2008年09月04日
【4つのタイプ】『「心の合い鍵」の見つけ方』は結構キテます!
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、表向きはセールス本ですが、実際にはコミュニケーション全般に使えるお役立ち本。人を4つのタイプ(ソーシャル・スタイル)に分けて、それぞれに応じたやり方で、相手にアプローチする、というお話です。
その4つとは以下の通り。
「アナリティカル」(分析的な)
「ドライバー」(ものごとを駆動するもの)
「エミアブル」(人当たりのよい、親しみやすい)
「エクスプレッシブ」(表現や表情の豊かな)
◆なお、帯には、
とまであります(汗)。フォーチュン500企業も続々採用。
30カ国以上、200万以上のビジネス・パーソンにその絶大なる効果は実証済み!
果たして、アナタのソーシャル・スタイルは?
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第1章 ナンバー1になるための教え
第2章 対応力を鍛える
第3章 ソーシャル・スタイルを使いこなす
第4章 アナリティカルに対する方法
第5章 ドライバーに対する方法
第6章 エミアブルに対する方法
第7章 エクスプレッシブに対する方法
第8章 使いこなすためのコツ
【ポイント】
■4つのソーシャル・スタイル
⇒自らのソーシャル・スタイルを知り、他者のソーシャル・スタイルの見きわめ方を1度知ってしまえば、後はあなたのスタイルを適応させればよい⇒迅速に相手の居心地のよさを高めて、後は肝心のセールスにぬかりなく行動を移し、製品やサービスで顧客を満足させればよい
⇒人口の3/4は自分とソーシャル・スタイルが違う以上、「自分がして欲しいように人に接する」というのは、4回に3回は間違い
⇒しかし「相手がそうして欲しいように相手に接する」というのは100%正しく効果的
■2種類の緊張
⇒どんなセールス状況にも「課題が引き起こす緊張」と「対人関係が引き起こす緊張」の2種類がある⇒「課題の緊張」があるということは、顧客は「何とかしなくては」という切迫感を抱いており、自分の抱えている課題に本腰を入れて取り組もうとしている(「生産的」である)
⇒「対人関係の緊張」は、「課題の緊張」を抑圧してしまうので、生産的ではない
■2つの次元「主張性」と「対応性」
●主張性⇒「いかにしてほかの人の考えや行動に影響を与えようとしているか」
⇒「問いかけるタイプ」の特徴(抜粋)
・考えながら話をし、間を置くことが多い
・話をするときには、いすの背にもたれることが多い
・自分で決めたことをはっきりと「こうだ」と言わない
⇒「断言するタイプ」の特徴(抜粋)
・話は速く、断固たる言い方をすることが多い
・身を乗り出すことが多い
・宣言するような言い方をすることが多い
●対応性
⇒ほかの人とやりとりしているときに、「どのように感情を表現しているか」
⇒「課題中心型」の特徴(抜粋)
・課題や事実について語ることが多い
・自分の感情や情緒をあまり表明しないことが多い
⇒「人間中心型」の特徴(抜粋)
・人や人間関係について語ることが多い
・自分の感情を自由におおらかに表明することが多い
●マトリクス化してみる
⇒「主張性」を横軸、「対応性」を縦軸にすると、四象限ができる
⇒「アナリティカル」・・・問いかけるタイプで課題中心型
⇒「ドライバー」・・・断言するタイプで課題中心型
⇒「エミアブル」・・・問いかけるタイプで人間中心型
⇒「エクスプレッシブ」・・・断言するタイプで人間中心型
課題中心型の対応性
↑
問 | 断
い アナリティカル | ドライバー 言
か | す
け | る
る | タ
タ ←――――――――――――――――→ イ
イ | プ
プ | の
の | 主
主 エミアブル | エクスプレッシブ 張
張 | 性
性 ↓
人間中心型の対応性
■対人関係で居心地が悪くなったときに最初に示す兆候
⇒「問いかけるタイプ」(アナリティカル、エミアブル)は「逃げる」⇒「断言するタイプ」(ドライバー、エクスプレッシブ)は「闘う」実際に走って逃げていくという意味ではないが、あなたを避け、電話をかけても折り返しかけ直してくれず、あなたと会う時間をつくろうとしない、などである。
プレッシャーがあまりにもきつくなると、食ってかかったり、強引な言い方をするなど、まずは「闘う」傾向が強い。
■緊張緩和の5K(抜粋)
●傾聴する⇒顧客が望んでいるのは、「自分を悩ませているものをあなたに知ってほしい」ということだけ
⇒状況の事実について議論するのではなく、敬意を持って耳を傾けること
●共感を示す
