2008年08月03日
【テク満載!】ブライアン・トレーシーの 話し方入門
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「カエルを食べてしまえ!」等の著作で知られる、ブライアン・トレーシーの最新作。本書のテーマはタイトル通り「話し方」。
それこそ、会議室から大ホールまで、状況に応じたテクが満載です。
アマゾンの内容紹介から。
精神論ではない、詳細なテクニックの数々にお腹一杯です(汗)!世界No.1モチベーショナル・スピーカーがついに、その秘密を明かした!
いまや全米トップ5に入る有能な講演家で("National Speakers Association"殿堂入り)、世界的に著名なコンサルタント&スピーカーとなった著者が、「自分の価値を高める話し方」のノウハウの数々を伝授。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
イントロダクション 人を動かすパワフルな話し方
不安をなくし、キャリアを伸ばそう
道は開ける ほか
第1章 わかりやすく話す秘訣
アリストテレスの「説得の三要素」
メッセージの三要素 ほか
第2章 成功は入念なプランと準備から
聴衆はどんな人かを知る
事前に入手すべき情報 ほか
第3章 自信と心のコントロール
恐怖心は捨て去れる
あなたは何を伝えたいのか ほか
第4章 誰が聞いても印象的なスピーチの始め方
紹介を受ける
スピーチを始める前に ほか
第5章 少人数の会議で成功するコツ
少人数の会議をおろそかにしない
会議の種類 ほか
第6章 少人数のプレゼンテーションや交渉
プレゼンテーションが将来を左右する
参加者をよく理解する ほか
第7章 聴衆を魅了する「演壇の魔術師」
短いスピーチほど難しい
スピーチに欠かせない七つの要素
第8章 パワフルな声の磨き方
もっとゆっくり
エネルギーが不可欠 ほか
第9章 一流の話し手が駆使するテクニック
一流の講師と呼ばれる人々
一流講師に備わる二つの特質 ほか
第10章 会場を管理する
ホテルは嘘をつく
嘘への対処法 ほか
第11章 エンディングは華々しく!
結びの文を練る
行動を呼びかける ほか
第12章 説得力のあるセールス・プレゼンテーション
売ることは「説得する」こと
誰もが何かを売っている ほか
【ポイント】
■話し上手の効能
⇒人前で話すのがうまくなれば、仕事のあらゆる面でプラスになる⇒上手に説得力のある話し方ができれば、それだけ自分を好きになれるし、その結果楽観的にも、積極的にも、魅力的にもなれる
⇒効果的な話し方が身につけば、自分のセルフイメージも高まる
■優れた話し手になるための4つのD
⇒「願望(Desire)」「決心(Decision)」「訓練(Discipline)」「決意(Determination))」(詳細は本書を)■アリストテレスの「説得の3要素」
⇒「ロゴス(論理)」「エトス(倫理)」「パトス(感情)」■効果的な準備の仕方(抜粋)
●PREP方式⇒「P:観点(Point of View)」「R:理由(Reason)」「E:実例(Example)」「P:観点(Point of View)」(詳細は本書を)
●ワイパー方式
⇒紙を1枚用意し、中央に縦線を引く
⇒左側には述べたい事実や主張したいことを
⇒右側にはその事実を立証したり示唆したりする実例や逸話や説明を書く
■パワーポイントを使う上での注意点(抜粋)
●5×5のルール⇒1枚のスライドに5行以上いれないようにし、各行が5語以上(英語の場合)にならないようにする
●予期せぬことを予期する
⇒1から10までパワーポイントを使って話をしているのに、そのパワーポイントが動かなくなるとセミナーは完全に中断してしまうので、そうならぬよう事前に一通りやってみる
■スムーズな進行(抜粋)
●練習せよ――されば報われる何年か前、私はある大事な講演を頼まれた。聴衆のなかには、好印象を持てば講演を依頼してくれるかもしれない人たちもいた。そこで、大勢の聴衆に話す前に、スピーチの練習、準備、リハーサルに膨大な時間をかけ、結局50回くらい見直しを行なった。(中略)
数年後、これはその団体で37年間になされた千を超えるスピーチのベスト12に入ると評価された。準備は確実に報われたのだ。
●1語を軸に話を組み立てる
⇒スピーチ内容と関係があって、聞き手にとって重要な1語を軸にして組み立てる
例:SUCCESS(成功)
最初の文字、Sは、「Sense of Purpose(目的意識)」を意味する。私は、そこで、行動を起こす前に明確で具体的な目標を持つことの重要性を説く。(後略)
■聴衆はあなたの味方だ
⇒人前で話す恐怖や緊張感に打ち克つ第一歩は、客席の全員があなたの成功を願ってくれていると思うこと⇒立ち上がった時点で、既に「優」がつけられているのだから、あとはその「優」を維持さえすればよいこれは映画を見にいくのに似ている。あなたはその映画が駄作で、時間の無駄になると思いながら見にいったことがあるだろうか?
