2009年02月09日
【壮絶!】「借金の底なし沼で知ったお金の味 25歳フリーター、借金1億2千万円、利息24%からの生還記」金森重樹
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、日本における代表的なマーケティング・グルの一人である金森重樹さんの新刊。メルマガ、「回転の力学」で3年近くに渡って連載されてきた、金森さんの借金まみれの半生の記録です。
フツウに物語として読んでも面白い(借金が膨らむサマはちょっとエグ杉)のですが、むしろ「いかにして、金森さんが現在の思考方法を持ち得たか」の方が本書のキモかと。
あとがきで金森さん曰く
「18年の歳月を掛け、借金の業火の中で生きながら焼かれて掴んだ『理詰めで億万長者になる方法』」
とは、果たしていかなるものか?
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
お金の味~序
第1章
人生のどん底から這い上がれるか ~転落のワナは至る所に用意されている
・封印されたどん底の体験
・自分とは何者か
・「貧困のサイクル」からどうすれば逃れられるか ほか
第2章
社会は格差に満ちている ~どうすれば金持ちになれるのか
・自分に用意された人生はどこにあるのか
・「東大生」の中にも格差は存在する
・偏った考えの東大生たち ほか
第3章
試練は突然やってくる ~八方塞がりから脱出する道はあるか
・なんでもないような電話から人生の悪夢は始まる
・「損害」はなぜか簡単に大きく育ってしまう
・自分の運命のハンドルから手を放したら失敗は免れない ほか
第4章
再起のための社会勉強 ~「知らないこと」を学ぶ
・今はダメでも人生のチャンスは必ず訪れる!
・それが厚意であるとは限らない
・どんな状況でも学びはある ほか
第5章
どん底で見つけた成功法則 ~自分を活かせる場所は必ずある
・金持ちになれる手がかりはこんなところにあった!
・お客はどこから湧いてくるのか
・何がわからないかがわかる状態にたどり着くまで ほか
第6章
それでも壁は立ちはだかる ~人生のモンスターとどう戦うか
・問題はまだ解決していない
・取り立て屋との攻防はこうして始まった
・この借金地獄から抜け出す方法はあるか ほか
エピローグ
あとがき
【ポイント】
◆本書の前半では、主に金森さんの借金が膨れ上がっていくサマが描写されているので、割愛。債権者に不動産会社に就職させられてからの、金森さんの「生還」部分より、引用として抜き出していきます。
■不動産業が上場しやすいワケ
そして、もうひとつ知ったことは、不動産業はその当時は、株式公開を最もやりやすい業種の一つだということでした。(中略)
他の業種で30億円の売り上げを作ろうとすれば、それなりに歳月をかけて会社を創っていく必要がありますし、製造業だったりすると、膨大な数の社員がいなければ、これを達成することができません。
ところが、不動産デベロッパーが、30億円の売り上げを上げるためには十数人も社員がいれば十分です。(中略)
僕が、会社に入って初期の段階で学んだことのうち一つを挙げるとすれば、「世の中には金持ちになるのが簡単な業種もあれば、非常に長い時間を必要としたり、膨大な社員を必要とする業種もある」ということでした。
■資格取得の意義
経営者となった今、僕は資格については重んじていませんし、自分の名刺に保有資格を入れているわけでもありません。ただ、その時資格取得の勉強をしたことはそれなりに意味があったと思っています。単に、作業の過程で、資料を参考にしながら、書類を作成するのと、試験という形で質問を投げかけられながら、自分の知識の精度をあげていくのでは、知識の裏付けに各段の差があることは明らかですから。読んで理解するのと、試験に解答することとの間には格段の差があります。
■税理士の意見を聞いて会社がおかしくなったケース
一つ目は、決算書なり試算表の数字から、会社の経営の改善のために経費削減を模索する中で税理士が「広告宣伝費を使いすぎですから削りましょう」という提案です。(中略)
二つ目は、経営状態が悪化したときに、「人件費を削りましょう」と言って、人件費に手を付けてしまうことです。
人件費の圧縮を図ろうとした場合には、残ってほしい人間が逃げだし、会社にとって使えない人間ばかり残ってしまいます。
