2008年11月07日
【人脈】「デキる人は皆やっている 一流の人脈術」島田昭彦

デキる人は皆やっている 一流の人脈術 (アスカビジネス)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、久々の「人脈本」。著者の島田昭彦さんは、雑誌『Number』の編集を経て、今はビジネスをプロデュース・デザインする総合企画会社「株式会社クリップ」の代表というお方です。
アマゾンの内容紹介から。
最後の対談で、フジマキさんがカッ飛んでいるのは、お約束です(笑)。人との出逢いが人生を変える。しかし、自分の周りには、限られた人脈しかなくて、なかなかネットワークを広げることができない。少しの努力と、少しの勇気と、少しのノウハウがわかれば、誰でも人脈は増やせるはず。
そのヒントとなるアドバイスを著者の経験から、50の項目で紹介。藤巻幸夫氏との対談付き。

【目次】
第1章 人脈を築く12の心構え
人脈とは何か
どこから人脈を築けばいいのか ほか
第2章 出逢いをドラマに変える12の戦略
1000枚の名刺交換にチャレンジする
忘れられないための絶対法則 ほか
第3章 また逢いたいと思ってもらえる8つの仕掛け
自分の興味、自分への興味を確かめる
セカンドアプローチは手土産を ほか
第4章 人脈をネットワーク化する11の戦術
名刺は捨てるな
1枚の名刺から発展させるコツ ほか
第5章 コラボレーションを生み出す6つの応用
ネットワークからコラボレーションへ
人と人とのクリップを生み出そう ほか
第6章 特別対談(藤巻幸夫氏)
【ポイント】
・目的のないテーマ性の薄い異業種交流会に出るよりは、逆に明確な意図を持った勉強会に参加するのがオススメ・話題の引き出しを多く持つためには、雑誌をたくさん読むのが良い
・人脈の多い人の共通点のひとつが「人を楽しませてあげようという気持ちが常にある」男性だったら、女性ファッション誌とか、また女性だったら、逆に男性ファッション誌やスタイル誌に目を通しておくと、初対面の人との話題にも事欠かないと思います。異性の雑誌に目を通しておくことで、相手の持ち物にも関心のベクトルが向かいますし、飲食のトレンドやまたはファッション、世の中全体の流れをつかむことができるのです。
・世の中全ての人とは波長が合うわけではないので、「波長が合う人を大切にする」「ひとりの人に嫌われても、二人の新しい出逢いを作ればいいじゃないか」といい意味で割り切る
・投資の中で一番プラスになるのは、こんな時代だからこそ、自分と他人、総じて人間に投資すること
・配属された部署にもよるが、新入社員なら3年以内に1000人の人と知り合うことを目標にする
・初対面では「つかみを常に工夫」
例:小鳥が出てくる名刺入れ
・どこに出逢いのチャンスがあるとも限らないので、オフタイムでも名刺は必ず持ち歩く
・人脈の達人である藤巻幸夫さんの瞬殺技は「相手の共通点を瞬間的に見抜く」こと
・人前で自己アピールするには、まず、自分自身のプロフィールの原稿を作っておくこと
・初対面で使えるフレーズ(抜粋):
●最近、オモシロイことありましたか?
●最近、どんな本を読みましたか?
●最近、発見した、おいしいレストランはありますか?
●印象に残ったCMはありますか?
・ウケマメと種まきの習慣を身につける
・セカンドアプローチの際には、ちょっとサプライズのある気の利いた手土産を持っていってあげるひとつ目は情報を受けたら即、返信をすること。それをウケマメの習慣と名づけています。情報が手元に届いたら、すぐに相手に何らかのリアクションをするのです。
もう一つは、常に種まきの習慣。マメに情報を発信して、相手に自分の取り組んでいる内容を、伝えておくようにするのです。この両方を意識して、対人コミュニケーションを図り、縁を深めていくことをオススメします。
例:最近発売された「塩味の生八橋」
インパクト大な「ゴルフ最中」
・感性を磨くには、新しいもの、古いもの、それぞれの本物にバランス良く触れること
・人を紹介して欲しいとお願いする場合、最低でも5回以上は、逢ってからお願いする
・人脈を作るうえで大切なことは、人から紹介してもらった後はきちんと報告すること
・出逢った時はフツーの人でも、数年経過すれば強力なビジネスパートナーになっていることもあるので、たやすく名刺は捨てない!節目、節目でプロジェクトがどのように進行しているかという途中経過を、紹介してくれた人や仲立ちしてくれた人に伝えることはすごく大切なことです。