■「映画の結末」方式を使う
⇒映画館で映画を見る際、前の回の上映が終わってないのに中に入って最後の10分間を見ると、どのようにドラマが解決し、結局万事がどのようにうまくいくかを知ることになる⇒同じように、スピーチを行うとき、自分の話が終わり、みんなが微笑み、拍手喝采しているのを想像する(スピーチをする前に、すでに終わったところを想像する)
■細部をおろそかにしない
⇒第一印象は最初の30秒で決まる⇒見た目はスピーチの足しにはならないが、足を引っ張る可能性は大いにあるあなたの印象、服装、身だしなみ、姿勢はきわめて重要である。
⇒服装も聞き手と同等か、それ以上にすべき
■印象的なコメントのあと、質問する
⇒インパクトのある言葉で始めてから、質問をし、答えを聞いたら、たたみかけて別の質問をする興味深いことだが、人は幼いころから、何か質問されると反射的に答える。本能的に自動的に答える。口には出さなくても、頭の中でそうする。「1,2年後に、年収を倍にしたいと思う方は?」という質問には、ほぼ全員が手を挙げるか喚声を上げるだろう。
質問されて考えているとき、聴衆はすでにあなたの手の中にある。実際、話の流れも相手の気持ちも、思うままにできるのだ。
■物語ふうに語る
⇒「昔むかし・・・」は、聞き手を引きつける最強の文句■少人数の会議で説得力を高める6つの秘訣(抜粋)
●感謝する⇒人の言動に感謝の念を示すと、その人は自分を誇らしく思い、相手を好ましく思うようになる
●賛同する
⇒人に賛意を示すカギは、すぐその場ではっきりとほめること
⇒誰かが有意義なデータを発表したようなときは、すぐに具体的な点を挙げてほめる。
「よく調べていただいて、ありがたい。この数字は、非常に参考になります」
■スピーチに欠かせない7つの要素(抜粋)
●前置きと冒頭(抜粋)⇒先に講演する人がいれば、早めにいって聞いておく(「自分の番になったら、前のスピーチに触れる」「同じ話の繰り返しや相反する話を防ぐ」)
●論点をわからせる(抜粋)
⇒できるだけ右脳に訴えかけるスピーチをする
⇒会場を4分割し、それぞれに1人、目印になる人を選び、1度に1人ずつその人に向けて、1文ずつ語りかけるように話す
目印にした人に向かって話をすれば、その後方に広がるV字型のエリアの人たちもみな、あなたから直接話しかけられているように感じる。どんなに後ろの席でも、無視されていないと思えるのだ。
【感想】
◆今回は、いつもよりポイントは多目に、かつ個々の部分は短めにピックアップしてみました。何せ、自分がプレゼンに疎い、ということはあるにしても付箋を貼りまくり。
数えてみたら64枚貼ってました(汗)。
しかも・・・こんだけ書いてて、7章で力尽きてるんですが(サーセン(汗)!)。
◆さすがにそれらの部分について全く触れないのもマズいので、8章以降からもいくつか抜粋しておきます。
「もっとゆっくり話せば、あなたの声はもっと力強く重みのあるものになる」
「私が長年、講師として成功者でいられるのは、一つには聴衆が快適でいられるよう行き過ぎと思えるくらい気を遣うせいである」
「演台に寄りかかってはいけない。寄りかかると、いいかげんで、だらしない印象を与え、話の内容に確信がなさそうに見える」
「質問をしてから情報を与えると、ただ単調に話をするよりはるかに効果的だ」
・・・えーっと、まだまだ書き足りないんですが(汗)。
例えば「有望な見込み客の4つの必要条件」とか。
◆本書で印象的だったのが、著者であるブライアン・トレーシーの「事前の準備にかける周到さ」。
何はなくともまず「準備」。
それは単にスピーチの練習をする以外にも、「講演の依頼者が求めるもの」を探り出し、「聴衆の構成やニーズ」をリサーチし、さらには、会場の担当者ともハードにネゴったりするワケです。
特に第10章のテーマは、モロ「会場を管理する」ですからねー(汗)。
一流の講演者がここまでやっているのに、私たちはどうなのかと、小一時間・・・。
◆なお、冒頭で書いたように、本書は「大ホールでの講演」といったシチュエーションだけでなく、「少人数の会議」「少人数のプレゼン」でのノウハウについても言及し、さらには最終章では「セールス・プレゼン」にまで触れています。
確かに「話し方」ひとつで、これらのすべての状況が良くも悪くもなる、というのは、納得がいくところ。
それにしても、これだけノウハウが詰まった本がこの値段で手に入るというのは、読書の醍醐味の1つかと。
タイトルが地味なので(笑)あやうくスルーするところでしたが、激しくオススメです!
