スポンサーリンク

       

2008年07月29日

【勉強】「マインドハックス勉強法」佐々木正悟




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、当ブログではお馴染みの佐々木正悟さんの最新作。

これまた当ブログとしては定番の勉強本ということで、さっそく記事にしてみました。

なお、佐々木さんのブログにはこんな一文が。

『マインドハックス勉強法』が本日発売:佐々木正悟のライフハック心理学

業務で忙しい中、すでに「勉強している」もしくは「する時間を模索している」ビジネスパーソンを、第一に念頭に置きました。「もう寝るしかないだろう…」「どこに勉強なんかする時間がある!?」という状況に陥ったところで、それでも勉強することの「魅力」を思い起こさせるような「ハックス集」が作れたら、と考えました。

そういう意味を込めて、ツールやサイトの紹介を多目に盛り込みました。どれほど勉強に意味があろうと、あるいは収入がアップできると思っても、面白くもないことを、毎日続けるのは大変です。ぜひご自分にあった道具を見つけ、それに触れる快感から勉強が続くというような展開に乗っていただけたら、と思います。

確かに、楽しそうな(笑)ネタツールが満載でしたよ!


人気blogランキングいつも応援ありがとうございます!




【目次】

第1章 効率よくインプットしていく「暗記」術
第2章 ストレスをパワーに変える「やる気」術
第3章 勉強の習慣が勝手に身につく「継続」術
第4章 限られた時間を目一杯使う「ながら」術
第5章 アタマを整理して思い出す「ノート」術
第6章 実力を200%出し切る「テスト本番」術
第7章 絶対に途中で挫折しない「英語学習」術


【ポイント】

■本書の特長
⇒勉強はそもそも、容易な活動でもなく、快楽に満ちた行為でもないから、自分に合わないやり方だとすぐに挫折する

⇒そこで本書においては、「勉強するときのマインド(精神状態)」を重視し、すべてマインドに基づいた方法論を展開している

 もう少し詳しくいうと、もしあなたが「静かなところで勉強したい」と思っているのであれば「脳が勉強に集中しやすい状態にある」と考え、そのマインドにふさわしいツールや方法を、脳心理学の根拠を交えながら紹介するようにしたわけです。

⇒本書ではこのことを意識し、「どこから読んでもいい」ような構成にしてあるので、自分に役立ちそうなところや、興味のあるところを拾って、とにかく試してみるという使い方をするとよい


■脳をリズムに乗せる「メトロノーム」暗記
⇒努力して「覚えよう」としなくても、意味を理解しようとしなくても、「十分な試行回数の繰り返し」があれば脳は「覚えてしまう」

⇒暗唱をする際には、リズムを一定にしながら暗唱していないと、すぐに疲れてしまうので、リズムを保つためにメトロノームを使う、という手がある

⇒さらに「メトロノームが鳴ったら、暗記の勉強をする」という習慣が身に付けば、暗記も達成される


■記憶定着度を高める「5原則」(抜粋)
●覚える努力をした後に、よく寝ているか?

「記憶内容の整理」に睡眠時間が使われていることは確かなよう

寝なければ記憶力が低下するというのは、ほとんどの人に当てはまる


●覚える努力をしているときに、ドキドキしているか?

⇒感情的に興奮していることは、記憶に残りやすい

コーヒーなど、ドキドキを誘発する物質も活用


●1度に覚える量が、多すぎないか?

⇒1度にたくさんのことを覚えようとしても、記憶定着には量的限界がある



■自分なりの「暗記術」を見つける
⇒替え歌に代表されるように、記憶術には特徴がある

・覚えていること
・身体を使うこと
・思い出す方法が一定していること(歌を歌う)
・順序に従って連続している(シーケンシャルな)であること

⇒記憶術の1つである「位置法」も一定の法則に従った方法である


■勉強する気がしないときは暗い音楽を聴く
⇒個人差はあるが、(佐々木さんの場合は)暗い気持ちになっているのに軽やかな音楽を聴いても「音楽は軽やかでも、私の心は重い」といった、ひねくれた気持ちになった

⇒「自分の気持ちと調子の合った音楽を聴いたほうが、感情に訴える」(「同質の原理」)ということはあるが、少なくとも勉強しようとする場合、感情に沿った音楽であるとともに、感情を落ち着かせる効果があったほうが良さそう

⇒佐々木さんのオススメの中から1つ(詳しくは本書を)

