2008年11月10日
【オススメ!】「司法試験超人気講師が教える試験勉強の技術」柴田孝之
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、ちょっと前の勉強本。とある勉強本にお詳しい方からの推薦です。
本書の特徴は、タイトル等にはないものの「社会人向け」であること。
今のようにスキルアップが一般的になる前から、一般のビジネス書として本書が出版されているというのはちょっと驚きです。
◆アマゾンの内容紹介から。
今、出版されてもおかしくない、高クオリティな1冊でした!社会に出てからが本当の勉強という話を耳にすることがあるが、なぜ大人が勉強するかといえば、実力を認めさせるためであり、その手段として資格を取得するためである。「教養」より「実用」であるべきだ、と著者は言い切る。本書は東大や司法試験を一発で突破した試験勉強の達人が、あらゆる試験に活用できる合理的な「大人の勉強法」を伝授したものだ。「最も短期間かつ合理的に試験に強くなる技術を、考え方も含めて教えている」というのだから心強い。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第1部 大人の勉強法
大人は何をどう勉強すべきか
試験勉強の方法
時間の作り方
第2部 試験勉強の技術
合格するための3つの力
暗記力養成法
理解力養成法
解答力養成法
第3部 スクールの選び方と勉強の進め方
スクールの選び方
スクールでの勉強の進め方
第4部 機械的精神論
勉強にくじけそうになったとき
【ポイント】
・大人の勉強として資格の勉強を勧める理由:「一定の能力の高さを簡単に示す証を手に入れられる」
「本当に仕事に必要な能力を高められる」
・大人がスキルアップのための資格取得をするためには、「意識的にすばやく作業をする」という訓練をすることが必要
・試験勉強とは「試験合格に要求された勉強をまんべんなくすること」と「自分が身についていないことだけを勉強すること」の両方の条件を満たしていなければならない
・質の高い勉強とは、自分ができないことができるようになる勉強、弱点をたくさんつぶす勉強のこと
・「苦労が多いから意味がありそうだ」というだけの勉強法というのは、ウサギ跳びと同じ
・試験勉強には冷静さと情熱の両方が必要
・スケジュールを立てるには、1日単位ではなく、1週間単位で何時間勉強するか考える冷静さとは、自分のしていることが無駄なことじゃないか、効率的なのかということを客観的に観察する目です。(中略)
一方、情熱とは、正しいと分かった勉強方法をもって、がむしゃらに勉強をするという「やる気」です。
・速読法が身に付いていれば「試験前に何度も全体を復習することができる」「長い文章を素材とした問題で、時間が短縮できる」等の利点がある
・暗記が苦手ならば、覚える量を減らす(量の減らし方についての詳細については本書を)
・知識は本やノートを見て覚えるのではなく、問題を解きながら覚えるのがおすすめ
・人が「理解を得られた」という状態とは、「自分の知っている知識と新しい知識との関連性」がわかったとき
・理解ができない場合は、手を動かして、頭の中にあることを言葉や絵、図、記号に変換する
・問題集を繰り返し利用するときは、解けない問題だけを数問〜数十問まとめて時間を計って解くというのが、正しい方法よく数学は暗記では対応できず、センスが重要だとか、司法試験の問題は暗記では解けないといいます。ならば、どうやって正解を思いつくのだろうかと不思議に思う人が多いのですが、これは何も無から有を作り出しているのではありません。自分の頭の中にあることを書き出し、これをヒントに、段階を追って答えを導き出しているのです。
・合格者は自分が合格をするまでに苦労した点の印象が強く、その印象に沿って合格体験記を書いていることに留意する
・スクールに通える人でも、あえて通信教材利用するメリットがあるのは、「早聴きができる」点
・勉強がつまらないと感じるのは、恥ずかしくも何ともない
・いいと思ったことは、どんなに面倒くさくてもとりあえず、それも「すぐに」やってみるその代わり、勉強がつまらないのは勉強を怠る理由にもなりません。そんなことは分かった上で勉強を始めたはずです。勉強がつまらなく感じたら、当たり前だと簡単に考えて下さい。
【感想】
◆本書の初版発行は2001年11月。ちょうど7年前の今頃になります。
私はと言えば、税理士試験には受かっていましたが、ビジネス書には目もくれず、当時オフタイムに没頭していたのは音楽関係(ネットもリアルも)。
本書の存在を知ったのも、ずい分後になってからでした。
◆買った当時にパラパラっと眺めてみたものの、自分の中で「勉強本のベスト」と崇めていた「スーパーエリートの受験術」に比べて、「戦術面」の記述がちょっと少ないな、と思い、そのまま積読状態に。
なお、ここで言う「戦術」とは、具体的には、「お薦め本」とか「お薦めツール」とか、「具体的なやり方」のこと。
本書は、イラストも写真もなく、テキストのみの「硬派な仕様」で、昨今の流行の勉強本とはかなり違った印象を受けます(もっとも当時の勉強本が全般的にそうだった可能性が強いですが)。
◆ただ、本書の場合、「戦術」に先立つ「戦略」というか、「考え方」がかなり充実しており、今読んでも古臭さを全く感じさせません。
サブタイトルにある「あらゆる試験に強くなる82のヒント」というのも、本書の内容そのまんま。
本来ならその「82の小見出し」を全部書き写したいくらいです(上記ポイントで一部代用しておりますが)。
◆また、勝間さんの勉強本に先立って(?)「勉強でパソコンを使おう」と主張しているのにもちょっとビックリ。
上記ポイントにもあるように、「速読」も推奨されており、最近の勉強本の読者さんが読んでも納得される内容だと思います。
柴田先生ご自身は、その後は一般書ではなく専門書ばかりを書かれているようですが、このコンテンツほとんどそのままで、見た目(装丁)をもっと良くして、章立てと中のデザインをチョコチョコっと変えて、巻末にお薦め書籍とか付けたら、5万部くらいは行くのでは(勝手に予想(笑))?
