2008年11月18日
【熱血仕事術】「ワークライフ"アンバランス"の仕事力」田島弓子
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、昨今の「レバレッジ系」「仕組み系」の仕事術のご本とは、真逆(?)のベクトルを持つかのようなご本。にもかかわらず(あんまりおおっぴらに書いていいのかわかりませんが)、著者である田島弓子さんは、ディスカヴァーさんの記事にもあるように、元祖「レバレッジ」である本田直之さんの奥様らしいです。
本の帯から引用します。
久々に、かなりアツい1冊です!マイクロソフト日本法人元営業部長が明かす"一点突破"の働き術
「ほどほどの自分」から抜け出して"本物の仕事力"を身につけるためのワークスタイルとは?
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
PART 1 "アンバランス"のススメ
私がワークライフ"アンバランス"になった理由
アンバランスに働くと、こんな良いことが!
自分にとってのベストバランスを見つける ほか
PART 2 アドレナリン出っぱなしの「アンバランス働き術」3つのルール
学ぶべきことはすべて現場から学ぶ
まずは目の前の仕事を完璧にこなす
仕事は「ハマって」やる ほか
PART 3 キツイ仕事にハマる!
キツイ仕事=伸びるチャンス
キツイ仕事の乗り越え方 3カ条
失敗を活かす、失敗から学ぶ ほか
PART 4 もっと仕事が面白くなる!「超・アンバランス働き術」〜さらに本気編
「ハマる」の先にある「本気」
「人交力」を身につける
「人交力」を高めるためのコミュニケーション術 ほか
PART 5 キャリアアップもアンバランスに!
私のキャリア体験
サラリーマンのキャリアプランニング、常識の嘘?!
キャリアプランの落とし穴 ほか
【ポイント】
・「サラリーマンとして働くこと」の基本スタンス=「とにかく目の前の仕事、与えられた仕事をきっちりやる」・「頑張った経験」が、目標のための「行動」に結びついているかどうかが、「ただの思い出話」か「濃い経験」かの決定的な違い
・ワークライフ・バランスとは、社会で定義されるものでもなく、人から与えられるものでもなく、自分自身で見つけるもの
・仕事に対して「自分目線」でいる人は、自分の実力範囲だけで仕事を処理しようとしがちだが、「目標目線」になると、目標を達成するためには、ときには自分の実力以上の業務をやる必要があるということが見えるようになる周りの目から見れば「アンバランス」に見えたとしても、自分にとってそれが調和のとれた状態であれば、それが自分の「ベストバランス」。
そんなふうに、本著が自分と仕事との関係、自分にとっての働く意味を見つめなおして、その結果、働くことを通じて「ひとつのことに偏ってのめりこんでみる」ことの面白さを知り、そして自分にベストな「ワークライフ・バランス」を考えていただく機会になればいいなと願い、このタイトルをつけたのです。
・「気合い」で「アンバランス状態」に入り込み、「集中」でその状態を継続し、より効果を高める
・アンバランスにやることと、やみくもにやることとは違う
・あなたが新入社員だとして、OJTの最中に先輩や上司に急ぎの仕事が入った場合、それが終わるまでボーっと待っているのか、いずれ自分もかかわることになるはずと、能動的に自ら動くことができるか、によって、その後のサラリーマンとしての力のつき方には、天と地の差が出てくるたとえば、プライベートで何か緊急事態が起こったときは、迷わずその優先度を上げるなど、自分の心身の状態はつねに自分で冷静に把握できているような分別を持っておきましょう。
・「負けず嫌い」は、究極の「前向きな気持ち」
・新入社員でも、社内の「リアル・ルール」(暗黙のルールや作法、人間関係等)を見破ると、業務に役立つだけでなく、第三者的評価にもつながったりするなぜなら、感心や感動よりも「悔しい」という思いのほうが、気持ちとして強く、しかも行動につながりやすいからです。
・指示された仕事が退屈な単純作業でも、「その仕事をやる目的と目標」を自分なりに決めて、前向きな気持ちで作業に取り組む
・文句を言う前に、まずは「会社目線」でその仕事の「目的と目標」を理解し、やってみること
・仕事に「ハマる」状態とは?
