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2008年07月23日

【脳】「記憶力をのばしたい!」キャスリン・ジェイコブソン・ミラン


記憶力をのばしたい!
講談社
藤井 留美(翻訳)
発売日:2008-07-08


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、閉店間際のリアル書店で、「蛍の光」を聞きながらゲットした1冊(笑)。

「何でもいいから面白い本ないか!」とあせって探していた割には、激オモロな本をいち早く入手できた私はツイてます!

・・・とオモテたら、後になって橋本大也さんが既に記事になさっていたのを発見。

記憶力をのばしたい!:情報考学 Passion For The Future

この本は女性ジャーナリストの著者が、消費者感覚で率直に、それぞれの効果を語っているので体験レポート集として価値がある。読者が自分で試す手間が省けるのがよい。

確かに、「記憶力回復」の体験記として読んでも面白いです!


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【目次】

「自分の脳の将来」を考えたことはありますか?
「度忘れ」の恐怖
脳をスキャンしたら、何がどこまでわかりますか?
記憶力に効く食べ物とサプリメント
ニューロンを鍛えるメンタル・エアロビクス
オンライン版記憶力増強プログラム
かわいそうな私の海馬
うつ病と物忘れ
更年期と物忘れ
「頭がよくなる薬」を飲んでみました
瞑想で脳をチューンナップ
睡眠不足の脳は酔っぱらいと同じ
ニューロンの在庫を増やす方法


【ポイント】

■「アルツハイマーの謎」を追う

⇒現在アルツハイマー病の患者はアメリカに450万人いて、アメリカ人の死亡原因の第8位

⇒アルツハイマー病は、初期症状が現れた時点で脳はかなり損傷しているので、そうなる前(40歳くらい)から検査を始める必要がある

⇒最近の研究から、アルツハイマー病は、遺伝子に以上がある場合を除き、避けられない病気ではないことがわかってきた

 そのためには中年のときから行動を起こしたほうがいいらしい。食生活を見直し、体重や血糖値をコントロールして、睡眠の習慣も変える。有酸素運動を増やし、ストレスを減らすよう心がける。そしてこれがいちばん重要なのだが、脳にも適度なエクササイズをさせることだ。


■情報ツールの弊害

⇒多くの人が、ないとぜったいに困ると思っている便利な情報ツールが、実は私たちが直面する認知能力の悩みを引き起こしているのかもしれない

⇒北海道大学の澤口俊之の研究によると、

親指1本で携帯メールを打ちまくる20代、30代の人を対象に脳の働きを調べたところ、40名中10名に「新しいことを覚える、古いデータを引き出す、重要な情報とそうでない情報を区別する」といった能力の低下がみられた

という


■視覚・概念と音の結びつき

⇒人の名前や言葉が突然出てこなくなるのは、視覚・概念表現(その人やものに関する知識)と音声表現(名前や言葉の音)の結びつきが弱いせい(ハーバード大学の心理学者で、記憶の専門家であるダニエル・シャクターによる)


■ブルーベリーが効く?

「14日間記憶力改善プログラム」では、抗酸化物質がたくさん含まれている果物野菜をたくさん食べるよう指導されている

⇒ラットにブルーベリーを8週間食べさせた、タフツ大学人間栄養研究所のジェームズ・ジョゼフの研究は、ラットの酸化ストレスの数値低下記憶力集中力が伸びた結果により、世界的なニュースに


■脳に効く野菜・果物・スパイス

シナモンターメリックといったスパイス類

カレーを毎日食べているインドでは、アルツハイマー病の発症率がアメリカの1/4だという。

ピーナッツ(薄皮がついたもの)、ピーカンナッツアーモンド

リンゴリンゴジュース

リンゴそのものなら2,3個、ジュースなら500cc弱で効果が期待できそうだという。


■これだけでOKなサプリメント

「ブレイン・サステイン」


■代替医学のカリスマ、ダルマ・シン・カルサが勧めるサプリメント

DHEA

コエンザイムQ10

イチョウ葉エキス etc...

これで脳は若返る
阪急コミュニケーションズ
Dharma Singh Khalsa(原著)Cameron Stauth(原著)桜内 篤子(翻訳)
発売日:1998-03
おすすめ度:5.0
(→アマゾンアタック済み(笑)


■五感を使いまくれ

⇒デューク大学神経生物学のローレンツ・カッツ教授のお話

 ・人間の記憶力と注意力は、この20年間でめっきり落ちており、それは感覚を使わなくなったせいではないか?