◆もちろん、既読の内容があったり(と言っても、こちらの方が先に出版されてるんですが(汗))、字面がのっぺり(?)しているので、「太字」や「章ごとのまとめ」に慣れた人には、若干読みずらいかもしれません。
それでも、書かれていることはしごく真っ当。
私は、第6章の「理解力養成法」を読んで、「目からウロコ」が落ちました(ここは必読!)。
本来なら、他の「戦術重視本」を読む前に、読んで頂きたい1冊です。
図書館でも、マーケットプレイスでも、騙されたと思って(笑)一度読んでみて下さい!
<追記>
コメントでご要望があったので、「スーパーエリートの受験術」についての当ブログの記事を追加しておきます。
【驚愕!】「幻の絶版勉強本」にとんでもなく高い金額が付いている件
【関連記事】
【勉強本】「いつも目標達成している人の勉強術」福田 稔(2008年10月10日)【理3の力】「東大家庭教師が教える頭が良くなる勉強法」吉永賢一(2008年08月11日)
【スタディ・ハック】「最短で結果が出る超勉強法」荘司雅彦(2007年07月02日)
「できる人の勉強法」安河内哲也(2007年01月19日)
「夢をかなえる勉強法」伊藤 真(著)(2006年06月21日)
【編集後記】
◆昨日とうとうアマゾンで1位になったのがこの本。昨日のはてブ界隈では、この本に関するエントリで話題騒然なので「さもありなん」といったところなのですが、知らない人から見たら「何で?」という感じでしょうね。
ただ、梅田さんも小飼さんも、元々かなりの固定読者をお持ちなので、たとえエントリにブックマークされなくても、そこそこは売れていたと思われ。
げに恐ろしは、「リアル・アルファブロガー」かな(汗)。
ご声援ありがとうございました!
この記事のカテゴリー:「私と100冊の勉強本」へ
「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
スポンサーリンク
まとめられたポイントを見ると、試験勉強の王道ともいえる内容満載のようですが、おっしゃるようにビジネスにも役立つ「考え方」が得られるような本でもありますね。出版日がずいぶん前であっても自分が出会えたその時が新刊日ということになりますね。
いつもブログを読ませて頂いている者です。
内容に興味が湧いたのでアマゾン等で「スーパーエリートの受験術」を購入しようと思ったらものすごい値段でびっくり致しました。
こちらこそご無沙汰しております。
マチスケさんのように、資格試験を突破された方なら「なるほど確かに」とおっしゃって頂けるような内容だと思います。
そして、仕事にももちろん応用可能。
今さらなんですが、かなりお薦めです。
>Ωさん
ご希望通り追記しておきました!
>タケオさん
はじめまして!
コメントありがとうございます。
上記記事を書いた頃は、ホントにとんでもない値段がついていました。
ただ、それ以前から5万円〜10万円程度で売買されており、現在のマーケットプレイスの金額はまぁ妥当なんじゃないでしょうか(笑)?
もっとも、某所で普通にコピー取れるんですけどね。
今後ともよろしくお願いします!
smoothウォッチャーのじゅにがもです。
ご推薦の「最強の集中術」、すごく気に入って
今月2回もよみなおしちゃいました。
その効果か、「落ち着きが出てきた」と指導教官にもびっくりされてます。
>今回の紹介本
司法試験を挫折する人が多いのか、
ブッ○オフでよく見かけます。
ロースクール卒業後の進路が悲惨、と宣伝されて
新規参入者がへったせいかな(−−;
柴田先生だと、「択一解法のテクニック」が
一押しです。
問題の解き方「意外」の戦略論・勉強論が
かなり深いので、読む価値がありますよ〜。
http://www.amazon.co.jp/%E5%8F%B8%E6%B3%95%E8%A9%A6%E9%A8%93%E6%8A%9E%E4%B8%80%E8%A7%A3%E6%B3%95%E3%81%AE%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF-%E6%94%B9%E8%A8%82%E7%89%88-%E6%9F%B4%E7%94%B0-%E5%AD%9D%E4%B9%8B/dp/4587227269
では!
いつもウォッチありがとうございます(笑)。
「最強の集中術」、お役に立っているようでウレシイです。
実は昨日もちょっとした取材(?)があって、そこで「紹介した本を気に入ってもらえることが一番励みになります」みたいなこと言ってたんですよね。
肝心の自分が、実践しきれていないのがツライところですがー(汗)。
そしてご紹介いただいた本、タイトルからして「ガチ」かと思って、リンク見たら、やはり「ガチガチ」の専門書ですねー(汗)。
確かに司法試験受験本も以前紹介したことありますが、さすがにこの本は、かなり専門的なような(汗)。
ただ、その「専門部分」以外なら使えるということであれば、検討したいと思います(今手もとに未読の勉強本があったりします(汗))。
今後ともよろしくお願いします。