【カリスマ税理士に聞くオススメプレゼン本&教材】
◆私の周りで、「スピーチ」と言えば、カリスマ税理士である、吉澤 大センセイ。そこで、今回の記事を書くにあたり、事前に吉澤さんに「おススメ本」ならびに「教材」を聞いてみました。
◆出ました、デール・カーネギー。
「人を動かす」は広く知られていますが、この本も名著のよう。
ちなみに、アマゾンの内容紹介は、当時はまだアマゾンのバイヤーだった土井英司さんです(笑)。
あのウォーレン・バフェットも受講したというデール・カーネギーの話し方講座のエッセンスをまとめた本。カーネギーといえば、大ベストセラーとなった『人を動かす』があまりに有名だが、本書の原著も100万部を突破したベストセラーとして、アメリカでは広く知られている。
タイトルからもわかるとおり、本書にはパブリックスピーチをはじめ、さまざまな場面で話をするときのアドバイスが示されている。偉大な話し手だったリンカーンやセオドア・ルーズベルト、マーク・トウェインなどの豊富な例を引きながら、話し手としてマスターしなければならない数々のポイントを解説している。アドバイスの内容は、プレッシャーに屈しない勇気と自信を養う方法にはじまり、事前の準備方法、年号や名前のおぼえ方、上手な話し方の秘けつ、人を引き付ける導入の方法や終わり方まで、幅広い。
ポイントをきちんと押さえて、自分なりのアレンジを加えれば、きっと良いスピーチができるだろう。ビジネスパーソンに欠かせない「話す技術」を身につけるための1冊として、おすすめしたい。(土井英司)
◆もう1冊は、ちょっと意外(失礼(汗))なセレクト。
吉澤さんには、もともとは「できればCD付きで」、というリクエストだったのですが、真っ先に挙げられたのがコレでした。
吉澤さんからは、この本を読まれた時の読書メモも見せて頂いており、確かに良さげ。
これは私も読んで(聴いて)みたいところです。
「尊敬される話し方・バカにされる話し方」
最後は、情報提供のお礼と言ってはナンですが、その吉澤さんご本人のDVDを私が勝手に(笑)。
リンク先に動画もありますので、ご覧下さいね!
何でも、このDVDには、特典PDFも付いてくるそうなので、今後セミナーをおやりになる方にとっては、結構お得なヨカン(笑)。500人の前で行うスピーチコンテストで優勝し、3000時間以上の講師経験から、パブリックスピーキングを行う上でのこれだけは押さえておきたい作法の濃縮エッセンスをきっちり伝えています。
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【編集後記】
◆昨日から自宅周辺ではお祭り一色でございます(汗)。文字通りワショーイ状態(汗)。
ご声援ありがとうございました!
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お気遣いありがとうございます。
すみません、この本もう
買って読んじゃったんですよ〜。
もちろん、
私も激オススメします。
心構えとテクニックの両方が
うまく書かれたすごい良書です。
何はともあれ、良いスピーチの基本は
「これ以上できないくらいの準備をする」
このことはどの本にも共通する
ことですね。
さすが!もうお読みでしたか。
ヨシザワさんもOKということは、この本やはり良書なんですね。
そして、準備については、いつか講演等をやる機会があれば心しておきます!