2008年08月20日
【顔出し】「営業力は社長の「顔出し」で3倍アップする」落合英之
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、私もやっていない(汗)「顔写真を出すこと」によるブランディング&セールスを推奨されているご本。個人的に、似顔絵との関連も含めて興味深いテーマなので、今般取り上げさせていただきました。
アマゾンの内容紹介にはこうあります。
確かに「実践」さえできれば、効果はありそうです!小さな店から大きな会社まで、社長の「顔出し」が業績を急伸させる。安上がりで手っ取り早い営業・広告の画期的手法と実例を初公開。

【目次】
第1章 「顔を出す」と有利な根拠はこれだけある
第2章 現実は困難な状況が立ちふさがる
第3章 好感度アップのため、この媒体に「顔出し」を!
第4章 好感度をアップさせるため、今すぐ始めよう!
第5章 信頼度を高める「顔出し」の仕方
第6章 社長の「顔出し」ゴールデンルール
【ポイント】
■顔を出すことが有利な心理学的理由
●ザイオンス効果⇒人はある特定の人物と接触回数が多くなるほど好意を抱くようになる(「単純接触の原理」)
⇒美人でなくても、ハンサムでなくても、接触回数が多い方が好感度がアップする
⇒本人でなくても写真を見ることが、実際に本人に会ったことの疑似体験になる
⇒イラストは疑似体験にならず、逆に顔を隠している印象を与える可能性もある
●メラビアンの法則
⇒視覚的情報はとても重要であり、身振り、姿勢、表情等は、「顔出し」をしなければ伝わらない
■顔写真の持つ付加価値
●証拠能力として高い価値がある⇒「お客様の声」に顔写真があれば、参考意見としての信憑性が高まる
⇒農産物に生産者の顔写真があると、商品に大きな信頼が生まれる
●広告に顔写真を入れて反応アップ
⇒女性専門の整体サロンの女性院長の報告
『サロンを始めた頃、顔のアップの写真を入れた広告を出しました。すると「女性の先生だから・・・」「顔が出ているから、どんな人が体をさわるのかわかるから安心」と新規の方が安心して予約を入れてくれました。
しかし、気恥ずかしさから顔出しをやめた広告に変えたら、反響は全くといっていいほどなくなりました』
●差別化しやすい
⇒社長、社員が「顔出し」して好感度をアップして差別化することは、なかなか実行されない
■顔写真の代わりのイラストは?
⇒有名人でもなく、顔を見せたことのない人たちの似顔絵は、消費者にとっては「似顔絵」ではない似ているかどうかは、本人を知らないと判断できないからだ。
■この媒体に「顔出し」を!(抜粋)
●ホームページ⇒トップページの左上に社長の笑顔の写真
⇒ホームページの各ページにも、各社員の笑顔の顔写真をどんどん出すべき
⇒トップページの上1/3には1つに絞ったセールスポイントを書く
その会社の1番強い部分を短く言語化した文章を上1/3に表示するのがベストだ。(中略)
一番美味しいことを短く表現するには、「捨てる勇気」が必要だ。
あれもこれもと書いてしまうと長くて読みにくいホームページができ上がってしまう。
●チラシ
⇒もちろん載せるのは、モデルの顔写真ではなく、社長、社員、お客様の顔写真
⇒チラシコンサルタント、佐藤勝人氏の本から。
『……例えば、私の店のチラシには各店の店長の顔写真と毎回各自の一言を載せ、しかも高校まで載せています。……出身校のOBたちが……応援にやってきてくれるのです。……』
●名刺
⇒名刺に顔写真がないのは、お面をかぶっているのと同じ
⇒ためしに(著者が)名刺ファイル4冊を調べたら、2,087枚中顔写真入りは72枚だった(たった3.4%)
⇒アスクルの「翌日名刺」というサービスでは、写真を入れても同じ値段
<注>
★他の「どこに顔写真を入れるか」というテーマについては、本書の大事なキモでもあるので、ネタバレ自重します(汗)。
【感想】
◆今回は、すぐ上で書いたように「ネタバレ」部分を気にしておりますので、短めで。どの媒体に顔写真を載せるか、という点については、上記で挙げた「ホームページ」「チラシ」「名刺」辺りまでは良く目にするのですが、実は本書には「まさかそこに?」というところにまで掲載を薦めています。
言われてみて、結構「目からウロコ」だったので、申し訳ないのですが、その部分は伏せさせていただきました(スイマセン(汗))。
◆さて。
本書は徹頭徹尾、「顔写真を出す」ことにこだわった1冊です。
ある意味、「情報は1冊のノートにまとめなさい」級のテーマ勝負な内容(笑)。
その「顔出し」、実践されて効果がわかってらっしゃる方はさておき、実際におやりになってない方にとっては、「そんなに違うものか」と思われているのではないでしょうか?
その点本書では、「改定前(顔写真なし)」と「改定後(顔写真あり)」とで、反応率が変わった広告の例なども収録されており、納得しやすいかと。
◆ただ、本書で提唱している「顔写真の効果」については、基本的な部分で私も同意しているのですが、コメントさせて頂きたい点もいくつか。
まずファックスDM等、受信する側がモノクロで、かつ、場合によっては(機械の性能等で)画像の細かい部分まで表現しきれない場合には、必ずしも顔写真が正解とは言い切れないのではないか、と。
どの本(サイト?)で読んだか忘れたのですが、「カラーであれば顔写真の方がいいが、白黒でやるなら似顔絵の方がいい」という話があって、その意見に私も同意。
もちろん、モノクロでも細かい部分まで再現できていればいいのですが、たまに目にする、線のつぶれたような顔写真の載ったファックスDMは違った意味でインパクト有りすぎです(汗)。
◆そしてもう1つは、やはりプライバシーのお話。
例えばビジネス書の著者さんでも、「写真ガンガン出しまくり」の方もいれば、「横顔だけ」「全部ダメ」と様々です。
ただ、某出版社に至っては、「ビジネス書を出す女性著者のほぼ全員の写真が、それぞれ書籍に載せられている」、ということもあるようですし、実際問題として、写真を載せないよりも載せる方が売れているような(具体的な数字は持ってませんのであくまでイメージですが)。
◆私自身は、「プライバシーは、一度失ったら二度と取り戻せない珍しい資産」(by本田健さん)と言うのをお伺いして以来、顔出しはとりあえず止めようと決意し、現在まで継続中。
もっとも、リアルで会った方には隠しようがないので、名刺にはしっかり顔写真が載っております(「人間国宝名刺」じゃない前のバージョンです)し、このブログの自己紹介のページに載せている似顔絵も、「洒落にならないくらい似ている」というハナシも(汗)。
「ザイオンス効果マンセー!」

