2008年10月02日
【読書】「読書進化論」勝間和代
小学館
売り上げランキング: 21902
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「秋の勝間本キャンペーン第3弾」、「読書進化論」。当ブログとしては、既に勝手な予想記事を投稿済みでございます(汗)。
【独断予想?】勝間和代さんの「読書進化論」はこんな感じの本?!
・・・バグかもしれませんが、今現在よくわからないページランクが付いているという(汗)。
◆アマゾンの内容紹介から、冒頭部分を。
本を読む人、書く人、売る人、とりあえず必読で!勝間式「人生が進化する」本の使い方
経済評論家でベストセラー作家の勝間和代氏は、本で「成功と自由」を手に入れてきた。
著者を「進化」させた本と、本をめぐる技術のすべてを紹介します。
ウェブ時代の「本」の新しい価値と可能性について提言します。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第一章 人を進化させる読書がある
ウェブ時代の本と書店の再定義/自分を進化させる本とのリアルな出合い方
読者が進化して著者になると、上場株(=パブリックな人材)になる
ウェブで発見され、約1年で150万部の売り上げに
再現性が高い本は読者に"ご利益"をもたらす
勝間式 書店ぶらぶら歩き(1) 「リブロ青山店」編
第二章 進化している「読む」技術
フレームワークがない読書は身につきにくい
本選び基準のひとつは「ウェブや友だちの話より質が高いかどうか」
良書との出会いが読書体験を豊かにする秘訣
自分の読書レベルに合った読み進め方がある
多読や速読など、「読む」技術について
「読んでおしまいにしない」が究極の技術
第三章 「書く」人も進化する
深い話を広く伝える手段として、本は最もリーズナブルな流通形態
文章力はブログやメールで進化させることができる
書店は宝の山。"本のコンシェルジュ"を活用するのも手
勝間式「相手がわかりやすく読みやすく書く」ための4つの技術
技術(1)「自分の事例」「アンソロジー形式」を利用して、親しみを持たせる
技術(2)「役に立つフレーズ」を必ず入れ、読書だけに体験を閉じない
技術(3)「共通体験」や「流通していることば」を使って行動を促す
技術(4)「コンテンツ力」と「編集力」で進化していく
ウェブで発見されて著者に進化するには
第四章「売る」仕組みを進化させる
出版業界は「プレイス」と「プロモーション」が弱い
好循環を生む基本的な仕組みは「まじめに作って、まじめに売る」
「著者ブランド」を最大限に活用する
リアル書店とネット書店の特徴を生かした「売る」仕組み作りを
ウェブの活用、チャネルの再考…まだある、出版社にできること
勝間式書店ぶらぶら歩き(2)「丸善丸の内本店」編
終章 これから「読みたい」「書きたい」「売りたい」と思っているみなさんへ
読書の進化形、印税寄付プログラム
すべての人にフェア(公平)な可能性を秘めている「読書」の世界
私を進化させた20人の著者
巻末資料
おわりに
【ポイント】
◆今回も要点を絞って参ります!・ウェブ・サーフィンと書店サーフィンでは、書店サーフィンの方が、情報収集の効率がいい
・棚差しから良書を見つけるコツは、気になった本の中身をパラパラ半分くらい見て、「とんがったもの」があるかどうか確認する
・(勝間さんの場合)「自分を進化させてくれた本」は、やはり翻訳書や洋書の原書が多い
・本を読むときには、その本の著者とどういう話をしたくて、何を質問したいのか、という意識を持つことが重要
・本を手にしたら、帯、目次、「はじめに」、「おわりに」をざっと読み、フレームワークをつかまえにいく(エッセイ・小説を除く)
・「お客様が手に取る本は、『リアリティのある意外さ』のあるものかな?」(丸善丸の内本店 高頭佐和子さん)
・「イマイチ」と感じる本は、著者のフレームワークが、自分がすでに持っているものよりも「広くもなければ深くもない」か、「本当は深くて広いのだけれど、うまく言葉になっていない」かのどちらか
・本という形で、何か他人にアドバイスをもらったとしたら、その内容を、知識、理解、応用、分析、統合、評価の段階で思考を進めていき、そして評価したことを自分の行動習慣や思考習慣の中でどう変えていくのがいいのか、仮説を立てて検証してみるということが、日常の癖になっている
・本には線を引かず、上記「段階」を経て、頭の中にしまっておく
・魅力的なブログを書く方法:
「最初の2〜3行に相手の心をとらえる文章がある」
「そのあとに伝えたい内容がある」
