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2008年09月21日

【モテ】「草食系男子の恋愛学」森岡正博


草食系男子の恋愛学
メディアファクトリー
発売日:2008-07-16
おすすめ度:4.5


【本の概要】

◆今日お送りするのは、当ブログ定番(?)の「モテ本」

タイトルにある「草食系男子」というのは、本書での定義ですと、「優しく、まじめで誠実だけれどなかなか恋愛に積極的になれない男性」を指すのだそう(一般的な定義と若干違うかも)。

ただ、実際には、「恋愛に積極的になりたいものの、どうしたらいいのかわからない」男子にも得るところ満載です。


◆ちょっと長くなりますが、アマゾンの内容紹介から引用。

「いい人」で終わりがちな「草食系男子」のために。
モテ本にはない「きちんと愛し、愛される男(ひと)」になる方法を伝授します。
優しく、まじめで誠実だけれどなかなか恋愛に積極的になれない男性=「草食系男子」。「いい人」で終わってしまいがちな「草食系男子」は実は多数存在する。
女性は幼い頃からマンガなどで「恋愛教養度」を高めているが、男性はそうした機会に恵まれず、いきなり恋愛の荒海へ放り出される。両極端である「オタク」化や「鬼畜」化はそうした現状にも起因している。
「モテ」なくてはいけない「非モテ」はイヤだ、というニーズは広くあり、世に「モテ本」が隆盛を極めているが、そこでの「モテ」とは「不特定多数の人に好意を持たれるためのテクニック」だ。
本書では、「モテる」とは「好きな人とつきあえること」とし、「そうした男になるためには、女の子の身になって考えたり、感じたりできるようになるのが一番大事」というメッセージを、ストレートに伝える。「暗い青春」を過ごしながら、年月を経て、「恋愛上手とは人間理解が深いこと」と悟った著者が、自らの実体験、また学問的アプローチから、会話やコミュニケーション、正しいエッチの知識などを解説していく。

結構付箋を貼りまくりましたよ!


2008.11.12追記

小飼 弾さんのブログでも本書が紹介されました。


むしろ肉食系が読むべき - 書評 - 草食系男子の恋愛学:404 Blog Not Found





【目次】

はじめに 私はなぜこの本を書くのか

第1章 女性に集中し、話をよく聴くこと~いまこの時の大切さを知る~

 1「私だけに集中してくれる」が女性の求めるもの
 2 心を通わせるための「話の聴き方」
 3「あなたを尊重しています」を伝えること

第2章 女性の「身」になって考えること~心とセックスと社会的位置を知る~

 1 女性の性について考える
 2 女性の心理について考える
 3 社会の中の女性を考える


第3章 成長したいと願い、夢を持つこと~魅力はどこから生まれるのか~

 1 己の劣等感との付き合い方
 2 「いい人」から「恋人」に変わるとき
 3 恋愛が私たちの人生にくれる最大の贈り物とは

エピローグ 暗い青春には意味がある
「草食系男子」のための読書案内


【ポイント】

■どうやって声をかけるか?

●まずは「あいさつ」から

⇒職場や学校で彼女と出会ったときに、「おはよう」とか、「こんにちは」と軽く声をかけてみる

人間関係が苦手な男性にとって、あいさつをするというのはとても難しいことだが、努力して何度かあいさつをつづけていると、しだいに自然な感じで声をかけることができるようになってくるもの


●雑談

⇒あいさつができるようになったら、次は、好きな女性と雑談をしてみる

⇒雑談にもっとも適しているのは、相手のプライバシーに立ち入ることなく、仕事人生の重い話題に入っていかないようなもの

⇒男性にとっては、女性との雑談は、「自分はけっして危険な人物ではないよ」というメッセージを伝えることのできる、またとないチャンス


■デートに誘う

●流れで誘う

⇒知り合いの男友達にしゃべるように、気負わずに、明るい口調であっさりとご飯に誘う

⇒何かの偶然の出来事を利用して、その勢いに流されるかたちで声をかける


●女性の心にいつもある「不安」

⇒女性にとっては、身の安全が守られているという感覚が、とても重要

夜道を一人で歩くのが不安なように、まださほど親しくない男性と初めてデートするときも、心のどこかにつねに不安が潜んでいる

⇒大事なのは、自分の「ふるまい」「行動」が、女性に威圧感を与えないように、居心地の悪さを与えないように、いつも気配りを欠かさないこと


■女性の話の聴き方

⇒女性が「自分のこと」をしゃべり始めたら、その話をけっして妨害することなく、相づちをうちながらじっくりと聴くこと

⇒なぜなら、「自分のこと」をしゃべり始めるときに、女性が第一に求めているのは、相手に自分の気持ちをありのままに受け止めてもらい、理解してもらうことだから

⇒できれば、彼女の話を自分の全身に「染み渡らせる」ような気持ちで聴くこと


■上手に聴くための3つの基本(抜粋)

