2008年08月26日
【ボトルネック】「思考のボトルネックを解除しよう!」石川和幸
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、おなじみディスカヴァーさんの自信作(汗)!以前干場社長とお会いした際に「隠し玉」と言われていた曰く付きの1冊です。
アマゾンの内容紹介から。
ボトルネックの改善で、私もいよいよ本領発揮なるか(汗)?一般に、仕事の場で頭がよいといわれるのは、どういう人なのか?
自分自身の仕事の場での頭をよくしていくには、どこをどのように高めていったらいいのでしょうか?
本書では、頭の良さは、
情報(マテリアル=情報量)×手法(メソッド=思考法)×技能(スキル=訓練)
によって決まると定義しています。そして、制限を加えている部分=ボトルネックを見つけ、 それを解除することによって、本来もっている能力を最大限に発揮していくこと、それが本書の目的です。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第1章 ボトルネックって何だ?
ボトルネックって何だ?
ボトルネックが「縛る」世界 ほか
第2章 「知識」のボトルネックを分解する
「知識」のボトルネックの枠組み
頭のよさの3つの要素「情報」―「手法」―「技能」 ほか
第3章 情報のボトルネックを解除せよ
これが情報のボトルネックだ!
知らないことは高くつく ほか
第4章 手法のボトルネックを解除せよ
手法とは、情報をフォーマット化する知識
手法(メソッド)は情報をレバレッジする ほか
第5章 技能のボトルネックを解除せよ
技能のボトルネックとは?
兵法読みの兵法知らず ほか
第6章 「知識」のボトルネックを改善しよう
自分の「知識」のボトルネックを見つけよう
ボトルネック改善のステップ ほか
第7章 「選択」というボトルネック
「知識」も無駄になる「選択」というボトルネック
自分の居場所を選ぶ選択が、成果を決める ほか
第8章 最後のボトルネック、「生/活力」のボトルネック
生きる力のボトルネック
「健康」のボトルネック ほか
【ポイント】
■ボトルネックとは?
⇒系(システム)のアウトプットが制限される制約条件のこと⇒本書の眼目は、人間の思考システムに内在するボトルネックを明確にし、ボトルネックを解消する方法を明らかにすること
■物理的なボトルネックの問題と改善
●3つの問題(抜粋)⇒ボトルネックがリミッターになってしまう
⇒ボトルネックを超える、ボトルネック以外の能力はムダにされる
●改善の5つのステップ(抜粋)
⇒ボトルネックを特定する
⇒他を、ボトルネックに同期させる
⇒ボトルネックの能力を引き上げる
■思考のボトルネックの3つの「軸」(抜粋)
●知識のボトルネック・「情報(マテリアル)」
・「手法(メソッド)」
・「技能(スキル)」
●選択のボトルネック
・「認識(Recognition)」
・「選択(selection)」
・「前提(Assumption)」
■知識のボトルネック
●情報(マテリアル)⇒情報は、何をするにしても必要な素材
⇒多ければ多いほど、かつ精度が高ければ高いほどよい
⇒新しければ新しいほど、他人に差をつけることができる
●手法(メソッド)
⇒情報を扱う「手法」をどれだけ知っているか(「フレームワーク」)
⇒「手法」は、考えるスピードや質をあげることができる、レバレッジ(てこ)
●技能(スキル)
⇒情報(マテリアル)と手法(メソッド)を実際に使いこなすための技術
⇒「知っている」ことと「できる」こととの間には大きな差がある
●ボトルネックを底上げする
⇒知的な成果を最大化するためには、「情報」「手法」「技能」のボトルネックを可能な限り底上げしておく必要がある
⇒3要素すべてがそろうことが重要では「知識」のボトルネックを、チャーハンを作ることでたとえてみましょう。
チャーハンは、なかなかおいしく作るのが難しいものです。おいしいチャーハンを作る要素は、1.材料と道具、2.作り方、あとは3.経験、といったところでしょう。
つまり、1.材料と道具は情報(マテリアル)、2.作り方は手法(メソッド)、3.経験は技能(スキル)です。
■ボトルネックの改善
●情報⇒情報が足りないのであれば、「効率的にやみくもに」情報を仕入れる
⇒仕入れている間に、仕入れた言葉や情報の取捨選択の質・精度が上がっていく
●手法
