2008年06月23日
【読書術】「速読・多読でビジネス力が高まる!スピード読書術」宇都出雅巳
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、このブログの読者さん的には「ツボ」であろう読書術のご本。何と言っても本の帯のフレーズが魅力的です。
またしてもMasterさんに先を越されてしまったのですが、私も大プッシュさせて頂きます!20年間速読法を磨き続け、年間500冊以上の本を読破する「速読勉強法の達人」が教える! 本をツールとして使いこなし、仕事のアウトプットを10倍高める読書術。
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
Chapter 1 本をツール化する習慣を身につける
Chapter2 情報感度が10倍高まるスピード読書術
Chapter3 読みたい本がすぐに見つかる選書術
Chapter4 対話力を高めるコミュニケーション読書術
Chapter5 論理的思考力が身に付くロジカル読書術
Chapter6 発想が豊かに広がるアイデア読書術
Chapter7 どんどん自分を表現できるアウトプット読書術
【ポイント】
◆本書はポイントごとに、感想を併記させて頂きます。■インターネット時代こそ読書の時代
◆普通、「インターネットによって本は衰退する」、と考えがちですが、こういう考えも。この辺は、私のような東京に住んでいる人間と、聖幸さんのように青森に住んでらっしゃる人が、ほぼ同じタイミングで同じ本を読むことができることからも、実感できます。しかし、実はインターネット時代になってはじめて、本の可能性が最大限に発揮され、ますます本や読書が重要な時代になっています。なぜなら、読みたい本をすぐに探し出し、すぐに手に入れられるようになったからです。
むしろ、聖幸さんの方が新刊情報に詳しいので、よく先を越されているというのも、これまた事実だったり。
■本は何度も繰り返して読め
◆この辺は、宇都出さんの勉強法の一つの柱でもあります。繰り返し、かつ速く読むというお話。
そのやり方を勉強に特化させたのがこちらのご本ですので、ご参考まで。たとえば、今まで5時間かけて1回読んでいた本を、5時間の中で10回読むようにするのです。単純に割り算すると、1回当たり30分。それを10回転するわけです。5時間かけて1回読むのと、同じ時間で10回読むのとどちらが、深く理解できると思いますか?どちらが、本当の意味で「じっくり」読むことになるのでしょう。
(参考記事:「速読勉強術」宇都出雅巳)
■本によって気分を変える
◆「気分によって本を選ぶ」のではなく、「本で気分を変える」というお話。確かに私も、その時読んでいる本で気分というかやる気が変わることはよくあります。服装が変わると気分も変わりますが、本によって気分を変えてみるのです。
実際に本を手に持って少しずつ読みながら仕事をすると、さらに本を着ている感覚が高まります。まえがきだけを読んだり、目次を眺めるのもいいでしょう。パラパラとめくって気になるフレーズだけを頭に入れるのもひとつの方法です。
ただ、あくまでも受動的というか、「気分が変わってしまう」わけで。
この辺はもっと「能動的」に本を選んでみるのも良いかもしれませんね。
■速読法の極意はこれ
◆この前のいくつかの小見出しの部分で、速読の技術的な訓練(「集中力訓練」「視点移動訓練」等)について簡単に触れられており、それを受けての極意。大学時代から速読にハマり、10種以上の講座を受けた宇都出さんならではの悟りです。
◆私もフォトリーディングではなく、正統派(?)の「速読」の教室に通ったのですが、こういう「悟り」は開いておりません(汗)。なかでも一番大きな変化であり、自分の速読能力のレベルが変わったことを実感したのは、本を「眼の奥から読む」感覚に変わったときです。(中略)
どのように変わったかというと、「眼で見る」というより、「眼で触る」感覚になったのです。現実には眼で本を触るわけではありませんから、眼の奥の肌感覚で感じながら読むといったほうが正確でしょう。脳全体も感じながら、そこで本を受け止めながら読む感覚でした。