⇒すべきことは、決めつけたり議論したりすることなく、顧客の抱いている懸念に共感を示し、その状況を顧客がどう認識しているかを理解すること
⇒何があっても議論は避ける
●確認する
⇒自分が聞いたことを「あなたがおっしゃっているのは・・・」と言い換えて伝えることで、自分がしっかりと状況を理解する手助けを顧客にしてもらうこと
⇒顧客の問題の根本的な原因が本当に理解できるよう、質問をすること
■各ソーシャルスタイルの特徴
●アナリティカル(抜粋)⇒技術志向が強く、意思決定を行う前に、構造や確実性、証拠を求めることが多い
⇒事実と論理を重視するため、しっかりした解決策を見いだしたり、作り出したりする
●ドライバー(抜粋)
⇒効率的で、勤勉であり、最終的な結果をきっちり重視している
⇒自信、能力、自分で責任を引き受け主導する態度がある
●エミアブル(抜粋)
⇒物静かで、協力的で、人々の支えになってくれる
⇒ほかの人が自分自身に対して居心地よく思えるようにする
●エクスプレッシブ(抜粋)
⇒すぐ興奮し、よくしゃべり、直感的であり、「腑に落ちる」ことに基づいて行動する傾向が強い
⇒ほかの人の考えを、本人の夢や遠大なるアイディアで広げる能力がある
■ソーシャル・スタイル識別のための6つのポイント(抜粋)
●結論に飛びつかない⇒たとえば、ほかの人がビジネスの話をする前に、あなたについて知りたがったときに、「この人は課題に関心がないのだ」と思い込まないこと
●十分な情報を集める
⇒声が大きいというだけでは、エクスプレッシブだという十分な証拠にはならない
●ターゲットを絞って質問する
⇒ソーシャル・スタイルを識別するためには、4つのマトリックスの領域の特徴に関して質問していくこと
【感想】
◆上記ポイントまでで、本書の約半分(汗)。そこからは、各ソーシャル・スタイルごとの対応の仕方が120ページ弱展開されていきます。
これがまたかなり丁寧に書いてあって、至れり尽くせり状態。
ホントならそれらも根性(笑)で書いておきたかったのですが、最初の方でこのメソッドの著作権についてしっかりかかれており、勝手に自重しました(汗)。
◆以前ご紹介した「ストレングス・ファインダー」が「自分を知るためのもの」であるとするなら、こちらは「相手の居心地のよさを提供するためのもの」。
相手に合わせて対応を調整することによって、大きな成果を上げるというわけですね。
ですから、本来は「セールス」のためのメソッドなのですが、当然「会議」や「プレゼンテーション」にも使えるそう。
◆たとえば本書の翻訳者である枝廣さんは、ご自身は典型的な「ドライバー」であるがゆえに、単刀直入に結論だけを述べ、時間や効率を重視したい方。
しかし、講演等で「多くの人に伝えたい、わかってもらいたい」と思い、「どうすれば、自分と違うソーシャル・スタイルの人にもわかってもらえるか」を工夫し続けてきたとか。
その甲斐あってか、あるとき一緒にアンケート結果を見ていた人に、「これほど多くの人に『わかりやすい』『なるほどと納得した』と言ってもらえる人は、なかなかいませんよ」と言われたのだとか。講演の感想に、「結論だけでなく、データも示して欲しい」と書いてあれば、「この人はアナリティカルかな?確かにアナリティカルの人にはきちんと詳細を出したほうがわかってもらえる」とデータの説明を追加したり、「話が単調過ぎる。もっとメリハリを効かせたほうがよい」と書いてあると、「この人はエクスプレッシブかも。確かに私の話し方はいつも淡々としているからね」と、(ふだんはしない)身振りを加えたり、間合いの取り方を考えたり。また、聴衆の1/4はエミアブルでしょうから、(ふだんはしない)自分の個人的な話も織り交ぜたり・・・・・・少しでも伝わるよう、工夫を重ねています。
◆実際このメソッドは、一般的な職場でも活かせそうです。
上司や部下、同僚、他部門とのコミュニケーションの場において、相手のソーシャル・スタイルを意識して、対応してみる、と。
結局相手の居心地を良くするのが、キモなんですね(笑)。
◆また、なるほど、と思ったのが、手紙やメールの書き方。
事例で登場するある方は、自分がアナリティカルであるがゆえ、書類を論理的な順番に組み立てて作成されるそう。
しかし、相手が手ごわいドライバーである場合、このままではダメだと。まず、背景について述べ、主要なポイントに移り、最後に自分の結論や提案を書く、という具合です。
いったん、いつもの順番で書いた後、文章をひっくり返して、自分が最後に書いた結論にあたる部分を、文章の冒頭に持ってきて、詳細部分を末尾に移動させるのだとか。
◆参考までに、その方による文章のチェックポイントを。
ちょっとした心遣いが大きな違いをもたらしそうではあります(汗)。*ドライバーやエクスプレッシブには長過ぎないか?