(理由等はネタバレ自重)
■マンションデベロッパーの真実
「●●系、■■系を除くほとんどのマンションデベロッパーは、10年でランキングTOP10から消え去り、20年ですべて潰れる」
(ネタバレ自重・理由等詳細は本書を)
■不動産は売りから入れない
マンションデベロッパーは地価下落局面での売り建てによるヘッジという安全装置を持たない片建ての危険な要素を事業構造に孕んでいるわけです。
■億万長者になるためのヒント
仮に億万長者に出会っても、その人から一から十まで金持ちになる方法を教えてもらわなければならないようでは、金持ちにはなれません。
一を聞いて十を知るようじゃないとダメなのです。
また、教えてもらったとしても、その意味することはそのステージにならないとまず理解できません。理解できるような内容だったとしたら、それだけの価値しかなくて他の人間に簡単にキャッチアップされておしまいです。
必要なのは、金持ちになるための仕組みについての深い洞察と、より高い思考のステージへの飛躍だけです。
■会計知識の必要性
その時僕は、会計の知識の習得は金持ちになるためには避けては通れない事柄だと身を持って感じました。
何年も彷徨い歩いて見つからなかった金持ちになるための手掛かりは、街には落ちていなくて、探し歩かなくても誰にでも手に入る簿記の本の中にそっと挟まっていたのです。
■営業のタイプ
「営業はセンスだから」とか、「電話営業は、トークが大切」とか、「営業は売るまで会社に帰ってきてはダメなんだ」という場合の営業と、今僕が調べている名簿による営業は、同じ営業という名前だけれどもまるっきり違うタイプの営業だということが次第に分かり始めました。
■マーケティングを極める
モデルルームによる集客、有利な提携ローンによる誘引など、業界の特定のインフラを基にした集客方法はその業界でしか通用しませんが、僕がその時究めていったマーケティングの手法は、ありとあらゆる業種に通用するものでした。(中略)
僕がやっているのはマーケティングの責任者という職種だと思っています。業種は、マーケティングが可能な業種ならなんだって成立します。
だから、僕は業種にはこだわりはまったくありません。
何業であっても、その業種に構造的な問題がない限りにおいて、集客を成功させて、確実に利益を出す自信があるからなんです。
【感想】
◆実は私はずいぶん前から金森さんのメルマガは購読しており、このお話も前半部分は読んでおりました。そもそも配信が月1回程度だったので、なかなか話が進まず、読んでも「また借金が膨らんだ」みたいなディープさに、最近チェックを怠っていたのですが、知らぬ間に鬼のように配信されていたという(昨年11月だけで19回!)。
結局私は金森さんの「華麗なる(?)"生還"部分」は、本書で初めて読んだわけです。
昨年11月頃、ちゃんとメルマガをチェックしていたら、さぞかし臨場感溢れていただろうに・・・(遠い目)。
◆そして金森さんと言えば、「マーケティング」。
本書にあるこの一節から、マーケティングを学習していくうちに、金森さんの名言(?)『札束に火をつけて燃やせ』の気づきが得られたことがわかります。
私も、大昔に金森さんのマーケティングのご本を読んだ時は、イマイチよくわかりませんでした。マーケティングとは水泳と同じで、どんなにたくさんの書籍を読んで学んでも、実際にやっていかないと上達しない類のものであることがはっきりわかり始めていました。
ここでは、マーケティングについてはこれ以上深くは触れませんが、マルチスプリットだとかコントロールだとかのテストマーケティングは、実際にお金を投じて練習すればするほど上達するもので、いくら畳の上の水練をやっても上達が澪まれないこともよくわかりました。
しかし今は、ブログで本を記事にすることによって、やれアクセスが多かったの、はてブがついたの、本をお買い上げ頂いたの、と日々数字で結果が出ており、気分は「なんちゃってマーケター」。←超小規模ですがw
◆とか言いつつも金森さん、過去のメルマガにおいては、何百万円単位の高額の広告費をかける事について、こんな一面もあきらかにしているんですが。
