2008年09月26日
【プレゼン】「キラー・プレゼンテーション」は結構キテます!
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、掘り出し物(?)のプレゼンテーション本。たまたま別の本をリアル書店で探していたところ、偶然この本に出くわして即ゲットしたという。
アマゾンの内容紹介から。
確かにノウハウてんこ盛りでしたよ(汗)!誰でも「プレゼン上手」に必ずなれる必須テクニック。相手の心を動かす話し方から補助ツールの作り方・活用法、本番での効果的な進め方まで、すぐにできる即効ノウハウ77を満載。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
はじめに
Part 1 まずは頭のなかの作業から 〜リーダーシップ・マインドを身につける
01 「無意識のコンセンサス」のパワー
02 すべての視線を一身に
03 聞き手はいったい誰か ほか
Part 2 重要な紙の上での作業 〜マスター原稿とプレゼン原稿の作成
06 言葉には魔法の力がある
07 絶対にしてはいけない最大の間違い
08 すべてを盛り込むマスター原稿 ほか
Part 3 心に届く言葉の組み立て 〜スピーチ・ライティングの技法
21 心に絵を描く
22 耳に心地よいリズム感
23 韻の力を利用する ほか
Part 4 スライドの奴隷にならないために 〜グラフ、図表、ビジュアル要素の活用法
34 プレゼントは、スライドを読むことにあらず
35 ハリウッド流「ストーリーボード」
36 流れのあるスライド構成 ほか
Part 5 いよいよ本番! 〜成功させるための段取りとテクニック
53 ベストポジションはラストバッター
54 第2希望はトップバッター
55 同僚のヘルプでビジュアル操作 ほか
【ポイント】
■聞き手はいったい誰か
⇒聞き手の「Who」が、話し手の「How」を決める⇒これは聴衆(出席者)の構成によって、プレゼンの目的が決まり、その組み立ても決まってくる
■「最大の質問」は何か
⇒プレゼン原稿の作成に当たって、まず考えねばならないのが、この「最大の質問」⇒そして、この3つの最重要ポイントこそが、プレゼン原稿を書く際の柱になる最大の質問とは、「プレゼンが終わった後、聞き手が3つだけポイントを覚えていてくれるとしたら、何を覚えていてほしいか」ということです。
⇒原稿を書く作業では、この3地点を目指して論理を重ねていき、最終的にこの3地点を無理なくスムーズに回れるように論理が構成されていなければならない
■耳で聞くためのプレゼン原稿
⇒マスター原稿(すべてを織り込んだ原稿)は目で読むためのものであるのに対して、プレゼン原稿は耳で聞くためのもの⇒「目」ではなく「耳」のために原稿を書くのが、できるプレゼンターと普通のプレゼンターの違い
■刺激あるタイトルで興味を持たせる
⇒重々しくないテーマなら、軽いノリのほうが適切であり、ほとんどのプレゼンは、真面目であっても、重々しいテーマではないので、工夫を凝らしたクリエイティブなタイトルの方が好ましい⇒どんな小規模なプレゼンであれ、必ずタイトルをつけ、プレゼンの予定が社内で告知されるのであれば、日時や場所だけでなく、プレゼンのタイトルも入れてもらえるようリクエストする
⇒プレゼンで使うスライドの1枚目は、必ずタイトルのスライドとし、聞き手がプレゼンの部屋に入ってくる前からスクリーンに表示しておく
■耳に心地よいリズム感
⇒プレゼン原稿では、語呂とリズムを意識して文章を書くとよい⇒何かを覚えようとするときに語呂合わせやリズム感は大きな力を発揮するので、プレゼンターはこれを利用して、聴衆に覚えておいてほしいと思うことを調子のいいフレーズに乗せて記憶に刻み込んでしまうことができる
⇒プレゼン原稿は聞くための原稿であることから、言葉のリズムが特に重要であり、キャッチコピーやスローガンでは5・7調、7・5調がよく使われる
リズム感がある表現とそうでない表現の例
リズム感がない → インターネットと電話とテレビ
リズム感がある → テレビと電話とインターネット
■重要ポイントに「3つのルール」
⇒「3つのルール」とは、何かをリストアップする際に、必ず3つの項目にまとめること⇒3つのまとまりを頭韻(言葉の初めで韻を踏む)でくくれば、さらに効果が高まる(例:「労働環境の3K・・・きつい、汚い、危険」等)
■プレゼン原稿のプリントアウトは24ポイントで
⇒プレゼン原稿は最低でも20ポイント、理想としては24ポイントで印刷する⇒用紙もA4サイズではなく、「情報カード(京大式カード)」に印刷すれば、書いてある文字数が少なくなり、プレゼン中、カードにチラリと目を落とすだけで何が書いてあるか分かるため、聴衆の方を向いて話しているようにプレゼンできる
⇒用紙にはページ番号をふることを忘れずに!
