2008年10月16日
【実践!】「人が集まる !行列ができる !講座、イベントの作り方 」牟田静香
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、土井英司さんのメルマガで激プッシュされており、前々から気になっていた1冊。『人が集まる!行列ができる!講座、イベントの作り方』牟田静香・著:「ビジネスブックマラソン」バックナンバーズ
確かに、装丁やタイトルからは、それほど「当たり」の匂いは感じられませぬー(汗)。名著を期待したわけではなく、何かマーケティングのヒントになれば、と思って読んだ一冊でしたが、思いがけずこれが「当たり」でした。
しかも、著者の牟田さんは、大田区の男女平等推進センター「エセナおおた」というお堅い職場で活躍されたお方ですし。
ただ、実際に読んでみたところ、土井さんが「最近読んだ中では、あのジョン・ケープルズの名著『ザ・コピーライティング』に次いで読み応えのあったマーケティング書」というのも納得。
セミナー等の集客や、サイトのアクセスアップを目論む方なら必見です!
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
序章 人を集めるとはどういうことか
こんな講座は誰も来ない
どうしてこんな講座になるのか? ほか
第1章 これさえあれば人が来る!「面白さ」とは何か?
同じ趣旨の講座で明暗クッキリ
この講座を聞いて私の役に立つの? ほか
第2章 ターゲットを絞れ
「誰にでも来てほしい」は誰も来ない
各世代それぞれにふさわしい講座 ほか
第3章 胸に響くタイトルをつけよ
その企画のウリは何ですか?
こんなタイトルで人が来たのはみたことない! ほか
第4章 よいタイトルを作るには
はやっているものをまねよ
タイムリーなイメージのタイトル ほか
第5章 思わず手に取るチラシの作り方と効果的な広報
宣伝はターゲットに届いているか?
宣伝にいい媒体 ほか
第6章 満足度の高い講座作りと講師選び
はじめに情報収集あり
講師とのコミュニケーション ほか
第7章 失敗に学び、次回の成功に結びつけるポイント
講座を次につなげる方法
評価のポイント ほか
あとがき
【ポイント】
・講座に人を集めるポイント:「いろいろな人々が抱えている課題を分類し、ターゲットを徹 底的に絞る」
「そのターゲットの心に響くタイトルをつける」
・「私らしさ」という言葉は、どの年代の女性にも響く
・アンケートで「まあまあ」「ふつう」という回答があったら、それは「満足しなかった」ということ
・「この講座に出れば何が得られるのかがわかる」もののほうが人が来る
・男性陣は「そば打ち」「料理の基本」「魚のさばき方」「プロの味」が好きで、ほんとうにこれで人が集まる
・「こんなタイトルで人が来たのはみたことない」(抜粋)
→法律、条文の文言や講座目的そのまんまのスタイル
→疑問をなげかけるタイトル
→受講者の立場を否定するタイトル
→人に言えないタイトル
・ある業界だけでいつも使われている言葉が、世間一般では非常に認知率の低い言葉であることに気づく必要がある(「アサーティブ」等)
・年配の方は歴史が大好きで、チラシに自分の知っている歴史上の有名人の名前が載っていると、それだけで申し込んでくれる
・タイトルなどに「斜体(斜めの文字)」は厳禁(わかりにくい)
・手にとってもらえるチラシ作成のポイント(抜粋):
→タイトルは上から1/3の部分が勝負(ボックスに入った場合に 見えるのはここだけ)
→必ず縦型のデザインにする
→イラストはできるだけ入れる
・チラシは裏面まで情報(講師のプロフィールや申し込み方法の詳細、会場までの地図等)を載せて、ファックスの送信票などにしない
・年配向けのチラシは、縦型の方が見やすくて好評
・ターゲットが好む申し込みツールを大きく書く:
→年配の女性・・・電話
→若い人・・・携帯メール
→男性・・・ファックス
・講師は肩書きより、参加者ターゲットと同じ感性の講師を選ぶことが大切
・講師にキャッチフレーズをつけると大変効果的(「評判の〜」等)
・講座に人が来なかった場合「人は少なかったけど、皆一生懸命やったからそれでよかった」と考えるのは非常に甘い
・人が多く来てくれた場合は、次につながえるためにどうしたらいいかを探る
【感想】
◆本書を読まれた方なら、すぐに気が付くであろうことが、他に類を見ないほどのデータの提示ぶり。実施したセミナーの「内容」、「タイトル」、「応募者数」、「参加者数」、さらには第5章では、配布した「チラシの見本」までが細かく掲載されています。
これは結構リアル(汗)。
単に「人が来ませんでした」「たくさん応募がありました」というレベルとは違った、ある種の「客観的事実」が主張を裏付けているとでも言いますか(汗)。
◆さらに、例えばセミナーのタイトルについて、「全く同じ内容のセミナー」を「一昨年はこのタイトルで、昨年はこのタイトルで、今年はこのタイトルで」といった形で、「タイトルだけ変えて募集」したりしています。
