2008年12月18日
【個人ブランディング】「抜擢される人の人脈力」岡島悦子
抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「ハーバードMBA」「三菱商事」「マッキンゼー」「グロービス」と、「マッチョ畑」を歩んでこられた岡島悦子さんのブランディング本。タイトルには「人脈力」とありますが、名刺を配ったり、お礼状を書いたり、という俗に言う「人脈術」とは全く違った、「抜擢されるために何をすべきか」について書かれた1冊です。
アマゾンの内容紹介から。
かなりの骨太な内容なので、心してお読み下さい(汗)!なぜあの人にだけ、チャンスが回って来るのか?
なぜあの人だけ、他の人より早く成長できるのか?
そう思ったことがある方は、是非一度、本書を手にとってみてください。
早回しで成長を遂げ、若くして大きな成果を上げる方々に共通する「水面下での取り組み」について解明し、それを誰もが再現可能なプロセスとしてご紹介するのが本書です。
【目次】
第1部 なぜ今、「人脈」なのか?
第1章 ハーバードで学んだ人脈の哲学と人脈スパイラル・モデル
私の「人脈感」を変えたハーバードでの経験
スシ・パーティで私が探していたもの ほか
第2章 人脈のパラダイム・シフトに伴う戦略的人脈構築の必要性
白馬の王子はやってこない
抜擢されるには「自薦」ではなく「他薦」が必要 ほか
第2部 人脈スパイラルと人脈レイヤー
STEP1 自分にタグをつける
STEP2 コンテンツを作る
STEP3 仲間を広げる
STEP4 自分情報を流通させる
STEP5 チャンスを積極的に取りに行く
第3部 人脈スパイラルモデルの先には何があるのか?
人脈スパイラル・モデルのゴールには2つの「自由」が待っている
働き方の自由 ほか
【ポイント】
・ハーバードのスタディグループ(予習のための自主的な勉強会)で大切だったのは、ポジション(立ち位置)を明確にしながら、自分のユニークさ(特別さ)を提示し、グループへの貢献度をメンバーに上手にアピールしていくこと・5つの行動ステップ(人脈スパイラルモデル)
1.自分にタグをつける(自分が何屋なのか訴求ポイントをはっきりさせる)
2.コンテンツを作る(「お、こいつは」と思わせる実績事例を作る)
3.仲間を広げる(コンテンツを試しあい、お互いに切磋琢磨して、次のステップを供創する)
4.自分情報を流通させる(何かの時に自分のことを思い出してもらうよう、種を蒔く)
5.チャンスを積極的に取りに行く(実力以上のことに挑戦し、レイヤーを上げる)
●自分にタグをつける
→人脈の人の中の脳内検索に引っかかるようなタグを作る
自分が抜擢して欲しいと思われる層に、最もアピールできるような切り口を用意することが重要
●コンテンツを作る
→わかりやすい事実やエピソードで客観性を立証する
→色々なコンテンツを作り、相手の印象に残るネタなのかを、手を替え品を替えトライアルしてみる
●仲間を広げる
→「人脈をレバレッジし合える」仲間を増やす
→仲間の中で、自分のタグやコンテンツが通用するのか、評価されるのか等を試すとよい
●自分情報を流通させる
→仕事の場やパーティ等で人と会ったときに話したり、ブログやメルマガで表現する
→複数の人からの口コミや、複数媒体で頻繁に見るコンテンツは、何かの抜擢の機会などに「想起されやすくなる」効果が上がる
●チャンスを積極的に取りに行く
→いつ「チャンスの女神」に出会っても、期待に応える結果を出せるように、能力や武器を磨いて準備しておく
→この手の「抜擢のチャンス」とは「誰かに買いかぶられて、実力以上のことに挑戦する機会」
・クリティカル(重要な)ワーカーは、未開地の問題解決を行っており、評価の定量化が非常に難しい
したがって、クリティカル・ワーカーがチャンスを得るときは、自己主張だけではチャンスは回ってきません。自薦ではなく他薦でなければいけないのです。一方のルーティン・ワーカーであれば、1分間にPCで200字打てますといった技術を自分で実証できるため、自薦で大丈夫です。このように、2種類の仕事を獲得する方法は、まったく異なるのです。
