2008年11月16日
【マル秘転職術】「外資系キャリアの転職術」シンシア・シャピロ
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、以前記事にした「外資系キャリアの出世術」で知られる、シンシア・シャピロ氏の新作。(参考記事:【出世のヒミツ】「外資系キャリアの出世術」シンシア・シャピロ)
前作は「身も蓋もない」出世にまつわる裏話が満載でしたが、本書もそれに勝るとも劣らない「ぶっちゃけ」度合い。
「どうして転職先が決まらないんだろう」という方はもちろんのこと、これから転職なさろうとする方も、実は転職直後の方も、絶対必読な内容がわんさかです。
◆少なくとも転職シロートな私は、目からウロコが落ちまくり(汗)。
本書の事例を見る限り、隠された「44の秘密」のうち、1つでも活用できれば、見事、意中の企業に転職できそうな。
久々の「大量付箋」な1冊です!
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第1章 あなたは候補から外されようとしている
SECRET 1 あなたは排除システムのなかにいる
SECRET 2 会社は差別をくり返している
SECRET 3 チャンスは1度しかない ほか
第2章 すべては履歴書から始まる
SECRET 6 多くの履歴書がゴミ箱へ向かっている
SECRET 7 履歴書に書いてもいい嘘がある
SECRET 8 一次選考はコンピュータが行っている ほか
第3章 面接には必ず罠がある
SECRET 13 採用担当者は味方ではない
SECRET 14 面接官は巧みに人を欺く
SECRET 15 あなたの体があなたを裏切る ほか
第4章 危ない! 行く手に潜む落とし穴
SECRET 25 公的な記録は不利に働く
SECRET 26 最初の電話は罠である
SECRET 27 仕事を辞めると命取りになる
第5章 採用決定。次のステップは?
SECRET 39 最初の半年であなたのキャリアが決まる
SECRET 40 支援ネットワークを構築する
SECRET 41 会社の忠誠心を呼び覚ます ほか
【ポイント】
・正式な面接であれ非公式なおしゃべりであれ、雇い主になるかもしれない人と話す内容はすべて、あなたの利益にならない使われ方をする可能性がある・求職者が何か間違ったことをしても会社は「言えない」「言うつもりがない」ため、大半の求職者が気づかないまま、同じ過ちを求職活動中繰り返し、チャンスを次から次へとふいにしている
・最も効果的な履歴書というのは、経験や職歴を1から10まで連ねた書類ではなく、採用担当者に狙いを定め、じっくり練られた「全面広告」なのである
・働いていない期間がある場合は、不運にも失業に見舞われたというより、意図的であったように見せる行き当たりばったりな履歴書は、行き当たりばったりなマーケティング・プランと同様であり、当然ながら安定した結果を得ることはできない
・募集要項から「キーワード」を探し、自分の長所や技能によく合っていると思うものを見つけ、適切な言葉を添え状や履歴書のあちこちにちりばめる(コンピュータによる書類審査の対策として)
・効果的で誰もがすぐに活用できる添え状の6つの公式(抜粋):
●明るく、自信に満ち、前向きで、熱意にあふれた調子で書く
●募集要項にあるキーワードのうち、強調しようと思う経験や最大の長所にぴったり合うものを、少なくとも3つ盛り込む
●どんなことに対して、「証明済みの能力」を持ち、「名を知られ」、応募者として際立っているかを記す
・ネット上に何かを掲示している場合、採用担当者はそれを見つけるだけでなく、就職活動のプロセスにおいてあなたに不利になる使い方をする
・たとえ、どんなに親しみやすくても、採用担当者の主要な秘密の責務は、会社に対して問題や面倒を起こしそうな応募者を排除することである
・ホディ・ランゲージに注意を払う
・大切なのは、個人的なあるいは仕事上の過去にどんなことがあったかを正確に述べることではなく、答えを上手に提示して、自分を最高に輝かせ、すぐれた性質を際立たせること『フォーブス』誌や『ビジネスウィーク』誌に掲載された最近の調査によると、求職者に対する印象を、話の内容に基づいて決める面接官はわずか7%だという。これに対し、ボディ・ランゲージをもとに決める面接官は55%を上回り、声の調子で判断する面接官も38%にのぼる。
それはつまりこういうことだ。あなたはそのポストのナンバーワン候補になる可能性を持っているかもしれないし、述べるべき適切なことを心得ているかもしれない。しかし、もし身なりがきちんとしていなかったり、握手が弱々しかったり、面接官の目を見なかったり、否定的なボディ・ランゲージをしたりしたら、候補から外されてしまうのである。
・「自分の欠点」等の否定的な質問に対しては、「今後出てくる問題」又は「過去の問題として気づいたもの」を3つ挙げ、過去の問題を挙げる場合は、すでに直したものを取り上げ、どのように直したかを述べる(詳細は本書を)
・成功談をあらかじめ用意しておく
・面接官が採用候補者として推薦するのは、自分に似た人、自分が好ましく思ったり、一緒にいて心地よかったりする人であることが、そうでない場合より10倍多い過去の言動に焦点が当てられる面接で成功するカギは、独自の成功談を用意して臨むことである。面接中に窮地に陥り、何を言うべきか困ったときには、念入りに準備しておいた成功談のどれかを話すと、本来の軌道に戻り、際立ってすぐれた人に見えるようになる。