(「回天の力学 第60号」より)今日の特集サイトについては、金額が張りますのでもじもじしておりましたら、女房が『おまえ男がちっちえぞ!ゴツンと音がするように1000万位ぶっこめ!』と檄を入れてくれたので出稿に踏み切りました。
自分で『札束に火をつけて燃やせ』といってながら、我ながら自分はほんと気がちっちゃいなと反省しました(汗
奥さん、テラ男前スグルwww
◆さて、上記ポイントで挙げたような「学び」を得ていった金森さんですが、「給料以上に高い利息と違約金」が解決できないまま、ヤクザの取立てが、会社や自宅、実家にまで及び、徐々に追い詰められていきます。
当時の法律では、金森さんのケースですと自己破産しても免責にはならず、まさに八方塞り。
そんなある晩、金森さんはついに「覚醒」。
そして金森さんは、私達の知る「マーケティング・グル」として変貌を遂げていくワケです。それまでのあらゆる知識の組み合わせが、その一瞬のうちに完成していました。
前の晩、自分の運命を受け容れて、酔いつぶれて眠りに就いた時と比べると、次元が違うように物事が分かり始めていました。これまでの借金を負った人々への聞き取りの日々、会社帰りにマックで毎晩マーケティングの研究に打ち込んだ日々、会社での株式公開の勉強の日々は無駄ではなかったのです。
◆しかし、その覚醒後、事業を拡大しつつある金森さんの前に、今度は借金の時効中断のための内容証明郵便が到着。
借金総額は、もともとの元本3900万円が、1億2700万円へと膨らんでいたことが判明します。
そして東京地裁で、債権者との間で、最後の戦いが行われることに。
圧倒的不利な状況の中で飛び出した「渾身の一撃」とは?
ここからは実際に本書でご確認を!←あおり系w
金森さんの著作を1冊でも読んだことがある方には、「ツボ」かと思われ!
【関連書籍】
◆当ブログにおける金森さんの書籍を。◆思えば、ブログをはじめる直前の2005年の1月1日(元旦w)に、この本を読んだことが、私のブログ人生の始まりだったのかもしれません。
マーケティングの「マ」の字も理解していなかった当時の私には、恐ろしくオーバースペックでしたが。
参考記事:「インターネットを使って自宅で1億円稼いだ! 超・マーケティング」 金森重樹 (著)(2005年01月19日)
◆「士業を営む方」なら必読。
中身濃すぎるんで、とりあえず当時作ったマインドマップでもご覧下さい。
参考記事:「超・営業法」 金森重樹 (著)(2005年06月02日)
【関連記事】
【名著!】「売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則」アル・ライ, ジャック・トラウト(2008年04月08日)「究極のマーケティングプラン」ダン・ケネディ(著)、神田昌典(監訳)(2007年04月16日)
「10倍売る人の文章術」ジョセフ・シュガーマン(著)金森重樹(監訳)(2006年05月08日)
【マインドマップセミナー評】★セミナーメモ「インターネットで1億稼ぐ思考法」(解読不可(?))(2005年09月05日)
(再読)【マインドマップ書評】「ハイパワー・マーケティング」 ジェイ・エイブラハム (著) 金森重樹 (監訳)(2005年07月25日)
【編集後記】
◆昨日はニセ休出で、この記事の下書きを書いていたのですが、その間、ヨメと子供たちは、「横浜アンパンマンこどもミュージアム」へ。帰ってきてからも楽しそうな子供たちを見て、ブログやっててよかったのかちょっと反省・・・。
「みんな許せ、これも仕事なのだ〜」←言いわけ
そして今朝の食卓には、アンパンマンパン。
ご声援ありがとうございました!
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金森さんがすごいすごいという話は、平野友朗さんに聞いた事があったのですが、やっぱり凄いです。会計知識は私も昨今の受験勉強で身にしみて「大事だなあ〜」と思っている次第。
しかし、奥さん凄すぎw
でも、思い切った決断もときには重要ですよね。
ご無沙汰です〜(笑)。
あら、金森さんで釣られるとはこりゃいかに。
平野さんと金森さんはCDで対談されてましたよね?
それ目当てで(?)私は本買いましたし。
そして金森さんの奥さんは本当にキャラ立ってるといううわさです。
この本でもある重要な場面でちょっとだけ登場(?)されてます(詳細はヒミツ)。