■スライドが果たすべき役割
⇒良くできたスライドが達成する2つのこと「情報を伝える」
「感情的なインパクトを与える」
⇒それぞれのスライドがプレゼン中に表示される時間は非常に短いということを念頭におき、情報や感情の「過剰供給」は避ける
■イメージのインパクトを最大化
⇒印象的なイメージ1枚に説明を2,3語加えただけのスライドの方が、小さなイメージがたくさん入って、長々と説明が書き込まれたスライドよりも、はるかに強力なインパクトがある過去3年にわたって損失が続いた後、ようやく利益が出たことを説明するとします。ここで、できるプレゼンターであれば、損失と利益を示した各年の業績グラフなどというつまらないビジュアルは使いません。過去3年の損失について話している間は、どんより曇った荒海の写真を映し出し、利益が出たことを言及する段階で、明るい太陽が昇ってきている日の出の写真にスライドを切り替えるのです。
■表はなるべく使用しない
⇒グラフと違い、表組みはプレゼンのスライドとしては百害あって一利なし⇒どうしても表組みを使わなければならないというのであれば、できるかぎりシンプルにし、書き込む数字や文字を極力減らす(「非常に良い」の代わりに「★★★★★」など)
⇒5列または5行を超える表は、情報が多すぎるので避ける
■緩急の差にも意味がある
⇒プレゼンを効果的に伝える手段として、声のトーンや沈黙のほかに有効なツールとなるのが、「話すスピード」⇒単調なスピーチは、聞き手を退屈させるが、できるプレゼンターは、聴衆の注意力を維持するため、プレゼンのペースにメリハリをつけ、スピーチに起伏をつけることができる
⇒あまり説明の必要ない部分はサッと駆け抜け、重要な部分でペースを落とすことで、強調点を浮き彫りにする
【感想】
◆冒頭で述べましたように、ホントノウハウてんこ盛りの1冊でした。もちろん、他の本でも言われている内容(例えば「3つのルール」等)もあるのですが、本書の特徴として、プレゼンを資料の段階から「"見るもの"ではなくて"聞くもの"」と捉えていることによるノウハウが目に付いた感じがします。
「語呂合わせ」とか「リズム感」のみならず、ポイントで挙げなかったものの、「原稿はできるだけ短文で」というのも、「観衆にとってプレゼン原稿は耳で聞くだけの情報だから」、というのも納得。
◆また、すごく細かい点なのですが、「聞き手は誰か」という点に関連して、たとえば、「男性は、直線や角型に対して比較的ポジティブな印象を抱く」一方、「女性は、曲線や丸型に対してポジティブな印象を抱く」というお話も、目からウロコ(汗)。
話し方以前にスライド作成時点から考慮すべき、ということですね。
細かいと言えば、「部屋の照明に応じて、スライドの色を変える」というお話もありました。
これは、照明を落としてプレゼンをするのか、明るい部屋でプレゼンをするのかで、背景と文字の色を変えていくというもので、これもまた、原稿作成時点から考慮すべきことかと。
◆ちなみに上記のポイントで挙げた「緩急の差」は、私の数少ないプレゼン経験(新入社員教育の講師)で、唯一考慮した点でした。
いや、新入社員教育って、見てると面白いくらい皆寝てるんですよね。
実際、別の講師の授業を聴講していた私自身も、眠気に襲われましたし(汗)。
そこで自分が講師をやる際には、「緩急の差」プラス「声の大小の差」を意識してみたところ、結構上手いこといきました。
本書ではさらに、ちょっとした「飛び道具」も紹介されていますので、気になる方はご覧下さい(笑)。
◆他にご紹介していない中で気になったのが、「Bキータイム」の使い方。
これはプレゼンの途中で「スライドを消してしまう」テクニックです。
「スライドを消すことにどんな意味があるのか?」と思われた方は、やはり本書をご覧アレ。
念入りに原稿を作った上で、スライドに縛られず、さらに、スライドを消すことによってより一層の効果をもたらす、という上級テクニックは、私にとっては結構衝撃的でした。
◆結局のところ、プレゼンが成功するか否かは、目次の「01」にあった「無意識のコンセンサス」に集約されるのかもしれません。
その後「02」以降で展開される、スライド作成から、話し方、内容、動き方やアイコンタクトまで、最終的にはこの「無意識のコンセンサス」を作るためなのかな、と思った次第。あなたが静かな自信をみなぎらせ、オーソリティのオーラを出すと、聴衆は、ほとんど無意識のうちに暗黙のコンセンサスを作ります。聴衆がお互いに話すこともなければ目を合わせることもないのに、会場に共通の理解ができあがるのです。それは、あなたがこの場のリーダーであるというコンセンサスです。そして、リーダーの話に注意して耳を傾けはじめます。
例えがアレですが、「お笑いのライブ」とかって、お客さんの間では「笑う空気」ができあがっているじゃないですか。
プレゼンもそこまで昇華させられたらな、と(笑)。
◆・・・何だか「ポイント」の補足のようになってしまいましたが、それだけ泣く泣く割愛した部分が多かったということ。
ページ数に対する貼った付箋の数の割合は、かなりのものになっております(汗)。
唯一(?)難点を挙げるとすれば、イラストがビジネス書と言うよりは実用書のタッチだったことくらい(笑)。
ここはあえて気にせず(笑)プッシュさせて頂きます!
買って悔いなし!
【関連書籍&記事】
◆何やら当ブログで取り上げている「プレゼン本」は、当たりだらけな気がするので、記事と一緒に本もご紹介していきます。◆当ブログの8月の売上ランキング1位の強力本。
正攻法のプレゼン本としてオススメ。
(当ブログでの記事:【テク満載!】ブライアン・トレーシーの 話し方入門(2008年08月03日) )
◆これまた「オススメ」なプレゼン本。
新書ながらよくまとまっていてお役立ちな一冊です!
(当ブログでの記事:【おすすめプレゼン本】「SEのプレゼン術」克元 亮(2008年07月02日) )
◆こちらはマニアックな(笑)事例が気にならなければ、かなり強力!
当ブログでは2月の売上第1位を記録しております。
(当ブログでの記事:【スゴ本!】「理系のための口頭発表術」はかなりキテます!(2008年02月22日) )
【編集後記】
◆今日の気になる1冊。2003年に出た「会社の中で自分をブランド化する戦略」を文庫化に当たって、加筆、再編集、改題したものだとか。
テーマ的には当ブログとピッタリですね。
ご声援ありがとうございました!
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