「J・S・バッハ『無伴奏チェロ組曲』」勉強時のBGMに。やや瞑想的。




■「イヤな気持ち」を書き出す
⇒やる気が起きない時は、勉強することがイヤな理由や、イヤな気分を、1枚の紙に残らず吐き出してしまう

⇒その理由は、頭の中で考え続けることは、「形になって残らない」ので、「終わりにすることができない」から


■習慣の力を活用する
⇒毎日同じ時間に、同じ勉強机で、同じノートとペンを使うようにすると、完全な習慣になる

⇒習慣にして、もし20日間を過ごすことができれば、逆らうほうが難しくなる


■本を読みながら、同じ内容のオーディオブックを聴く
から入る情報とから入る情報が一致しているため、集中するつもりでいれば、内容への集中度がとても高くなる

⇒佐々木さんのオススメのオーディオブックの中から1つ(詳しくは本書を)



■仕事中のスキマ時間はメモをとる
⇒ノートと違って、メモはとっさに「とる」ことがまず大事であり、スキマ時間の活用に有効

⇒メモの転記が面倒という人へのオススメ

 そんな物を買わずとも、メモをとっておけばいいはずだ、といわれれれば、もちろんそうです。ただ、これを使うと「時系列」で見返すことができるので、あちこちで頻繁にメモをとる人には便利でしょう。きれいに書けば、文字認識機能もついているため、後から検索することも可能になります。


■「マインドマップ」でノートをとる
●手描き

⇒マインドマップが記憶に残るのは、それなりの苦労をして「出力する」から

 マインドマップでは、情報内容を出力する際に、「イメージ化する」という作業が入るため、そこで脳の使用率が高くなって、記憶に残りやすくなるのです。
 この差は想像されているよりも大きなものです。


●パソコン向けソフト

『iMindMap』を使う最大の利点は、とくにパソコンに向かうことの多い人の場合ハードルが低くなること



■「模擬試験」は受けられるだけ受けておく
⇒テストの「形式」に慣れておくことは、非常に有意義なことであり、何度も同じテストを受けていれば、必ず形式が脳に刻み込まれる

⇒形式を刻み込んだ脳は「事前の予測」ができるようになるため、高いパフォーマンスを発揮することができる

⇒何が起こるかわかっていない問題に直面したときに発揮できるのは、本当の実力ではなく「割り引かれた実力」


■英語学習は、とにかく『iKnow!』を使ってみる
『iKnow!』

英語学習で挫折したくない人は、まず試用してみるソフトです。


■受験参考書を使って英語の読解力を3ヵ月で身につけるための5冊
⇒ここでは1冊だけ(汗)!


残りは本書を(汗)!


【感想】

◆第7章は丸々英語ネタなのに、端折ってしまってスイマセン(汗)。

あまりのネタ大盤振る舞い振りに、最後の方は急ぎ足になってしまいました。

というか、巻末にはさらに「勉強の効率化・継続化に役立つツール集」なんて「お役立ち付録」までついてるんですが(汗)。


◆実際、こういったネタやツールだけでなく、実は書籍も、上記ポイントで挙げた以外にも本書内ではかなり紹介されています。

それも「参考文献」というような形ではなく、佐々木さんもタッチされている「シゴタノ!」と同じように、コンテンツ自体に組み込まれているという。

そういう意味では、本書は、「ベンタノ!―勉強を楽しくする研究日誌」といった趣きかも(笑)。


◆内容的にも、さすが「脳」「心理学」の専門家の書かれた本だなと、大いに実感。

私のような「勉強本オタク」にしてみれば、「目からウロコ」とか「従来の説と異なる」というインパクトは特にないものの、「今まで"当然"と思っていたことについての裏づけ」が理路整然と説明されて、新たな「気づき」もありました。

これは「自分を納得させる」という点では、かなりのポイント。

「自分のやり方」について、自信が持てますからね・・・と、今は勉強してない私が言ってみるテスト(汗)。


◆なお、終わりの方でご紹介した『iKnow』を初め、佐々木さんは、積極的にネットサービスの利用を提唱されています。

例えば本書で活用を提案されているものとして、mixiやブログ(オススメは「はてなダイヤリー」だそう)などがありますが、これらは私の税理士試験の受験生時代には考えられなかったサービスなわけでして(汗)。

ただ、mixiやブログはあくまで「手段」なんですが、熱中しすぎるとそのこと自体が「目的」になっちゃいそうで、ガチの受験生さんには、それほどオススメできないなー、というのが個人的な見解ではあるんですが(汗)。


