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2008年09月16日

【今さらでつが(汗)】「スタバではグランデを買え!」吉本佳生




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、言わずと知れた(笑)ベストセラー「スタバではグランデを買え!」

先日水野俊哉さんの『成功本51冊もっと「勝ち抜け」案内』の記事で書いたように、やっとこの本も購入いたしました(遅すぎ)。

ご紹介というか、あまりに出遅れたので、もはや自分のための備忘録と化しておりますがー(汗)。

そこで今回は、まだ読まれてない方のためだけに、お送りします(笑)!


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【目次】

はじめに 同じモノがちがう価格、ちがうモノが同じ価格

第1章 ペットボトルのお茶はコンビニとスーパーのどちらで買うべきか?
 裁定と取引コストが価格差を縮めたり広げたりする

 同じモノがちがう価格で売られている理由は「取引コスト」
 取引コストが存在しなければ、裁定が価格を等しくする ほか

第2章 テレビやデジカメの価格がだんだん安くなるのはなぜか?
 規模の経済性が家電製品の価格を下げる

 薄型テレビの値下がり
 ライバルの蹴落としと海外への販売拡大 ほか

第3章 大ヒット映画のDVD価格がどんどん下がるのはなぜか?
 企業は、高くても買う消費者にはできるだけ高く売ろうとする

 高くても買う客には高く、安くしか買わない客には安く売る
 企業の平均コストと消費者の評価の間で価格は決まる ほか


第4章 携帯電話の料金はなぜ、やたらに複雑なのか?
 携帯電話会社はいろいろな方法で消費者を選別する

 異なるタイプの消費者には、異なる料金プランを用意
 代わりの方法がない人は高い料金を請求される ほか

第5章 スターバックスではどのサイズのコーヒーを買うべきか?
 取引コストの節約は、店と消費者の両方に利益をもたらす

 価格差はどれでも100円
 カフェ経営者のコスト計算 ほか

第6章 100円ショップの安さの秘密は何か?
 ときには、追加コストが価格を決める

 野菜ジュースの価格を付加価値に分解する
 100円ショップの安さの秘密 ほか

第7章 経済格差が、現実にはなかなか是正できないのはなぜか?
 所得よりも資産の格差のほうが大きな問題である

 所得格差より資産格差のほうが問題だが、解決は容易ではない
 自分の能力をきちんと把握していれば、いくらでも仕事はある ほか

第8章 子供の医療費の無料化は、本当に子育て支援になるか?
 安易に政府に頼る国民は、結局は大きなツケを負わされる

 赤字が続く公共事業をどうするか?
 子供の医療費の無料化が不公平を助長する

終章 身近な話題のケース・スタディ
 付加価値に分解して考える

《1》 意外にも、日本が石油製品の輸出を増やしているのはなぜか?
《2》 牛肉を、ステーキ店と焼肉屋のどちらで食べるか? ほか

おわりに 他人と同じだから得なこと、ちがうから得なこと


【ポイント】

◆お読みになられている方が多いと思いますので、ホントにメモ程度で。


■「取引コスト」とは

⇒「時間と労力(手間)、余分なお金の支出、他の資産の使用、心理的負担」といったものが、買い物の代金とは別にかかるとき、それを「取引コスト」と呼ぶ

⇒ライバルの家電量販店が特定の場所に集中しているのも「取引コスト」を考えた結果

⇒セブンイレブンは「ドミナント戦略」で取引コスト削減


■規模の経済性

⇒技術開発や生産設備建設などに巨額の固定コストがかかるような家電製品では、生産数量が拡大するほど平均コストが低下する(「規模の経済性」

⇒同様に、大量に販売する店は安く仕入れることができる


■範囲の経済性

⇒ひとつの製品がふたつの製品の機能を併せ持つ場合、共通のコストの部分で節約ができる(「範囲の経済性」

⇒携帯電話で何でもできるようになると、その分私たちの取引コストが節約できる