・キツイ仕事を与えられ、自分では実力以上だと思ったとしても、上司はできるだろうという目算があるからアサインするのであり、断らずに「ありがたい」と受け止め、伸びるチャンスをつかむ1.自分が納得している
2.アドレナリンが噴出しているような興奮状態であること
3.体は熱くのめりこんでいるが、頭はクールであること
・キツイ仕事は、与えられた目的と目標を「これなら絶対にできる自分自身の目標」にまでかみくだいたものをつくっておく
・「特定多数に向けて自分が何かを依頼したい」のなら、ポイントは「相手の立場に立つ」
・ビジネスにおける「三遊間のボールを獲りにいく」受け取る人が10人であろうと、それは10人それぞれの立場を考慮した内容であるべきで、ましてやそれが何かを依頼するものであるならば、その内容はそれぞれ異なる立場に応じた、10名分のカスタマイズされた内容で準備するか、もしくは10人全員が納得できる内容になっているべきでしょう。
・自分の強みを自覚するヒント:この「三遊間のボールを獲りにいけ」とは、たとえ自分の営業担当製品ではなくても、会社の製品であれば担当の有無にかかわらず売っていこうということ、さらには部門間の壁を乗り越え、ワンランク高い視点から仕事を捉え、そこから新しいビジネスチャンスを創りだしていこうというマインドを持つことに、その真骨頂があるのだと理解しています。
「自分が仕事をしているなかで、ほめられたり、頼りにされたりするのは、どのようなときか?」
・「気の持ちよう」「ものの見方」を変えてみることで、興味を持てなかった業務が、じつは役に立つ仕事、面白い仕事、やりがいのある仕事に変わる可能性は十分にあり得る
【感想】
◆本書を読んでいて、個人的に非常にしっくり来てしまったのは、私がもはや若くないからでしょうか(笑)?実際私も、某電気メーカーに新卒で入社して数年間は、「馬車馬」のように(?)働いていました。
入社2年目のときは、「有給休暇ゼロ」とか(笑)。
ただ、もっと忙しい同期もいましたし、それから何年か後からは、全員強制的に休みを取らされましたけど。
◆一度、予算編成たけなわの際、となりの部の後輩と、夜中の3時過ぎにタクシーで帰ったことがありました。
タクシーの中でその後輩曰く:
「先輩、やっぱ人間明るいうちに帰った方がいいですよね」
それに答える私:
「ああ、そうだね」(多分、ムリだけど)
◆そしてその翌日、出社した私たちは、部長レベルで前日作った数字が、役員に卓袱台返しされたことを知ります。
その日の作業は夜通し行われ、私とその後輩が徹夜明けでタクシーに乗ったのは、すでに夜が明けて明るくなった、早朝の5時過ぎでした。
タクシーの中で、またもその後輩曰く:
「先輩、やっぱ人間暗いうちに帰った方がいいですよね」
私:
「ああ、そうだね」・・・って、これはマジで実話です(涙)。
◆こんなのはまぁ、季節行事なのでさておき、私がサラリーマン時代、一番キツかったのは、「元号変更」と「消費税導入」が同時期に行われたとき(以前どこかで書きましたが)。
私は「超文系」でシステムのことなどちんぷんかんぷんなのに、海外グループのとある部門の担当として、システム部門主宰のミーティングに強制的に何度か参加させられたのでした。
消費税も元号変更も、社内の事情とは全く関係なく、締め切りが決まっていたので、みな必死。
私もその時は、自分なりに知識を吸収して、何とか迷惑がかからないようについていったワケです。
◆しかも、システム開発を担当していた子会社の方からは、それまではちょっとおミソ扱いされていた(知識がないので)感じを受けていたのですが、このイベントを契機として、むしろ積極的に相談されるようになったという。
・・・単に海外グループの営業部門の人間が、私以上にシステムのことをわかっていなかったので、ある種の「通訳」のような仕事もするようになっただけですが(笑)。
もっともその後、同じようにミーティングに参加していた、海外グループの別のシステムの専門部門から引き抜きの話があって、それを悩んだ末に断ったりとか色々ありまして。
結果的に退職して税理士になって、今はこんなブログを書いております・・・って、全然経験が生かされてないじゃん(逆ギレ)!
◆多分、あの頃の私はアドレナリン出まくりだったような気がします。
ちょっと疲れて微熱が出たら、病院行って、元気がでる注射(?)打ってもらって仕事続けてましたし。
だから、本書で田島さんが書かれている「熱さ」も、自分なりによくわかるんですよね。
ただ、田島さんの座右の銘の1つが、がマンガ「働きマン」の主人公の「あたしは仕事したなーって思って死にたい」というのは、いかがなものかと(汗)。
◆もちろん、家事や育児のある方は、それらを犠牲にしてまで働け、と田島さんはおっしゃっているわけではありません。
しかし反対に、何のしがらみもなく仕事に没頭できる期間は、このくらい魂焦がして働くのも良いかと。
読むだけでアツくなれることウケアイ。
日頃読んでる本と違うので戸惑われるかもしれませんが、20代から30代前半の独身の方ならぜひ!