*読み手がエミアブルやエクスプレッシブだったら、メールの最初に個人的なつながりについて触れているか?
*エミアブルやエクスプレッシブの読み手に対しては、自分がわくわくしていることを説明するのに、十分豊かな言葉を使っているか?
◆なお、一般的に自分自身のソーシャル・スタイルの判定は結構難しい(他人を判定するより)ようです。
上記では割愛しまくりましたけど、本書には詳細な判定基準が掲載されておりますので、興味のある方はご確認を。
ちなみに私は「エクスプレッシブ」だと思われ(「腑に落ちる」ことに基づいて行動していたり、「未来志向」であるのが、決め手)。
エクスプレッシブは「気に入ったものがあるとあちこちで話す」性格だそうなので、まさに「このブログのスタイルそのもの」だと再度納得した次第です(笑)。
ストレングス・ファインダーの次に来るのはコレだ(笑)!
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【編集後記】
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対象期間は「9月4日(木)0:00〜5日(金)24:00」の2日間。
特典は「『キラーコピーライティング7問7答』(約30分)』(非売品:語りおろし!)」だそうです。
これまた詳しくは上記リンク先へアクセス!
ご声援ありがとうございました!
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ご無沙汰しております。
私はコーチのタイプ分けのことは良く知らないのですが、「関係する」「似ている」と言及すること自体、上記に書いたように(著作権絡みで)問題となる可能性もありますので、ご留意下さいマセ(汗)。
というか、リンク先を見たら、
>弊社サイトへのリンクをご希望の場合は、お名前、ご連絡先、ウェブサイトの内容と目的、リンクするページのURLを明記して必ず事前にお申し出ください。
とあったので、直リンではないですが、URLは一応削除させて頂きました。
申し訳ございません。
smoothサン、エクスプレッシブでしたか(^^)このタイプの説明のトコで自分に思い当たり過ぎて失笑したデス。
聴衆のほとんどがエミアブル
というトコに、はっΣ( ̄□ ̄;)としました。
おっしゃる通り、職場でのコミュニケーション改善のヒントがある様デスネ。
別件ですが
築山先生のご本と同じく、一年以上経っても心の中から消えるコトはなく、ブログ拝見中にタイトルが何度も浮かんでいたご本を遂に
smoothサン(←ひとさまのお名前は文頭ネ♪)のブログから注文しましたぁ!!
思わず「あっ出来たぁ!」と(ご恩返しが出来る喜びのあまり)歓喜の声がもれました。
これからはsmoothサンのブログから購入出来ます♪
宜しくお願いいたします。
いえいえ、私の考えすぎかもしれませんが、一応、誤解する方もいる可能性があったもので(汗)。
またコメントお願いしますね!
>maechanさん
こちらこそ、せっかくのコメントを隠してしまってスイマセン。
ご本に対するお話なら誤解はないと思うのですが、何分私自身関連性についてどうかと言われるとわからなかったもので(汗)。
今後ともよろしくお願いします!
>瑠璃さん
私は多分合ってると思うのですが、ホントにそうかはわかりませんねー(笑)。
果たしてその実態は(汗)?
そして文頭にまで気を遣っていただき、ありがとうございます。
さらにとうとうお買い上げまで(涙)!
今後ともよろしくお願いしますね!