2009年02月05日
【スゴ本】「ECサイト4モデル式 Google Analytics経営戦略」権 成俊, 村上 佐央里
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「この時代だからこそ」のマーケティング本。タイトルに「Google Analytics」とあるので、敬遠される方もいらっしゃいそうですが、具体的な設置方法等は、最後の最後に全体の1/4程度登場するのみで、それ以外は、ECサイト運営における、骨太なマーケティング理論が中心です。
私が購読しているSEO系メルマガ、「SEO塾」さんで、激賞されているのを見て、アマゾンアタック!
ECサイト4モデル式 Google Analytics 経営戦略 が第2のバイブルに:1円株式会社を設立の社長ブログ
私は、Google Analyticsの解説本を数冊持っていますが、Analyticsが非常に大規模なバージョンアップをしていますので、今現在に最適な本を探していたわけです。
結果として、軽く言えば目から鱗、重く言えばインターネットのビジネス観が大きく大きく転換されました。
200ページ足らずの薄い本ですが、内容は骨太です。
私はこれで、自分のビジネスを革命できそうです。
◆ちなみに、この記事の冒頭にあるように、管理人の石崎さんの第1のバイブルは、「はじめの一歩を踏み出そう」で、実は私は、その時の記事がアタマに残っていたので、古めの本ながら書店で手に取ったという(その節はありがとうございました)。
そんな方の「第2のバイブル」とあらば、読まないわけには参りません。
今回のご本は、ネット寄りですが、これからのマーケティングを考える上では、常識として読んでおきたい1冊。
もちろん、実際にネットビジネスをおやりになっている方なら、マストです!

【目次】
はじめに
PART1 ECサイト成功の作法
1-01 ネットビジネスの特徴とネットで売れる理由
1-02 変化が早いからこそ長期的な視野に立つ
1-03 ネットビジネスの事業戦略とネットショップが直面する壁
1-04 戦略は仮説、計画はシミュレーション
1-05 「3C」で考える戦略のフレームワーク ほか
PART2 ECサイト4モデルと最適マーケティング術
2-01 小さな市場で効率よく稼ぐ「クローズドウェブマーケティング」
2-02 売上規模はリピート購入を積み増して稼ぐ
2-03 インターネット消費行動モデル
2-04 サイトリピート購入と商品リピート購入
2-05 ウォンツ商品とニーズ商品 ほか
PART3 アクセスログ解析によるサイト改善の基本
3-01 アクセスログ解析でネットビジネスを“見える化”する
3-02 アクセスログとは何か?
3-03 Google Analyticsの基本機能と特徴
3-04 Google AnalyticsによるSEMの検証
3-05 アクセスルートの全体像をつかむ ほか
PART4 ECサイト4モデル別アクセスログ解析の活用
4-01 ECサイト4モデルの基本改善案とKPI
4-02 ウォンツ単品(指名買い型) 検索キーワードを軸にアクセス対策を
4-03 ニーズ単品(単品リピート型) コンテンツ拡充でリピート率を向上
4-04 ウォンツ多品(専門モール型) Excelを活用して「訪問値」を分析
4-05 ニーズ多品(モール型) ページ制作費を変動費としてとらえる
PART5 Google Analyticsの設定
5-01 Google Analyticsの仕組みと特徴
5-02 Google Analyticsの利用申し込みをする
5-03 トラッキングコードを設置する
5-04 プロファイル基本情報を設定する
5-05 コンバージョン確認のための設定をする ほか
【所感などなど】
◆本書はECサイトを、「その取り扱う商品によって、4つのモデルに分けて考えるべし」というスタンスに立っています。分析軸を「訪問者の欲求が"具体的"か"あいまい"か」と「品揃えが"多い"か"少ない"か」で縦横に取ると、それぞれの象限にこれらのモデルが該当する、と。
●「具体的」「少ない」⇒「指名買い型」(ウォンツ単品)
●「具体的」「多い」⇒「専門モール型」(ウォンツ多品)
●「あいまい」「少ない」⇒「単品リピート型」(ニーズ単品)
●「あいまい」「多い」⇒「総合モール型」(ニーズ多品)
そして、そのモデルごとに「アクセス対策」も「サイト対策」も、「KPI(重要業績評価指標)」も異なってくるのだそう。
し、知りませんでした!!
◆全部細かく書いてしまうと、それこそネタバレなので、最初の「指名買い型」の特徴からいくつか・・・。
■具体例:iPod、ルイ・ヴィトン等
■欲しいものが明確で、購買意欲の高い人を検索エンジンから誘導
■検索時点ですでに購入意欲が高いので、サイトのコンテンツによって購入意欲が大きく高まることはない
■従って、サイトデザインやコンテンツに時間や労力をかける必要はなく、価格や納期の方が重要
■サイトコンテンツを見て購入を決める必要がないのでモバイルサイトでの販売に適している
■価格や納期勝負なので、メーカーが直販を始めたら、小売店の勝ち目はない
・・・ってこんだけの内容がたった3ページほどにサラっと書かれてます。
他のモデルも推して知るべし。
◆また、第4章の「ECサイト4モデル別アクセスログ解析の活用」のところでは、机上の空論ではなく、実在のサイトのアクセスログを分析。
同じアクセスログ解析であっても、モデルごとに見るべき部分、改善すべき点が違う、と。
そしてこれらの解析を行う際に、Google Analyticsのどこをどう見れば良いかが、解説されているわけです。
◆その改善点も、「なるほど」と思わせられるものが多々。
例えば、いくつか拾ってみると
■検索結果で上位表示されているにもかかわらず、訪問率が低いサイトの「タイトルを変える」
■ニーズ商品はウォンツ商品に比べてサイト滞在時間が長くないと売れないので、「情緒的なコンテンツにする」(かなり細かく書かれているのですが割愛)
■販売機会の増加だけでなく、比較商品の増加のために「商品数を増やす」
・・・等々、そのモデルに合わせた施策がなされているワケです(上記がどのモデルの話かは割愛)。
◆なお、こういった話も、実際にネットビジネスをやっていないとなかなかピンと来ないものですが、そういう方は、第1章の「ネットビジネスの事業戦略とネットショップが直面する壁」だけでもお読み下さい。
"パパママショップ"レベルのお店が、ネットショップ経営に取り組む際の、落とし穴の例が3つほどわかりやすく書かれていて、うなずきまくりましたよ、マジで・・・。
副業や週末起業として、ネットショップをお考えの方も、読んでおいた方が良いと思われ。
これは「激プッシュ」せざるをえないっす!
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「ネットで稼ぐ発想術」石崎秀穂(2007年04月14日)
「ウェブユーザビリティの法則」スティーブ・クルーグ(2007年03月19日)
「とっておきの秘技 もっと人とお金が集まるブログの秘伝書」 石崎 秀穂 (著)(2006年04月24日)
【編集後記】
◆ペーパーレス化を密かに目論む私の、購入リストの最右翼にあったスキャナー。一部で熱烈なファンを持つ、富士通の「ScanSnap」の新製品は、何やらスゴイ性能のようです。
個人向け文書スキャナ「ScanSnap」新製品--読み取り性能は従来の最大3.3倍:CNET Japan
そして私は、事務所に新しく入った複合機で、スキャンができるラシイことがわかり、悪戦苦闘中。

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さて、この本良さそうですね。僕の仕事に直結する内容も含んでいそうなので、アタックしまーす!
お仕事お疲れ様です。
そして、アマゾンアタックありがとうございます(涙)。
ただこの本、お仕事に関係されそうなら、マストだと思いますよ。
私も顧問先にECもやっているところあるので、機会があれば買って読ませたいくらいです。