2009年01月14日
【仕組み化時間術】「ルーチン力」佐々木正悟
【本の概要】
◆今日お送りするのは、先日シリーズをまとめてご紹介した、佐々木正悟さんの最新刊。本の厚さ的には結構薄いのですが、中身は濃厚。
その分、全ページにおける付箋を貼ったページの割合は結構高いものとなってしまいました。
ちょっとカゲキなアドバイスもあるので、仕事術に興味のある方は、ご一読を。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
1 なぜ「ルーチン力」が必要か?
時間が足りないのは「仕組み力」不足である
「時間」を「お金」のように考える
「どのくらい」の量の時間が使えるか ほか
2 仕事を徹底的にルーチン化する
仕事は締切までの日数できっちり分割する
スタートダッシュで仕事の見通しをつける
気乗りしない仕事は強引に注意を惹きつける ほか
3 あらゆる実務をルーチン化する
オープンリストは、アナタの仕事を増やす
メールはすぐに返信しない
電話は当日に対応しない ほか
4 スケジュールにルーチンを組み込む
スケジュールにルーチンを組み込む
毎日くりかえす仕事こそルーチン化する
特定曜日のタスクは週で一覧する ほか
5 毎日の業務をルーチン化する
ほとんどの仕事はいつとりかかってもよい
いつ仕事が終わるかはっきりと把握する
小さなデッドラインを壁にしてモチベーションを得る ほか
6 1つ上のルーチン
ルーチンの「ボトルネック」をチェックする
やる理由、やらない理由を明快にする
「やりたい仕事」は「最優先」で繰り返す ほか
【ポイント】
■ビジネスパーソンにとって「時間」とは、「何時から何時まで」ではなく「どのくらい使えるか」の方が問題■「ルーチン力」を薦める理由:
⇒同じタスクにかかる時間が正確に見積もれるようになり、さらに仕事の質をそのままに、かかる時間量を縮小できるようになる
⇒手順が明確になるため、モチベーションを安定させることが可能
仕事へのモチベーションは、見通しの有無に大きく左右されます。手順が見通せない仕事に対しては、大きな精神力が必要になるため、先送りの対象となりやすいのです。
■リマインダーとしてデジタル予定表(Googleカレンダー等)を活用すると、「特定の周期に発生するけれども、毎日行わなくてもよいルーチンタスク」を忘れないようにできる
■仕事のルーチン化で一番大事なことは、クローズドリストを使うこと
クローズドリストは、ToDoリスト(タスクリスト)の反対のリストです。ToDoリストは、やらなければならない仕事が増える度に、書き加えていくリストです。つまりどんどん項目が追加されていきます。
このようなリストを、フォースターはオープンリストと呼んで全体を終わらせることがとてもむずかしいリストになってしまうと指摘しています。
クローズドリストはこの反対に、やらなければならないことの最大量を予め明確にしたものです。このリストの特徴は、どこかの時点でいったんリストを閉じる点です(だからクローズドなのです)。
■クローズドリストの概念をなによりも適用すべき仕事は、メール処理
メールのクローズドリストの使い方は簡単です。今日、入ってきたメールには、その日のうちに対応しないこと。前日以前、昨日より前のメールを、今日中に片づけるという考え方を適用することです。
■野口悠紀雄さんの『「超」整理法』のすごいところは「全ての紙情報を時系列順に並べる」だけではなく、使用・参照した紙情報を、最新の位置に並べなおすところにある
つまり、「超」整理法は、新しい情報と、よく使う情報という、よく意識される情報が集中的に集まってくる一方、めったに使わないので捨てていい情報と、めったに使わないが捨てられない情報が、やはり集中するように、「自己学習」する整理法なのです。
■タスクシュートを使うと、「今が何時か」ということよりも、「全てのタスクが終わったら何時か」ということを常に意識できるようになる
〜参考:佐々木さんのタスクシュートのレポート(あすなろBLOGより)〜
001 とにかく見積もる-タスクシュート試用レポート
002 タスクシュートで見積もる意味-タスクシュート試用レポート
003 作業実績を入力する-タスクシュート試用レポート
004 残りタスクを調整する-タスクシュート試用レポート
■「一日」という時間を「ルーチン」として捉えた場合、午前中はもっとも有効活用できる時間なので、メールチェックやRSSチェックで潰してはいけない
■ルーチンのボトルネックは、必ずと言っていいほど、見積もり時間を大幅に越えたり、見積もり時間が大きいのに、実際には作業をしなかったりしているところに現れるので、作業記録は必ずとること
見積もりを大幅に超過したり、大きく見積もったのにやらずにすませてしまっていた場合は、その仕事は1時間以内にできるものに分割し、さらに2つ以上の時間帯に行うようにしましょう。
■「やりたいだけの仕事」は「最優先で」繰り返さないと、すべての日常業務の後回しになって、永久に手をつけることができない
ルーチン力は、繰り返せば繰り返すほど、洗練されていくのです。より短い時間で、より多くの収穫を得ることができるようになっていきます。やりたいことがあるのなら、早いうちに取り組んだ方がいいのです。それも、繰り返し取り組んだ方がいいのです。
【感想】
◆私にとって、今までの時間術系の本で違和感を感じていて、本書を読んで納得できた点が1つありました。それは冒頭で挙げた「時間を量で量る」ということ。
特に私の仕事のように、ほとんどの作業を人と会わずに1人で行うような場合、「何時から何時に何をやるか」、というのは、実はあまり大きな意味はありません(もちろん、午前中にメールチェックや単純作業をやらない、ということはありますが)。
それよりも、キチンと作業時間を見積もり、かつ、その見積もりを正確にしていく(安定させていく)方が大事です。
◆そのために佐々木さんが活用されているのが、上記の「タスクシュート」。
エクセルベースということなので、私のようなITオンチのビジネスパーソンにも使いこなせそう(期待値込み)。
私の場合、ブログ書きはかなり見積もりが正確(でもだいたい1記事2時間・・・)なんですが、本業の方も、キチンと記録をつけて、精度を高めていきたいものです。
◆一方、私が「カゲキなアドバイス」と感じたのが、メールや電話に対する処理のこと。
メールをすぐに返信しないことは、他の仕事術でもまま見かけますが、電話を「受けて」、それを「記録」した上で、「処理を翌日に回す」というのは、ご自身の職務内容によっては、違和感を覚える方もいらっしゃるかもしれません。
ただこれはもう、「わざわざ電話をかけてくるくらいだから、相手も急いでいるんだろう」という「前提」が大きいのではないか、と。
職場によっては、クレーム対応や、急ぎの依頼ばかりのところもあるかもしれませんが、私も今後は「ちょっと仕事が詰まっているので明日以降で良いですか?」と切り出してみようかと思います。
◆そして本書における、一番のキモは、やはり「クローズドリスト」。
このリストがないと、いつまでたっても1日の仕事量が明確にならず、結果としてモチベーションも上がりにくいわけです。
ただし、その仕事量をあらかじめ正確に見積もるには、過去の仕事を記録しておくことが必要。
前々から感じてましたが、やはり「記録する」ことって大事なんですね!
時間に使われず、使いこなしたい人に!
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【編集後記】
◆昨晩、自宅のネットがまた不通になってしまいました。レス等が遅れがちになりますが、ご了承下さい・・・って、「クローズドリスト」にしているんじゃないですからね!←マジで
ご声援ありがとうございました!
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