◆いずれにせよ、本書における最終的な目的は営業力アップ。
その目的とプライバシーの兼ね合いで、顔写真を出すことが可能であれば、チャレンジする価値はあります。
また、アナタ自身が社員であり、自社の社長さんに顔出しをして欲しければ、「この本を社長さんに見せる」という手もアリ(と、ハッキリ本書に書かれています(汗)!)。
返す刀で、「社員も顔出し」ということになったら、その時はその時で(笑)。←笑い事でもない(汗)
本気で売上を上げたいのなら(汗)!
【関連書籍】
◆この本は「顔写真を使うことの有用性」についても言及されているのですが、それ以上に戦略的にホームページを構築するノウハウがギッシリ詰まっています。
あまり知られてませんがかなりヤバい一冊(本田直之さん推奨)。
私もセールス用のホームページを作る際には、この本の通りにするつもりです。
(このブログでの記事:【4つのパーツ】「お客のすごい集め方」阪尾圭司)
Amazy |
2冊とも実例が満載で、非常に参考になります。
チラシで言うなら、顔写真より先に、まずこちらから挑戦して頂きたいところ。
(このブログでの記事:「もっと儲かる全国手書きチラシ実例集」出村邦彦(著))
【編集後記】
◆大橋悦夫さんの「シゴタノ!」で拝見した1冊。英語本なので二の足踏んでますが、かなり良さそうです(汗)!
どちらかというと、本よりもアマゾンに載っていた著者の小川さんのプロフィールの方が面白いんですが(笑)。本書は、英語がニガテだった著者が実践した、TOEICテスト900点レベルの英語力を短期間で身につける学習法を紹介しています。
現在TOEICテスト500点台の方でも、本書に紹介されている学習方法を実践すれば、6ヶ月くらいでTOEIC900点レベルに到達できるでしょう。
本書には、英語力をつけるためのよりすぐりのお勧め参考書とその活用方法、勉強時間の作り方などが詳しく紹介されています。
インターネット、海外メディア、ネット教材、学習ソフト、携帯電話など、使えるものは何でも活用して、最短ルートで英語をモノにしましょう!

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奥の奥にはこそっと載せてますが、TOPページはどうしようかなぁ。。。と
この本チェックして、考えてみま〜す。
手書きはそれに費やした時間に対して
有難く思ってくれる人には有効な方法だと思います。
いろいろ試してみると、いろいろな反応があって面白いです。まぁ、これはラブレターと同じ要領ですね(笑)
ではでは。
記事では書きませんでしたが、本書の事例で、ビルダーさんも出てました。
ビルダーナースさんご自身は顔出しされなくてもいいと思うのですが、ビルダーさんは、出された方が良いかもしれませんね。
>ゆきんこさん
そうなんですよ、手書きについては、「響く人」と「響かない人」がいます。
この辺については、いずれもうちょっとまとまったら記事にしたいな、と思ってます。