2008年07月08日
【仕事力】ビジネスプロフェッショナルの仕事力
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、豪華メンバーが勢揃いした一冊。とりあえず、そのラインアップをご覧下さい。
御立尚資さん
本田直之さん
勝間和代さん
石田 淳さん
糸井重里さん
田坂広志さん
冨山和彦さん
◆糸井さん以外、すべてこのブログではご紹介済み、てか、リアルでお会いしたことがある方が3人もいるー(笑)。
というわけで、個人的には「マスト」でございます!

【目次】
第1章 情報を使いこなす力量で差がつく
第2章 ライバルの前例をレバレッジする
第3章 ナレッジを発信して相乗効果を狙う
第4章 チームを活性化させる情報の仕掛け
第5章 “心”が消費と生産をクリエイトする
第6章 ウェブ革命が働き方を進化させる
第7章 情報が錯綜するなかで決めきる力
特別付録 ツールを使って情報活用を実践する
【ポイント】
◆今回は引用中心で参ります。なお、書籍をご紹介していない糸井さんだけは、今回割愛させて頂きました(ファンの方、スイマセン(汗))。
■御立尚資さん
●結果から逆算する私の見る限り、ビジネスの現場においてスムーズに知的能力が高まっていく筋のよい人には共通した特徴があります。それは結果から逆算して発想しているということです。つまり、能力を上げることを目的とするのではなく、仕事で結果を出すことを目的として、それに必要な能力を作っているということ。そういう考え方が、いわゆる「筋のよさ」に通じているのだと思います。
●仕事の設計に5割の労力を割く
最初の企画フェーズで、「何がこの仕事の目的なのか?」「そのために誰にどう動いてもらったらいいか?」を考えることが最も肝要で、仕事全体に使う思考量のうち50%くらいをそれを考えることに使うべきです。
●言語化を意識する
振り返ると、言語化を意識してきたことが自分にプラスになったと思います。天才肌の人は、自分のスキルや能力について言語化をあまり意識しないのではないでしょうか。(中略)
しかし、私を含めた大多数の天才肌でないタイプは、どうすれば結果が出せるかということを意識し、かつ、身につけるために、繰り返していかなければならない。それには言語化し、一度左脳でプロセス化し、何度も繰り返せるようにすることが必要です。
◆トップバッターがこの御立さんなんですけど、書店で立ち読みして、今回引用した部分だけでも、「これ、買いだわ」と思ったという(笑)。
特に「言語化」のお話は、私自身も意識していると言いますか、人とお会いして、自分の考えていることを説明しようとして、意外とうまく言えなくて自分でも驚くことが最近あったばかり。
やはり「言葉に落とし込む」ことは大事だな、と(汗)。
◆他にも深い話がわんさかありますので、お見逃しなく。
ちなみに、このDVDをメディアで最初に薦めていたのは、御立さんだと思いますし、今回そのお話にも触れられています(笑)。
(参考記事:【紳助のヒミツ】「紳竜の研究」はスゴかった)
◆もちろん、こちらの本もお忘れなく。
(参考記事:「使う力」御立尚資(著))
■本田直之さん
●長期的視野で人脈を考える重要なのはコントリビューション(貢献)です。相手に何らかのバリューを提供できる人こそ、耳よりな情報をもらえたり、よい人脈や仕事を紹介されたりします。もらおう、もらおうとすると逃げられます。反対に、貢献しよう、貢献しようと考えて実践していれば自然と見返りがやってきます。
●力の入れ方にメリハリをつける
応用で済ませられる部分は徹底的にライバルや他者のやり方を研究してレバレッジをかける一方で、独自の視点や戦略を練ることには十分に時間も手間もかけることが大切です。力の入れ方にメリハリをつけるわけですね。
◆本田さんの章も、他にも付箋貼ったところがいくつもあったのですが、コントリビューションというフレーズについ反応。
本田さんには、先日のご本の事前情報もそうですし、たまにメールでオススメ本を教えて頂いたりしています。
あ、先日のメールでは、私の家の近くの「おいしい焼肉屋情報」とかありましたね(笑)。
ベストセラー作家なのに、そういう事をこまめにできるのが、本田さんのすごいところかと(汗)。
◆なお、本田さんのご本はこのブログでは紹介しすぎていますので(笑)、とりあえずこのカテゴリでもご覧下さい。
カテゴリ:本田直之
■勝間和代さん
●相乗効果による大きな結果出版ビジネスのバリューチューンは、私という著者、編集者、マーケティング、営業、販売、取次、書店という具合にいくつかあるので、それぞれ少しずつでも目標を上回って掛け算していくと簡単に何十倍にもなるのです。少しずつでもみんなが努力すれば、相乗効果で大きな結果が出ます。メーリングリストで見える化したことで、そこを共有できたかなと思います。
●ブログのコメントについて
私自身がもらってうれしいのは、より一緒に前に進めるようなコメントです。「ためになりました」「面白かったです」というだけじゃなくて、「本のこの部分が面白かったけれども、こういう追加情報がありますよ」とか「この部分についてはこういう視点がありませんか」といったような、共に見識を深められるような情報です。こういうコメントは短くてもうれしいですね。