◆それに対し、本書の終わりで佐々木さんはこのように言われています。

 本書『マインドハックス勉強法』で、読者の方に提供したかったのは、もう一度、勉強と結びついている不快な印象と、魅力的な印象を切り替える「きっかけ」でした。ここまでお読みいただいた方にはおわかりのとおり、一つひとつのハックが勉強にそれほど有効なのかといえば、そうでもなく見えるかもしれません。
 しかし、技術的な工夫や方法は、必ずしも勉強を効率的に進めるのに有効でなくても、それらの方法により自分の心のもちようを変化させることで、勉強する気持ちに強く作用させることができます。

確かに「技術」一辺倒なやり方では、「心」がくじけてしまう可能性もあります。

「何で勉強しなくちゃいけないんだろ」

もしそんな風に感じたことがある方なら、本書に込められた、佐々木さんの「想い」に感謝したくなるかもしれませんね。

「テク」と「マインド」のてんこ盛りでお腹一杯(笑)!




【関連記事】

【頭脳的仕事術】「脳と気持ちの整理術」築山 節(2008年04月15日) はてなユーザーの評価

【勉強本総括】オススメの勉強本について考えてみる(2008年03月25日) はてなユーザーの評価

【英語学習】「留学なしでTOEIC985点 彼女は何を選んで勉強したのか」&「カリスマ税理士のオススメ英語書籍」(2008年03月19日) はてなユーザーの評価

【まさにスタデイハック!】「STUDY HACKS!」小山龍介(2008年03月05日) はてなユーザーの評価

【学習ハック!】「1日5分 頭がよくなる習慣」佐藤 伝(2008年01月09日) はてなユーザーの評価

【レバレッジ】「レバレッジ勉強法」本田直之(2007年09月25日) はてなユーザーの評価

【脳】「Mind パフォーマンス Hacks」Ron Hale-Evans(2007年09月08日) はてなユーザーの評価

【スタディ・ハック】「最短で結果が出る超勉強法」荘司雅彦(2007年07月02日) はてなユーザーの評価

「ゆうき式逆転発想勉強術」ゆうきゆう(著)(2006年07月17日) はてなユーザーの評価


【編集後記】

◆今日の「気になる1冊」。

いつ、どこで、誰が、どんなウェブサイトを見ているのか?
本邦初の「ネット視聴率」にフォーカスした白書がついに登場!
データを通して消費者行動が見えてくる!

ネット上の利用者動向を測るうえで、現在統計的に最も信用できるデータはネット視聴率である。本書はそのデータを、信頼のある調査機関の全面的なバックアップのもと、あますところなく掲載した。
データはどのように集められ、集計されたものなのか。また、どのようにデータは読むべきなのか? 基礎知識からデータの読み方まで丁寧に解説する。

うーん、読んでみたいんですが、このブログではご紹介できなさそう(笑)。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「私と100冊の勉強本」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

スポンサーリンク




               

この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
                               
この記事へのトラックバック
               
◆今日は、つい最近出た佐々木正悟さんのから、試験直前のあなたにも参考になるメンタルに関するお話を。 題して「勉強する気がしないとき」です。
◆勉強する気がしないとき【税理士試験突破!理論暗記中心の税理士試験勉強法】at 2008年07月29日 15:02
               
こんにちは!FeBe広報の細川です。7月ももう終わってしまい、本格的に夏になりま
よく遊び、よく学ぶ!【FeBeオフィシャルブログ】at 2008年07月31日 01:46
                               
この記事へのコメント
               
smoothさん、こんにちは。

ラモス登場か?と思いましたがさすがに違うようですね(汗)
勉強法って結局自分でこれだ!というものに行き着くまでが大変だな、という気がしています。あれが良い、これが良いかも、といろいろと試していく過程で取捨選択していくこと自体も成長に含まれるもんだなと。
Posted by LuckyUS@フォトリーダー at 2008年07月29日 14:47
               
>LuckyUSさん

ハハハ、ラモスって最初何のことだかわかりませんでしたよ(笑)。
この曲、エヴァで使われているので、そっち方面からのツッコミは予測してたんですが(笑)。
この本は結構ネタが豊富で、個人的には満足しております。
中のデザインのセンスが、ちょっと日実っぽいかな、とは思いましたが(笑)。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年07月30日 00:41