2008年07月06日
【実践!】「脳が教える! 1つの習慣」ロバート・マウラー(著),本田直之(監修)
【本の概要】
◆今日お送りするのは、既に先日一足先に予告させて頂いた、本田直之さん監修のご本。本書を読んで、アマゾンの「内容紹介」にあった
という一節も、まんざらではないことがよくわかりました。【脳科学】×【小さな一歩の実践】=【目標達成】
たった1つの習慣を知れば、あなたの生き方はガラリと変わります。
「実践のしやすさ」という点では、群を抜いた一冊。
すでに「口だけ大臣」と言われている(?)この私でさえ取り入れております(笑)。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
プロローグ 始まりはすべて「小さな1歩」
第1章 「1つの習慣」だけでうまくいく理由
第2章 小さな質問をする
第3章 小さな思考を活用する
第4章 小さな行動を起こす
第5章 小さな問題を解決する
第6章 小さなごほうびを与える
第7章 小さな瞬間を察知する
【ポイント】
■脳のシステム
⇒人間の脳は、もっとも下部にある「大脳基底核」(爬虫類脳)、その上にある「大脳辺縁系」(旧哺乳類脳)、脳全体を包み込む「大脳新皮質」(新哺乳類脳)から構成されている⇒大脳辺縁系には、生物としての「生き残りの鍵」を握る「扁桃体」と呼ばれるものがあり、ここが闘争・逃走反応をコントロールしている
⇒かつて、人類が他の哺乳類とともに生活していた頃は、生存のために必要だったこの反応も、今は「日常から脱却しようとする」たびに鳴る「警報ベル」であり、結果的に新たな挑戦やチャンスにある程度の恐怖心が起こるようになっている
⇒しかし、「革新的な試み」には警報を鳴らして拒絶してしまう大脳辺縁系も、「小さな1歩」だとあまりに小さな変化なので見逃してしまい、逆に「変化を楽しむための神経回路」を確立できる
たとえば、作曲家をめざしているあなたが、恐怖心や行き詰まりからピアノを離れ、毎晩テレビを見ていたのでは、目標に到達することなどできない。そこで、ほんの小さな行動(たとえば、たった三音符だけ書いてみる)をとると、「何かしなければならない」という脳の欲求が満たされ、脳の苦痛が和らぐ。警報ベルが静まったら、大脳新皮質にアクセスし直せば、ふたたびあふれ出した創造のエキスが手に入る。
■「脳を目覚めさせる質問」をする
⇒質問は脳への働きかけにとても有効であり、脳を喜ばせる⇒その際、質問は「小さなもの」にすること
⇒ポイントは同じ質問を数日間あるいは数週間繰り返すことであり、情報を記憶する海馬は、同じ質問を繰り返されると、かならずそれに取り組むようになる「年末までにどうやって痩せようか(金持ちになろうか?結婚しようか?)」
「どんな新製品なら会社に100万ドルの利益をもたらすだろうか?」
こういった質問はあまりに大きいため、恐怖を引き起こす。たとえ自分が自分にした質問であっても、受け取った側に恐怖心を与える。
こうなると、脳は活発な答えを返すよりも恐怖心を感じ取る。創造力を抑えこみ、大脳新皮質(脳の思考部分)へのアクセスがもっとも必要なときに、アクセスしなくなってしまう。脳のもつ一つの力――危機に直面すると自己防衛のために封鎖状態になる能力が、ここで足かせとなるのだ。
■「否定的な質問」を避ける
⇒質問のエネルギーは、創造的な使われ方だけでなく、「欠点や過ち」にも情け容赦ない強烈な光を当ててしまうので注意!否定的な質問、たとえば、「どうしてこんなに太っているんだろう?」で自分を責める傾向がある人は、こんな問いかけをしてみよう。
「いま自分の好きなところを一つあげるとしたらどこか?」
毎日、この質問をする習慣をつけよう。あなたの答えを日記か、きまった場所に置いた紙に書き留めよう。
■「小さな質問」を実践する(抜粋)
●なるべく定期的に、数日間あるいは数週間、繰り返し同じ質問をする⇒「毎朝コーヒーを飲みながら」「車に乗るたびに」「夜寝る前に」等、ルーティンに加えてしまうといい
●「自分が不幸」だと感じているのにその理由がわからない場合
⇒「ぜったいに失敗しないなら、これまでと違うどんなことをやってみようか」
●具体的な目標を達成しようとしている場合
⇒「目標の達成に向かって私にできる小さな一歩はなんだろう?」
■小さな思考を活用する
●マインド・スカルプチャーとは?イアン・ロバートソンによって開発された「マインド・スカルプチャー」とは、すべての感覚を使って静かにイメージする新しい技術だ。
「見る」だけでなく、「聞く」、「味わう」、「においを嗅ぐ」、「触れる」などの行為を実際に行っていると思い込む。さらに自身の筋肉の動きや感情の起伏までイメージする。
●マインド・スカルプチャーの活用シーン