・タグは「Will」「Skill」「Value」の3つから考える(詳細は本書を)
・異業種交流会やパーティは、自分のタグやコンテンツの「他流試合」として、相手の反応をみる
いま人脈作りのパーティなどがもてはやされていますが、そこでやみくもに名刺を配ってきても、名刺のコレクションが増えるだけです。魅力的なタグやコンテンツがないところで人に会っても、名刺交換が終わればスルーされるだけでしょう。少し厳しい言い方になりますが、そんな状態で人脈デビューに励んでも、ほとんど意味はないのです。
・市場価値は「能力×実績×意欲」で評価される
・「ビジネスの心肺能力」を鍛える3つの方法(抜粋):
1.「脳に汗をかく」くらい頭を使う
2.ビジネス上の修羅場を経験する
・ブログの効用は、情報流通だけでなく、自分の「タグ」や「コンテンツ」を磨くための、テスト・マーケティングの場にもなる
・「人脈モテ期」が到来しているかどうかの目安:
→「今までやれそうもなかった仕事に挑戦できそうなとき」
→「これまで会えそうもなかった人と話をするチャンスがうまれたとき」
【感想】
◆本書の内容は、大まかに言うと、ビジネスにおいて抜擢されるための「ブランディングの仕方」だと思います(かなり略してますが)。当初はそれに沿って、自分のサラリーマン時代の話を書こうとしたのですが、大して抜擢されていないことに気がつき、方向修正。
いつも通り(?)このブログに当てはめてみることにしました。
・・・相変わらず本業じゃないのはお約束として(汗)。
◆というわけで、「人脈スパイラルモデル」のsmooth版。
まずは「タグ」から。
「毎日更新」「新刊ビジネス書をいち早く紹介」「メディアにも出てます」なんてものから、某サイトの紹介文(オフレコ)ですと、「勝間和代氏や、本田直之氏など、注目書籍の著者らと交流を持ち」なんて「他人のふんどし」状態(汗)。
一方、「ダカーポ特別編集 今年最高の本」によると、「この人が取り上げるとホントに売れる!」ブロガーだそう(汗)。
うーん、私の場合は若干「過大広告」のような気がしないでもなく・・・。
◆「コンテンツ」は、タグを証明するものとして、このブログの記事や、サイドバーに貼ってあるメディア登場歴等々。
著者の皆様との交流状況は、カテゴリ:「会談」等で。
オフレコな方もいらっしゃったり、最近は自分自身がイッパイイッパイでなかなか交流の時間が取れないのですが。
◆「仲間を広げる」のは、ブログ上であれば、馴染みのブロガーさんも多いですし、最近は出版社の方とも取材を受けたり、メールを頂いたりで、やたらとコンタクトが多いです。
ただ、私の1日に受けるメールうち、返事が必要なモノの8〜9割が「出版社・著者さん関係」で、正直、この処理にかかる時間は何とかしたいところ(汗)。
うーん、単に献本受けてた方が、よほどラクなような気が(笑)。
◆「流通」はこうして記事書いてますからいいとして(笑)、「チャンスを積極的に」というのは、今までも何回かターニングポイントがありました。
「初めて鮒谷周史さんと会食した時」や、「初めて本田直之さんの事務所にお邪魔した時」なんかは、正直、直前まで辞退しようかとビビッてましたよ。
同様に「初めて勝間さんのパーティに呼ばれた時」も、自分はロクに何もやってなかったので、場違いじゃないかという思いもありましたし。
メディア関連でも「宝島に寄稿」というのは、自分としては結構な「挑戦」でした。
まぁ、そういうハードルをツラの皮を厚くして(笑)何とか乗り越えて、今の自分があるのかな、とか。
◆結局、自分がこうして僭越ながらメディアに取り上げられているのも、考えてみたら、全部抜擢されていたわけなんですよね(自分で売り込んでないので)。
そして、その陰には「他薦してくださった方」が存在していたことは間違いないワケで。
ここで改めて御礼申し上げます。
お引き立て、ありがとうございました!
