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2009年01月28日

【英語】「グーグル・ジャパンで働く11人の英語勉強法」


グーグル・ジャパンで働く11人の英語勉強法
グーグル・ジャパンで働く11人の英語勉強法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、"アノ"グーグル・ジャパンの社員の皆さんの「英語勉強法」に焦点を当てた1冊。

この本にも登場される村上憲郎サンの、「村上式シンプル英語勉強法」のヒットに便乗したのか(失礼!)と思いきや、あにはからんや

実は本書の出版元である中経出版さんのお出しになっている「English Zone」で2年間続いた連載に加筆・修正して1冊の本にまとめられたものだそう。


中経出版さんのページから引用します。

取材前グーグルで働くスタッフは、幼いころの海外経験や留学経験が豊富な人ばかりに違いないと考えていました。しかし2年間の取材を通じて明らかになったのは、普通に日本の英語教育を受け、その後大人になってから自らの努力・工夫で高い英語力を身に付けた人が多いという事実です。 日本で育ったビジネスパーソンが世界を相手に働いているという事実は、私たち英語学習者の大きな励みになるのではないでしょうか。ただ「英語ができる」だけでは不十分で、「仕事ができてこその英語力」であることを11人への取材を通じて痛感しました。
 英語習得は社会人になってからが本当の勝負!

グーグル・ジャパンで働かれている社員の皆さんの素顔や、その「英語に対する取り組み方」に興味のある方なら、一読の価値アリかと。


人気blogランキングいつも応援ありがとうございます!




【目次】

インタビュー1:30代からの英語チャレンジ

インタビュー2:英語は度胸!

インタビュー3:グーグルは最高の英語教室

インタビュー4:英語力を伸ばすカギは「努力」×「環境」

インタビュー5:「コミュニケーション力」こそ全ての土台

インタビュー6:英語「口」になるための秘策

インタビュー7:「英語がmust」の環境にもまれて

インタビュー8:今こそ、自分を「開国」させよう

インタビュー9:英語は「文脈」の中で学べ

インタビュー10:英語力は「プレッシャー」の中でこそ伸びる

インタビュー11:自ら「安全地帯」を脱出しよう


【ポイント】

◆全員の皆さんから抜き出すわけにもいきません(ネタバレ自重)ので、何人かの方に絞ってみます。

■村上憲郎さん(Google Japan 名誉会長)

●母音を期待することなかれ

⇒日本語の周波数帯域は低周波に偏っているが、英語の子音は「高周波帯域」にある。

 日本人は「母音」が聞こえることを期待して、英語を聞くんです。英語ではcenter([セナ]に近い発音)と言う。でも、僕らは「センター」と聞きたがっているわけ。(中略)

英語のs,n,rといった「子音」を日本人は「母音」で聞こうとしている。このミスマッチに気づくのも英語上達には必要なんです。


●覚える英単語は、最低1万語!

⇒本音は1万5000語だが、逆にそれ以上は覚える必要なし


●Googleで英語力をメキメキ伸ばしている人は「必要性に迫られている人」


◆私は残念ながら上記の村上さんのご本を読んでいないのですが、大学受験時はリスニング能力が不要だったものの、その後エンジニアとして日立電子に入社し、その後30歳の時に外資系企業に転職してから本格的に英語を話す能力が必要になってきたそう。

つまり、本格的に勉強をなさったのは、30歳を過ぎてからということですね。

そしてそのスタイルは結構ガチな模様。

曰く、『リスニングは「筋トレ」』だそうです。


◆本書では、具体的なリスニング上達術も言及されているのですが、ここでは割愛

とにかくかなりの負荷をかけるやり方かと。


■若狭 建さん (ソフトウェア・エンジニア)

●状況を打開したのは、「慣れ」と「ラジオ講座」

⇒サン・マイクロシステムズの日本法人時代は、周りにネイティブスピーカーが普通にいる職場環境だったので、無理やりでもしゃべっていた

⇒きちんと勉強しなおすため、NHKの「ビジネス英会話」を約2年間聞き続けた。


◆若狭さんの場合も、やはり必要に迫られて英語を習得したようです。

このことと、英語勉強法に関して、このようなお言葉も。

(「国内で英語力を伸ばす秘訣とは?」という質問に対し)

 英語を使う必要に迫られる環境に、自らを無理やり置くのが一番だと思います。ただし、「英語だけ」うまくなろうとしても、難しいと思います。仕事なり趣味なり、自分のやりたいことと英語を結びつける工夫が必要です。(中略)