どちらにしても、紹介後の姿勢や態度によって、その人の誠実さが見て取れます。また、挨拶やお礼の言葉をしっかり言えるかどうかが、その人の価値を決めます。
・人と付き合う時の目の付けどころとして、何か個性が際立っていたり、人と違う何かを持っていたりする人がオススメ
・対談での藤巻幸夫さんの発言から:
「僕は、人脈について持論があって、『縁以外は八百長』なんですよ」
「人を一瞬で見抜くコツ!それは、目ですよ、目。ピュアだなって思ったら付き合う。1年間に、たぶん数千人から一万人近く逢うから、この人は単純にオモシロがって僕と逢ってくれているのか、僕を利用しようとしているのかが見抜けるわけ。純粋に僕をオモシロがってくれている人だけを、縁だと思ってるわけなんです。この人とは縁があるなと思ったら、頼まれれば最大限頑張るし、大人同士だから忙しくて、いつも逢わなくても、心の中に留めておけば、それでいいって僕は思ってる。それが人脈だと思うんです」
【感想】
◆今年入ってから急に(?)多くなった「人脈本」。もはや書店でもコーナーができそうなイキオイですね(笑)。
そんな中、本書は「出版社」⇒「企画会社」と、モロに人脈が関わってきそうな職歴の島田さんの実践されている「人脈術」が、50個掲載されています。
◆島田さんは、1964年生まれ、ということなので、当ブログの読者さんのコア層よりはちょっと上。
そのせいもあってか、その「人脈」が、上記のご自身のお仕事に生かされています。
「墨田区の活性化」「ベルリンの日本酒BAR」「サントリーの『IYEMON SALON KYOTO』」などなど事例が多く収録されているものの、ポイントとしては挙げにくかったので、まとめて割愛(詳しくは本書を)。
単なる「自己投資」ではなく、実際に本業でのリターンも生み出している点は見習いたいところです。
◆なお、島田さんではないのですが、「出版講演会の告知をして、会場で出逢う人同士を紹介し、終了後は皆で食事に行って情報交換する」方のお話も収録されていました。
「特に、勝間和代さんや本田直之さんのような、人気の高い著者の講演会の場合、これで一気に人とのご縁が拡がります」とあって、モロに同じような著者さんの講演会に出かけながらも、終わり次第「速攻で家に帰って、ブログ書いてる」自分はどうなのよ、っていう(涙)。
「人脈を拡げる」どころか、「人づき合いが悪い」という悪評が広まりそうなヨカン(汗)。
(ノ∀`)アチャー
◆「初対面のつかみ」については、私の場合、秘密兵器がございます。
【ブログネタ】「人間国宝名刺」を作ってみました
ただこの名刺、説明書きと一緒でないと、何がスゴイのかわからないのが玉に瑕ですがー(笑)。
それ以前に、「住所が載ってない」という「献本お断り仕様」自体、「人脈」とはかけ離れているような・・・。
◆また、本書で特徴的だったのが、類書の多くと異なる「名刺は捨てない」というスタイル。
実は私も、何年経っても名刺は捨てない方です(そもそもそんなにもらってないし(笑))。
出会った当初は皆ペーペーでも、いつかお互いビッグになって、再会する、なんて夢を見てみたいワケですよ。
特に、ちょい上で触れた、勝間さんや本田さんの講演会に来られるような方だと、ホントどこかでバケちゃったりしそう。
直帰している場合じゃなかったか(汗)?
◆最後の藤巻さんとの対談は、藤巻さん自身「人脈本」を出されている方だけあって、かなり「濃い」です。
ポイントで挙げた部分は、「さすが!」だと思いましたね。
特に「縁以外は八百長」なんて、深すぎます(汗)!
◆ただ、藤巻さんの場合は寄ってくる人が多いからこその「悟り」であって、私たち一般人は、むしろどのように他の人にアプローチするかの方が問題かと。
そういう意味では、本書のようなオーソドックスな本の方が、地味ですがじわじわ来ると思われ(汗)。
「人脈本好き」なら持っておきたい1冊!

デキる人は皆やっている 一流の人脈術 (アスカビジネス)
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「人脈の教科書」藤巻幸夫(2007年01月23日)
【編集後記】
◆「来年こそは!」と「手帳が苦手」な私が、買ってみた本。確かにこれなら出来そうではあるものの、毎年あっつーまに挫折してるんで、どうなることやら(汗)。

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