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2008年09月01日

【Amazonキャンペーン有】「弁護士が教える 気弱なあなたの交渉術」谷原 誠




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現役弁護士さんによる「交渉術」のご本。

著者の谷原 誠さんは、小さい頃は気弱で、相手に言い返すことができない少年だったそう。

それがどうして現在は、弁護士として活躍できるようになったのか?


◆そのヒミツのカギを握るのは、どうも当ブログでもお馴染みの本、「影響力の武器」にあるらしいです(汗)。

これは、私としても見過ごすわけには参りませんよっ!!

アマゾンキャンペーンのお知らせもありますので、今日も最後までご覧下さい。


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【目次】

序章 気弱なあなたのままで、交渉は突破できる

1章 あなたはどこで負けている? タイプ別負けパターン分析

2章 話ベタ・交渉ベタだからこそあげられる成果がある
 ・赤ちゃんこそ最強のネゴシエーター
 ・まず、勝ち負けという考えを捨てる
 ・「自分から折れたくない」そのプライドで損をする ・話しすぎないからミスを防げる ほか

3章 これなら勝てる! 気弱な人のための逆転交渉術
 ・相手に“聞く耳”をもたせる大原則「まず、聞く」
 ・「ここだけ」「いまだけ」で相手を動かす、3つの「限定法」
 ・強く押せなければ「質問」でさりげなく要求しよう ほか

4章 「NO」と言えないあなたのための お断りの技術
 ・「お断り」するための6つの基本スキル
 ・「クロスカウンター」でこちらの要求も通す
 ・1回目は涙をのんでも、2回目からは断わる方法

5章 弁護士直伝 交渉シナリオの作り方
 ・ブレーンストーミングで交渉パターンを網羅
 ・「落としどころ」を見越した交渉シナリオを練る
 ・シミュレーションで確実に落としどころに導く ほか

6章 その場で動揺しないために 当日までに備えたいこと
 ・交渉場所は自分のテリトリーに
 ・準備ができていなければ電話にも出るな
 ・要求を出すのは「先」と「後」のどちらが有利? ほか

7章 実践! 3つのケースでわかる交渉テクニックの使い方
  <ケーススタディ1> 代金の回収を命じられた横山さんのケース 「期限」を切って相手を動かす
  <ケーススタディ2> 意に沿わぬ異動を命じられた小田さんのケース 脅しをかけるなら友好的に ほか

終りに 気弱なあなたが、最強だ


【ポイント】

■ハーバード流交渉術
●原則

1.人と問題を分離せよ
2.立場でなく利害に焦点をあてよ
3.行動について決定する前に多くの可能性を考え出せ
4.結果はあくまでも客観的基準によるべきことを強調せよ


●問題点

⇒ハーバード流交渉術は、相手が理性的になって、はじめてその力を発揮できる

⇒よって、紛争の当事者がけんか腰で、理性的でないと、力を発揮することはできない


■人間の本質をつく交渉術
●「影響力の武器」との出会い

影響力の武器[第二版]
誠信書房
社会行動研究会(翻訳)
発売日:2007-09-14
おすすめ度:5.0

⇒人間は感情の生き物であり、何かを決断するときには、まず感情で「決断したい」と感じ、それを理論で正当化できたときにはじめて決断する


●感情と理性のバランスを取る交渉術

⇒自分の主張だけでなく、相手の立場・主張に十分気を配り、相手の自尊心を傷つけないようにしながら、こちらの主張を受け入れさせていく

⇒感情的に攻撃されても、その相手の感情に配慮し、理性で選択を迫る


■タイプ別負けパターン分析(抜粋)
●善人「うらなり」タイプ

相手のことばかり気を使ってしまい、そのせいで自分が不利になる

★鉄則:「相手に有利なことを言わない」「自分の要求を表明する」


●人の言うことをすぐに信じる「子供」タイプ

⇒交渉では「虚々実々のかけひき」が行われるのに、相手の言うことをすぐに信じてしまう

★鉄則:「人は信じても、事実は検証せよ」


■話ベタ・交渉ベタだからこその交渉のポイント(抜粋)
●変なプライドを捨てて、譲歩すべきときは譲歩する

⇒交渉において大切なことは、自分が最大限利益を得ることであるから、勝ち負けの概念を捨てて、利益の確保を優先すべき

⇒相手の自尊心プライドに気を配り、適切なタイミングで譲歩することで、相手からの歩み寄りを引き出すことが可能になる


●自分と相手の力関係に気を配る

⇒双方の力関係的確に分析できるかどうかが、交渉の成否を大きく左右する

なぜなら、自分の力が弱いのに、強いと誤信していたら、譲歩すべきときに譲歩できず、後で大損害を被ります。逆に、自分の力が強いのに、弱いと考えて譲歩していたら、当然、損をしてしまいます。


