2008年09月09日
【キャリア形成】『自分のために「キャリア」を自分で創る』
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、当ブログでは隠れた人気ネタ(?)である「キャリア系」のご本。「薄いけれども中身は濃い」ことで知られる、ハーバード・ポケットブック・シリーズの第11弾です。
アマゾンの内容紹介から。
抜粋するなら全部すべきでは?という位、濃いコンテンツです!キャリアとは、人生の早い段階に下した 一度限りの決定で決まるものではありません。 むしろ自分の職業的成長とともに繰り返し見直し、 再決定していくものなのです。 本書で紹介するさまざまなツールを使えば、 以下のことが可能になります。
●キャリアアップのタイミングを見きわめる
●常に自分のスキルを見直して競争力を保つ
●自分に合ったキャリアアップの機会をピンポイントでとらえる

【目次】
はじめに−キャリア管理はなぜ大切か
第1章 キャリアを形成する 基本編
1 「キャリアの形成」とは何か
2 自分のキャリアは自分で築く
3 自分を知る
4 仕事における関心を探る
5 仕事に求める価値を明確にする
6 自分のスキルを評価する
7 今いる会社で成長する
8 他者のキャリア形成をサポートする
第2章 仕事のヒントとツール集
キャリア形成に役立つツール集
自己診断テスト
自己診断テストの正解と解説
よくある質問とその回答
【ポイント】
■転職しなくても成長できる
⇒キャリアを考える際に注意すべきポイントは、「転職したいという安易な誘惑に流されない」ということ⇒実際のところ、問題は会社にではなく、むしろ会社における自分の「役割」に問題があることが多い
⇒会社の中で成長するためには、
・現在自分が担当している役割の質を高める
・今あるものに加えて新しい役割を引き受ける
ことが必要
■自分自身を知る
●仕事における関心⇒最も情熱を持って取り組める仕事のタイプは何か?
●仕事における価値
⇒仕事から得られるものの中で、最も重視するものは何か?(給与、同僚との友好な関係等)
●仕事で使えるスキル
⇒身につけている仕事の処理能力の中で、最も有力なものは何か?
■昔と今の「雇用ルール」の違い(「はしご型キャリア」と「格子型キャリア」)
●昔→「はしご型キャリア」(抜粋)⇒出世の階段は上るか下りるかの2択
⇒勤続年数が長いほど、報酬も増える
⇒会社の成功は会社に任せればよい
●現在→「格子型キャリア」(抜粋)
⇒上る、下がる、に加えて「水平移動」も可能
⇒より多くを学び業績と貢献度を上げれば、それに応じて報酬も上がる
⇒会社の成功は、自分や同僚の働きにかかっている
■自分とは何かを明確にする
●自分の内面を見つめる⇒「自分が自分である所以」を探る
⇒自分の一生をイメージする
●他人の意見を聞いてみる
⇒職場の同僚の意見を聞く
⇒友だちにインタビューする
皆からの回答を集めたら、共通する要素をチェックしましょう。その要素こそ、あなたの関心、価値観、スキルを探るうえでの手がかりとなります。
●正式な評価ツールを使う
⇒CareerLeader(URLが明記されてなかったので自信なし)
■仕事上の関心の8つのタイプ
⇒8つの関心は、3つのカテゴリーに分けられる●「専門スキルの発揮」(抜粋)
⇒「開発・技術駆使タイプ」
物事の内部の仕組みに関心を抱き、仕事上の問題を技術的アプローチで解決することを追求する。数学、コンピュータ・プログラムなどに親しみ、現実を物理モデル化することを好む。
⇒「数値分析タイプ」
数学的な分析法を用いて問題を解決する(特に財務会計など)。
●「他人との協働」(抜粋)
⇒「カウンセリング・指導タイプ」
他者の成長を助け、仕事の中で人間関係を育む。
●「コントロール/影響力の発揮」(抜粋)
⇒「言葉・アイデアの影響力行使タイプ」
巧みな文章や話術によって人々を説き伏せる(相手は1人の場合もあれば、小グループ、もしくは大勢の観衆である場合も)。
■自分の関心タイプはどれか?
⇒たいていの人は、1〜3個程度の関心要素をあわせ持っている⇒自分の「核となる関心」を知るためには、各関心要素に見られる典型的な活動パターンを確認して、その中で自分が最も魅力を感じる活動をつきとめる
⇒自分の根本的関心を探るには、次のようなエクササイズも効果的(抜粋)
・時間を忘れて夢中になれること(仕事と関係ある、なしにかかわらず)は何か?
・うらやましいと感じる同僚はいるか?
■仕事に求める価値とは?(抜粋)
●定義⇒いくつかの特定の価値から成っており、それは仕事の報酬として得られるものに対する自分の価値観を示している
●金銭的価値
⇒金銭的な安定で、具体的には、定期的な給料、さまざまな給付金等
●仕事の内容的価値
⇒知的で多用な課題に取り組めること
●ライフスタイル的価値
⇒家族やレジャーなど人生における仕事以外の大切な活動に時間を割けること
■シフト可能なスキルを探す
⇒「シフト可能なスキル」とは、あらゆるビジネス環境で効果を発揮するスキルのこと⇒こうしたスキルを考慮に入れることで、仕事の選択肢が広がる
⇒さらに、新たな分野に挑戦するのに、新しいスキルをゼロから習得しなくてはならない、という誤った思考に陥るのを避けることもできる
■必要スキルを見きわめ、身につけるための5つのステップ(抜粋)
⇒自分が学ぶべきスキルは何か、なぜそれが必要なのかを明確にする⇒スキルの習得手段を選ぶ
⇒スキルの習得の戦略とスケジュールを立てる
■成長のチャンスを正しく学ぶ
⇒いくつかの成長チャンスに直面し、その選択に迷ったときは、次のように自分に問いかけてみる⇒自分を成長させてくれるポジションとは、むしろこの「一致」が不完全なもの●このポジションは、自分の関心、価値観、スキルに一致しているか
●なりたい自分になれるポジションか(すなわち、「どのような成長の機会を与えてくれるか」)
さまざまな試練にぶつかり、それを乗り越えるべく新たなスキルと知識を身につけ、自分を広げていく―そうしたインセティブを得られる仕事こそが、あなたを最も成長させてくれるのです。
【感想】
◆ここまでが本書の第1章で、以降第2章では、「仕事のヒントとツール集」「キャリア形成に役立つツール集」「自己診断テスト」「よくある質問とその回答」といったコンテンツが並び、内容的にポイントとして列挙できなかったため、まとめてカットしております。特にツール集はこんな感じで、ホントに「ツール」なんですよね(相変わらず画像がアレでスイマセン(汗))。