⇒女性の話を聴くときは、相手の話の邪魔をしない程度に、「うん、うん」と相づちをうつ

⇒女性がしゃべっている途中で、分析や、解決の方法の提示や、否定的なコメントをしない


■女性の「プロセス主義」を理解する

⇒男性は目標を達成することに熱中し、目標に至るまでのプロセスそのものを味わう楽しみを忘れがち

⇒たとえばデートで「彼女と手をつなぐ」ことを目標にしたとすると、その目標を達成するために、「いつどこへ連れて行き」「そのまえにどこで食事をし」「どんな会話をすればいいか」というふうに逆算してしまう

⇒このとき、男性の頭の中は、自分で設定した課題をクリアすることでいっぱいになっており、デートのプロセスを味わう余裕はない

⇒女性の目から見れば、このような男性の行動は、非常に不自然でぎこちないものに映る


■「知識」ではなく「感じ方」「考え方」を示す

⇒一般的に言って、知識の量を競うようなオタク的な話題が女性に好まれないのは、男と趣味を共有しているのでない限り、女性はその世界に入っていくことができず、会話の中に自分の「居場所」を見つけられないから

⇒あなたの話を聴くことによって女性が求めているのは、「知識」ではなく、あなたという人間の「ものの感じ方」「考え方」「想像力の広がり方」等を、よりよく知ること

 たとえば、彼女との最初のデートのときに、あなたが吉野の夜桜を見てきたという話をしたとする(吉野は関西の桜の名所)。彼女は、もっと聴かせてという。
 そのときに、あなたが、吉野の桜が他の領域の桜とどのように違うのかという植物学的な知識をただ延々と語るだけだったとしたら、彼女はだんだんあなたの話に飽きてきて、話題を変えようとするだろう。
 なぜなら、彼女の求めているものは、さくらについての植物学的な知識ではないからである。彼女が聴きたいのは、あなたが夜桜を見たときに、あなたという人間がどんなことを感じたのか、何を考えたのか、何に感動したのか、夜桜を見ながらどんな想像をめぐらせたのか、ということなのである。それらを聴くことによって、彼女は、あなたという人間の内面性を知ろうとしているのである。


■劣等感とのつき合い方

⇒まず知っておくべきことは「自分が他人よりも劣っているから、そのせいでモテない」という考え方は間違っている、ということ

「他人より劣っている」という「事実」が、その人をモテなくさせているわけではなく、分と他人をたえず比較して落ち込んでしまうという「心のはたらき」が、その人をモテなくさせている

「開き直り」「ひがみ」は、人間的な魅力を奪い去るので、いまの時点での自分をまるごと認めてあげたうえで、開き直らずに、これからの将来のことを落ち着いて考えることができるようになれば、良い意味での「余裕」が生まれてくるはず

「真の自信」とは、他人との比較をやめたあとに生まれる、「控えめな自足」のこと


■女性が男性に求める「頼もしさ」とは

⇒何か思いがけない出来事がおきたり、危険な状況が迫ってきたりしたときに、「男性がおろおろしないこと」「男性が毅然とした態度を示すこと」「決断すべきときにはきちんと決断すること」「女性が危ない目にあいそうなときには女性を全力で守ろうとすること」

⇒「ご飯は何にするのか」「ドライブはどこへ行くのか」といったことをいちいち一緒に考えるのではなくて、「じゃあ、こうしてみない?」とスマートに提案してくれるような態度


【感想】

◆本書は、当ブログで今までご紹介した中では、比較的この本に近い感触がありました。


(当ブログでの記事:【モテ】「ベストパートナーになるために」ジョン・グレイ

特に、「女性の話の聴き方」あたりは、まさにそう。

ちなみに、目次にある『「草食系男子」のための読書案内』の中に、この「ベストパートナーになるために」もありました(「翻訳はよくない」そうですが(汗))。


◆一方で、同じ「読書案内」に反面教師として「モテる技術」が挙げられているのが何とも(汗)。

確かに「草食系男子」という定義からしたら、この本のように、「ナンパマニュアル」のような本は、許しがたいものがあるのでしょうね。

冒頭の内容紹介からの引用部分にも「不特定多数から好かれること」ではなく「好きな人とつきあえること」とありますし。


◆そして実際に、「草食系」であるがゆえに、本書は「気になる人がいるけどアプローチできない」というところがスタートラインになっています。

つまり、そもそも身の回りに「恋愛対象となりうる女性がいる」必要があるわけで、「周りに女性なんかいないよ(。´Д⊂) ウワーン!!」と言う場合は、まず対象を設定する必要があるわけで。

・・・って、そういう「周りに全然女性がいない」男子はどうしたらいいものか(汗)?