■交渉で引き出したい5つの情報(抜粋)
●相手のニーズ

相手のニーズを満たす条件を提示し、こちらの最大限の満足を図る


●相手の強みと弱み

⇒相手の強みは無視して、弱みを徹底的に攻撃する


●相手の期限

⇒相手の期限ギリギリまで粘って譲歩を引き出す


■相手を動かす3つの限定法(抜粋)
●期間限定法

「この価格でご提供できるのは、本日限りです」


●数量限定法

「残り38個です。売り切れたら販売終了です」


■必勝ツール「仮に話法」
「仮に話法」とは、「仮に○○だったら、どうですか?」という質問を行うことによって、相手の情報を引き出すテクニックのこと

「仮に価格でご満足いただけたら、ご購入いただけるということでよろしいですか?」という質問をすることで、「相手が問題としているのは、後は価格のみである」という情報を引き出すことができる

⇒またこの質問に対し、相手が「イエス」と答えたとすると、相手にとっては「価格で満足した場合には購入する」という約束をしたのと同じことになるので、他の点をもち出して交渉することが難しくなる(「一貫性の法則」


■「YES BUT」話法を使わない
⇒いったん「その通り」といっても、その後で「しかし〜」とつなげてしまうと、相手は一旦解除したのに再度武装してしまう

⇒そのためには「しかし〜」という接続詞を使わない

もし、「値段が高いですね」と言われたら、
「その通りです。だからこそ、最高の性能を搭載しています」
「まったくその通りです。値段が高い理由をお知りになりたいのですね。いまからその理由をお教えしましょう」(後略)

⇒実は「高くありません。なぜなら〜」と同じことを、「その通りです」から展開している

「その通りです」で一旦同意し、そのあとは「しかし」を使わずに意見を述べる


■「お断り」するための6つの基本スキル(抜粋)
●暗にイエスの余地を残す

時を分割する――「いまはダメ、でもいずれ・・・」

要求を分割する――「これはダメ、でもこちらなら・・・」


●理由をつける

⇒相手の要求を断る場合には、なるべく理由をつけたほうが断りやすくなる

⇒人は「〜ので」をつけられてしまうと、盲目的に、論理的な理由があるものと感じてしまう


●決裁者の意見にする

⇒「私も頑張ったのですが、どうしても社内で決裁が通りませんでした


■感情→理性の流れで相手の心を動かす「脳内コントロール」
⇒私たちは、まず感情が動き、その後、理性が働いて、それが正しいかどうか、論理的かどうかを判断するようにできている

⇒人間は、感情が先に動いた場合には、理性は感情を正当化するよう働くが、理性が先に動いた場合は、理性が冷静に判断を続ける

テレビショッピングでも、まず視聴者の感情を動かす映像を先に出し、感情が「欲しい」となったころに分割払いや値段、返金保証等の理性への働きかけを行っている


【感想】

「弁護士」さんの書いた「交渉術」の本ということで、企業同士の合併等のハードなネゴの話かと思って一瞬身構えたのですが、あにはからんや(笑)。

取引先との価格交渉や、セールス等、私たちの生活に密着した話題が、幅広く展開されていました。

第7章では「交渉テクニックの使い方」として事例が3つ載せられているのですが、その中の「意に沿わぬ異動を命じられたケース」というのは、結構想定外(汗)。

実際に意図せぬ異動を経験した私にしてみれば、「なるほど、社内ではこうやって交渉すれば良かったのか」・・・って、今となっては「後の祭り」なんですがー(涙)。


◆さらには上記の「脳内コントロール」のところでは、「デートの誘い方」まで(笑)。

「今度の土曜日食事しない?」
と誘うと、相手は、「あなたという人間と食事をするかどうか」という観点から判断してします。それだと、「ちょっと忙しくて」と断られてしまうかもしれません。