これなら確かに「タイトルでの集客の違いが比較できる」というもの。
ちなみに本書の帯裏には、こんな問題も。
ここまでお読みの方なら、もうおわかりですよね(笑)?どっちの講座に人が集まったでしょう
1(a)「わたしらしさ応援セミナー―咲かせよう!世界でひとつだけの花」
1(b)「男女共同参画セミナー 変わりゆく社会と女男(ひと)」(以下略)
他にも、「同じ内容同士のセミナー」の「違うチラシ」による同様の問題もありますので、マーケティング好きの方なら、ぜひ挑戦してみて下さい(笑)。
◆また、本書で圧巻だったのが、「女性のための再就職セミナー」を実施した後、半年後に追跡調査をして、その後の就職状況を確認し、講座の内容や回数、付帯状況(保育の有無等)まで修正していること。
単に講座に人を集めるだけでなく、さらにその後の「目的達成」まで意識しているというのは、役人仕事とは思えませぬ(汗)。
もっとも、著者の牟田さんは、今やただの「役所の人」ではなくて、他の自治体に招かれて「行列のできる講座の作り方」といった講演をされてるんですが(笑)。
◆そういえば、丁度このフェアでゲットしたCDの中で、土井さんが「フィードバックの重要性」について述べられており、そのCDを聞いた後に本書を読むと、「腑に落ちまくり」(笑)。
こうやって、「アプローチ方法」と「その結果」を分析して、「次の機会」に活かし、またそこでも「分析」を行うという「フィードバックの繰り返し」が、さらなる結果につながるのだと思った次第。
理論で「PDCAサイクル」を理解たツモリでいても、こうやって執拗に実践している例に接するのは、自分自身も勉強になりました(汗)。
◆なお、本書の題名からだと、「講座自体のコンテンツ作りの本」のように受け取られそうですが、あくまで、メインは「集客」ですのであしからず。
そして、単純に「集客」という面から考えた場合、「まずタイトルありき」というのは、「ザ・コピーライティング」でも言われていたことであり、本書でも「タイトルの付け方」に多くのページを割いています。
その分、「ホームページ作成」や「チラシ作り」にも活かせる内容だと思われ。
人を集めたいなら必読!
【関連記事】
【スゴ本!】「なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学」パコ・アンダーヒル(2007年10月09日)【4つのパーツ】「お客のすごい集め方」阪尾圭司(2007年07月13日)
「究極のマーケティングプラン」ダン・ケネディ(著)、神田昌典(監訳)(2007年04月16日)
「もっと儲かる全国手書きチラシ実例集」出村邦彦(著)(2006年08月18日)
「これ、知ってました?集客に、お金はかからないのです。」藤村 正宏 (著)(2006年05月21日)
【編集後記】
◆完全に出遅れてしまったのですが、犬飼ターボさんの新作が発売されています。物語形式ということで、当ブログ的にはウケがイマイチですが、個人的には好きなので当然アマゾンアタック!
読むのが楽しみです(笑)。
ご声援ありがとうございました!
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smoothさん、おはようございます。
ワタシも土井さんのメルマガで気になって購入&読破、以前作成したワタシのセミナー集客チラシを見て愕然(笑)。反省しきりです。最初から最後まで付箋はりまくりでしたヨ(smoothさんと同じ付箋愛用者です)。
ワタシも土井さんのメルマガで気になって購入&読破、以前作成したワタシのセミナー集客チラシを見て愕然(笑)。反省しきりです。最初から最後まで付箋はりまくりでしたヨ(smoothさんと同じ付箋愛用者です)。
Posted by ニャロメ at 2008年10月16日 09:00
>ニャロメさん
お!さすが既に購入済みでしたか(汗)!
何と言うか、キチンと測定されているのが、当たり前なのかもしれませんが、スゴイな、と。
ニャロメさんの場合、ご自分のセミナー等に活かせるのもいいですよね!
私もこのブログのアクセス数とか、ちゃんと分析しとかないと・・・。
お!さすが既に購入済みでしたか(汗)!
何と言うか、キチンと測定されているのが、当たり前なのかもしれませんが、スゴイな、と。
ニャロメさんの場合、ご自分のセミナー等に活かせるのもいいですよね!
私もこのブログのアクセス数とか、ちゃんと分析しとかないと・・・。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年10月17日 02:18
smoothさん、おはようございます。
実はセミナーにちょろっと出演する事になりまして、集客法を考えていたところなんです。
僕が集客しなくても、講師の人気で勝手に集まるんじゃないかという話もありますが^^;
ブログのタイトルを書く時などにも参考にさせていただきます!