⇒集中的に学ぶべき
⇒手法を学ぶ過程でフレームワークを獲得できれば、情報の取捨選択が容易になる
●技能
⇒練習を重ね、実践力が不足している点を解消しておく
●レバレッジ効果
⇒「情報」「手法」「技能」のどれかが突出している場合、他の要素も引き上げられる可能性が高くなる
●相乗効果
⇒各要素は伸ばせば伸ばすほど、相乗効果を発揮していく
■生産性と「時間」の扱いの2つのアプローチ
●付加価値時間最大化と非付加価値時間最小化⇒時間には付加価値を生む時間と付加価値を生まない非付加価値時間があり、この非付加価値時間を最小化して、使っている時間を可能な限り、付加価値時間にする
●時間当たりの出来高(Output)最大化
⇒同じ時間を使って、出来高を最大化する
■ECRSの魔法(抜粋)
●Eliminate(なくせないか)⇒まず、意味のないことはやめてしまう
⇒非付加価値作業をやめれば、付加価値作業に使える
(例:「直行・直帰にして通勤時間を減らす」等)
●Combine(いっしょにできないか)
⇒付加価値へのマルチタスク化
⇒非付加価値時間を付加価値時間と一緒にする
(例:「通勤中に本を読む」等)
■エフェメラライゼーション(行為の短命化)
⇒何度も同じことをするなら、1度で済ませられないか(例:「銀行の自動引き落とし」等)
⇒「テンプレート化」「マニュアル化」「チェックシート化」
■情報のパフォーマンス改善(抜粋)
⇒「読み込みの高速化」(速読、フォトリーディング等)⇒「書き込みのデュアル化」(オーディオブック等)
■MECE
⇒きちんと全部を網羅したのか、ダブって考えていないかに気をつける(「ダブリなし、モレなし」)⇒このとき大事なのが「同じレベルで細分化し比較する」こと
⇒MECEができるためには、スコープの設定(全体の範囲をどう設定したか)が不可欠
■技能のボトルネックの解除
●机上練習⇒何度も「練習」する
⇒「シミュレーション」する
⇒「ケーススタディ」で現実に当てはめてみる
●実地練習
⇒楽しみながら一人でもできる「ゲーム」
⇒一定のルール下で行う「ディベート」
⇒複数で役割分担する「ロールプレイング」
⇒師匠について本番で学ぶ「見よう見まね」
詳細は本書を(汗)!
【感想】
◆最後の方はお得意の飛ばしまくりで済ませてしまいました(汗)。いやー、まずいっす。
何がまずいって、本書のキモである部分に全く触れてないということ(汗)。
実は本書のあとがきにはこうあります。
・・・まだそこまで到達していない(涙)。そもそも執筆のきっかけは、ディスカヴァー・トゥエンティワンの干場弓子社長と「知識や頭のよさよりも、<選択>のボトルネックがパフォーマンスを左右する」という雑談をしたことでした。
◆ただ、本書は上記『思考のボトルネックの3つの「軸」』でいうところの最初の軸である「知識のボトルネック」についての部分だけで、冒頭から第6章までの200ページ強を費やしています。
今回ポイントとして挙げたのは、ほぼここまで(これでも結構端折ってるんですが(汗))。
このすぐ後からメインディッシュ(?)の第7章が展開され、最後の第8章へと続いていくわけです。
・・・以前勝間さんの勉強本の記事書いたとき以来の端折りっぷり(汗)。
◆実際、この「知識のボトルネック」の部分だけの書籍であっても、何ら問題なかったと思います(ページ数的にも)。
そもそも、今現在出回っている本のほとんどが、「情報」「手法」までの範囲に留まっているのに対し、本書ではその先の「技能」にまで言及しているわけですし。
ただ、この「選択のボトルネック」がいかに大切かについて、著者の石川さんはあとがきでこう言われています。
「知識」はいくらでもつけられます。しかし、「選択」のミスは、「知識」のボトルネックをいくら解除しても、よりハードなボトルネックになります。本書の眼目は、小手先の手法以前に、思考過程に潜む最強のボトルネック、「選択」のボトルネックを理解し、操作することなのです。
◆ここまで書かれて、「選択のボトルネック」について何も書かないわけにはいきませんので、選択のボトルネックを決める「要素」だけでも簡単に。
認識:自分はどこにいるのか
選択:自分はどこに行くのか
前提:自分が思い込んでいる前提は何か
この3要素がアマゾンの内容紹介にある、
という部分のヒントになると思います(詳細は本書を)。ヒントは、ドラゴン桜と野茂選手の共通点にあります。何かって?