これまた、実際に使ってみないと本来の価値はわからないという仕様になっております(汗)。
◆一方、意外に(?)使えるのが「よくある質問とその回答」。
「問い」の部分だけでも、いくつか引用してみます。
実はこれらはいずれも付箋を貼った部分で、回答部分も含めてご紹介したかったのですが、全部引用となると結構長くなっちゃうので、これまた割愛しました(涙)。Q:「核となる関心」の8つのパターンは、どのようにして考案されたのでしょうか?
Q:キャリアについて考えるとき、最も陥りやすいミスを教えてください。
Q:自分の「核となる関心」を簡単に知る方法はありますか?
興味がおありの方は是非本書でご確認のほどを。
◆なお、本書の中では、社内の動向を知るために「社内のキャリアセンターに足を運ぶ」という項目があるのですが、これは、日本の企業の場合にはあるんでしょうかね(汗)?
5年かそこらでサラリーマンから足を洗ってしまったワタクシにはよくわかりません(汗)。
同じく、「キャリア・カウンセラーに相談する」という指示もあったものの、一般的にそんな方が会社にいらっしゃるのかどうかも知らず(本書では「多くの企業では、キャリア・カウンセラーが社内スタッフとして常駐しており」となっていました)。
ただし、外部にはこのような団体もあるようです。
特定非営利活動法人 キャリアカウンセリング協会
◆さて、本書はタイトルに「キャリア」とあったので、勝手に「転職」の話がメインだと思って読み始めたらあにはからんや。
お読み頂いてお分かりの通り、上記で挙げたポイントを含め、私のような個人事業主であってもためになるコンテンツが多々ございました。
実際、本書の「監訳者あとがき」にはこうあります。
いやー、「天職」とか言われちゃうと、今の自分の本業を考えた場合、かなり微妙ではありますね(笑)。←笑うところではない本書は企業組織の一員として働く人だけでなく、アントレプレナーも含めた経営に携わる人、フリーランスで企業から仕事を受託している人など、さまざまな分野でプロフェッショナルを目指す人々に向けてキャリアの頻繁な見直しを提案し、そのための具体的な方法を示している。
天職を探し続けている人、現在の仕事が向いているように思うがキャリアアップしたいと考えている人たちに、ぜひ本書をお読みいただきたい。そして、いち早く天職への近道を見つけられることを、切に願っている。
◆ちなみに、「仕事上の関心の8つのタイプ」における、自分自身のタイプを考えると、どう転んでも「言葉・アイデアの影響力行使タイプ」に落ち着きそうな(汗)。
上記のエクササイズも
・時間を忘れて夢中になれること
⇒ブログ書き
・うらやましいと感じる同僚
⇒小飼さんとか土井さんとか(笑)←同僚じゃないっつーの
・・・てな感じで、ますます本業から遠ざかっているんですがー(泣笑)。
自分の天職を見つけるために!
【関連書籍】
◆本書の巻末にあった参考書籍のうち翻訳本が出ているものを。評価は高いのですが、マーケットプレイスに大量放出中。ハーバード・ビジネススクール最終講義で 教授たちから贈られる珠玉のエピソード集
こちらは、マーケットプレイスのみで展開。学歴もキャリアも申し分なく、能力もあるはずなのに失敗してしまう、そんな人が周りにもいないだろうか。本書ではそんな人たちを、いばってばかりの「ブルドーザー」や、ルール破りが大好きな「反逆児」、変化を恐れる心配性の「悲観論者」など、12のパターンに分類している。
◆そしてこちらは、本書を含むハーバード・ポケットブック・シリーズの最新刊行分の、その他2冊。
あなたはおそらく1日のかなりの時間を 社内外での交渉に費やしているのでは? 正式な会談での折衝から、 部下や従業員との非公式の話し合いまで、 その形はさまざまでしょう。 交渉を成功に導くためには 熟練した交渉術が不可欠です。 本書を読めば、 このようなことが可能になるでしょう。
●交渉の基本タイプを理解する
●交渉を準備し、実践し、取りまとめる
●交渉相手との良好な関係を築き、維持していく
「この仕事は自分にしかできないから」と、 しょっちゅう残業している――。 こんな状況、心当たりはありませんか? 本書で紹介する「仕事の任せ方」のノウハウが きっと役に立つはずです。
●仕事を任せることを阻む壁を乗り越える
●仕事がスムーズに進むように依頼し、サポートする
●任せた仕事のトラブルに対処する
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【編集後記】
◆最近、ムスコに語彙が増えた(できた?)模様。
今までは「あー」しかなかったのに、「ばあーばあー(バイバイ?)」と言うようになりました(笑)。

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