2008年09月18日
【Amazonキャンペーン有】「上司という仕事のつとめ方」松山 淳
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、かなり久しぶりのマネジメントのご本。私自身が個人事業主であり、部下も上司もいないため、マネジメント自体は個人的にはそれほど必要性は感じないジャンルなのですが、本書をパラパラ拝見して、人間関係に悩む中間管理職の方ならきっと響くであろう内容に思わず購入を決意(汗)。
私がもし脱サラせずにサラリーマンのままで過ごしていたのなら、今頃部下を抱えているのは間違いないでしょうし、絶対読みたかった1冊です!
なお、おしまいにアマゾンキャンペーンのお知らせもございますので、お見逃しなく。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第1章◎完璧な上司を目指さなくていい
1-1部下から陰口を叩かれるぐらいでいい
1-2上司は「矛盾」していてもいい
1-3カリスマ上司になんてならなくていい ほか
第2章◎自分らしい「リーダーシップ」でいく
2-1リーダーシップの発揮は人それぞれです
2-2リーダーシップとマネジメントの違いを知る
2-3ほめても叱っても怒ってもいいのです ほか
第3章◎部下育成に「決まり」なんてない
3-1部下に教えるとは、上司が教えられること
3-2部下が育つには時間がかかります
3-3問題の多い部下は組織全体の「問題」を象徴しているかもしれません ほか
第4章◎「やる気」は上司と部下の間を循環する
4-1上司だって「やる気」を失うときがあっていい
4-2あなたが提供できる「報酬」は何ですか
4-3他人から認められてこそ「やる気」は引き出されます ほか
第5章◎職場にはもうひとつの「問題」がある
5-1部下を潰してしまう上司がいる
5-2職場から会話がまったく消えている
5-3メールでばかり指示命令を出す上司がいる ほか
第6章◎直面する「困った」にどう対処するか
6-1「三年で辞める若者」を生み出さない策
6-2反抗する部下は「困っている」のかもしれない
6-3部下が「うつ病」ぎみになっている ほか
第7章◎「上司」としての自分の哲学をもつ
7-1多くの上司が孤独を抱えている
7-2手本となる上司がいたらどんどん真似する
【ポイント】
■強さとは、「固い」ことではなく、右に左に揺れる「しなやかさ」
⇒しなやかでいるということは、「矛盾」を受け入れるということ⇒現状の否定という「いま」との「矛盾」が、「未来の成長」につながる
⇒上司は少しぐらい矛盾する発言をしたっていい
■嫌いな部下がいるのは普通のこと
⇒自分の感情を否定することは、自分自身の存在を否定することにつながってしまうので、まず嫌いという感情を否定するのをやめる⇒大切なことは、嫌いという感情とどうつきあい、嫌いから何を学ぶか
⇒嫌いな訳を文字で書き出してみると、自分の感情が客観視できるようになる
⇒場合によっては、部下との関係が、幼い頃の親や兄弟との関係を反映していることに気づくケースもある
■苦手な部下はあなたを成長させてくれる
⇒苦手な部下の性格的な要素が、実は、「自分が欲しているもの、いまの自分に必要なもの」である可能性がある■リーダーシップの発揮は人それぞれ
⇒リーダーシップとは、「個別性」が強いものであり、「人それぞれ」である⇒研修や本で偉大な人が成し遂げたリーダーシップ論を学び、実践しようとしてできなかったとしても、気にする必要はない
「私が出会った優秀なリーダーたちに共通する唯一無二の特徴は、彼らがある一つのものを持っていないということだった。彼らは『カリスマ性』をほとんど、あるいは、まったく持っていなかった」(『経営革命大全』ジョセフ・ボイエット&ジミー・ボイエット、日本経済新聞社)
■リーダーシップとマネジメントの違いを知る
●どんな力なのか⇒リーダーは「未来」に軸足をおき、考え、行動する