⇒変化を遂げ、それを習慣にするプログラムのどの段階でも活用できる
⇒どんな行動を起こしたいかはわかっているが、そのための心構えができていない場合
たとえば、あなたが「もっと野菜を食べなきゃいけない」と思っているとしよう。そこで、毎日15秒間、ブロッコリーを少し食べている、それも楽しんで食べているところをイメージする。これが習慣になり、楽しみにさえなってきたら、イメージする時間を30秒まで、あるいは好きなだけ延ばす。
■「小さな行動」なら、挫折したくてもできない
⇒調査によると、典型的な新年の誓いは10年繰り返され、そのうちの1/4は年明けから15週間のうちに挫折して、翌年また引っ張り出されるという⇒健康増進のためには目標を低く設定するのがベスト
⇒新しい習慣を身に付けるという「変化」を計画する際には、その計画がベストなものであっても、抵抗という壁にぶち当たることもあるが、そんなときは、小さな1歩をさらに小さなものにすればいい運動がトコトン嫌いな人は、1日1分テレビの前で足踏みするという、ジュリーがためした方法から始めるとよい。まもなくそれが習慣となり、もう2,3分続けたくなり、さらに2,3分延ばしているうちに、いつの間にか健康的なエクササイズにのめりこんでいるものだ。
⇒「気が進まない」等のやらない言い訳を探している自分に気がついたら、もっと小さな1歩にもどるべき
■「小さなごほうび」を与える
⇒アメリカの提案プログラムでは、会社への提案が採用された場合、もたらした成果に比例した多額の現金を受け取るが、従業員が多額の報酬をもたらす壮大なアイデアばかり考え出そうとして、たいていの場合失敗する⇒それに対し、小さな報酬は、「モノ」ではなく実質的に正当な評価を与えることであり、社員一人ひとりの内側からのやる気を後押しする
■「小さなごほうび」を実践する
⇒目的に適したごほうびであること⇒その人にふさわしいごほうびであること
⇒お金のかからない、もしくは安価なものにする
【感想】
◆本書で書かれている習慣づけのためのいくつかの「方法」については、類書でも散見される、一種王道的な内容だったりします。ただし、その理由が脳科学に関係していた、というのが、本書を読んで一番「目からウロコ」だった点。
本書の最初にある「監訳者のことば」で、本田さんもこう書かれています。
私は単に「やる気の問題」と思っていたのですが、大脳辺縁系の働きだったとは(汗)。本書に出会ったとき、これまで自分が意識してきたこと、また、漠然と考えてきたことが、脳科学によって裏打ちされていることに改めて気づきました。
◆さっそく私も今までなかなか手付かずだった、いくつかのことに挑戦してみました。
たとえば、「仕事関係で1年分たまった資料の整理」ですとか(汗)。
今までは、その膨大な量に辟易としていたのですが、自分(というか「脳」)がイヤにならず、かつ整理することを楽しめる位の量を、毎日ちょっとずつこなしつつあります。
・・・そう言えば、いいかげん事務所の本の「読者プレゼント」の件も再開しないと(汗)。
◆それと、「大脳新皮質は小さな質問を好む」というお話も参考になりました。
時折「問題は適切な質問さえできれば解決したようなもの」という話を耳にするのですが、「その"適切な質問"がわかれば苦労がないのでは?」と思っていたワタクシ。
とりあえず、大脳辺縁系が拒否しないサイズの小さな質問を繰り返すことで、アイデアが生まれる大脳新皮質にまで指令が届くようです。
と言うわけで、いきなり土井英司さんや、小飼 弾さんといったラスボスに挑むような質問はするな、と(笑)。
◆また本書は、実は具体的な事例が豊富で、その中には「健康」や「仕事」のみならず、「恋愛」に関するものもあり、これがなかなか興味深かったです。
以前ご紹介した「モテる話術」の中でも、「女性に挨拶ができたら、それだけで自分をホメる」なんて項目がありましたが、これなんぞ、「小さな行動」と「小さなごほうび」そのまんまですよね。
なるほどー、あの本も結構理に適っていたのか(笑)。
(参考記事:【モテ】「モテる話術」)
◆同様に、本田さんはこのようにも言われています。
今まで本田さんや勝間和代さんの本を読んでも、なかなか実行に移せなかった、もしくは続けられなかった、という方には一読をオススメしたいです。もう、何を始めても長続きしないと嘆く必要はありません。ただ、脳の仕組みを知り、ごく当たり前どころか、ばかばかしく思える小さな一歩を実践していけば、どんな目標もかなうのです。
仕事やスキルアップのみならず、恋愛や人間関係のとらえ方にも応用可能なメソッドを、見逃す手はありません。
向いていない、時間がない、やり方がわからないと思い悩む前に、みなさんにもぜひ、小さな一歩を踏み出していただきたいと思います。
今度こそ、実践したい方に(汗)!