「最後にどういうアクションをして欲しいのか、というガイドがある」
・大事なことは「目標を明日できる行動に落として明示する」ということ
・進化とは、突然変異ではなく、徐々に積み重ねた技術や労力が一定水準を超えたときに始まるもの「目標」ではなく「行動の指針」に落とす。本を読んでも、「では明日私は具体的に何をするんですか」という疑問に答える必要があるのです。
・干場社長(ディスカヴァー21)の、著者からの持ち込み企画における、採用可否のいちばんのチェックポイントは、「とにかく著者が面白いかどうか」
・平均1万冊ずつしか売れないとすると、1冊1冊に予算や手間はかけられないが、1500円の本がいつも10万部売れるとすれば、流通全体では1億5千万円の売上になるので、戦略的な資源配分が可能になる
・本を出す時にはいつも、編集・販売・マーケティングなどの関係者とキックオフ・ミーティングを開催し、情報共有のためのメーリングリストを作り、チームで作った共通の売上目標に向けて、自分たちができることを行うような仕組みにする
・本の最大の難点は「読まないと品質がわからない」ということだが、「著者の名前を浸透させる」ことで、読まなくてもある程度品質を保証できる
・同じ著者が続けて本を出す時に「失敗するかなぁ」と思う際の3つの特徴:
「テーマが似すぎている」
「出版の間隔が近すぎる」
「パッと見ての印象で中身が以前の本と近すぎる」
(紀伊國屋書店新宿本店 水上紗央里さん)
【感想】
◆「予想通り」と言いますか、「予想以上」と言いますか(笑)、私にとってはかなり「ツボ」な1冊でした。従来の「読書術の本」の枠組みは明らかに超えており、その分、ノーマルな「読書術の本」を期待していた方が、どう捉えたか気になるくらいです(汗)。
例えば、何か「新しいメディア」が出てきた時など、その可能性や将来性、ビジネスチャンス等々について言及されることがありますが、丁度そんな感じかと(本自体はオールドメディアですが)。
そういう意味では「本」や「読書」の新たな「価値創造」と言えるのかもしれません。
◆また、本の作りも意識してかどうかは別として、テレビのドキュメンタリーチックだな、と。
「書店ぶらぶら歩き」は、どちらも知った書店ということもあって、完全にロケの画像がイメージできますし、ところどころに挿入されているmixiコミュニティの方の発言や、書店員さんの発言は、インタビューですよ。
私の頭の中では、「クローズアップ現代」っぽい、ナレーターさんの声まで聞こえる気が(笑)。
これはもう、「新書」というフォーマットだからこそできることではないか、と。
◆とオモテたら、実際にインタラクティブな試みがされてました。
小学館:読書進化論
サイトができるとは知ってましたが、動画を含め、かなりのボリューム。
これは既に本書を買われた方も、これから買おうとなさっている方も必見ですね(汗)。
◆私にとって興味深かったのは、やはりブックマーケティングの部分でした。
上記ポイントでも挙げた「10万部売れるなら、戦略的な資源配分も可能」というアナリストらしい発言の傍ら、こんなアナログなこともおやりになってるそう。
ミリオン作家なのにテラスゴスwww私は、出張のため、東京駅に行ったときに、例えば新幹線に乗るまで30分あるとすると、丸善丸の内本店に行って、自分の本のポップを書いたりします。ポップ1枚書くだけで売れるのでしたら、それはたいした手間ではありません。
◆実はこの記事を書く前に、某出版社さんから「販促のご相談」のようなものを受けたので、色々書き連ねたついでに、この勝間さんの「ポップ書き」の話も付け加えておきました。
「あの勝間和代さんでさえ、ここまでやってるんですよ」、と。
他にも、著者さんや出版関係者さんなら、線引きまくりであろうコンテンツが満載ですので、出版関係者の方は買って損なし!(マジで)
◆ところで。
本書を読んで感じたのは、この本こそ読者それぞれを「次のステージ」に誘うものなのではないか、ということ。
・まだ読書習慣のない方は、新書という気軽な形態ゆえに本書を手に取り、読書に目覚める
・読書習慣があるものの、読むだけに留まっている人はmixi日記やブログに踏み出す
・ネットで何か書く習慣がある人は、いよいよ商業出版に挑戦
・著者はブックマーケティングを学んで、ベストセラー作家に変身
これぞまさに、タイトル通り「進化」ですよ。
◆そう思いながら、ふと「おわりに」での勝間さんの最後のフレーズを確認したら、こうなっていました。
やはりそうでしたか!読書は私たちの力であり、私たちを進化させる心の栄養素です。これからも、ぜひ、一緒に進化していきましょう。
今、まさに進化のとき!