それは、本書をご覧ください。
◆個人的には、一番最初の「知識のボトルネック」の「手法」辺りでつまずいているワタクシゆえ、近いうちに何とか「技能」までたどり着きたいところ。
なにせ、ブログ書いてて「時間がない」のが常態化しているわけで、上記の『生産性と「時間」の扱いの2つのアプローチ』の部分を正座して読みたい気分です。
私が本書の「本当の価値」を示すことができるのは、もっと先であるべきなのかもしれません。
・・・と端折りまくりの記事を弁解してみますた(汗)。
◆また、本書は実際に手にとってご覧頂くとわかるのですが、ディスカヴァーさん(というか干場さん?)らしいレイアウトも魅力的。
図の挿入の仕方等、勝間さんのフレームワーク本がお好きな方ならツボだと思います。
随所随所に参考書籍が明示されているのも、昨今のヒット本のマナー通り。
ちなみに装丁は、石間淳さんと並んでヒット作連発のTYPEFACEの手によるもの。
コンテンツだけでなく、入れ物にも抜かりありません(汗)!
これまた売れちゃいそうな予感!
【関連記事】
【コンサル思考】「戦略コンサルタントに学ぶ3倍速仕事力」岡島悦子(監修)(2008年06月24日)【解決力】『ビジネスマンのための「解決力」養成講座』小宮一慶(2008年06月20日)
【強力!】「勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力」勝間和代(2008年06月15日)
「ビジネス力の磨き方」大前研一(2007年04月26日)
「プロフェッショナル原論」波頭 亮:(2006年12月15日)
【編集後記】
◆最近、2日に1度は必ずリアル書店を巡回しております(汗)。昨日捕獲したご本。
ちょっと地味ですが、面白そうです。
ご声援ありがとうございました!
この記事のカテゴリー:「ビジネススキル」へ
「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
スポンサーリンク
この記事へのトラックバックURL
●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
先日紹介されていた今日の本をさっそくamazonアタックで購入しました☆早速読もうかな〜と思ったらもう記事になっていてビックリです(笑)。
smoothさんの記事で予習もバッチリなのでしっかり勉強したいと思います〜!
たしかに、知識のボトルネックだけでも、十分、他にない、お役立ちいただける本だけれど、著者の人となりが伝わってくる、自己啓発的な章があるというのも、新しいかと。
読んだ方からは、結構熱い声をいただいています! 今晩あたり、また記事書いて、リンクはらせていただきますね!
はじめまして。著者の石川と申します。ありがとうございます!!
実は選択のボトルネックが肝である点、喝破していただき、感謝と驚きに耐えません。私は、企業の改革を請け負う仕事をしているものですが、最近多い小手先の話よりも、もう少し腰をすえた考え方を紹介したいと思って、一所懸命書きました。ご紹介いただいて本当にありがとうございます。
また、ご紹介いただいた内容が私よりもっとわかりやすいので、舌を巻いている次第です。精進せねば。
これからもよろしくお願いします。
どこでどう詰まるのかを、なんとなくではなくはっきり認識することが大事ですものね。
表紙もかわいいし、要チェック。
(チェックじゃなくアタックと言われそうですが・・・・)
アタックありがとうございました(涙)。
ブログ拝見しましたが、最近ご本読まれてなかったんですね〜。
どうりでウチの売上が激減したわけです(爆)。
>干場社長
記事拝見しました。
ありがとうございました。
でも今回、土井さんの後塵を拝してしまったんですよねー。
(´・ω・`)ショボーン
>石川 和幸様
はじめまして、コメントありがとうございます。
こちらこそ、記事が尻切れになってしまったようでスイマセンでした(汗)。
今までは専門的なご本が多かったようですが、このご本をきっかけに、私たちが楽しく読める実用書を書かれることを期待しております。
今後ともよろしくお願いします。
>ビルダーナースさん
いえいえ、ムリにアタックしてはなりませぬよ〜。
まずはチェック!
ビルダーナースさんのお仕事とは直結しないコンテンツかもしれませんが、「ボトルネック」という考え方は色々な分野で応用できると思います。