実はセミナーにちょろっと出演する事になりまして、集客法を考えていたところなんです。
僕が集客しなくても、講師の人気で勝手に集まるんじゃないかという話もありますが^^;
ブログのタイトルを書く時などにも参考にさせていただきます!
Posted by Mharu@読書I/O日記 at 2008年10月17日 07:51
自分にも、クライアントさんにもタメになりそうな本ですね。
しかも新書なんてお得ですよねぇ。
これからはどんな立場でも共に成長していくという姿勢が求められると思うので、イベントを活用していかないとー。
これは買わねば。
しかも新書なんてお得ですよねぇ。
これからはどんな立場でも共に成長していくという姿勢が求められると思うので、イベントを活用していかないとー。
これは買わねば。
Posted by ビルダーナース at 2008年10月17日 12:57
smoothさん、こんにちは。
僕も以前本書を紹介していたんですが
やはり執拗なPDCAっぷりに驚いたくち。
やはり成功するまで改善を続ける姿勢
が超重要なんですね。
僕も仕事でイベント集客もやっていますが
本当に少しの工夫が大事だったりするんで
本書に負けじとやっていきーす。
僕も以前本書を紹介していたんですが
やはり執拗なPDCAっぷりに驚いたくち。
やはり成功するまで改善を続ける姿勢
が超重要なんですね。
僕も仕事でイベント集客もやっていますが
本当に少しの工夫が大事だったりするんで
本書に負けじとやっていきーす。
Posted by LuckyUS@フォトリーダー at 2008年10月17日 14:09
>Mharuさん
セミナーに出演なさると聞いて、ブログを拝見してビックリです!
なんと本田直之さんとですか〜!
確かに、名前だけで集客できそうな(汗)。
でも、今後もし自分たちだけでセミナー等を開く際には、きっと参考になると思います。
ぜひご一読を!
>ビルダーナースさん
私も土井さんに言われて買ったクチなので、もし良かったら、土井さんのおかげということなんですけど、この本が出た当時に読んでも、価値が分からなかったと思います。
やはり「まずフィードバックありき」という考えがあってこその、この本の価値だと思うんで。
ビルダーナースさんのお仕事だったら、役に立ちますよ!
>LuckyUSさん
すごい!出た当時に読まれてましたか(汗)。
私は存在すら気が付きませんでした。
講談社のこのシリーズは、おそろしく影が薄いですよね。
実際に集客することがあるなら、多分かなり役に立つのではないか、と。
私は「ザ・コピーライティング」と併せて読んで、納得しまくってました(笑)。
セミナーに出演なさると聞いて、ブログを拝見してビックリです!
なんと本田直之さんとですか〜!
確かに、名前だけで集客できそうな(汗)。
でも、今後もし自分たちだけでセミナー等を開く際には、きっと参考になると思います。
ぜひご一読を!
>ビルダーナースさん
私も土井さんに言われて買ったクチなので、もし良かったら、土井さんのおかげということなんですけど、この本が出た当時に読んでも、価値が分からなかったと思います。
やはり「まずフィードバックありき」という考えがあってこその、この本の価値だと思うんで。
ビルダーナースさんのお仕事だったら、役に立ちますよ!
>LuckyUSさん
すごい!出た当時に読まれてましたか(汗)。
私は存在すら気が付きませんでした。
講談社のこのシリーズは、おそろしく影が薄いですよね。
実際に集客することがあるなら、多分かなり役に立つのではないか、と。
私は「ザ・コピーライティング」と併せて読んで、納得しまくってました(笑)。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年10月19日 01:53
お久しぶりです。
ちょうど「イベントの開催」ってので悩んでたところにこの本の紹介が...
リアル書店を回ること10店舗近く(笑)。やっと昨日丸の内丸善にて入手しました〜。最初からここにこいよ、て感じですね、ハイ。
ちょうど「イベントの開催」ってので悩んでたところにこの本の紹介が...
リアル書店を回ること10店舗近く(笑)。やっと昨日丸の内丸善にて入手しました〜。最初からここにこいよ、て感じですね、ハイ。
Posted by a_aji at 2008年10月23日 05:10
>a_ajiさん
10店舗回るほど気になるのなら、確かにココでお買い上げくださっても〜(笑)。
実際、出てから1年以上経ってますし、そんなにドカスカ売れる本でもなさげ(失礼)なので、こういう本こそ、ネットでゲットですよ!
今後はそういうことでよろしくおながいします(笑)。
10店舗回るほど気になるのなら、確かにココでお買い上げくださっても〜(笑)。
実際、出てから1年以上経ってますし、そんなにドカスカ売れる本でもなさげ(失礼)なので、こういう本こそ、ネットでゲットですよ!
今後はそういうことでよろしくおながいします(笑)。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年10月24日 02:33
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