小学館
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【編集後記】
◆今日の気になる本。こうすれば必ず人は動く
名著「人を動かす」のシナリオ版といったところでしょうか。デール・カーネギーのラジオ講座のシナリオに改訂増補を加えて書籍化したもの。人の心を開かせて成功するためのノウハウのすべてをより具体的に突っ込んで解明した「現場再現シーン」も収録。
ご声援ありがとうございました!
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僕のところには今日届きます。
さて、魅力的なブログを書く方法がちょっとやばいです。見直さねば(汗)
最後は次のステージへのいざないのようですが、smoothさんの次のステージはは商業出版じゃないでしょうか(笑)
本日のレビューを読んで私も
ブログの表現をもう少し見直す必要が
あると痛感いたしました。
もしかしたら、来年4月前に
出版する可能性がありそういった意味でも
ブックマーケティングには必須の書籍ですね。
勝間さんのブログ Book Lovers で告知されているこの本の感想文コンクール?に参加してきました。
私も次の「ステージ」に進化したいものだなと思いつつ、自分なりの感想を書いてみたのですが、smoothさんのレビューをみて、自分の文章はまだまだだな、改善の余地があるなと思いました。
それにしても、絶え間ない改善作業というのも、なかなかできることではないですね。本当に勝間さんはすごい方だと思います。テラスゴスwwwはダテじゃないです。ええ、ほんとうに。
先ほど、読了しました。薦めていただいて、ありがとうございました。
一箇所だけ感想を。
どの本が自分に合うか『におい』で分かるという箇所には、思わずニヤリとさせられましたね。
僕も8割までは『におい』で感じる好みを信頼していいと思っています。
『におい』は、実際の書店でこそわかります。だからこそ本屋めぐりは止められぬ・・・♪
切れ味鋭い書評いつも楽しませていただいております。
次のステージで活躍される
smoothさんの姿、楽しみです。
10月1日に三省堂書店の神保町本店で開催された
講演会の内容を私のBlogに掲載しましたので
眼を通していただければ幸いです。
「魅力的なブログを書く方法」については、確かに一理ありますが、まぁ人それぞれでいいのではないでしょうか(笑)?
私は結構「土井メソッド」に影響受けましたが。
そして私の次のステージは、出版ではなく、ブログの方にあると思います。
>dougさん
出版の可能性のある方なら、「マジで必読」ですよ、この本は。
もちろん、コンテンツの質を高めるのは当然ですが、出来た本をいかに売るか。
できるできないは別として、まず読んでくださいマセ。
>Sioさん
えーっと、Sioさんの記事の方がよほどクオリティは高いと思いますし、コンクール向けだと思いますよ(マジで)。
私はそういう真っ当な世界とはちょっと違った世界に「最適化」しようとしてるんで(笑)。
Sioさんにはお話したことあるので、お分かりだと思いますけどねー(爆)。
そして勝間さんは、もはや影武者でもいないと、やってけないくらい多方面に進出してますよね。
間違えて、同時に2箇所でサイン会開催してたりして(笑)。
>丸山さん
なるほど『におい』のところにピンと来ましたか(笑)。
私は似たような感じで、「字の色や行間うんぬん」のところで、ニヤリとしました。
私もリアル書店ではその辺のところをチェックしてるので。
あ、あとこのブログの背景が黒であることは、華麗にスルーでお願いします(汗)。
>halatpopさん
いつもお読み頂きありがとうございます〜。
個人的には切れ味よりも、皆様に愛されることを意識したい今日この頃です(笑)。
ちなみに私の次のステージは、「恋愛ブロガー」なんですが(ウソ)。
そして、講演会のレポートありがとうございます。
後でしっかりチェックしに参ります!
神保町と言えば、かつての私のホームグランド(税理士試験の専門学校時代)。
時間があれば行きたかったです(涙)。
個人的には大好きなテーマなのですが、「本を書く」どころか「本を売る」ところまで踏み込んでしまうと、戸惑われる読者さんも多いみたいですね(汗)。
私は自分がアフィリエイトもやっているので、参考になったのですが(笑)。
多分もっと後になってから、この本は今よりもっと評価されると思ってます。