2008年12月09日
【謎解き】「真実のビートルズ・サウンド」川瀬泰雄
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、皆さんご存知のビートルズのサウンド分析本。俗に言うファンブックとはちょっと違う、「ガチで音楽分析のみ」(笑)の1冊です。
つい先日も、こんなエントリが話題になったこともあり、かつて音楽オタクだった私としては、ついつい買ってしまったという(汗)。
「ビートルズ名曲冒頭の音の謎」を数学者が解明:WIRED VISION
◆アマゾンの内容紹介から。
30年以上経って(笑)初めて知った事実も数多くありましたよ(汗)!今、解き明かされるビートルズ・サウンドの真実。ハーモニーやサウンド・アレンジ、レコーディングの手法に隠された新事実を、アルバムごとに解き明かしていく。そこには実に巧妙なマジックが仕掛けられていた!ビートルズ・サウンドの新しい魅力を次々に発見できるファン待望の書。
【目次】
1 前期1962~1964「バンド活動の3年間」
『プリーズ・プリーズ・ミー』スタジオ録音なのにライブのノリが聴けるデビュー・アルバム
『ウィズ・ザ・ビートルズ』ライブ感覚を踏襲しつつ、前作からさらに進化したセカンド・アルバム
『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』12弦ギターに彩られた、全曲オリジナル曲によるサウンド・トラック・アルバム
『ビートルズ・フォー・セール』カントリー・ブルース・フレーバーとロックンロールがミックスしたアルバム)
2 中期1965~1967「世界を変えた3年間」
『4人はアイドル』ビートルズのコーラスの魅力が満ちあふれているアルバム
『ラバー・ソウル』ビートルズがバンドとして完成した絶頂期のアルバム
『リボルバー』初めてビートルズがレコーディングの主導権を握ったアルバム
『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』ポールが創ったロック史上初のトータル・コンセプト・アルバム
『マジカル・ミステリー・ツアー』イギリスでのサウンドトラック盤がアメリカで編集され、強力な公式ベスト盤になった)
3 後期1968~1970「終焉までの3年間」
『イエロー・サブマリン』ビートルズの曲が6曲しか入っていない変則的なサウンド・トラック
『ザ・ビートルズ』(ホワイト・アルバム)4人のソロ・アーティスに、他の3人のメンバーが伴奏したようなアルバム
『レット・イット・ビー』伝説の天才レコーディング・プロデューサー、フィル・スペクターに委ねたアルバム
『アビイ・ロード』「ジョージ・マーティン+ビートルズ」の最高傑作
『パスト・マスターズ VOL.1&2』アルバム未収録曲による世界最強のベストアルバム
【内容他】
◆書籍と違って、せっかく音源がすぐに聴けるわけですから、YouTubeの音源と一緒に簡単にご紹介していきます。■"Please Please Me"では、主旋律のジョンとコーラスのポールの声が入れ替わる
"Please Please Me" / The Beatles
◆二人は音域の違いから、普段はポールがハーモニーの上のパートを、ジョンが下のパートを歌う、決め事がありました。
しかしこの曲では、"Come on, come on, come on"の直後に出てくる"Please please me,oh yeah"という主旋律の高音パートをジョンが歌い、ポールが下のパートを歌っているため、ジョンとポールのハーモニーがクロスするという面白い構成になっています。
・・・サーセン、全然知らなんだ(汗)。
■"Yesterday"のレコーディング上の重大ミス
"Yesterday" / The Beatles
◆この曲をYouTubeで探すとライブバージョンが多いのですが、レコーディング上のミスということで、アルバムバージョンのものを。
ワンコーラス目のサビの"♪something wrong now I long for Yesterday"のところにミスがあるという(開始から50秒あたりです)。
んなもん、言われなきゃそういうもんだと思ってました罠!
◆他にもこの曲には色々といわくがある模様。
●曲ができてから録音するまで、1年半もかかったワケ(ネタバレ自重)
●4分の4拍子なのに、サビまでの小節数が奇数
●"Yesterday"と同じコード進行の"Tomorrow"と言う曲をポールが作っている
"Tomorrow" / Paul McCartney
言われてみれば「なるほど」ですな。
■"In My Life"の間奏のバロック風鍵盤楽器の秘密
"In My Life" / The Beatles
◆この曲の1分40秒辺りから始まる間奏。
この演奏に使われている楽器は、この本を読むまで、ガチでチェンバロだと思っていました(汗)。
_| ̄|○ 漏れの耳もたいしたことないポ
どの楽器を使って、何でこんな音になっているのかについては、本書を(汗)。
■"Eleanor Rigby"で8人のストリングス奏者が緊張したわけ
"Eleanor Rigby" / The Beatles
◆この曲は、ポールの要望により「ロックらしい過激なサウンド」にするため、通常のストリングスの録音とは違ったやり方で行われているそう(ネタバレ自重)。
言われてから注意して聞くと、「なるほど、そういう意図があったのか」と思ってみたり。
でも言われないと、コレが普通のストリングスの音だと思っちゃいますけどね(汗)。
【感想】
◆えーっと、ビートルズに興味のない方にはピンと来ないと思いますが、ハマる人ならえらくハマる本ではないか、と。なお、ご紹介し遅れましたが、著者の川瀬さんは40年の実績を持つ音楽プロデューサーさん。
本職の方が、本気出して書いてますから、かなりのガチっぷりです。
ご紹介した以外の曲もこんな調子で分析やらツッコミが入りまくり。
細かすぎて書けない(きっちり書かないと理解してもらえない)ネタもありました(汗)。
◆なお、本書の前書きにこういう一節があります。
というワケで、まさにそういう「音ネタ満載」の仕上がりになっているわけでして(汗)。ビートルズマニアとしての私が研究・発見してきた「真実のビートルズ・サウンド」というのは例えば、次の小見出しのようなことです(詳しくは目次の小見出しをご覧ください)。
・歌い出しに仕掛けられたダブル・マジックを解く「アイ・ウォント・トゥ・ホールド・ユア・ハンド」(中略)
・間奏ソロ(ピアノ&ギター)の新事実!「ア・ハード・デイズ・ナイト」
・ジョージの「逆弾き」ギター・ソロの正体「アイム・オンリー・スリーピング」(中略)
・転調を「残音現象」でクリア「ユア・ゴーイング・トゥ・ルーズ・ザット・ガール」
・ハモンド・オルガンのドップラー現象とは?「トゥモロー・ネバー・ノウズ」(中略)
私が読みたかった本は、前述の小見出しのような項目について書かれている本でした。
◆私自身、ここまではガチではありませんでしたが、黒人音楽を聴いていた頃は、誰がプロデュースしているかとか、誰が書いた曲かみたいな点は、結構気にする方でした。
それだけに、こういう音ネタオタクの方の書かれた本は、秘かに応援したいな、と思っております(笑)。
もっとも私なんかが応援しなくとも、私より上の世代の方(団塊世代の方?)や、ビートルズファンの方にとっては、こういう本はジャストミートなのではないか、と。
今は、YouTubeもありますし、普段何気なく聞いていた曲を検証してみるのも面白いかもしれません。
ビートルズファンなら読んで損なし!
【編集後記】
◆今日の気になる1冊。私も好きな行動経済学のご本です。
コレは確かに面白そう・・・。
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