【関連記事】
【本田直之氏監修】「脳が教える! 1つの習慣」をオススメする3つの理由(2008年06月28日)【頭脳的仕事術】「脳と気持ちの整理術」築山 節(2008年04月15日)
【モテ】「モテる話術」(2008年05月16日)
【脳マニュアル】「ブレインハックス」佐々木正悟(2007年07月19日)
【自己投資】「レバレッジ・シンキング」本田直之(2007年06月29日)
「脳が冴える15の習慣」築山 節(2006年11月18日)
【編集後記】
◆アマゾン上半期本ランキング総合8位である「造顔マッサージ」 でお馴染みの田中 宥久子先生が、とうとうメンズマーケットにも(汗)!なにやら最近見た目にこだわってるらしいヨシザワさんにオススメしておきましょう(笑)。田中造顔メソッド男性版登場 見た目が重視されるのは女性ばかりではない! 男性も外見の印象で、仕事の成果まで違ってくる世の中。悩める男性のための「外観力」アップメソッド!
ご声援ありがとうございました!
この記事のカテゴリー:「潜在意識・右脳開発」へ
この記事のカテゴリー:「本田直之」へ
「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
スポンサーリンク
この記事へのトラックバックURL
●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
アンチエイジングも脳の働きらしいですから。
この本は翻訳本にありがちな読みにくさが
全くありません。
さすが本田さん、青木さんという売れる本の
作り方を熟知した人たちが作った本ですよ!
私も激プッシュします!
激プッシュありがとうございます!
でもハリポタはさすがに強い・・・(汗)。
あえて少々前の記事へのコメントです。
昨日お会いした本田さん、泉さんが
本書を「この本は絶対読んだ方がいいよ!」と激プッシュされていました!
私も先週アマゾンで注文しましたが、
アメリカまでは到着までかなり時間が
かかってしまいます(;д;
記事にするには遅すぎですが(;д;
今最も読むのを楽しみにしている1冊です(^^
そうですか、やはりこの本激プッシュでしたか。
確かに本田さん、発売される前から、この本に関しては、えらいテンション高かったですよ(笑)。
実践という意味では、もっとも効果的なやり方だと思いました。
到着するのを楽しみにお待ち下さいマセ。
先日の土曜日に本田氏に招待いただきレバレッジラウンジに行ってまいりました。そこでもセミナー同様
激プッシュしてきたとご本人も行っていました。
ブログの話になり、smoothさんのお話も出ました。
初コメントですが、いっつもよんでました、結構リンクから買いました笑
smoothさんにも会えるような気がしています!今後ともよろしくお願いいたします。
はじめまして!コメントありがとうございます。
しかも、いつもお買い上げとのこと。
ありがとうございます(涙)。
本田さんのあのラウンジ行かれましたんですね〜。
ブログも拝見しましたよっ!!
なるほど、あの本棚の前で写真を撮られるとは、なかなかのアイデアですね(笑)。
そして私の話は・・・(汗)。
本田さんには「顔出ししない方が色々な意味で(?)いい」とアドバイスされている私(汗)。
しかもよくわからないのが勝間さんともばったり会われているという。
そういう強運の持ち主なのかもしれませんね。
今後ともよろしくお願いします。