 ・目からの情報に頼るあまり、対象の匂いや音、手触りに注意を向けてはいない

 ・記憶術や脳パズルの代わりに、毎日の生活の中で、感覚的な体験を増やすことを心がける


Keep Your Brain Alive: 83 Neurobic Exercises to Help Prevent Memory Loss and Increase Mental Fitness
Keep Your Brain Alive: 83 Neurobic Exercises to Help Prevent Memory Loss and Increase Mental Fitness

⇒カッツはこの本の中で、目を閉じるか、目かくしをしたまま、門から玄関まで歩いてみることを提唱している


■ストレスの影響

ストレス耐性が下から10%までの人は、アルツハイマー病を発症するリスクが2倍だった(シカゴにあるラッシュ大学医学部のロバート・S・ウィルソンの研究グループによる)

幼少期のストレスで海馬ネットワークが損傷したラットは、中年期になってから物忘れがひどくなる(カリフォルニア大学アーヴィン校の解剖学・神経生物学教授、タリー・バラムの研究による)

⇒さかんになめて(リッキング)毛づくろいする母親ラットに育てられた子供は、そうでない子供に比べて、ストレス耐性の強いラットに成長した(マギル大学の精神医学教授、マイケル・ミーニーによる)


■軽度脳外傷のおそろしさ

軽い脳しんとうは、数週間、数ヶ月もたってから、傷ついた軸索が死んで、信号の伝達がとどこおり、情報がうまく処理されなくなる、という問題を引き起こす

⇒軽い脳外傷を繰り返し受けると、活性酸素が悪さをして、アルツハイマー病が発病しやすくなる

元NFLプレーヤーは同年齢の男性にくらべて、アルツハイマー病にかかるリスクが36%も高いという研究報告も出ている。



【感想】

◆本書は冒頭の橋本さんの記事にもあるように、著者であるキャスリン・ジェイコブソン・ミラン女史の体当たりレポートです。

上記ポイントで挙げたほとんどの項目も、女史は体験済み

さらには、インターネットで受けられる「脳開発プログラム」ですとか、お馴染みDSの脳トレの英語版(BrainAge)といったものもおやりになって、「忌憚のない感想(笑)」が掲載されています。

この辺は、ネタバレなんで、できれば本書でご確認頂きたく。

というか、「体験した結果」「どれが効いた・効かなかった」等々については、やはりオフレコにせざるを得ません(汗)。


◆なお、記事では全く触れなかったのですが、本書内で女史は、スマート・ドラッグもいくつか試しています。

ただ、それぞれが日本国内で合法なのかどうかよくわからなかったため、この辺は丸ごとカット(スイマセン(汗))。

読んだ感じでは、そのいくつかは効果があるものの、効き目が切れると反動が来たり、そもそもの副作用があったりするようなので、実際、ここでご紹介するのもどうかな、と(汗)。

まぁ、覚せい剤の代名詞みたいな「ヒロポン」も、かつては一般に流通していたわけですが・・・。


◆ちなみに、「脳に関係するサプリメント」で、私が所有しているのがコレ。

UP! (アップ) 100粒
UP! (アップ) 100粒

アミノ酸とハーブエキス配合。エネルギーとフォーカス力をサポートします。エクササイズや競技前にパフォーマンスを高めたいときや、ビジネスや学業などで精神的なパフォーマンスを向上したい方にぴったりです。

以前、「Mind パフォーマンス Hacks」を読んだ際に購入したものです。

何かイキオイで購入したように記事では書いてますが、確かにまだ封を開けてませんでした(爆)

これを機会に飲んでみようかな・・・(汗)。


◆ところで、アルツハイマー病の原因として挙げられていた、「幼少期のストレス」については、子育てにいそしむ者として、無視できない点でした。

最近、ムスメが「言うこと聞かない」病にかかりつつあって、仕方なく(と親としては思っている)叱ってましたが、もうちょっとムスメの気持ちもわかってやろうかと。

夜更かししてネットやってて、朝も起きられずに一緒に食事ができないというのは、どう考えても良くないですよね(汗)。


◆さらには、軽度脳外傷も(汗)。

私も小さい頃頭ぶつけまくっていたのですけど、近頃ムスコがやたらと椅子やテーブルに登りたがっており、「まぁ頭から転落しても死なないだろう」(ヲイ!)程度に考えてましたが、これはイカンと(汗)。

せめて小さい頃くらいは、気をつけて見張っていようかと考え直しました。

・・・それ以前に、私自身の物忘れの方が心配なんですが(汗)。


記憶力増進に興味があるのなら是非!

