2008年07月10日
【オススメ仕事術】「Yes、Boss!のすすめ」落合文四郎
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、リアル書店で発掘してきた1冊。某大型書店のネットマーケティングの棚に、iPhoneやYouTube関係のビジネス書に紛れて刺さっていました。
メインタイトルからは「何のことだかわからない」ので手に取ったところ、帯にはこんなフレーズが。
第二新卒になってはいけない!
気鋭の人材育成コンサルタントが初公開!
「格差時代」を生き抜く若手ビジネスマン必読の「仕事の技術」。
◆私の場合、「第二」どころか、「第十」ぐらいって、それ以前にもはや「新卒」じゃないのですが、中を読んであらビックリ!
何とも濃厚な仕事術の本でした。
こりは結構な掘り出し物ですよっ(汗)!
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
第1章 最初の三年でこれだけ差がつく
1.東大卒エリート社員が入社3年目で「窓際族」に
2.「採用は売り手市場」のワナ
第2章 「三つ子の魂、百まで」の修行心得
1.最初の3年間に時間と労力を注ぐ
2.3つの「余人をもって代えがたい」を勝ち取る
3.好循環の波に乗る3ステップ
第3章 Yes,Boss!のすすめ
1.自分自身をよく知ろう
2.「Yes,Boss!」で上司に「まねぶ」
3.積極的に何でも聞いてみよう
4.上司を味方につけて成長する人の3つの「魔力」
第4章 三年で「三種の神器」を身につけよう!
1.「G-PDCAサイクル」で確実に成果を出す
2.「できる人」のコミュニケーション能力を身につける
3.「一気呵成」に問題解決できる力を身につける
第5章 成長し続ける人の四つの習慣
1.いつも前向きに考える
2.自己責任で考える
3.自分に投資する
4.周囲の人に自分の応援団になってもらう
エピローグ すべてはやるか、やらないか
【ポイント】
■第二新卒がもてはやされるわけ
●背景⇒戦後最長の好景気の拡大
⇒団塊世代の大量定年退職
⇒「失われた10年」の間の採用数絞込みに起因する人員構成のひずみ
●第二新卒者の実態
⇒新卒入社後3年間ですでに転職を何回も経験している人は、そのほとんどが「現状からの逃避」もしくは「身のほど知らずの上昇志向」からくる我慢の足りなさや焦りによる短略的行動では?
腹をくくって精一杯がんばった末に、やはりどうしても他の道を選択するというのなら、そのような転職市場を活用することもよいと思いますが、安易な転職は本人のためにも、会社のためにもいいことはひとつもありません。
■3つの「余人をもって代えがたい」を勝ち取る(抜粋)
●上司からの「手放せない」を勝ち取る⇒上司や先輩になくてあなたにあるものは「1つの仕事にかけられる時間」
たとえば、あなたが営業担当だとします。上司には、いちいちお客様の間を一軒ずつ回っている時間などありません。そこでお客様一人ひとりのことを誰よりも知っているようになれば、上司はあなたを「手放せなくなる」のではないでしょうか。
●「お客様」からの「指名」を勝ち取る
⇒社の内外を問わず、日頃仕事で接している人から「あなただから」という言葉を引き出せるかどうか
⇒相手が寄せてくれる期待に対して、必ずその期待を少しだけ上回る成果を示すように努める(大きく上回ろうとすると、継続することが困難になる)
■「育たない人」の3タイプ
●タイプ⇒「型なし」「依存症」「短距離走」
●具体的症例(抜粋)
・ビジネスマナーはあまり意味がないと思う
・何かを判断するときには、必ず上司の確認をとらないと気がすまない
・モチベーションの波が激しい
・目標は同期の中でトップになることである
・やりたい仕事とやりたくない仕事がはっきりと分かれている
(詳しくは本書を)
■「型」と「本質」
⇒「型」は、作法・礼法・技法そのものであり、「本質」とは、なぜそのような型が大切なのかを示すもの⇒「ビジネスマナー」で言うなら、「型」とは、名刺の渡し方や電話応対の仕方などの作法で、本質は、「相手を思いやる心・ありがとうの精神」
⇒大切なのは本質だが、習得しにくいので、まず型から入り、型を通じて、その本質に触れる
⇒型を身につけるもっとも効率的な方法は、「上司をまねて、まなぶ」(「まねぶ」)
■「Yes,Boss!」のすすめ
●定義「Yes,Boss!」とは、上司からいわれたことに対して、「No」とは一切言わずに、「Yes」を貫き通すことです。
●最初の3年間に「Yes,Boss!」を続けるメリット
⇒「自分の色メガネ」(「こうあるべきだ」「こうに違いない」という先入観)に気づく
⇒「言い訳をしなくなる」
⇒「上司からかわいがってもらえる」
■フィードバック・ゾンビ
⇒著者の落合さんがいたBCG(ボストンコンサルティンググループ)では、フィードバックを「受ける側」の姿勢が「ゾンビ」のように貪欲で、かつしつこい⇒1日最低3回フィードバックを受けるとして、単純計算で月に60回になるわけで、フィードバックの機会が60倍も違えば、それが成長の違いとなって現れるたとえば、誰かが見ている前で自分が発言する機会があれば、必ず「今の発言はどうだったか。どうすればもっと伝わるようになるか」と、どんなにうっとうしがられても、めげずにフィードバックを求めます。