◆勝間さんの章のテーマは「情報発信の効用」と「情報発信における技術」ということで、どちらかというと、昨年末に出た「Google本」のテーマに近いものが多かったです。
その中からあえて(?)書籍に収録されてなかった内容をご紹介。
勝間さんの本が内容がいいのは別としても、「なぜにあんなに厚い本があんなに売れちゃうのか」、みたいなことを結構聞かれるのですが、今回引用した部分にも、その秘密の一端があると思われ。
◆「資源を投下する」みたいな発想しかないと、どうしても「どこにお金や労力使えばいいの?」みたいになっちゃうところ、勝間さんは違います。
まぁ、ここで書かれている内容とは別のマーケティング的なお話については、新刊に詳しいので、興味のある関係者の方はお読み下さいマセ(笑)。
それと、コメントに関しては、私も注意します(汗)。
◆勝間さんに関しては、本やセミナーや会食が目白押し(?)なので、やはりこのカテゴリを。
カテゴリ:勝間和代
■石田 淳さん
●一般的なマネジメント手法の落とし穴全体の2割の社員(商品)が売上全体の8割を形作るという、いわゆる「2割8割の法則」はよく知られています。すでに結果を出せている上の2割は、自力で課題を解決することができます。したがって、「いかにほめるか」が重要です。でも、そうでない下の8割は、そもそも「結果を出せるやり方」を知らないわけですから、上の2割と同じようなアプローチでは響かないのです。
これは、一般的なマネジメント手法における落とし穴であり、残念なことにこの事実に気づいていないリーダーが多いのです。
●ピンポイント行動を見極める
「プレゼンで勝てる企画書を作れ」とか「新しい情報を盛り込め」などと言うのは簡単です。しかし、これでは巷にあふれる情報をどのように企画書に反映させればいいか、多くの社員はわかりません。行動目標はあくまで端的で具体的、すぐに実行に移せるようなものでなければなりません。ピンポイントの行動さえ継続できれば、社員のパフォーマンスの向上は結果としてついてくるのです。
◆本田さんや勝間さんに比べると、当ブログではそれほど馴染みのない石田 淳さんですが、石田さんの提唱する「行動科学マネジメント」は、理屈として、非常に納得できるものです。
・・・私は一人ぼっちで働いているので、仕事ではマネジメントしようがないのですがー(笑)。
また、石田さんご自身も、複数の出版社からヒット作を出されているので、以前お会いした時に伺った、出版マーケティング的なお話は大変参考になりました。
(参考記事:【出版談義】ベストセラー作家さんとお食事してきました。)
オススメ本としては、やはり集大成とも言えるコチラかと。
■田坂広志さん
●プロフェッショナルの「仕事力」とは仕事においてまず行うべきは、「これから何が起こるのか」と「これから何をめざすのか」を深く読み、「ビジョンを描くこと」。これが仕事力の鉄則なのです。
◆田坂先生のお話は、ご存知の方はご存知のとおりの「田坂節」でして、正直、部分部分を切り抜くとあまり意味がないので、かなりの結論部分をピックアップ。
もし、田坂先生のご本をお読みになったことがない方は、本書で触れてみるのもよいかもしれません。
好きな人ははまってしまう哲学チックな味わいです。
もしくは、こちらからお声を聞いてみるとか。
「ウェブ進化論」グーグルの戦略3つの分かれ道 田坂広志(談)
■冨山和彦さん
●コア人材を見抜くカネボウおよびカネボウ化粧品の事業再生に取り組んだときの話で言えば、カネボウ化粧品のコア人材は、店頭で化粧品を売っている7千人の「ビューティーカウンセラー」だったのです。その営業力の強さは競合他社さえ恐れるほどで、そのためカネボウ化粧品は苦境に陥っても売上を落とさなかった。彼女たちがあげる収益は次々と繊維事業の赤字補填に充当されていたわけで、彼女たちこそカネボウという巨大企業をささえるコア人材だったわけです。
◆「企業再生のプロ」とも言える、冨山和彦さん。
引用部分以外にも、産業再生機構でのハードコアな働きぶりが伺えて、きれいごとでない経営について考えさせられます。
この本を読んだときは、同世代でここまで凄まじい生き方をされている方がいらっしゃると知って、結構凹んだワタクシ(汗)。
(参考記事:【幕藩体制崩壊?】「指一本の執念が勝負を決める」冨山和彦)
【感想】
◆えー、何やかんやでおなか一杯であります(笑)。本書においては、一人ひとりの分量はそれほど多くないものの、皆さんキャラ立ちすぎな方ばかりなので、引用するのも大変でした(汗)。
付箋を貼ってても割愛した部分の多かったこと・・・。
◆なお、本書は、先日「戦略コンサルタントに学ぶ3倍速仕事力」でご紹介した、岡島悦子さんが監修を務められており、本書においては、登場される7名の方の「情報活用力」を「心・技・体」に分けて深堀りされています。
各章ごとに「読みどころ」や「総括」も書かれており、これが立ち読みの際には結構便利でした(笑)。←結局買いましたが
また、本書の最初にも岡島さんの「総まとめ」があるので、こちらも是非ご覧下さい。
個人的には「買って損なし」な一冊!