なお、本書は「速読法」の本ではなく、あくまでも「読書術」の本なので、厳密な意味での速読法の技術的な言及は、第2章のこの辺10数ページのみであることを、一応お伝えしておきます。
■「意識の矢印」を本に向ける
◆この考え方については、宇都出さんのこちらの本に詳しく説明されています。(参考記事:「絶妙な「聞き方」の技術」宇都出雅巳)
上記の自分の書いた記事から引用します。
本書でもっともポイントとなる(と思います)のが、会話の最中に、つい自分に向いてしまう意識の矢印を、相手に向けること。
本書では、例えば「ハワイ良かったですよ」と相手が言った場合が挙げられています。
これを聴いて、アナタが自分のハワイ体験を思い出したり、ハワイについての頭の中の情報・知識等にアクセスしていたら、それは意識の矢印が自分に向いていることになります。
一方、こういった「照らし合わせ作業」を行わずに、「というと?」と簡潔に返せることができれば、意識の矢印は相手に向くわけです。
◆「聞き方」の本では、この「意識の矢印」を相手に向けることを主張されているのですが、本を読む場合には、どちらがいい、悪い、というのではなく、自分でコントロールすることが大事である、と。
確かに、そもそも読書という行為自体、「自分だったらこうする」「この考えは違う!」みたいに、意識の矢印は自分に向きっぱなしだったりすることもあるのですが、そこだけに意識をとられてしまうと、
とのこと。本への好奇心が開かなくなり、読み方が浅くなってしまいます。
また、この「意識の矢印」が自分に向けば向くほど「本に対する集中力、読むスピードは低下していく」そうなので、速く読みたい、という方は、留意してみることをオススメします。
■論理的思考力が身につくロジカル読書術
◆第5章では、宇都出さんの本の加工の仕方について言及されています。小見出しだけ読んでもだいたい想像がつくと思いますので、そちらを抜粋。
この章では、実際に宇都出さんが加工した、本の実例の写真がバカスカ(笑)出てきて、その線の引きっぷりに愕然とします(汗)。01 自分だけの本に編集しながら読む
02 本を思い切り汚くする
03 ノック式ボールペンを手に持って読む
04 何回も出てくる言葉は○で囲む
05 いらない説明・事例は×で消してしまう
06 本をプレゼン資料に加工する
07 キーワードの定義を探そう
08 核心の言葉を見落とすな
09 ちょっと難しい本、高めの本を買う
10 「わからない」を楽しもう
私も税理士試験の教材はかなりマーキングや書き込みをしましたが、それに匹敵するくらいの加工ぶり。
さすが、本書内で「レバレッジ・リーディング」を推奨されているだけのことはありますね(本田直之さんも、かなり本には書き込まれています(笑))。
■読んだらだれかに伝えよう
◆宇都出さんの勉強法には「自己講義法」と呼ばれる方法があります。学習したことを、「自分がその科目の先生になったつもり」で話してみる(誰かに聞いてもらうのが一番いい)というこのやり方。
読書にも活用すると、効果が大きいそう。
私もかつて記事で似たようなことを書いたことがありますし、これには激しく同意。話していて理解が不十分なことに気づいたり、「これはどういうことなんだろう?」と疑問がわいたりしたら、また本に立ち戻って読んでみましょう。さらに吸収力が高まり、理解が深まります。
読んだら話す、話したら読むのです。
私の場合は、話すのではなく、ブログで記事にしてますが(笑)。
【感想】
◆さすが東洋経済さん、いいところを突いてきたと思います。本好きなら目のない「読書ネタ」で、しかも「速読風味」(笑)。
丁度先日「週刊東洋経済」で、読書術の特集をしたばかり・・・って、どうせなら、この本や、宇都出さんのことを取り上げて下さればよかったのに。
◆しかも宇都出さんはプロフィールが凄いんです。
本書掲載のプロフィールからの引用で。