【関連書籍】
◆本書を読んでいて、思い浮かんでいたのがこの本。こちらもかなりハードコアな内容です(汗)。
【関連記事】
【オススメ仕事術】「Yes、Boss!のすすめ」落合文四郎(2008年07月10日)【伝説】『「伝説の社員」になれ!』土井英司(2007年07月10日)
【新ビジネス・ゲーム】「会社でチャンスをつかむ人が実行している本当のルール」福沢 恵子,勝間 和代(2007年06月20日)
「プロフェッショナル原論」波頭 亮(2006年12月15日)
【マインドマップ書評】「20代 仕事筋の鍛え方」 山本真司 (著)(2005年09月20日)
【編集後記】
◆もうすぐ「ミシュランガイド東京2009」が発売されますが、こんなご本もあります(笑)。・・・オリジナルのミシュランに載ってたお店に行ったことのないワタクシは、買っていいんでしょうか(汗)?『ミシュランガイド東京2008』で星を獲得した店を覆面・辛口グルメ評論家が再検証!
あくまで、覆面・自腹での取材姿勢を貫く著者だから書ける人気&有名&高級レストランの本当の評価。
一般客の役に立つことよりもシェフや経営者と仲良くなることばかりに熱心な味オンチのグルメライターたちを震撼させる衝撃の辛口レストラン批評がここにある。本書を読めば「こんなに高くてマズい店に行かなくて本当によかった」と胸をなでおろし、「この店なら高い金を払ってでも一度行ってみよう」と安心してチャレンジもできるはず。
ご声援ありがとうございました!
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紹介のご本、強烈な体育会系の本ですね。
勉強法本でも「根性系」「テクニック系」「戦略系」と
色々分かれてるし、たまには「仕事一筋」なものも
読んだ方がいいかな?
購入を検討してみます。
>著者がレバレッジ夫人
本田さんって、プライベートを公開しない主義じゃありませんでした?
顔写真も長いこと出さなかったし(たしか)
これからは佐藤可士和さんみたいに、
夫婦で取材を受けるようになるのかな?
では!
今就活してるんですが不安でいっぱいです。
何か不安が軽くなる考え方ないですか?
この本は、人によって結構「合う・合わない」が分かれそうな気がします。
一昔前ならむしろ、本書の考え方が当たり前だったのですが、長らく「ハック」「レバレッジ」的な本が主流だったので、むしろ今ではこちらの方が新鮮という(笑)。
本田さんご夫妻の今後の活動については、私もよくわかりませぬー。
そもそも本田さんって、1年の半分近くハワイにいる一方、田島さんはご自身で会社の代表をなさっているわけですから、どうなさるのやら(汗)。
ただ、取材を一緒に、とかならテンポラリーなんでアリかもしれませんね。
>Ωさん
うーん、私が就活してた頃から既に20年以上経っているので、適切なアドバイスは難しいのですが、全部ダメだったら起業する位のつもりで、色々な知識を吸収するといいと思いますよ。
そもそも、今ある会社が10年後、20年後どうなってるかなんてわからないですし。
高校の同期で、奨学金もらってたような優秀な人材が2人ほど長銀に就職しましたが、今何やってるか知りません。
・・・って、かえって不安になったらごめんなさい(汗)。
新卒時には電気メーカーだったんですね!
私も同様某メーカーですが、同様に有給休暇はありませんよ(笑)
年のせいではないのでご心配は無用です!
この本がディスカバーから出ているあたりが、干場さんの思想と合っているからなのかもしれませんね。
不景気な時代から復興するのに仕事に熱くなるのは必要なテーマなのかもしれませんね。
ありゃりゃ、未だに有給ってないんですか(汗)?
一応、ウチでは強制的に取らされるようになったんですけどね(笑)。
あと、ディスカヴァーから、というのは、確かに干場さんの戦略的な意図があったのではないかと思ってます。
干場さんご自身も、とってもパワフルですしね(笑)。
再び、トラックバックさせていただきます。
>◆本書を読んでいて、個人的に非常にしっくり来てしまったのは、私がもはや若くないからでしょうか(笑)?
いきなり、素晴らしい文言で、涙ながらに爆笑しました。
僭越ながらよく判ると申しますか、ズバリです。(笑)
その後のエピソード(予算、消費税)には、
本当に驚いたと同時に、
勝手ながら、滅茶苦茶、親近感湧きまくりです。
いや〜、そんな過去があったなんて。
涙、涙、涙 … 我が事のように共感できます。
パクリたいぐらい、この記事、実にいいです。
>「あたしは仕事したなーって思って死にたい」というのは、いかがなものかと(汗)。
アンバランスな熱気に憧れはありますが、
恥かしながら、正直、同感です。(笑)
久しぶりに長いコメントになってしまいました。
また、来ます。
記事のご紹介ありがとうございます。
上記のタクシーの中の会話はマジで実話です。
狙ったかのような発言ですが、こっちはそれどころじゃなくて、「喪前が昨日あんなこと言ったから神様が願いをかなえてくれたんだ(間違った意味で)!」みたいに逆恨みしかねない状況でした(笑)。
それと私はリアルで本田さんとお話したことあるのですが、この田島さんと本田さんの会話って想像つきませんね(笑)。
意外と面白い組み合わせなのかもしれませんが(笑)。