■価格差別

⇒映画DVDの値段がだんだん下がってくるのは「時間を通じての価格差別」によるものであり、それにより利益の最大化を目指している

⇒基本機能だけの製品では、企業はさほど儲からず、独自の付加機能で利益を稼ぐ

携帯電話の料金体系が複雑なのも、利用者の取引コストを高くする携帯電話会社による価格差別


■スタバにおけるコストの内訳

⇒取引コストの概念を広くとらえて、モノやサービスの取引を見ると、カフェにおける原材料にかかるコストは非常に小さいと言える

⇒Wサイズを注文することによって節約されたコストを客と店で分け合うと、双方が得することができる


■100円ショップの安さの秘密(抜粋)

⇒商品の「完全買い取り」

⇒原則現金支払いで仕入れ

⇒コンビにで人気が出なかったお菓子を賞味期限前に大量買い上げ

⇒納期をゆるやかにすることによる、工場の遊休時での生産(「追加コスト」


■「比較優位」の結論

⇒すべての面で絶対的な能力が高い人でも、誰かに助けてもらうことで、仕事の能率は高まる

⇒すべての面で絶対的な能力が低い人でも、自分なりの優位を発揮できる仕事が、必ずある

(具体例は本書を)


■「スタジオアリス」の子供ビジネスで客をつかむ秘訣

⇒子供の撮影をする場合には、うまく笑っている表情を撮影することが難しい(「いい表情のときに撮影する」or「カメラの前でいい表情をさせる」)が、スタジオアリスでは、今までなら撮影される側の問題だったこの点を、子供扱いのうまいお店のスタッフが努力して解決している

衣装やヘアセットや着物の着付けも無料

⇒何枚も撮影した上で、モニターで確認して注文

⇒トイザらスに隣接して出店し、消費者の取引コストを節約


■ソフトバンクの「値下げ宣言」

⇒「NTTドコモかauが値下げをした場合には、必ず24時間以内に対抗して値下げをする」と宣言したが、本当に値下げ競争が激化したら、体力があるNTTドコモやauに勝てないことは明白

⇒ソフトバンクの宣言は、値下げ競争への自信を示したものではなく、むしろNTTドコモやauの値下げを牽制する狙いを持つものと理解すべき


【感想】

◆ぶっちゃけ面白かったです(今さら(笑))。

出た当時、リアル書店で確認したうえで購入を見送ったと思うのですが、その理由がよくわからず(汗)。

やっぱ、あれですかね、同じように読んでない「さおだけ屋〜」と同じ匂いを感じたのか。

・・・って、アチラは相変わらず読んでいないので、同じかどうかもわからないんですが(笑)。


◆さて本書です。

タイトルの「スタバ」のお話ほか、見出しの「疑問」については、ストレートに答えを書かないように留意してみたツモリ。

ところがアマゾンのレビューで、いきなり結構スコーンと「答え」が書かれていて、拍子抜けしました。

ただ、それ以外にも興味深いネタや、私自身全然知らなかったネタがいくつもあったので、スタバの話がネタバレした程度では、本書の価値は下がりませぬ。


◆まず「なるほどー」と思ったのが、映画のDVDの例で説明されている、「時間を通じての価格差別」のお話。

段々値段が安くなるのは、てっきり売れなくなってきたから値下げしているだけなのだと思ってましたが、そんなに単純じゃなかったんですね(爆)。

実際、身近でも聖幸さんのように、「デトロイト・メタル・シティ」の初回生産限定版の一番高いヤツを購入される方もいらっしゃいますし(笑)。

(参考記事:「デトロイト・メタル・シティ で衝動買いについて反省した」:俺と100冊の成功本

さすが豪気な方は違いまする(汗)。


◆他にも、「100ショップが安い秘密」というのは、「潰れた会社の在庫を買い叩いているから」のだとばかり思っていました(汗)。

かつては、その理由も大きかったラシイのですが、今現在は、これまたそんなに単純なお話ではない模様。

確かに、上記のポイントで挙げた「追加コスト」の要素を加味しないと、デパートで1個1000円以上で売られているものと同品質のものを、100円ショップで販売できるハズがありません。