こういう人に「こうすればいいんですよ」と言われたら、言いなりになりそうな自分。←ヲイ(汗)!1967年3月31日京都生まれ。東京大学経済学部・ニューヨーク大学スターンスクール(MBA)卒業。経済出版社、システムコンサルティング会社、外資系銀行(マーケティング)を経て、2002年に独立。(中略)
NLP(神経言語プログラミング)マスタープラクティショナー・CPCC(公認コーアクティブ・コーチ)。
◆冗談はさておき(笑)、宇都出さんは、最初の本を出される前から、私は当時のメルマガの読者であり、また直接メールのやりとりもしたことがある方なので、密かに応援しておりました。
しかも今回のご本は、宇都出さんの得意な「読書」「速読」というテーマで、速球ど真ん中に投げ込まれた一冊。
もちろん、上記以外に類書とかぶる内容(「最初から最後まできちんと読まなくてもいい」「家のあちこちに本を置く」等)もありますが、読書好きなら楽しめることは間違いないかと。
◆たとえ、「ちょっと違うんじゃない?」と思ったりしても、それは『「意識の矢印」が自分に向いてる』のだと認識して、読めばよいこと(笑)。
それこそ、宇都出さんが推奨する「ダウンロード的読書から自分を変える読書へ」(詳細は本書を(笑))。
一人一人読書スタイルは違って当然ですし、私は毎日本を読むモノとして、非常に参考になりました。
本好きなら迷わず読むべし!
【関連記事】
【本】「打たれ強くなるための読書術」東郷雄二(2008年02月20日)【読書】本200%活用ブック(2007年10月02日)
【速読・多読・省読】「キラー・リーディング」中島孝志(2007年09月29日)
【本】「本を所有することについて考えてみた」(2007年09月22日)
【読】読書や速読について考えてみる(2007年06月30日)
【読書術】「差がつく読書」樋口裕一(2007年06月15日)
「レバレッジ・リーディング」本田直之(2006年12月06日)
【編集後記】
◆今日ご紹介した本には、付録として「読み方を教えてくれる本」という本リストが付いています。大体知ってましたが、コレちょっとは見落としてました(汗)。
レビューを読むと、「読書術」の本らしいので、一応チェック!(ジャンル的にウチのブログとしては微妙ですが(汗))
ご声援ありがとうございました!
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久々にアマゾンアタック、数冊いかせて頂きましたー!いつも良書のご紹介、ありがとうございます^^
遅読派の私もそろそろ速読を身につけるべきかとフォトリーのお話が出るたびに思います。でもフォトリーで文学作品は楽しみにくいですよね?うーん。まずはこの本から練習してみたいと思います。
またしても記事にリンクしていただきありがとうございます。おかげさまでアクセス数が過去最高になっております(汗)。単純に嬉しいです。
また、同じ本の紹介でも注目されている観点が自分と違って、とても勉強になります。
げげげー、数冊アタックですかー。
もはやそちらに足を向けて寝ることができませぬー(汗)。
フォトリーで文学作品は確かにそぐわない、というお話を聞いた事があります。
そこでほら、「smoothメソッド」ですよっ!
「一字一句全部読む」
これ最強(?)!
>Masterさん
そうそう、例の「就活」の記事からも行ってるハズです。
なんかGIGAZINEさんのヘッドラインニュースの一つになったようで、夕方からあの記事に雪崩れ込んでおります。
遅ればせながら、登場です(汗)
東洋経済の最強の読書術を見ました!
あれを見ると、ほんと読書の方法って
その人なりのやり方ってのが確立されてるなぁって思います。そこまでいく過程で、守離破があるんでしょう。そこを纏めたら本になるんじゃないでしょうか?
結構ねらい目だと思うんですが、smoothさんの立場なら出来そうですよ。
東洋経済、チェックありがとうございます。
あれをアマゾンで売ってくれれば(遠い目)。
なお、読書術については、私は「一字一句派」なので、流行らないと思われます(笑)。