【関連記事】
【コンサル思考】「戦略コンサルタントに学ぶ3倍速仕事力」岡島悦子(監修)(2008年06月24日)【祝掲載】ビジネスマンの強化書 vol.1―必ず勝ち抜ける仕事の方程式 (1)(2008年06月14日)
【編集後記】
◆アマゾンのベストセラーページを徘徊していて、偶然見つけた一冊。えー、多分これ、ヤバイっす(汗)。
以前神田さんのCDセミナーで、この前田さんとの対談聞いて、「こういうやり方あるのか」と驚嘆した記憶が。
実践するかどうかは別として(笑)、当然アマゾンアタックしますた!

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本書は、お買い得というのでしょうか。
1冊で、7倍おいしい本だなと思います。
おいし過ぎるからか、そのうちメルマガで紹介しようと思いつつ、タイミングを逸していますが。。。
それだけ基本がおろそかにされたツケで大変になってきたからでしょうかね。
今はどこも研修に時間かけずいきなり現場だから、心構えさえなってない場合も多いしなぁ。
田坂さんの本を読むと背筋がシャンとします。田坂さんファンとしてはこちらも要チェック!
僕も田坂ブシに、ハマったクチです。
田坂さんの本だけで10冊くらい
読んでしまいました。
あの田坂さんの文章特有の
テンポがたまらなくいいんですね。
田坂さん以外にも、私も
好きな著者ばかりなので、
smoothさんにススメられるがままに
買ってみます。
こういう本は細切れの時間に良いですよね。最近、まとまった時間がとれず、新書に偏りがちなので。
実はこの本、本棚の飾りになってしまいそうだったのですが、今回のエントリーを拝見して早速ページを開いてみました。(汗)
ではでは、そろそろ仕事します。
また遊びにきますね〜
こんな豪華なメンツなら内容見ずに即買いです^^
リアルでお会いした人が3人もいらっしゃるのはうらやましいです。私も先月、勝間さんのサイン会で1分間トークをさせていただき、とても感銘を受けました。
そしてなんと「レバレッジ英語勉強法」のキャンペーンに当選しまして、今度本田さんとお会いしてきます!
ブログにて報告しますので、よければご覧になって下さい!
こばやしさんも既にお読みでしたか(笑)。
確かにこの本、お買い得ですよね。
個人的には、読んだことのない著者さんが2人以上いたら、即買いでOKだと思いました。
>ビルダーナースさん
田坂さんはハマる人はハマりますよね〜。
正直、私のような記事の書き方だと、まとめるのがかなり難しいので、私は読んでもほとんど記事にしてないという(汗)。
>ハヤカワ ノブさん
お買い上げありがとうございます(涙)。
あら、ハヤカワさんも田坂ファンでしたか。
多いなー、私の周りには(笑)。
何というか、田坂先生からは、「未来を見据える目」みたいなものをいつも感じます。
この本は、まさに細切れ時間で読める本ですよね。
それにしても本棚の飾りなんてもったいない(笑)!
そして、お仕事中でのコメントありがとうございます(笑)。
>Mharuさん
なんと、勝間さんのサイン会で1分間トークですか(汗)!
それはすごいですね〜。
何をお話になったのか気になるところ(笑)。
しかも本田さんとのランチ会もですか!!
確かにMharuさんのブログ、英語もおやりになってますもんね!
記事楽しみにしています。
毎日楽しくこのブログを拝見させていただいております。また、本を購入する際の参考にもさせてもらっています。
実は私もsmooth氏の影響で、ビジネス書紹介ブログ(書評ブログと言うレベルまで追いついていないので)をはじめまして、この「ビジネスプロフェッショナルの仕事力」を取り上げました。
心の師と(勝手に)仰いでいるsmooth氏に先行して取り上げたことで自己満足していたのですが、今回のsmooth氏の書評を読んで、その着眼点の違いに「自分のレベルはまだまだだなぁ。」と痛感しました。
これからも師匠に追いつけるように日々精進していきますので、書評ブロガーの先頭集団として後輩を引っ張っていってください。
それでは失礼いたします。
コメントありがとうございます。
実は私もこのブログについて、面倒くさいので「書評ブログ」とか言ってますが、実際には「書籍紹介ブログ」だと思います。
だって、まだ読んでもない本をガンガン記事にしてますし(笑)。
TMstarさんのこの本の記事も拝読しましたけど、レベルの差とか全然感じませんでしたよ。
お互いこれからも良い本の発掘に励みましょうね!
今後ともよろしくお願いします。