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2008年08月18日

【アイデア】「線と面の思考術」袖川芳之




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、久々のアイデア系のご本。

表紙のゆる〜い(笑)イラストに惹かれて買ってしまいました(笑)。

これまたアマゾンに詳細がないので、Livedoor BOOKSより引用。

世の中の変化に対応するために、「線の思考」と「面の思考」を使いこなそう。「突っ込まれないアイデア」がどんどん浮かぶ、ビジネスの「予測力」がつく。


◆本書で扱っているテーマは、当ブログの「ウケ具合」から言ったら微妙なのですが、いくつか「目からウロコ」の考え方があったので、取り上げた次第。

また、終盤では「読書法」についても言及されており、なかなか面白い1冊でしたよ(笑)!


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【目次】

第1章 世の中は2つの思考でできている―「線の思考」と「面の思考」
 退屈知らずの人生を歩むために
 脳は現実を2通りに捉える

第2章 自分の思考パターンを捉え直す―偏りに気づく7つのチェックリスト
 人の思考はどちらかに偏っている
 ロジカル・シンキングには限界がある

第3章 自分の頭で考える道具を手に入れる―ひらめきをアイデアに変える4ステップ
 ゼロから考えるための土台づくり
 4つのステップで思考の精度を高める

第4章 他人にわかりやすい伝え方を身につける―線と面のコミュニケーション術
 なぜ、自分の考えはなかなか人に伝わらないのか

第5章 読書レベルを上げて独学力をつける―線と面の読書術
 自分を超える本の読み方
 6つの読書術で自分の考えを整理しよう
 読書ノート+3ノートで、読んだものを自分のものにする


【ポイント】

■「線と面の思考術」とは
●定義

「線の思考」「面の思考」という2つの思考を使って、日常生活で何気なく見過ごしていることに問いを発見し、自分なりの答えを見つけていくというスキル


●「線の思考」

⇒簡単に言うと、時間と共に順番に現れてくるものを認識する能力

論理的な思考で、客観性があり、他人と容易に共有できる思考の原理

分解して要素に分けることができる


●「面の思考」

⇒時間を必要とせず、一瞬にして把握する能力

感性的な思考で、主観的個別性が高い思考の原理

⇒要素を分解したり切り離したりできない


■思考の事例
●本のタイトルとサブタイトル

タイトル「線の思考」

⇒「その本が何について書かれているか


サブタイトル「面の思考」

⇒「その本が読者にとってどんな意味があるのか


●絵本の読み聞かせ

⇒大人でも、絵が邪魔になってスラスラとは読めないのは、絵も字も目を通して入ってくるので、「面の思考」の中でバッティングしてしまうから

⇒まだ字が読めない子どもが、親に読んでもらうと、話は耳から聞いて(線の思考)、絵は目から入ってくるので(面の思考)、頭の中でバッティングせず、むしろ理解度が高まる


●文章がわかるということ

「線の思考」のまとめかた

⇒文章中の言葉を拾って話の順につないで短くする


「面の思考」のまとめかた

「要するにそれって何なの?」ひとことでズバリと言う


■ロジカル・シンキングには限界がある
⇒ロジカル・シンキングは、究極の「線の思考」

 これは、感覚的に考える「面の思考」を極力排除して、「線の思考」だけで論理的に考えるというスキルでした。(中略)
 しかし、私の結論から言うと、ロジカル・シンキングのような「線の思考」のみに従った考え方は、人によって向き不向きがあり、説得術としては限界があると思います。

⇒人によって向き不向きがあるということは、受け取る側が「線の思考」のみの説得で納得するとは限らない

「ウェイソンの4枚のカード」の例


■ひとりブレーン・ストーミング(抜粋)
●紙に向かって20本ノックのブレスト

⇒ひとつのものテーマについて、何通りか意味を考えてみる

 例: 問い 「雪」を20通りの視点で見てみましょう

⇒いったん自分のアイデアの限界に来たら、「物質的な意味」「(自分にとっての)感情的な意味」の2つに分けて考える

先ほどの「本」の例でも、「押し花の重石」は物理的な意味、「図書館係に会うための切符」は感情的な意味です。
 この2つの意味を意識するだけで、さらに10個はアイデアをつくり出せるでしょう。


●昔の映画やドラマでブレスト

「携帯電話」がない時代には、外で待ち合わせる時にすれ違う確率が高く、男女のすれ違いのシーンに、よく待ち合わせが使われたが、今はすれ違いを演出するのが大変

「缶ビール」がない時代、「コンビニ」がない時代、「メール」がない時代もあった

今は大成した飯島直子やラモス瑠偉らの有名人が、1990年当時の姿で登場するなど、楽しい試みがちりばめられており、ジェネレーションギャップのおもしろさを興味深く味わうことができる。また、17年間で脅威の発達を遂げた携帯電話が象徴的に登場し、2つの時代を見比べる際のキーアイテムとなっているのが印象深い。