・雇用契約書は場合によっては不利に使われることもあるので、諸条件等は採用通知に盛り込んでもらうか、電子メールもしくは覚え書きに記してもらう(詳細は本書を)
・年配の人は、面接の際、できる限り健康そうな外見を整え、病気や健康上の問題について現在のものも過去のものもいっさい話をしないこと
・若者は、面接に何を着るべきか迷ったら、年配の人と同様の服装をすると間違いがない
・「不採用」になっても、それがきっかけとなってその会社とのつながりをつくるチャンスが生まれるのであり、そういうものとして考えるなら、望む扉をあける機会はきっとめぐってくる
・転職後、最初の90日〜180日の間は、注目されるスポットライトが当たっているので、この期間は過度に業務を遂行し、ほかの人より熱心に取り組むと、その後は仕事の仕方を普通のレベルに下げても、会社が気づくことはなく、「誰より打ち込んで仕事をする、きわめて熱心な社員だ」という印象がしっかり定まるただし、それには適切なやり方と不適切なやり方とが明確にある。そして大半の人は不適切なやり方をとっている。そういう人は、不採用になると、担当者に電話をして、面接中のどの点がいけなかったのか、くどくど質問するのだ。(中略)
採用担当者と関係を切らず連絡をとりつづけることには、もう1つもっともな理由がある。それは、どの会社にも存在し厳重に守られている秘密に関連することであり、圧倒的多数の採用担当者が話したがらないことだ。実は、新しく雇われた人の多くは90日以内に結果を出せず、そのため会社は緊急に後任者を見つけなければならなくなるのである。
【感想】
◆今回は、いつもにも増して思いっきり端折りまくっているのに、このボリューム(汗)。本書は転職を考える方にとっては、まさに「マスト」な内容だと思います。
私も新卒時に、就職活動として数多くの面接をしましたが、本書を読むと「やったらイカン」ことやりまくってました。
「あぁ、あの頃、この本があったなら」(遠い目)
というか、私の新卒時はまだ『面接の達人』が出ておらず、皆、手探りで面接していたという(年バレ)。
◆私が特に「なるほどなー」と思ったのが、「履歴書はマーケティング・ツール」という考え方。
受ける会社の傾向やニーズ(職種等)に合わせて、毎回きちんとカスタマイズしていきましょう、と。
間違っても、前回の履歴書のいちばん上に、「今の仕事を付け足して提出」なんてしてはいけませんね(汗)。
こういうお話も、今になってマーケティング本とか読んでいると、非常に「腑に落ちる」のですが、大学生だった当時は「自分が商品だと思って売り込む」なんて発想はありませんでした。
・・・ホントは今でも、今回本書を読むまでは、履歴書について「マーケティング的な考え方」はしてなかったのですが(汗)。
◆「事前に用意する」、という点では、「成功談」も同様。
これは私にも経験があって、私が新卒当時のマスコミの入社試験では、作文が試験に出る(いまは知りませんが)ため、事前にネタを何本か仕込んでおいて、出されたテーマに合わせてそれを書き換える、という手法が広く使われていました。
もちろん、本番で使えないテーマが出されることの方が多いわけですが、たまたまハマると、かなり破壊力があるため、私もいくつかキープしていた記憶が(結局使いませんでしたが(笑))。
「成功談」もあらかじめキチンと仕込んでおいて、質問の内容いかんによっては、それをちょっと変えて使えばよいわけなので、用意しておくのに越したことはないでしょう。
◆一方、「面接官が採用候補者として推薦するのは、自分に似た人」というところでは、「具体的にどのようにして、面接官にそう思わせるか」というテクまで書かれています。
この辺は、ネタバレというか、実際に本書をお読みいただきたく。
ある意味「モテ本に書かれているテク」に近い感じも(汗)。
まー、面接も、同性同士であっても。一種の「お見合い」なんでしょうかね(笑)。
◆まとめにくかったので挙げなかった(オイ(汗)!)面白いポイントとしては、「履歴書を『親展』で送る裏ワザ」ですとか、「ひっかけ質問に対する『誤回答例』と『正解例』」あたりが。
後者に関しては、例えば「ひっかけ」というほどではないものの、面接官から
「5年後、あなたはどこにいるでしょう」
と問われて、
「そうですね、御社に勤めていると思います。できれば出世して、より責任のある仕事に従事し、役割を広げ、いつかは部長になりたいと思います」
という答えたとします。
「ハイ、不合格」(多分)
質問の内容以上に、その裏に隠された「意味」をどう捉えるか。
やはりこういったお話は、裏側を知った人でないと、わからないものですね(汗)。
◆また、ポイントで挙げたように、面接者が間違った回答や行動をとっていても、基本的に会社側は、その点について教えてくれることはなく、指摘されれば「なーんだ」というような点で、落ちまくっているケースも多いのだとか。
その手の「ダウト」を洗い出すには、本書はまさにピッタリ。
そういう意味では、読む人が読めば、リターンは何百倍にもなると思われ。
明日でも近未来でも、次の面接の前に是非ともお読み下さい!
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【出世のヒミツ】「外資系キャリアの出世術」シンシア・シャピロ(2008年03月21日)
【編集後記】
◆今日の「気になる1冊」。雑誌やムックではなく、書籍の形で男性向けの香水の本というのは、結構珍しいかと。
ご声援ありがとうございました!
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