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2008年10月14日

【怒りの制御】「アンガー・マネジメント」安藤俊介




【本の概要】

◆今日お送りするのは、「ついカッとなってしまう」人にオススメの1冊。

サブタイトルに「イライラ、ムカムカを一瞬で変える技術」とあるように、「怒りの感情」をコントロールするためのノウハウが凝縮されています。

アマゾンの商品の説明の「カバーの折り返し」から。

アンガー・マネジメントとは、マイナスの結果を引き起こしがちな「怒り」に正しく対処することで、健全な人間関係をつくり上げる知識&技術です。
これをビジネスに応用すれば、たちどころに快適に仕事ができ、人望も成功も手に入ります。

私はそれほどムカッとすることはない方(自己申告ベースw)ですが、十分お役立ち情報がありましたよ!


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【目次】

序章 できるビジネスマンほどイライラ、ムカムカにふりまわされない 
 なぜ、アメリカで爆発的にアンガー・マネジメントが普及したのか
 あなたを怒らせているもの ほか

第1章 人間関係を劇的に変える! アンガー・マネジメントのしくみ
 そもそも「怒り」とはいったい何か
 怒りは、どのようにして生まれるのか ほか

第2章 「なりたい自分」のイメージトレーニングから始めよう
 「何が原因か」よりも「どうなりたいか」を優先させる
 どうやって「なりたい自分」を思い描くのか ほか

第3章 「カチン!」「ムカッ!」ときたときの、感情の抑え方
 「キレる衝動」は必ず抑えられる
 「カチン!」「ムカッ!」ときたら、このテクニック ほか

第4章 記録することで、あなたの怒りを「見える化」しよう
 認識の修正は、怒りの客観視から始まる
 見えることで、怒りはこんなに操りやすいものになる ほか

第5章 無理せずできる! 「怒らないしくみ」のつくり方
 怒りの背景にある自分と向き合おう
 3コラムテクニックでコアビリーフの歪みを正す ほか

第6章 本心が伝わるコミュニケーション・スキルを身につけよう
 言葉・言い方しだいで、あなたの評価はガラリと変わる!
 言ってはいけない言葉・表現のツボ ほか


【ポイント】

・アンガー・マネジメントとは、「『怒り』の感情をコントロールすることで、まわりの人と上手にコミュニケーションをして、気持ちよく仕事をしていくための技術」

・アメリカのエグゼクティブの中で、プレッシャーを与えられた状況下で、怒りをコントロールできないことは、「昇進の機会を失う」「解雇される」「退職を勧告される」ことの最も大きな要因となっている

・「〜すべき」の「べき」というのは、一見正しいことのように見えるが、実は自分の欲求でしかないことが多くある

・私たちがふだん信じているもの、判断の基準にしているものをアンガーマネジメントでは「コアビリーフ」と呼び、これが私たちの怒りに深く関係している

・アンガー・マネジメントで具体的にやっていくこと:

 
 「行動の修正」→「怒りのままに行動しない」ということ

 「認識の修正」→「頭の中を怒らないしくみにする」

・『なぜ自分は怒るのか?』の原因を徹底して追求するよりも、『自分は怒りをコントロールしてどのようになりたいのか?』を思い描く(「ソリューションフォーカス」)

・怒りの感情が生まれるまでには、人はいくつかの段階を踏むので、私たちはその段階の途中で、衝動をコントロールできるチャンスがある

・誰かに何かを言われてムカッときたときの、応対の反応を遅らせるテクニック:


 →心の中で「止まれ!(STOP)」と言って、よけいなことを言わない(「ストップシンキング」)

 →「100から3ずつ引く」ように、頭の中をちょっと手のかかる計算で埋める(「カウントバック」)

・自分だけの「呪文」(マントラ)を用意しておいて、怒りが爆発しそうになったり、イライラしたときに自分の中でとなえる(「コーピングマントラ」)

・怒りには「怒っている」「怒っていない」の2種類しかないのではなく、「段階」があるので、イライラムカムカしたときに、その「怒りの強さ」を自分なりに数値で計測すると心がラクになる(「スケールテクニック」)

・怒りを感じたら、その場でその怒りについて紙に書いて下記の事項(抜粋)を記録する(「アンガーログ」)

 「日時」「出来事」「思ったこと」「感情」etc...

・コアビリーフが怒りのもととなる考え方ならば、トリガー思考はその怒りのもとが表に出るときの「きっかけ」「引き金」、つまり「トリガー」になるもの

・コアビリーフの歪みやエラーをチェックする方法が「3コラムテクニック」(詳細は本書を)

・自分のコアビリーフに歪みがあるかどうかを判断するポイントは、「自分や周囲の人にとって、それがプラスなものになっているのか、マイナスなものなのかどうか」ということ

・自分にとって大きな意味を持つトリガー思考は、自分のコンプレックスだったり、思い出したくない過去に関係していることが多い

・まわりの人があなたのことを知るのは、アナタがどのようにコミュニケーションをとるかしだい

 つまりあなたがどんなに一生懸命4,5章で行った「認識の修正」をして怒りを生み出さないように努力をしても、ちょっとした怒りにまかせてよけいなことや不用意なことをひと言でも言ってしまえば、あなたの努力は一瞬のうちにふいになってしまいます。
 一方で、あなたがまだ怒りを上手にコントロールできないとしても、よけいなこと、不用意なことを言わなければ、とりあえずは人間関係にヒビを入れたり、壊したりするようなことはなくなるでしょう。