◆今まで当ブログでは、経済というと、「合理的な経済人」を前提とした経済学ではなく、「行動経済学」のお話を多く扱ってきました。

というのも、行動経済学の場合、単純に話として面白いから(笑)。

例えばメニューに「松」「竹」「梅」とあった場合、特に合理的な理由はなくとも、たいてい真ん中の「竹」を頼んでしまう、というのが行動経済学です。

ですからスタバでも、「ショート」「トール」「グランデ」とあったら、「トール」を頼むのがお約束(?)。

先日は本書を読んだ記念に(?)、思い切って「グランデ」を頼んでみましたがー(笑)。

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◆本書の場合、メインテーマが「取引コスト」なわけで、そうした行動経済学的な部分の前段階、つまり「どう考えると合理的か」という部分にスポットを当てていると思います。

ゆえに、内容によっては、理屈としてはわかるものの、感情的に納得できない(笑)という話もあったりして。

逆に言うと、そういうお話こそが、ある種のビジネスチャンスなのかもしれません。

今さらですが、読んでよかったと思った次第。


とりあえずまだの方は読んでみましょう!



【関連記事】

ヤバい経済学 [増補改訂版](2007年05月16日) はてなユーザーの評価

転ばぬ先の経済学(2007年01月26日) はてなユーザーの評価

「まっとうな経済学」ティム・ハーフォード(2006年10月23日) はてなユーザーの評価

「行動経済学」友野典男(著)(2006年07月20日) はてなユーザーの評価

「経済学的思考のセンス」大竹文雄(著)(2006年06月27日) はてなユーザーの評価


【編集後記】

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この記事へのコメント
               
ひさびさの登場です!

実は私も昨日これを読みました。
ただそれが言いたかっただけの登場でした(笑)。
Posted by 具太郎 at 2008年09月16日 10:20
               
こんにちは、smoothさん。
ご無沙汰しております。

実は昨日、本を整理しておりました。
(古本屋さんにもっていく為に)

で、この本もと思って手にとって、
パラパラって見てましたら、
売れない気持ちになって残しました。
今、捨てなくて良かった気持ちになってます。

ただ、それだけを書きに来ましたら、
具太郎さんは昨日、読まれていると …
いや、凄いシンクロですね。

コメントも久しぶりですが、
日々、読んでますので頑張ってください。
Posted by ケイエム at 2008年09月16日 12:52
               
smoothさん、こんにちは。

久し振りに登場です。ここ3週間ほど、仕事が多忙だったのと、体調不良でブログの更新もままならずな状態でした。

さて、smoothさんでもこういう少し古い
本を読むんですねぇ。なんだかいつも
最新刊ばっか紹介してるからそういう
信じ込みが出来上がってしまいました(汗)

これでより親近感が増したっす〜
Posted by LuckyUS@フォトリーダー at 2008年09月16日 18:41
               
>具太郎さん

ご無沙汰でっす!
てか、何故に今頃(笑)?
私も人のこといえた義理じゃないですが。

>ケイエムさん

これまたご無沙汰です〜。
私も毎日チェックしてますよ!
ケイエムさんのところでは、あわや古本屋行きでしたか(笑)。
なかなかよく出来た本だと思うので、私は多分処分はしません。
てか、全然処分してないんで、とんでもないことになってるんですが(汗)。

>LuckyUSさん

これまた久々な方が!
一時は全然更新がなかったので、ちょっと心配しておりました。
また、無理なく続けてくださいね!
私は常にイッパイイッパイですが(汗)。
ちなみに、今回この本を読んだのは、水野俊哉さんの「成功本」で紹介されていて、読みたくなったからです。
基本的には、古い本はやはり皆さんがご存知なさげなところを狙っております(笑)。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年09月17日 02:58