◆自分も独身時代は、職場や顧問先等で適齢期の女性と接触する機会は全くなく、「家と職場との往復だけ」をしていたら、おそらく今でも独身である可能性が高いです。

私の場合は、たまたま趣味(音楽)の集まりが男女比半々だったので、出会いというかつきあいがあって、何とかヨメをゲットできましたが(汗)。

ですから、『「会話する必然性のない女性」と会話するきっかけをつくる』という意味では、「草食系男子」にとっても、「モテる技術」のコンテンツも、全部が全部「無駄」ということもないのではないか、と。

著者の森岡さんは同意してくださらないと思いますがー(汗)。


◆個人的には、『女性の「プロセス主義」を理解する』で挙げられていた例が、若い頃の私にドンピシャでしたね~(笑)。

「手をつなぐ」なんて生やさしい(?)ゴールではなくて、もうちょっと先(AとかBとかCとか)でしたが。

最終ゴールのホテル施設(笑)のある駅まで、食事をしたレストランからどう移動するか、とか事前に考えまくり(笑)。←自動車ないんで

ひどいときには、施設への道に迷ってぐるぐる歩き回ったあげく、いきなり「疲れたからお茶飲もうか」と、テキトウな喫茶店に突入したり。

「非常に不自然でぎこちない」ですか、そうですか。


◆それともう1点。

「男性の頼もしさ」というお話に関連して、ヨメと婚前旅行でハワイに行った際に、「思いがけない出来事がおきた」ことがありました。

・・・って、単に予約してある部屋のグレードと、案内された部屋が違っていただけですが(笑)。

ただ、ヨメの手前「勘弁ならぬ!」と猛抗議をして、変えてもらったところ、「頼もしい」と思われたラシイです。

今の私は「アサマシイ」ですがー(汗)。


◆なお、今回は思いっきり割愛しまくった本書の第2章では、女性のカラダのこと、つまり生理や出産等についても言及されています。

こういう、「女性でないとあまり知らなかったりする知識」は、男性にとっては結構ありがたいハズ。

そんな知識を備えた上で、女性に対して優しく接することができるのが、モテる「草食系男子」なんでしょうね。


ガツガツお肉が食べられないアナタにオススメ!

草食系男子の恋愛学
メディアファクトリー
発売日:2008-07-16
おすすめ度:4.5


【関連書籍】

◆今回のご本とは全然違うベクトルを持った本。

「恋愛の資本主義ぶり」をあますところなく描いており、「身も蓋もない」ことこの上ないっす(涙)。

個人的にはかなりオススメ



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この記事へのコメント
               
smoothさん

こんにちは!
「モテ」と聞いて飛んできました(笑)

>「家と職場との往復だけ」
状態になっていますね。私の場合

対象(目標)の設定などある種
ビジネスに通じていますよね
モテ学は勉強になります!
Posted by hiro@平凡会社員の「多読」成功術 at 2008年09月21日 18:59
               
smoothさん、こんばんは。

本書は初めて知りました。ご紹介ありがとうございます。おすすめのもう一冊と一緒にアマゾンアタックさせていただきました。

「モテる技術」は「肉食系男子の恋愛学」とでもいうべき内容であちらはあちらでよい本です。そのまま実践するかどうかはともかく、根底にある考え方には学ぶべき点がありますね。
Posted by bestbook at 2008年09月22日 01:08
               
>hiroさん

モテと聞いて飛んでこられるとは(笑)。
読むだけではダメですけど、読むことによって、一歩が踏み出せるなら、それはそれで良いかと。
やはり、最低限の出会いはないと、つらいかもしれませんが。

>bestbookさん

お買い上げありがとうございます(涙)。
多分、おすすめ本の方が、bestbookさんは、ツボに入ると思います。
身も蓋もないんで(笑)。

そして「モテる技術」とは、「Push型」「Pull型」の違いであって、どちらかが正しいというのではなく、自分にあったものをやればいいのでは、と思うんですけどね〜。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年09月22日 02:28
               
こんにちは。

初コメントです。
sundobaと申します。

草食系男子にとっては、本書よりも「モテる技術」のほうが明確な指針を示してくれてありがたいのでは、と思ってしましました。
Posted by 書評の塊 at 2008年10月09日 17:05
               
>sundobaさん

初めまして。
コメントありがとうございます!

>草食系男子にとっては、本書よりも「モテる技術」のほうが
>明確な指針を示してくれてありがたいのでは、と思ってしましました。

うーん、思いっきりこの本の中で「反面教師」とか書かれちゃってますからねー(汗)。
私も、記事に書いたように、「何もしなければ女性と接する機会がない方」は、何らかしらのアクションを取るべきだと思うんですが・・・。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年10月10日 01:02