・言ってはいけない、言葉・表現のツボ(抜粋):「絶対」「いつも」「必ず」

・アサーティブコミュニケーションをとるためには、人の権利、義務、欲求の違いを理解すること



【感想】

◆本書の「はじめに」の最初の1行は、実はあの名ゼリフ「私は寝てないんだ!!」でした。

これは、上記ポイントにもあるように、まさに「プレッシャーを与えられた状況下で、怒りをコントロールできないこと」の顕著な例。

同じように「あなたとは違うんです!」というのも、結局は「怒り」に任せて出たセリフだと思われ。

「げにおそろしや"怒りの感情"」です(汗)。


◆そして、その「怒り」に対処するためのいくつかの処方箋が、本書では提示されています。

今まで「ここで怒っちゃだめだ」と「思う」ことはあっても、具体的に何か「怒らないようにするテクニック」があったかというと、そういうわけでもなかったような(少なくとも私の場合)。

その点では、本書は非常にユニークと言えるのではないでしょうか?

ただ、上記の「カウントバック」は、当ブログにも多数いらっしゃる理系の読者さんにとっては、意味がなかったりして。

くれぐれも「怒りながら華麗に計算」なぞなさらぬよう(汗)。


◆上記ポイントで「怒りにも段階がある」とありましたが、それに関しては、かつてこの本でも指摘されていました。

最強の集中術
エクスナレッジ
森田 由美(翻訳)
発売日:2008-03-27
おすすめ度:4.5

 私たちは、強い不安や怒り、恐怖、ストレスを感じると、自分の感情を止めることなど絶対にできないように感じてしまう。けれど、その気持ちを0から10のスコアで採点すると、とりあえず目盛りひとつ分くらいなら、下げられそうな気がしてくるではないか。こうして思い込みが弱まると、感情をコントロールできる自信が生まれ、感情の束縛から自由になれる。

(参考記事:【スゴ本】「最強の集中術」はキテます!

そういえば、「何らかの問題」に対する「具体的な対処法」が複数提示されている点も、両書の共通点であり、特長かな、とか(笑)。


◆なお、最終章では、「コミュニケーション」について言及されているのですが、結局、本書のテクを駆使して内面の怒りを抑えたとしても、ポロっと口にしたひと言で、台無しになってしまうこともある、と(汗)。

・・・って、そんな「身も蓋もない」こと言われてもー!

とはいえ、確かにいくら外面を取り繕ったとしても、内面が「怒り心頭」になってばかりであるのなら、精神衛生上よくないのは明らか。

そういう意味では、「ケンカしがちな方」もですが、「言いたいことも言えない方」も、本書を読んで、心の平静を保って頂きたいものです。


ストレスフルな現代だからこそ読みたい1冊!



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【編集後記】

◆3連休の中日に、以前住んでいたところの近所の公園に家族で出かけました。

0c046853.jpg

















初めてのホンモノのウサギに恐る恐る触るムスコ(笑)。

この後はニコニコでした。


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アンガー・マネジメント―アメリカ・エグゼクティブの間で爆発的に普及! イライラ、ムカムカを一瞬で変える技安藤 俊介大和出版 2008-09売り上の..
アンガー・マネジメント AP0075【いい本読んで、出世しよう!】at 2008年11月18日 08:15
                               
この記事へのコメント
               
自己防御のため男性は怒りで自分を守る人が多いですねぇ。
女性は泣く人が多いかな。
最近アンガーマネジメントの話もする機会が増えて来たので読んでみま〜す。

ちなみに私は怒るヒマがあったら美味しいものが食べたいので、怒りがこみ上げたらデパ地下へGOです(笑)
Posted by ビルダーナース at 2008年10月14日 20:44
               
smoothさん、こんにちは!

私は最近、自分に対して怒りを覚えることがあります。
そんなときは
・今の自分にできることを考える
・これからの過し方の決意を自分に対してする
この2つをすると、少しは収まります。

本書にあるように怒りを「見える化」すると
もっと効果がありそうです。
Posted by 長谷川佳之@読書による経験価値 at 2008年10月15日 01:08
               
>ビルダーナースさん

さすが、鋭いご指摘(汗)。
というか、ビルダーナースさんご自身は全然大丈夫そうですけど、そんなお話までなさってるとは(汗)。

そして、「デパ地下へGO」というのは、ナイスアイデアですね!

>長谷川さん

なるほど、「自分に怒り」ですね。
本書は「自分自身に対する怒り」のメンテは書かれてなかったので、勉強になります。

そして「見える化」はここでも有効なようです。
お試しアレ。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年10月15日 02:38
               
はじめまして。安藤俊介です。

この度は拙著のレビューをしていただきまして誠にありがとうございました。

多くの人が上手に怒りをコントロールできないのは、怒りをコントロールする方法を教わったことがないからです。

残念ながら学校では具体的にどうすればよいのか教えてくれませんよね。

例えば、ロスアンゼルスの小学校では親子でアンガーマネジメントを受ける機会を積極的に作っています。

子供の頃から怒りのコントロール、マネジメントの方法に慣れ親しめば、大人になってから苦労することはありません。

日本でも、一人でも多くの人に怒りのコントロール、マネジメント方法を知ってもらって、みんなが生きやすい環境をつくっていきたいと考えています。

今後ともよろしくお願いします。
Posted by 安藤俊介 at 2008年10月30日 21:39
               
>安藤俊介さん

著者さま直々のコメントありがとうございます。

確かに「怒り」をマネジメントする術を私たちは習っていませんよね。
ただ、出世したい人はホントにこの技術が必須だと感じました。
私自身は自営業ですが、対税務署対策(?)でも必須かも。

良いご本をありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年10月31日 02:41