⇒リーダーは、未来に何があるのか、どんな未来が待っているのかを部下に対して提示する(「ビジョンを示す」)
⇒マネージャーは、「いま」を大切にして、いま何をすべきかを考える
⇒マネジメントとは、管理しやすい状態へと職場を進化させ維持すること
●どうやって人を動かすのか
⇒リーダーシップとは、人間的な魅力で人を動かすこと
⇒マネジメントとは、「制度」「ルール」をもとにして人を動かすこと
■ほめても叱っても怒ってもいい
⇒人は「正対」されないと不快になる⇒ほめていようと叱っていようと、人が人に真剣に想いを伝えようとするとき、心は自然に相手と正対する
⇒ほめても叱っても根底に部下の成長を願う気持ちがあれば、想いは必ず届くので、どちらでも大丈夫
■部下に弱みを見せてもいい
⇒仕事に完璧さを求めるのは大切だが、部下が上司に求めているのは、「完璧さ」ではなく、「人間味」⇒部下との関係がギクシャクしているならば、必要なのは「自己開示」(「自分のこと、自分の思っていること、自分が感じていること」を他人に正直に話すこと)
⇒部下に本心を伝えることは、部下のやる気を2倍にし、失敗への恐れを半分にする
■部下に教えることは、上司が教えられること
⇒上司は、自分が「部下を教え育てることで、自分も教え育てられている」という自覚が大切⇒教えるとは、上司が伝えた知識を、部下が体得するまで待つことであり、そう仕向けることが、上司の教える力」
■恐れるべきは失敗ではなく、挑戦しなくなること
⇒「上司がはしごを外さない」というのは、「最後の最後は上司がなんとかしてくれる」ということ⇒「失敗学」について学ぶと、失敗の先にこそ成果や成功のあることを部下たちが学んでいく
⇒これを定期的に繰り返せば、誰かが失敗したときに、感情的に誰かを責めるのではなく、失敗の質や内容を問題にするようになる
■他人から認められてこそ「やる気」は引き出される
⇒どんな上司でも部下に提供できる「報酬」とは、「部下の存在を認めてあげる言葉による報酬」⇒人は他人から認められてこそやる気を出す
■非常識な新人を抱えたら
⇒彼ら彼女らは「自分が傷つけられる」ことを最も恐れている⇒OJTがすぐ始まってしまうのであれば、小さな成功体験を積めるようお膳立てし、結果が出たらその度に必ずほめ、しっかりと自己承認できるように、時間をかけて心を育てていくしかない大人であるあなたから見て不可解な行動は、本人がまったく自覚できずに無意識でそうしています。というよりも、自分を守るために、そうすることでしか生きられないのです。
⇒ただ、彼ら彼女らもなりたくて、なったわけではないことを理解する(一種の「時代の犠牲者」)
【感想】
◆スイマセン、やたら付箋を貼りまくって、前のほうから抜き出していったら、最初の4章からばかり拾ってしまいました(汗)。何せ、「もし自分が部下を持っていたら」という設定で読んでみたところ、知らないことだらけだったものでして(汗)。
実際、書かれていることは、「なるほど」と思わせられることが多く、部下との人間関係に悩んでいる上司の方、上司と部下に挟まれて悩んでいる中間管理職の方には、有益な内容が多々あったかと。
当ブログの年齢層を考えると、初めて部下を持たれたような方もいらっしゃると思うので、そのような方には、ぜひお読みいただきたいところです。
◆上記のポイントでは丸ごとカットしておりますが、本書は小見出しごとに事例が収録されており、その話も生々しいものが目に付きました。
この辺は2003年からメルマガを始め、多くの読者の声を集められた松山さんだからこそ実現できたと言えましょう。
そしてその「声」の多くが、松山さんが「サラリーマン生活で苦労した経験など一瞬で吹き飛ぶような」内容だったとか。
◆本書の「はじめに」には、こんな一節があります。