記憶力をのばしたい!
講談社
藤井 留美(翻訳)
発売日:2008-07-08


【関連記事】

【実践!】「脳が教える! 1つの習慣」ロバート・マウラー(著),本田直之(監修)(2008年07月06日)

【頭脳的仕事術】「脳と気持ちの整理術」築山 節(2008年04月15日)

【脳】「Mind パフォーマンス Hacks」Ron Hale-Evans(2007年09月08日)

「記憶脳革命」スコット・ハグウッド(2007年05月18日)

「脳が冴える15の習慣」築山 節(2006年11月18日)

「脳も身体も病気にならない「海馬」活性トレーニング」児玉光雄(著)(2006年09月14日)


【編集後記】

◆アマゾンのランキングで発見したメガトン級の2冊。

黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編
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これまではごく一部の人だけのものだった世界のあらゆる金融商品への投資法を、一つ一つ詳細に解説し、自分オリジナルの「マイ・ポートフォリオ」の作り方を指南。国際分散投資で安全とリターンを追究したい人にとって、最高の教科書となる。


黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 至高の銀行・証券会社編
黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 至高の銀行・証券会社編

本書は「海外投資を楽しむ会」創設10周年企画として、これまでつちかってきた海外投資のノウハウをまとめた決定版です。多くの日本の個人投資家が利用している12の海外の金融機関を取り上げています。

橘玲ファンを自称するワタクシとしましては買わざるをえないんですが、ぶっちゃけ苦手な分野なので、記事を書くのはは勘弁(涙)。


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この記事へのコメント
               
smoothさん、こんにちは。

この時間でもコメントなしとは、ちょっと絡みづらいネタだった?
ベタなタイトルで良い?感じなんですが、内容はすごいですね(汗)
よくやるなぁ、というのが正直なところ。

Posted by LuckyUS@フォトリーダー at 2008年07月24日 14:44
               
>LuckyUSさん

意外なほど(笑)、反応がありませんでした、この本(涙)。
内容としては「脳オタク」にはたまらんのですが。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年07月25日 01:43
               
smoothさん、こんにちは。
ちょっと出遅れましたが、気になっていた本なのでコメントしに来ました (^^;

頭の良くなる薬ですか(汗
個人的には、この本の最後の方が気になりまくりでした。アメリカのビジネス・エリートの薬依存は有名な話ですが、これって、いいんですかね…そういえば、あちらでは研究者もそういう薬に依存している人が多いそうで、これはこれで問題かもと思っていたところでした。もちろん日本では違法どころの騒ぎではないので、そこはパスして正解だと思いますが。

治療薬として、アレとかコレとか、使いまくっているところが、アメリカはすごいなー!さすがにここまでいろいろやってみる人は少ないのでしょうけれども。

やっぱり頭をぶつけるのって良くないですね。脳震盪は起こしたこと無いけど、したたか頭をぶつけるとかは結構有る話なので、気をつけることにします (^^;

しかし、α波が各部位で優位な脳って一体どんなんだと思ってしまいました。やっぱり眠いんですかね?
Posted by Sio @ Sio's Gadget Blog at 2008年07月25日 16:47
               
>Sioさん

レス遅くなってスイマセン(汗)。

薬については、日本ではあきらかにアウトっぽいのもありましたし、また下手に効果の部分だけ記事にして、それを推奨されているように取られても困るので、名前も含め、丸ごとカットしました。

安全な(?)ところではDS辺りなんでしょうけど、これも「ゲーム脳」がなんたら、とかいう話にもなりかねず。
大人しくブルーベリーでも食べてたほうがいいのかも(笑)。

α波で思い出しましたが、この本、著者の眠りの浅さも記憶に関係しているらしいことにも言及しており、眠りに関する記述もそこそこありました。
うーん、書き忘れた(汗)。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年07月27日 11:36