「英語力だけアップさせればいい」という姿勢では、モチベーションを保つのが難しいと思います。テキストを読んだり、ラジオを聞き続けても、「学んだことをどこでどう使うんだろう?」と疑問が生まれるはずです。英語を「目的」とするよりも「手段」としたほうが、うまくいく気がします。

なるほど、「目的ではなく手段」というのは、深いお言葉ですね。


◆また、若狭さんが活用した「NHK外国語講座 - ビジネス英会話」は、今はラジオではなくてネットでも聴ける、という話をたつをさんのところで知りました。

ビジネス英会話がネットで無料で聴けるようになってた:たつをの ChangeLog

リンク先や番組タイトルもちょっと変わっているようですが。

NHK外国語講座 実践ビジネス英語

なお、なぜかアマゾンではテキストではなく、いきなりCDに(謎)。



■小池 渉さん (マーーケティング・マネージャー)

●英語は頭から理解する

⇒高校2年生の時に出会った「サイト・トランスレーション」という、英文を頭から固まりでとらえて読んでいく方法に取り組んだ途端に、長文読解力がグンと上がって、英語が得意科目になった


●単語は「文脈」とセット

⇒単語帳だけを単独で使う勉強法だと、単語1つだけを抜き出すことになるので、使う状況がわからず、間違った使い方をしてしまう

⇒単語は英文海外のドラマの中で覚えると、どういう状況で使われるかが分かる

私は受験生のころから英語の勉強は「長文を読む」ことをメインに据え、長文を読みながら単語も覚えていきました。今は「この単語は、こういう文脈で使うのが正しい」ということが何となく感覚的に分かるので、自分のやり方は結果的に正しかったと思います。


◆上記の「サイト・トランスレーション」というのは、どうも通訳者を目指すような方には一般的なトレーニング方法のようです。

検索していて出くわしたのがこんなの。

Textbook、Separate Booklet、CD2枚のセット。Textbookでは、全12課から構成され、最初の2課は導入で、大意の把握を目的とし、3課~12課では、主にサイトトランスレーション(視訳、速訳)と逐次通訳を行う。Separate Bookletでは、通訳訓練方法の解説、Textbookの解答、全英文コラムとその和訳を収録。

・・・どうもガチすぎるような。


◆また、「単語を長文の中で覚える」というやり方には、納得

「英英辞典を使って勉強する」なんてのもありますし。

実際に私ができるかどうかは別として(後ろ向きでサーセン)。


【感想】

◆簡単ではありますが、この辺で。

本書のインタビューは、社会人以前からの英語との接し方等にも触れられており、帰国子女がいないせいか、ほとんどの方が、受験英語は経験されていました。

そしてその「受験英語」もムダではなかった、と多くの方がおっしゃっていたのが、私にとっては印象的と言いますか。

例えば、アカウント・マネージャーの山崎志信さんのお話。

受験英語は詰め込みばかりで、社会人になってからは「なんで私は中学・高校と6年間も役に立たない英語を勉強したのだろう」と何度も思いました。でもあるとき、「もしその文法の基礎がなければあなたの今の英語レベルはもっと低かったはず」と言われたんです。そのとき初めて、中学・高校時代の文法の・イディオム学習も無駄ではなく、土台になっているんだと実感することができました。

私の場合、大学付属高校出身なため、最後の「受験英語」が「高校受験」なんですけど、それでもいいんでしょうかね?


◆そしてもう1点。これも多くの方が言及されていたことで、仕事で使わざるを得ない環境というのが、さらに英語力を高めている、と。

このことに関しては、上記の若狭さんの「英語を目的ではなく手段に」というお話とも関係してきます。

仕事で英語を使わない環境にいる方の場合、単に「英語が上手くなりたい」、というモチベーションだけでは上達は難しいワケで、なんらかの「仕組み作り」が必要になってくるんですね。


◆よく、「外人の恋人を作れ」とか言いますが、確かにこれも「英語を使う必然性」が生じるワケですから。

私の場合も、一度どこかで書いたことがあると思うのですが、外国製のDJソフトをマスターするために、ほぼ毎日、そのソフトの英語の掲示板を徘徊していたことがありました。