この「どんなにうっとうしがられても」がポイントで、お客様のところに訪問した帰りには、必ずその帰り道で「ノートを開きながら」上司からフィードバックを受けますし、昼食の時間帯であれば必ず昼食に誘い出してここでも「ノートを開きながら」いろいろなアドバイスをもらいます。
■メモ魔と化す
⇒たくさんの若手社員を見ていて、「この人は伸びそうだな」と思う人の共通点は、メモの量が目を見張るほど多いこと⇒落合さんのBCGの同期メモ魔は、「一週間のスケジュール予定を30分刻みで書き込み、そのスケジュールが実際にどうなったかをすべて記録し、予定と実際の行動の違いを比較」していた
⇒メモすることのメリットの1つは「書くことによって考えていることを明確にできること」(落合さんの感覚だと、生産性は3倍以上も違う)
⇒メモをとる人は、上司にとっても教えがいがある人に映る
■読み手の立場に立った議事録を書く
⇒項目をグルーピングする⇒さらにグルーピングされた項目をわかりやすく並べ替える(「順序付け」)
⇒グルーピングされたものに見出しをつけて、議事録のフォーマットに当てはめる
⇒マイクロソフト「WORD」を活用する
・「ALT」+「Shift」+上下矢印・・・順序変え
・「ALT」+「Shift」+左右矢印・・・レベル分け
■成長し続ける人の4つの習慣(抜粋)
●いつも前向きに考える⇒「できる反乱分子」(仕事はできるが周囲にマイナスの影響を与える人)にはならない!
⇒ものごとのとらえ方をコントロールする
「会社は自分に無理を要求している。絶対にできっこない」というとらえかた(B)をしたときに、「いや、対前年比120%の目標達成は確かに達成が容易ではない目標だけれども、決して到達不可能な目標ではないのではないか。事実、対前年比120%を達成している先輩もたくさんいるではないか」というような反論(D)を試みるのです。そして。「対前年比120%の目標設定は、達成が容易ではない目標ではあるが、自分にとってもチャレンジしがいのあるものだ」という新しい価値観(E)を手に入れるのです。
この価値観が自分の中で定着すれば、今後の目標設定においても不快な感情に悩まされることはありません。
●自己責任で考える
⇒自責(何か問題が起こったときに、その原因を自分に求める姿勢)で考える習慣が身につくと、変えられるものに意識と力を集中することができ、成果となって表れる
⇒問題の原因を考えるときは、自分自身を否定せずに、自分の行動を反省する
【感想】
◆久々に、2回に分けて書きたくなりました(笑)。付箋をたくさん貼る本にもタイプがあって、「やたらひっかかる(気になる)」点が多い本と、読んでいる時点で「記事に抜き出して使うつもり」の点が多い本。
本書はあきらかに後者でして、どの部分を挙げようかかなり迷いました。
さすが著者の落合さんは元BCGだけのことはあります。
◆ポイントとして挙げられなかった部分でも、例えば
『「まねて、ひねって、レバレッジ」を実践する』
『「G-PDCAサイクル」で確実に成果を出す』
『相手よし、自分よし』
『「なぜなぜ5回」を実践する』
あたりは、どこかにメモっておきたいところ。
これらもみな、仕事をする上での一種のフレームワークだと思われ。
しかも、実際に自分の仕事で使えそうなものばかりなのが嬉しいです。
◆「実践」という意味では、各項目のお終いに「やってみよう!」と題して、新人さんでもできるちょっとしたワークが計100個も掲載されています。
その中から1つ。
この「フィードバック」というのは、実はかなり重要なこと。さあ、今日からフィードバック・ゾンビになろう。まずは上司・先輩・友人・恋人・家族に「あと一つだけ改善するとしたら、何をすればいいか」を聞いてみよう。
◆もう時効だと思うので(笑)書いちゃいますが、以前、とあるセミナーに参加した際、一緒に参加された方に「今回のセミナーで、何が一番収穫でしたか?」と聞いたところ、「セミナー講師が、自分が出した広告の結果(効果)を広告主にすべて確認していた点」と言われていました。
数多い項目の中から「それが一番」と言い切ったその方もすごいですし、もちろん、既に実践されていたそのセミナー講師もすごいです。
セミナー中、私はそんな項目全然気にも留めなかったのですが(汗)。
ちなみに書評ブロガーの場合は、書いた記事の内容や選んだ本、付けたタイトルで、アクセスやコメント、さらにはブックマークの数が如実に変わるので、これも一種のフィードバックと言えないこともなく(笑)。
◆ハック的な項目として、今回は「議事録の書き方」を挙げましたが、他にも「コミュニケーション戦略ツール」のようなすぐに使える便利なツールが収録されています。
また、これらツールに限らず、適度に挿入された図や表が理解を促してくれており、内容が濃い割には非常に読みやすかったのもポイント高し。
新人さんはもちろんのこと、私のようなオサーンも、読んで満足でした。
少なくとも来年の「新社会人向けオススメ本」の記事には、この本入れますので(笑)。
新卒からは20年超経っているワタクシですが、個人的に大プッシュします!
