力的な商品に見えてしまうわけだ。
■客が必ず店舗に関心を持つ「4大タイトル」(抜粋):
●開店セール
●■店セール
●閉店セール
●■■セール (ネタバレ自重)
■「第1回」という言葉をつける
営業や販売の強化月間に、「○○キャンペーン」と銘打つ会社・店舗は多いが、そこに「第1回」とつけてみてはどうだろうか。
■POPを作るなら客の目線で
書店POPの特徴は、読者の目線に下りていることだ。
書店員が一読者となって、その本を読んだときの感想や感動が素直に表現されている。(中略)
「店長オススメ」や「店員オススメ」のPOPを出すなら、客の目線で作ることが大切だ。
POPだけではない。
ビラやチラシなどで、店長オススメや営業マンが勧める商品を紹介するときも、一利用者の立場に立って紹介文を書くことが大事。
それが客と販売員、客と営業マンの間にある垣根を取り払うのだ。
■「ナビとしてのランキング」を活用する
商品の森の中で迷子になっている人たちにとって、ランキングは心強いナビゲーションとなる。
少量多品種の商品を扱っている会社・店舗ほど、「ナビとしてのランキング」を活用したいところだ。
■「売れ筋商品」と「売り筋商品」
売れ筋商品とは、実際に売れている商品のこと。
売り筋商品とは、これから売りたい商品のことだ。
このうち売れ筋商品については、前述したランキングを利用して、客に情報提供すればいい。
一方、売り筋商品の場合は、「売りたい」と思っていても、なかなか売れない場合が多い。客がその商品の良さに気づいてくれないからだ。(中略)
そんな客に対しては、売り筋商品の魅力を強調しすぎるくらいに強調して、
「ぜひこの商品を買ってください」
というメッセージを発するべきなのである。
■シニア層の多くは、シニア世代対象商品を欲しいとは思っていないもの
自分を高齢者だと認めたくないし、周りからも高齢者だと思われたくないからだ。(中略)
実際には、シニア層をコア・ターゲットとした商品だとしても、キャッチコピーで「シニア」を前面に押し出す必要はない。むしろ、押し出さないほうがいい。
【感想】
◆文庫本とはいえ、さすがにノウハウが「108」もあると、なかなか読み応えがありました。もちろん、中には普通にビジネス書等を読まれている方からしたら、「ものすごくベタ」なのもあります。
全部が全部「目からウロコ」というわけではありませんので、その辺はご了承下さい。
なお、上記ポイントで挙げた項目は、私にとっては、結構「なるほどね〜」レベルで響いたものです。
◆自分の本業に照らし合わせられないのがツライのですが、このブログでも実際に取り入れている点がいくつか。
例えば「ランキング」。
何かの拍子にアクセスが流れ込んだ際にページビューがドッと増えるのは、「プロフィール」と「ランキング」だったりします。
ゆえに個人的な見解としては、可能であれば「ランキングは設置すべき」だと思われ。
◆なお、かつての私のように「ランキングやるほど売上がない」場合は、「オススメ」を。
以前土井英司さんがセミナーCDで語ってらっしゃったように、ネットショッピングにおいては、消費者の「属性」(性別、年齢、職業等)は二の次で、キモとなるのは「購買履歴」だそう。
これをブログに置き換えると、例えば「そのブロガーの職業は何か」よりも、「どんなエントリを書くのか」ですとか、「どんなモノを薦めているのか」の方が、初めてそのブログを訪問した人にとっては大事なハズ。
私もマスコミに取り上げられるまでは「オススメ本」をサイドバーに貼っていたのですが、「様々なしがらみ」ゆえに撤去し、今は「客観的な数値」であるランキングのみとしております(気が弱いのでw)。
◆それと、上記ポイントで「書店POP」の話がありましたが、私なんぞまさに「読者目線」そのものですね。
「素人目線丸出し」なところとか、「できれば本を売りた(ry←アサマシ」ところとか。
それで思い出したのが、Koさんのこの記事。
書店ポップ術から学ぶ、ブログでの書評:Ko's Style
おしまいの方にあったジェネレーターを私も体験してみますた。
・・・サーセン、文字数が少ないと、途端に淡白になるのがモロわかりでございました。
◆ところで、ネタの後だとアレですが、本書のキモとも言えるものが、実は一番最後の「まとめ」にあります。
題して「3万円イベント」。
これは「架空の小売店X社」が、毎月またはシーズンごとに行う総予算3万円のイベントのことで、本書で紹介されている様々な仕掛けが計10個組み合わさって展開されるというもの。
しかも対象人数は100人!
たった3万円で、100人相手にどんなことができるかは、本書でご確認を。
上記のPOP通りでこの値段なら買って損はないです!
【関連記事】
【ネタ満載】『人にはちょっと教えたくない「儲け」のネタ帳』岩波貴士(2008年11月02日)【フツウにスゴ本】「ザ・コピーライティング」ジョン・ケープルズ (著), 神田昌典 (監修)(2008年10月20日)
【スゴ本!】「なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学」パコ・アンダーヒル(2007年10月09日)
「究極のマーケティングプラン」ダン・ケネディ(著)、神田昌典(監訳)(2007年04月16日)
「これ、知ってました?集客に、お金はかからないのです。」藤村 正宏 (著)(2006年05月21日)
【編集後記】
◆今日のご本を読んでいて、ふと思い出した1冊。自社ないし、個人のビジネスのサイトをお持ちの方なら、激オススメ。
私がブログに「マスコミ掲載歴」を載せるようにしたのも、この本の教えゆえ。
ちなみに、下記参考記事において、私にこの本を薦めてくれた「某コンサルさん」と言うのは、ぶっちゃけ本田直之さんです。
本田さんの周りの方は皆さんお読みのようですし、今日ご紹介の本と合わせてどうぞ。←アサマシw
参考記事:【4つのパーツ】「お客のすごい集め方」阪尾圭司(2007年07月13日)
ご声援ありがとうございました!
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短い文章でガツンと伝えるのは難しいですね。
ついついダラダラと長く書いてしまうので気をつけねば。
「仕掛力」面白そうですね。
売るためのスキルが欲しいのでチェックしてみます。
気になるのでチェックしま〜す。
以前、この記事を拝見して、いつかネタとして使ってやろうとキープしておりました(笑)。
ちょっと強引ですが、リンクさせて頂いた次第です。
でも昼間見たアソシエでPOPのハナシもあったので、そっちにすればよかったかも(笑)。
>ビルダーナースさん
内容的には、ビルダーナースさんには適していると思います。
後は、どのくらい既にご存知かとか・・・。