んじゃ、どうするの?というお話については本書をお読み下さい(爆)。

ここに書かれているやり方自体は知ってましたが、これが「感情⇒理性」の「脳内コントロール」を応用していたとは気が付きませんでしたよ(汗)。


◆ちなみに私自身は、上記の「タイプ別負けパターン」だと、『善人「うらなり」タイプ』に該当しそうです。

相手のことを慮っていることを示そうと、つい「相手に有利なこと」を言っているような(汗)。

本書の事例では、値上げ交渉をしている場で、「御社も、弊社以上に苦しいとは思います、いつもギリギリの価格設定をしていただいて、ありがとうございます」とこちらから言ってしまって、取引先から「ギリギリであることは、ご理解いただけますね」と返されて、結果、押し切られているという。

  (´・ω・`)ショボーン

・・・って、「まんま私ジャン(汗)!」


◆本書は上記で触れたように、「影響力の武器」の影響を受けています。

今まではこの手の関連本としては、その心理学的テクニックを存分に活かしうる「セールス系」が多かったと思うのですが、逆にセールス以外のお仕事の方だとセールスマン等に対する「盾(たて)」の役割しか、なかなか果たしようがありません。

しかし本書を読むと、日常の仕事においても十二分に「矛(ほこ)」として用いることができるんじゃないか、と思えたワタクシ。


気弱じゃない人でも一読の価値、「大」です!



【アマゾンキャンペーンのお知らせ】

◆本書の発売を記念して、アマゾンキャンペーンが行われます。

日本実業出版社『弁護士が教える 気弱なあなたの交渉術』アマゾンキャンペーンページ

対象期間は、9月1日(月)から2日(火)の2日間

特典は次の2つのPDFファイル。

その1 交渉直前のあなたを勇気づける気弱交渉「最後の鉄則」

本書を読んで気弱な人のための交渉の仕方を知っても、実践となると不安なもの。
そんな心配を吹き飛ばす、気弱交渉術「最後の鉄則」をお届けします。
特典のために谷原氏が書き下ろした、キャンペーンでご購入いただいた方のみの限定プレゼントです。
交渉直前に読み返せば、自信をもって交渉に臨めます。

その2 「映画で学ぶ交渉術」

もう1つの特典は、より現実のやりとりに近い雰囲気で交渉術を身につけるための「映画で学ぶ交渉術」です。
映画「交渉人」のいくつかのシーンをもとに、そこで使われる交渉のポイントを解説していきます。

おぉ!あの「交渉人」のポイント解説ですか!

これはなかなか面白そうな・・・。

詳しくは、上記リンク先をご覧下さい!


【関連記事】

【論理的な話し方】「ロジカル・コミュニケーション」安田 正(2008年05月10日) はてなユーザーの評価

【速報!】最強のビジネス本「影響力の武器」の[第二版]がいよいよ登場!!(2007年08月18日) はてなユーザーの評価

「催眠誘導」石井裕之(2007年02月19日) はてなユーザーの評価

「絶妙な「聞き方」の技術」宇都出雅巳(2006年11月07日) はてなユーザーの評価

「心脳コントロール社会」小森陽一(著)(2006年08月03日) はてなユーザーの評価


【編集後記】

「何この狙いっぷり(汗)?」超文系であるにもかかわらず、私がつい買ってしまった1冊。


うーん、どんなものか・・・。


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この記事へのコメント
               
smoothさんこんにちは!
「気弱なあなたの交渉術」ポチらせて頂きましたっ!
私は気は強いんですが、交渉ごとになるとついつい譲歩してしまいます…。今までは会社の看板があって色々と守られてましたが、これから自分が継ぐとなると交渉は全て自分の責任・判断になります!
この本は助けになりそうですね。アマゾンキャンペーンにも参加しました!ありがとうございます。

Posted by 二代目 at 2008年09月02日 13:09
               
>二代目さん

こちらこそアマゾンアタックありがとうございます(涙)。
この本、「影響力の武器」が参考になっているとかで、私自身読んでいて「なるほど」と思うことが多かったです。
二代目さんも人が良さそうなので(笑)、この本読んで勉強して下さいマセ。
あ、あとご紹介ありがとうございました!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年09月03日 04:02