◆ただし、「他薦されるため」には、それ相応の資本投下が必要です。
私は昨年の12月に「1000記事達成」したのですが、1記事書くのに2時間以上はかかっているハズ。
つまり2000時間以上は投下してたんですよね。
結局、こういった「継続性」というのも、評価の対象の1つなのかもしれません。
◆当エントリでは、「ブログ」という「趣味」(というにはのめり込みすぎ)について考えてみましたが、本書で言及されているのは、上記で触れたように「ビジネスシーン」のお話です。
非常に理路整然と書かれていて、理解しやすいとは思いますが、実践するのは、非常に大変かもしれません。
正直、「ハードコア」だと思われ(汗)。
それでも、この大不況のご時勢において、「チャンスの女神」は逃したくないものです。
要は「備えあれば憂いなし」ということで。
「抜擢されたい」方なら、まずはご一読を!
抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー
【関連記事】
【大前流】『サラリーマン「再起動」マニュアル 』大前研一(2008年10月06日)【仕事力】ビジネスプロフェッショナルの仕事力(2008年07月08日)
【コンサル思考】「戦略コンサルタントに学ぶ3倍速仕事力」岡島悦子(監修)(2008年06月24日)
【出世のヒミツ】「外資系キャリアの出世術」シンシア・シャピロ(2008年03月21日)
「プロフェッショナル原論」波頭 亮(2006年12月15日)
【編集後記】
◆昨夜、あれだけ未読&未入手本を列挙したにもかかわらず、ついでにもう1冊。中野 ジェームズ 修一 ¥ 767 |
アマゾンだと帯がないのですが、私が見かけた帯には、伊達公子さんが笑顔で載っていて、「なるほどー」と思った次第(笑)。
恐ろしく老化しているであろう私の体も、何とかしなくては(汗)。
ご声援ありがとうございました!
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今年は人脈本が多かったですね。
本の内容を自分に当てはめて考えるなんて流石です。
まずは自分のタグは何か?ってことから入るのが
定石ですかね。まぁ知らず知らずに出来ていたタグを
他人に探してもらうって手もありですね。
著者の岡島悦子です。
友人の勝間さんからもsmoothさんのお名前を伺っており、このブログに取り上げていただけて、とても光栄です!
「人脈スパイラルモデル」をsmoothさん版にあてはめていただいていて、嬉しい限りです。
他薦されるためには、資本投下が大事であり、しかも「継続性」が大事だという点、私も大賛成です。
本にも書きましたが、継続して書いておられるブログやメルマガには、やはりその方の性格が滲みでるものだと思います。
やり続ける持続力と、そこからにじみ出る人間性みたいなものが合わさると、評価しやすくなり、他薦しやすくなり、抜擢されやすくなる、ということなのでしょうね。
今回の私の本も、他薦をしていただき、本当にありがとうございます。
近い将来に、お会いする機会があれば、嬉しいです!
「タグ」に関しては、相手によって使い分けられるという意味で、相手にとっての「コア・エッセンス」みたいなものかな、と。
ですからまず最初に「自分が何者か」という「コア・コンピタンシー」を見極めるのが大切かもしれませんね。
>岡島悦子さん
はじめまして。
著者様直々のコメントありがとうございます。
また、ブログでも取り上げて頂き、感謝しております(コメントができない設定のようなのでこちらにて)。
本来、ビジネスでのお話であるのに、勝手にブログに用いてよいのか迷ったのですが、当てはめてみると腑に落ちる点が多かったので、結果オーライかな、と(笑)。
お会いするといいますか、以前勝間さんと渡辺千賀さんとおやりになった女性限定の講演会についての、渡辺さんの告知記事に「女装して行っていいですか?」と匿名で書いたのは私です(笑)。
いつか、女装しなくてもお会いできる機会があることを期待しております。
今後ともよろしくお願いします。