そう、本書は、今の時代に虐げられている「上司」という存在に向けて書かれたものです。巷にあふれる上司が手にする本は「リーダーシップ」「マネジメント」関係のものを含めて、最終的には「もっと強くなれ、もっと有能になれ」とばかりに、上司としての完璧さを求めるようなものばかりです。
完璧な人などいません。
完璧な上司もいません。
人は、ときにどうしょうもなく弱くなる存在です。
そんなときに手にする上司のための本が、あまりにも少ないことも、本書を執筆する動機づけとなりました。
◆私は幸か不幸か、「上司」にならずして会社を去りましたが、今の時代に「上司」として生きるのが、いかに大変なことかと思い知らされました。
もし、当ブログの読者の方で、今現在、上司として悩まれていることがおありでしたら、下記のアマゾンキャンペーンの「特典0」にありますように、松山さんの「個別メール相談」がございますので、検討してみてください。
本書を読んでも、ノウハウチックに直接的に仕事の効率が上がるというわけではございませんが、励まされたり、希望を見出される方がきっといらっしゃると思って、今般ご紹介させて頂いた次第。
また、まだ部下がいらっしゃらない方でも、「上司」というポジションの現状を理解した上で、ご自身の上司さんに接していただけると、お互いにとって良い結果になるのではないでしょうか?
マッチョじゃない全ての上司に捧ぐ!
【アマゾンキャンペーンのお知らせ】
◆本書には、昨日から開始されたアマゾンキャンペーンがございます!『「上司」という仕事のつとめ方』アマゾン・キャンペーン
期間は2008年9月17日(水)〜19日(金)の3日間。
特典も
0. メールカウンセリング(1万円/1ヶ月)をプレゼント
1. メルマガ『リーダーへ贈る108通の手紙』 ダイジェスト版(PDF 50P)
2. ブログ『リーダーへ贈る358の言葉』 ダイジェスト版(PDF 50P)
3. 個別面談・電話でのセッション料を今回限りOFF!!!
と盛りだくさんです。
詳細は上記リンク先をご確認下さい。
【関連記事】
【ストレス耐性】「凹まない人の秘密」アル・シーバート(著) 林田レジリ浩文(翻訳)(2008年04月24日)【両雄揃い踏み!】「初めての課長の教科書」の新聞広告にビジネス書評界の東西横綱が登場!(2008年03月22日)
【五者たれ!】「できる人の教え方」安河内哲也(2007年07月24日)
「だから、部下がついてこない!」嶋津良智(2006年09月30日)
【編集後記】
◆マネジメント系のご本が出たところで、もう1冊、紹介キャンペーンのお知らせを。こちらは、情報発信されている方なら見逃せない企画デス!
部下の「やる気」を育てる! ネットDE紹介キャンペーン
ということで、こちらは期間が長くて9月15日(月)〜10月20日(月)。ブログ、ミクシィ、メルマガ、アマゾン書評などネットで本書をご紹介頂いた方に特典をプレゼント!
特典は、以下の2つ!
紹介者特典1. 「部下のやる気を引き出す!」カンニングペーパーPDF版
紹介者特典2. リーダーが他にも知っておくべき「やる気の基礎理論」PDF版
これまた詳しくは、上記リンク先をご覧下さい。
ご声援ありがとうございました!
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拙著について、あまりにも素晴しいご紹介に、
一瞬、目頭が熱くなってしまいました。
これほどの評価をして頂けるとは、幸せものです!
本当に、本当に、どうもありがとうございます。
心から御礼申し上げます。
組織のなかで悩む上司の方々が、ちょっとでも本書のページをめくってもらい笑顔になってくれたら、これほど嬉しいことはありません。
ご紹介、本当にどうもありがとうございました!
著者様直々のコメントありがとうございます。
私自身があまりマネジメント本を読み込んでいないため、必ずしもツボ押さえているかわからないのですが、自分なりに書いてみました。
松山様の誠実さが伝わってくる良書だと思います!
今後ともよろしくお願いします。