■アイデアを構造化する
「手順」

 →1.同じようなものをまとめる

 →2.まとめたもの同士の関係を見つける

 →3.それを構造化する

⇒アイデアを整理する時は、いかに整理力の強い概念を見つけることができるかがカギになる

⇒アイデアの様々なグルーピングを検討しながら、どのような構造(図式)にまとめていくかという方針も考える

⇒アイデアが構造化されると、お互いの要素の関係もわかるし、欠けがなく網羅的に検討されたこともわかる


■共感点を射抜く
「線の思考」「面の思考」交差するところに「共感」というわかりやすさのポイントがある


■「感動」と「驚き」をつくる
●感動をつくる

⇒感動をつくるには、一見ありえないことが実現していて、それに合理的な理由があると説明すること

⇒感動をつくる話は、「面の思考」の違和感「線の思考」がサポートするという構成


●驚きをつくる

「驚き」とは、一致するはずの「面の思考」「線の思考」一致しない時に起こる感情

⇒驚きを与える最大の効用は、驚きが起こったことについてこちらが丁寧に説明しなくても、相手が自分で納得できるように考えてくれること


■「線と面の読書術」(抜粋)
●わからないことに気づく

⇒わからないところを読み飛ばして、自分勝手な話にすり替えてしまう態度を改めるには、同じ文章を何度も何度も繰り返し読む


●目前の情報と全体の俯瞰で読む

意味をたどる「線の思考」だけでなく、「線の思考」で読んだことを「面の思考」で記憶して構造化しながら読むと、文章の内容を長期的に記憶することができる


●本によって読み方を変える

⇒読む価値のある本はじっくり読み、知識と情報さえ得られれば良い本は読み飛ばす

⇒読むに足るいくつかの本をしっかり読んで身につけておけば、他のたいていの本はその範疇に収まるので、知っていることを時間をかけずに確認する読み方が可能になってくる


【感想】

◆最後の方はお約束の駆け足になってしまいスイマセン(汗)。

読書術については、1章丸々使って展開されているので、ホントはもっと書きたかったのですが・・・。

インプットだけではなくて、アウトプットについても言及されており、こんなページも(笑)。

a795dd3f.jpg











使われているメモやノートの型番(笑)まで載っており、こだわりが感じられます(笑)。

相変わらず画像がアレですがー(スイマセン(汗))。


◆もちろん、本書の本題はあくまで「思考術」

ブレストのやり方から、まとめ方まで、ヒントになるポイントが多々ありました。

そして、一般的に「思考」というと、難しく考えがちなのですが、自分がどういう風に物事を考える傾向があるかを、自分で認識おくのは大事だな、と。


◆・・・私の場合、結構感覚的なので、「面の思考」が強い(というか、「線の思考」が弱すぎ(汗))ようですが。

かといって、このブログの記事のまとめ方は、「面の思考」どころか「何について書かれているか」を延々と述べるという、モロに「線の思考」

小飼さん辺りを見習って、もうちょっとスパッと言い切りたいものです。


◆ただ、「線」「面」の思考は、どちらかが正しかったり、秀でているというわけではなく、それぞれの特徴や利点を生かしてこそ、質の高い思考ができるということ。

本書の第3章では、ステップごとに「面」「線」を使い分けて、独自の、かつ他人にも納得してもらえるアイデアの作り方が解説されています。

この部分は抜粋だとステップがごっそり抜けているので、実際に本書を読んで頂きたいところ。

似たような作業を推奨している本を読んだ記憶があるのですが、本書で言うように、それぞれが「面」「線」どちらの作業であるかを意識すると、結構腑に落ちます


◆最近はラテラル・シンキングが注目されているようですし、バランスよく頭を使いたいもの。

本書はそんなニーズに応えてくれる良書ではないか、と。

個人的には結構ツボでした!




【関連記事】

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【発明】「発明家たちの思考回路」エヴァン・I・シュワルツ(2007年10月12日)

【水平思考】「イノベーション・シンキング」ポール・スローン(2007年08月25日)

「シェイク・ブレイン」ジョエル・サルツマン(2006年11月30日)

「すばらしい思考法 誰も思いつかないアイデアを生む」マイケル・マハルコ (著)(2006年05月16日)


【編集後記】

◆おなじみ、ディスカヴァーの干場社長が、素敵な記事をアップされています。

ビジネスパーソンのための夏の文庫+特別耳より情報

真っ当な(笑)ビジネスパーソンなら必読デス!!


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この記事へのコメント
               
ご紹介ありがとうございます。
一昨日アップしたときは、そうでもなかったのに、今日、突然アクセスが増えているので、おどろきました。
ほんと、まっとうすぎて、ビジネス書に最近はまったかたには、意外と盲点かもしれないセレクトですよね。
取り上げたもの以外にも40冊以上が推薦されていたので、私もこれを機会に、読んでいないものを買いましたが、積ん読どころか、アマゾンの段ボールに入ったままです。
Posted by 干場弓子 at 2008年08月18日 22:54
               
>干場社長

わざわざコメントありがとうございます。
干場さんがわざわざピックアップしたということで、私も要チェック書籍とさせて頂きました。
ただ、ウチのブログで紹介するにも、私自身の実力不足を実感しそうで逃げ腰ですが(汗)。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年08月19日 02:02
               
いつも楽しくブログ拝見しております。
内容が充実しており選書の参考となります。
アイデア系大好きです。

またの更新を楽しみにしています。

Posted by ユミイ at 2008年08月19日 06:15
               
>ユミイさん

初めまして。
コメントありがとうございます。
アイデア系、私も好きなのですが、イマイチアクセスも売上も芳しくないという(涙)。
でも負けずに記事にしますので、今後ともよろしくお願いします!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年08月20日 02:07