【関連記事】
【春休み企画】新社会人向けオススメ本7冊(2008年03月23日)【コンサル思考】「戦略コンサルタントに学ぶ3倍速仕事力」岡島悦子(監修)(2008年06月24日)
【就活】「就活の法則」波頭 亮(2008年06月21日)
【解決力】『ビジネスマンのための「解決力」養成講座』小宮一慶(2008年06月20日)
【Amazonキャンペーン有】「年収2000万円の転職術」神川貴実彦(2008年06月18日)
【強力!】「勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力」勝間和代(2008年06月15日)
【編集後記】
◆昨日のお買い物。当ブログ的には微妙(←この言い方自体一種の「空気」というか「曖昧さ」(笑))ですが、私は結構この手の本は好きなんですよね(笑)。
ご声援ありがとうございました!
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これ良さそうですね!
フィードバックゾンビとか、ネーミングも良いし、ワークが100個あったりと実用的なのもGood。
社会人生活が長くなると教えを請うことを忘れてしまいます。
たまにはこういう本で初心に返らねば!
タイトルもいいですね。
「わかりました」より「Yse,Boss」という方がノリが良いな。
出てから半年も経ってるんですが、この本マジでオススメです。
出版社さんがそれほどお名前聞かないので、宣伝等も打たれてなさそうですが。
そして、やはりBCGはスゴそうです。
>ビルダーナースさん
お互い今からでも間に合いますので(笑)、この本正座して読みましょう!
かなりガツンと来ました。
残り少ない学生生活を普通に「消費」だけするのが怖いなぁと感じて、ビジネス書等の本をあさってましたが、この本で4月からのイメージが持てそうです。今からの行動も含めて自分自身が楽しみっ!!
ちなみに…
先ほど検索エンジンで、初めて「ビジネス書」と入れて検索してみました。なんか、目次とかランキングとか便利さブログがあるもんだな〜と関心しました。
これからも、頑張ってくださ〜い!
また、遊びに来ます。それでは、Boss失礼しますっ。
はじめまして、コメントありがとうございます。
このご本、確かにタイトルは微妙かもしれませんが、中身は私が保証しますよ!
それにしても、学生のうちからビジネス書に手を出されるとは、
自己投資欲が高く素晴らしいと思います。
そのイキオイで、社会人生活も初っ端からリードしちゃってください。
ちなみに左サイドバーに「新社会人さん向けの本」の記事もありますので、ご参考まで。
図書館で借りてもオーケーですから!
また遊びに来てくださいね。
今後ともよろしくお願いします。
昨晩の『左サイドバーに「新社会人さん向けの本」の記事』というコメントですが、
どこにそのリンクがあるか分かりません……
【春休み企画】新社会人向けオススメ本7冊 http://smoothfoxxx.livedoor.biz/archives/51364975.html
↑このことが、それだと認識していいんでしょうか?お返事ゆっくりで、大丈夫なのでお願いします。
言葉足らずでスイマセン。
リンクが山ほどあるので探されてしまったかもしれませんが、ご指摘の「【春休み企画】新社会人向けオススメ本7冊」で合っています。
てか、昨日のレスにシュムさんのコメントがそのまま載ってました(汗)。
管理画面からレスしたので、消えてなかったようです。
あわせてお詫び申し上げます(その部分は削除しました)。