このときは必要に迫られて英語を使っていたワケで、まさに英語が手段になっていたかと。

・・・そのソフトを使わなくなってから、英語そのものに接する機会が激減しましたが。

     (ノ∀`) アチャー


「英語に接する」という点では、外国のテレビドラマを勧められている方もいらっしゃいました。

その際、流行の『24』ですとか『ER』はシチュエーションが特殊なので、代わりに「シットコム」(sitcom=situation comedy)がよいとのこと。

シットコムと言えば、Rach(レイチ)さんのこのブログがオススメ(どうでもいいんですが、お子さんがいらっしゃるとは思えない(ry)

シットコムで笑え! 海外ドラマ「フレンズ」英語攻略ガイド

ちなみにRachさんのご本がこちら。

シットコムで笑え! 楽しくきわめる英語学習法
エヌティティ出版
発売日:2008-03-17
おすすめ度:5.0

そして「フレンズ」。



◆今まで私にとってグーグル・ジャパンは、ある種の「謎の会社」であり、メールを出しても機械的に定型文が返信されるといったウワサからも、「冷たい」イメージを持っていました(私はメール出したことはないですが)。

それに対し、本書に出てくる社員の皆さんは、皆、苦労して英語を習得されている姿をさらけ出されており、意外な一面を垣間見れたような。

もちろん、実際は英語堪能な帰国子女がウジャウジャいて、本当はそういう方々の方が大多数なのかもしれませんが、少なくとも本書に登場される社員さんは、英語に限って言うなら、はじめは私達と同次元だったハズ。

そんな方々の成長ぶりナマの声の数々が、私にとっては本書の醍醐味でした。


英語だって「ヤレ」ば「できる」んです!

グーグル・ジャパンで働く11人の英語勉強法
グーグル・ジャパンで働く11人の英語勉強法

090206追記

お知り合いの佐々木正悟さんも、このたび英語本を出されるそうです。

楽しく、ラクに、シンプルに! 英語ハックス
楽しく、ラクに、シンプルに! 英語ハックス

これまた楽しみ!


【関連記事】

【iKnow!の秘密】「最強の記憶術 暗記のパワーが世界を変える」(2008年12月12日)

【英語】「レバレッジ英語勉強法」本田直之(2008年04月04日)

【英語学習】「留学なしでTOEIC985点 彼女は何を選んで勉強したのか」&「カリスマ税理士のオススメ英語書籍」(2008年03月19日)

【英語勉強法】「できる人の英語勉強法」安河内哲也(2007年12月21日)

【英語】「英語学習7つの誤解」大津由紀雄(2007年08月19日)


【編集後記】

◆今日ご紹介した本に関連して。

NHK教育テレビの人気語学講座で講師を務めてきた著者が、実際に世界の人々とビジネスをしてきた経験から、ビジネスシーンでは皆どうやってコミュニケーションをとっているのか、またよりそれを円滑にするためのアプローチは何か、引いてはビジネスを成功に導くコミュニケーション術とは何かをまとめあげた一冊。知性と教養ある大人として世界に通用する英語を話せるようになることを強力にサポートします。ビジネスパーソンはもちろん、全ての成人男女のみなさんに、知的な大人の会話術を伝授します。

以前、ムック本の記事でもご紹介した、吉澤 大さんご推薦の本。

アマゾンでも大人気です!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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この記事へのコメント
               
smoothさま。
大変ご無沙汰しております。「シットコムで笑え!」の Rach です。

「シットコムと言えば」の流れから、拙ブログと拙著を紹介して下さったこと、大変光栄で嬉しいです。
こちらのブログのリンクから、たくさんの方が拙ブログに飛んで来て下さいました。また、Amazonの順位も上がりました。ありがとうございます!!

「英語は「文脈」の中で学べ」というのはまさにその通りだと思います。海外ドラマを使って学ぶと、学んだ言葉の「使いどころがわかる」ので、応用が利く、ということなのでしょうね。

これからも、興味深い記事を楽しみにしています。頑張って下さいね!
最後にもう一度、
「ありがとうございました!!」
Posted by Rach at 2009年01月30日 13:33
               
>Rachさん

ご無沙汰しております。
「シットコム」と言われたら、それはRachさんのブログとご本を思い出しますよ〜(笑)。
私たち夫婦は、子供ができてからは、映画館へ行くどころか、自分たちの見たいDVDも全く見ておらず、Rachさんのご本の内容も実践しようがないのですが、多少なりとも興味を持った方がウチからそちらにお邪魔していれば幸いです。

また、そちらでのご紹介もありがとうございます。
英語に関してはダメダメの私ですが、一般的なビジネス書好きの方が、お越しくだされば、私もうれしいです。

今後ともよろしくお願いします!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年01月31日 03:49